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    『九月が永遠に続けば』沼田まほかる

    評価:
    沼田 まほかる
    新潮社
    ¥ 660
    (2008-01-29)
    Amazonランキング: 7695位

    高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか―― 。
    人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。
    第5回ホラーサスペンス大賞受賞作!
    何ヶ月か前に本屋さんで猛プッシュされていたのと、小奇麗なタイトルと作者名に惹かれて内容も知らずに読んでみたけど…微妙なところ。

    内容はざっと、
    最愛の夫を他の女に奪われ、それからは息子と二人健気に(母的には)生きてきたのに、今度はまたその大切な一人息子が忽然と姿を消してしまうというミステリ(じゃなくてホラーか)。

    元夫の娘の彼氏と関係を持つとか、とにかく人間関係が複雑というか、狭いところでややこしい。
    元夫の今の妻の過去の不幸さ加減が半端ないというか、読んでいて気持ち悪くなるぐらい(鬼畜系?)。
    なのであまりの描写の痛々しさに、てっきり男の人の書いた本かと思いました。
    これを女の人が書いたというところがすでにホラー。

    ただ、そこを乗り越えれば、ああ、こういう人物像が描きたかったのか…というか、魔性?

    息子を持つ身としては(まだ2歳にもなってないけど)、これはあまりに悲しすぎる結末。
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      『オイアウエ漂流記』荻原浩

      評価:
      荻原 浩
      新潮社
      ¥ 882
      (2012-01-28)
      Amazonランキング: 18158位

      南太平洋の上空で小型旅客機が遭難、流されたのは……無人島?
      生存者は出張中のサラリーマンと取引先の御曹司、成田離婚直前の新婚夫婦、ボケかけたお祖父ちゃんと孫の少年、そして身元不明な外国人。てんでバラバラな10人に共通しているのはただひとつ、「生きたい」という気持ちだけ。
      絶体絶命の中にこそ湧き上がる、人間のガッツとユーモアが漲った、サバイバル小説の大傑作!
      久方ぶりに本屋さんをうろうろしていて、荻原さんだし、帯に「爆笑と感泣を保証します」とまで書いてあったので、期待を込めて買ってみた。
      家に帰ってアマゾンのレビューを見たら評価が意外に低いので「あれれ」と驚いた。
      とりあえず読み始めたら、「え?全然面白いよこれ」という感じ。

      無人島に来てさえも部長たちにあごでこきつかわれ、取引先の御曹司に気を遣わねばならない平社員の塚本君の涙ぐましい努力とか、取引先のお馬鹿な二代目にへこへこする「螢僖薀瀬ぅ硬效漏発」の部長、課長の図式も分かりやすくて、この関係性がなかなか崩れないのが、日本人の悲しい性というか、会社に戻った時のことを考えるあたりは楽天的なのか。

      昔取った杵柄、でサバイバル生活に大活躍の、たまに生きてるのかどうなのかわからなくなるおじいちゃんや、これ以上ないくらいに子どもらしい子供、孫の仁太の可愛さもさることながら、副操縦士代わりの賢いセントバーナード犬や、ぶりぶりキャラだけどブラックな新妻早織さんや、オタクっぽくてキモキャラ夫の昌人の豹変振りや、謎のマッチョな外国人のサイモンさんといい、とにかくキャラが濃くて面白い。

      でも、そこはやっぱり無人島生活。

      安心して読んでたら時々ガツンガツンと頭を叩かれた、みたいな衝撃。
      うーん、そうなったら嫌だなぁ的な展開もあったりして、面白さ半分、読後感は微妙。
      「生きる」ということはそういうことなんだと、仕方ないんだけど…。

      良い意味で、とても荻原さんらしいサバイバル小説、という感じ。

      ちなみに無人島にひとつだけ持っていけるとしたら、ここはやっぱり「醤油」かな。
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        『真夜中のパン屋さん』大沼紀子

        評価:
        大沼紀子
        ポプラ社
        ¥ 651
        (2011-06-03)
        Amazonランキング: 2260位

        都会の片隅に真夜中にだけ開く不思議なパン屋さんがあった。オーナーの暮林、パン職人の弘基、居候女子高生の希実は、可愛いお客様による焼きたてパン万引事件に端を発した、失踪騒動へと巻き込まれていく……。
        期待の新鋭が描く、ほろ苦さと甘酸っぱさが心に満ちる物語。

        おお〜、これは大好きな坂木さんの「ひきこもり探偵シリーズ」と同じ匂いがする…と、一人で勝手に興奮。
        別にこのパン屋の兄さん二人がどうのこうのというのではないんだけど、ただ空気感が似ているなと。

        内容はというと

        舞台は、深夜のみ営業しているという町の小さなパン屋さん『ブランジェリークレバヤシ』。
        そこのオーナーであり、パン職人修行中の暮林さんのもとに、暮林さんの嫁の妹と名乗る一人の女子高生、希実がやってくるところから物語が始まる。
        そしてパン屋さんの二階に住むことになり、必然的に店の手伝いをするようになった希実は、『ブランジェリークレバヤシ』に集まる一風変わったお客たちと関わるようになり、彼らの騒動に巻き込まれ…。

        実の娘をあちこちに預ける無責任な希実の母親もかなり変だけど、ここに集まるお客さんたちも、覗きが趣味(?)のひきこもりの脚本家や、ホームレスのおかまさんなど、一筋縄でいかない人たち。

        そんな一風変わったお客さんたち(みんなかなり優しいと後でわかるけど)との絡みと、希実の学校でのイジメや、パン職人の弘基やオーナーの暮林さんの過去のお話などが入り混じり、みんなで仲良く大団円。

        弘基と希実の掛け合いが面白くて、電車の中で思わず噴き出すこと数回。
        面白くもあり、悲しくもあり。
        軽いようで重い。

        好きなキャラは自分で好きに想像したいので個人的にはできればそこはぼかしておいてほしかった。

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          『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾

          評価:
          東野 圭吾
          角川書店(角川グループパブリッシング)
          ¥ 1,680
          (2012-03-28)
          Amazonランキング: 271位

          悩み相談お任せください――。
          時空を超えて交わされる、温かな手紙交換。
          すべての人に捧げる、心ふるわす物語。

          あの時の回答は、あなたを救いましたか?

          あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は……。
          物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。
          東野圭吾が贈る、感動と驚愕の物語。


          生まれ育った小さな町で雑貨店を営む浪矢雄治。
          その苗字から子どもたちがからかい半分に悩み相談を持ちかけたことから始まって、いつの間にやら評判となった『ナミヤ雑貨店』
          そんなこととはつゆ知らず『ナミヤ雑貨店』に忍び込んでしまった三人組。
          そこで彼らが手にしてしまったのは、時空を超えて届いた一通の手紙。
          真剣に悩みを打ち明ける女性に、彼らなりのアドバイスを送ることに。
          そして相談者は次々と現れて…。

          『回答は牛乳箱に』『夜更けにハーモニカを』『シビックで朝まで』『黙祷はビートルズで』『空の上から祈りを』の五編からなる物語。

          過去や未来が入り混じり、全てのお話が一つの場所に向かって終結していき、そしてその場所の持つ意味が明らかになったとき、ふいに涙がぽろぽろと。
          「そういうことか」と理解したとき、とても暖かい気持ちになれました。

          とてつもなく大きな愛の物語。

          いつもの東野さんのとは違うけど、こういうのもたまには良いなと思える。素直に。

          でも、ナミヤさんが最初の頃に店先に貼り出した悩みと回答はまるで「生協の白石さん」のような。
          そして迷える子犬さんは、宮部さんのお話に出てきそう(もしくは宮部さん御本人のイメージかも)
          な感じがしてしまった。なぜか。

          ああ、あれがこうなって、こう繋がっていたのか、というのがとてもきれいにまとまって、それぞれのお話の主人公たちの相談の背後にあった真実もまた、涙なくしては…という感じ。
          不器用すぎる愛の形というか…。

          もしも迷える子犬さんのように、私にもその当時こんな相談相手がいれば…かえすがえすも残念無念。

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          『みんな邪魔』真梨幸子

          評価:
          真梨 幸子
          幻冬舎
          ¥ 800
          (2011-12-06)
          Amazonランキング: 13861位

          少女漫画『青い瞳のジャンヌ』をこよなく愛する狎弔は賛猷餃瓠1熟辰般兪曚魍擇靴狠翡女性たちだったが、あるメンバーの失踪を機に正体を露にし始める。飛び交う嘘、姑息な罠、そして起こった惨殺事件――。辛い現実から目を背け、ヒロインを夢見る彼女たち。その熱狂が加速する時、新たな犠牲者が……。殺人鬼より怖い平凡な女たちの暴走ミステリ。

          かつて彼女たちが少女だった1970年代、少女漫画雑誌に掲載され、絶大な人気を博したという伝説的漫画『青い瞳のジャンヌ』。

          掲載が未完のまま打ち切られ数十年経った今でも、ネット上では根強いファンに支えられ、その中でも特に熱狂的な人たち、お互いを怪しいハンドルネームで呼び合うファンクラブの主要メンバー六人。

          夫のDVに悩む41歳のエミリー、バツイチ子持ち43歳のシルビア、42歳で二人目の子どもを妊娠中のジゼル、無職で独身49歳のミレーユ、会のリーダー46歳のマルグリット、会のアイドル的存在で誰からも慕われる32歳のガブリエル。

          彼女たちそれぞれの家庭問題が露呈するなかで起こった最初の殺人事件。
          犯人はすぐに逮捕されたものの、なお次々と呪いのようにメンバーたちは事件に巻き込まれ…。

          『殺人鬼フジコの衝動』の著者 最高傑作 不快すぎて痛快イヤミス
          女のえげつなさに足をとられているとラスト絶対騙される!〜帯より〜

          だそうですが、途中で「もしや…」という感じ。
          「イヤミス」とは「嫌な気分になるミステリ」のことだそうで、そんな言葉も初めて知りました。
          結構「イヤミス」読んでるのに。

          でも本当におぞましかった。
          何が怖いって、やっぱり普通の人間の中に潜むどろどろしたものが一番怖い。普段隠してるから。

          会合で見せる顔と、それぞれの家庭内の顔とは全く別人で(当たり前か)、特に2章目の「ミレーユ」こと、稲子さんの話は本当に嫌な気分満載で、こういう母親の考え方、世間一般的かもしれなくて、それがすごく怖くて、頼むから離れてくださいと懇願したくなる。
          小町の相談に良くありそうな話かも。

          同世代のお話だけど、ここまで何かにのめりこむということがなかったので、こんなどろどろした世界とは無縁で良かったかなと。

          そんな私でも子供のころから愛読していた『ガラスの仮面』と『悪魔の花嫁』はまだ続いてるし、まあもし真澄さまとマヤちゃんが結ばれなかったりしたら、ちょっと怒るかも。

          単行本では『更年期少女』のタイトルだったそうで、装丁もタイトルもそのままがインパクト大で良かったのになぁという感想。

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            『モンスター』百田尚樹

            評価:
            百田 尚樹
            幻冬舎
            ¥ 760
            (2012-04-12)
            Amazonランキング: 2266位

            田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だった―― 。
            「美」の価値観を根底から覆す、『永遠の0』の著者、最大の問題作!

            百田さんの『永遠の0』を、読もうかなどうしようかなと本屋さんで手にとって迷っては元に戻し、を繰り返して早2年。
            とりあえずあまり考えずに読めそうなこちらから先に。

            物語は、誰もが振り返るような美貌の持ち主である主人公が、生まれ故郷に戻ってくるところから始まり、醜かった頃の彼女の壮絶な半生が語られる。

            高校生活の最後に、ある事件を起こして町を追われ、整形という手段に辿り着いた彼女が言葉通り身を粉にして稼いだお金を全て整形につぎ込み、何度も何度も手術を繰り返した末に、ようやく人並みの幸せを手に入れたかに見えたものの…。

            そして美貌によって大金を手にした彼女は、故郷でレストランをオープンし、ただ一人の客を待ち続け……。

            読んでる間中、ずっと誰かをイメージしようとしたけど、全く思い浮かばなかった(ちょっと前なら松坂慶子?)。
            ただ『嫌われ松子の一生』の主人公だけがなぜか頭をちらちらとよぎる。

            醜いからと誰にも相手にされずに幼少期を過ごし、それでも思春期は訪れ、恋もする。
            まだ物心つく前の、かすかな希望だけを胸に秘めてきた主人公が、過去をすりかえられて絶望してしまうというのもまあ分かるけど、その後の行動がちょっと理解に苦しんでしまう。
            それか、恋とはそういうものなのか。

            過去に出会った人物たちへ復讐を企んだり(出てくる男はみんなしょーもなすぎるけど)、顔はどんなに綺麗かしらんが、性格は決して褒められたものじゃなくて、整形をオープンにしながら、同じ職場でずっと働き続けられるのもすごいなと思ったし、その開き直り方もすごいなと。

            途中までは面白くて食い入るように読めたけど、最後の何ページめかでトーンダウンしてしまった。
            そんなに乙女だったのか…と、がっかりしたというか。
            もっと強い人だと思ってたのになぁという感じ。

            あまりに整形の描写がリアルなので、そんなに安くて簡単に済む手術ならと、ふと整形がしたくなってしまうような。
            ここまで綺麗だと不幸になりそうなので、ちょっとだけ。
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              『三匹のおっさん』有川浩

               還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。
              剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。
              ご近所に潜む悪を三匹が斬る!
              その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与え……。痛快活劇シリーズ始動!

              久々に時間を忘れて読みふける、ぐらい面白かった。

              内容はというと、
              60歳の誕生日に定年を迎え、時間を持て余し気味になってしまった物語の主人公の清田さん。
              還暦のお祝いの席で、息子夫婦とひと悶着。

              そんなこんなで、同じく暇を持て余す、ご近所さんの元居酒屋店主のシゲさんに声をかけられ、工場経営のノリさんも交え、自分たちの町の安全を守るため、夜な夜な見回りを始めた幼馴染の三人組。

              そして清田さんの孫である祐希のバイト先で起こる事件を皮切りに、痴漢や詐欺や動物虐待といった事件に次々と巻き込まれ……という感じ。

              定年を迎えて暇を持て余して…というのは、重松さんの『定年ゴジラ』のようなものかしらん、と思ったら、こっちの「おっさん(あえて、おっさんと呼ばれたいのだそう)」たちは、パワーが有り余ってるというか、下手な若者、中年よりも全然身体の鍛え方が違っててやたら強いし、変な武器持ってるし。

              事件の解決の仕方も、さすが、亀の甲より年の功…という感じで人生経験を積んだ大人ならでわの解決方法で、直接手を下さないのも良かったりする(でも、相手に与えるダメージは結構強烈そうで)。
              シゲさんの奥さんが出てくるお話の最後は、シゲさんに惚れ惚れしてしまったし、三人の中では比較的小柄で、体力のなさそうなノリさんのアブナイ戦いっぷりもかっこいいし。

              最初は悪態ついていた、いまどきの若者代表のような孫の祐希が、どんどん祖父を尊敬?するようになっていくのも微笑ましいし、祐希のアドバイスを素直に聞き入れてどんどんスタイリッシュになっていく清田さんが変わっていく様もまた素敵。
              理想的な祖父と孫の関係かな。

              私の中での清田さんは、もう少し若かりしころの宇津井健さんのようなイメージなんだけど。
              いかんせんきょーびの60才の方々は、若すぎて、キヨさんのイメージの俳優さんが浮かばない…。
              (なんせアルフィーの高見沢さんだって、あんなにキラキラツヤツヤなのにあと二年で還暦だというし。)

              有川さんの『図書館戦争』は残念ながら一冊で挫折したけど、この三人のおっさんたちの痛快な活躍ぶりは、続編もぜひ読んでみたい(文庫になってから)と思えたし。

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                『傍聞き』 長岡弘樹

                評価:
                長岡 弘樹
                双葉社
                ¥ 550
                (2011-09-15)

                 「おすすめ文庫王国」2012本の雑誌増刊国内ミステリー部門ダントツの第1位!!
                この20年で最高の傑作!
                仕掛けと感動の珠玉短編を堪能せよ


                と帯に書いてあったので、つられて読んでみた。単純なので。名前も知らなかったけど。

                中身はというと、

                病人を搬送中の救急隊員の行動が謎、な『迷走』
                女手一つで育てた刑事の娘の行動が謎(若しくは、服役中の犯人の行動が謎)、な『傍聞き』
                火災現場での消防士の行動が謎、な『899』
                更生保護施設を退所したばかりの元受刑者の行動が謎、な『迷い箱』
                の4編からなる、普通では考えられないような、不可解な行動を取る人たちの短編集。

                どのお話も何の説明もなくいきなり主人公たちが動き始める(?)のでちょっと躊躇してしまったし、最初は読みづらいなと。
                どこの誰?というか何してる人?というか…。
                なので、最初の2ページぐらいで断念しかかったけど、何とか気を取り直して読み進め、登場人物の謎の行動の謎も最初は分からぬまま(状況がよく掴めなくて)、最後に「なるほど、そういうことだったのか」という感じ。

                その最後の納得感が、予想だにしていなかっただけに、大きいというか、謎が全て解けて、すっきりさわやか。

                表題作の『傍聞き』と『899』の伏線には、私のゆるゆるの涙腺がやられてしまったし。

                これを読み終わってすぐに、『陽だまりの偽り』も買いに行ったぐらいなので、なかなか中毒性のある作者さんかも。






                 

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                  『夜行観覧車』湊かなえ

                  評価:
                  湊 かなえ
                  双葉社
                  ¥ 1,575
                  (2010-06-02)

                  ――ママが怒って、あたしを殴り殺すの? そんなことやったら人生終わりだって、向かいのおばさんが実証してくれたばかりなのに? まさかママも、そこまでバカじゃないでしょ。

                   

                  まるで下界を見下ろすかのような坂の上にある高級住宅地「ひばりヶ丘」。

                  そんな「ひばりヶ丘」の模範的な住人、絵に描いたように理想的なエリート一家「高橋家」で起こった殺人事件。
                   

                  事件現場となった「高橋家」の向かいは、目印にまでされてしまうほど「ひばりヶ丘」に似つかわしくない小さな家、中学受験に失敗し、すっかり卑屈になってしまった一人娘が母親相手に苛立ちをぶつける声が四六時中近所に響きわたる「遠藤家」。

                   

                  そして両家の様子をたえず伺っている、「ひばりヶ丘」の古くからの住人、遠藤家の隣家、「小島家」の主婦さと子。

                   

                  癇癪持ちの地味で目立たない「遠藤家」の一人娘は、事件の後、まるで楽しむかのように事件に異様な関心を示し、「ひばりヶ丘」に家を持つことに異様なまでにこだわっていた母親は、そんな娘の姿を目の当たりにし、あの夜、思いとどまったはずの一線を越えてしまいそうになり……。

                   

                  ≪父親が被害者で 母親が加害者――。

                  高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。

                  遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。

                  その家族と、向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。

                  『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。 〜帯より〜≫ だ、そうで。


                  『告白』以降の湊さんの作品の中で初めてそそられたので読んでみたけど、やっぱり『告白』ほどのインパクトはなかった。

                   

                  どこにでもいそうな、少しずつ歪んでる人たちの描き方はものすごく上手くて、そのせいか登場人物の誰にも感情移入できなくて、読んでいて嫌悪感しかわかなくて…。

                   

                  人気アイドルによく似ているという「高橋家」の次男の存在も、なんだか中途半端な気がしてしまったし、事件の動機も、いつまでもそんな風に思うものなのか、私には良く理解できなかった。

                  遠藤家も、それでいいのか
                  ?という感じだし、ミステリアスな小島家も、なんとなくは解ったけど、なんとなくだけで。

                   

                  タイトルの意味も私には良く解らなくて、ラストも「え、何それ」というか、なんだかとてももやもやしたまま終わってしまったという感じ。

                  「ひばりヶ丘」は、ビバリーヒルズのもじりなのかな?

                  読み終わってから帯の「家族小説」というのを見て、なんだ、そうだったのかというか…。

                   

                   

                  しばらく更新しないうちに、すっかり書き込み方を忘れてしまって、TBもコメントも、ほったらかしで…コメントやTBを返せなかったみなさん、ごめんなさい。


                  実はブログをお休みしていた間に結婚し、つい先日、男の子を出産いたしました。
                  ただいま産休中なので、子どもが寝ているつかの間に、少しずつ更新できたらなと。


                  私自身のリアル「家族小説」は、少なくともここに出てくる家族よりは上手くいくといいなという感じ。

                   

                  0

                    『光』三浦しをん

                    光

                    三浦 しをん 2008/11/30発行 集英社 ¥1,575 P.297
                    ★★★★
                     不幸というなら、これのこと。
                     求めたものに求められず、求めてもいないものに求められる。よくある、だけどときとして取り返しのつかない、不幸だ。

                    東京都とはいうものの、全島民がわずか271名の、小さな、そして自然が残る美しい島、美浜島。

                    島で生まれ、島で育ち、この島をどこよりも美しいと誇りに思う信之は、たった一人のクラスメイト、島で一番美しい幼馴染の美花と過ごす特別な夜だけを待ち侘びる、少し大人びた中学生。

                    美花からの呼び出しを受け、信之がこっそり家を抜け出しみんなが寝静まった夜、島は突然の大津波に襲われ、全てが波にさらわれた中、生き延びたのは信之と美花、信之を兄のように慕い、信之の後をいつもついて回る、卑屈で卑怯な輔(たすく)、の三人の子どもたちと、ろくでなしの三人の大人たち。

                    そして自衛隊による必死の救助活動が続き、避難生活を強いられた子どもたちは、死体の山となったこの島で、重大な罪を犯してしまった。

                    それから20年の歳月が過ぎ、慎ましく堅実に、平凡な家庭を築き上げていたはずの信之の前に、突如輔が現れたことから、一つの罪を覆い隠すための、さらなる罪に手を染めることに…。

                    「暴力はやってくるのではない。
                    帰ってくるのだ。
                    理不尽をかいくぐり生きのびた魂に、安息は訪れるのか。
                    渾身の最新長篇。」だ、そうで。


                    これはまた、なんとも救いのない暗い暗いお話で(こういうのかなり好きだけど)…。

                    全て分かっていながら、罪を正当化しようとする醒めきった信之も、性を売り物にして這い上がろうとする美花も、父親の虐待から逃れられない卑屈な輔も、輔の父親も、信之の妻も…登場人物の誰一人として救いようがなくて「光」はどこにも全くなくて、みんながみんな「影」のよう(美花が信之の光だったとはとても思えないし)。

                    これほど暗い暗い話だし、津波の後の島の様子も淡々と描かれている分、かえって怖ろしいし、かなり共感できる言葉もたくさんあったのに…なのに、それほどのパンチがないというか(装丁はインパクトあったけど)、今ひとつの「重み」が感じられないのは何でかなと不思議に思えてしまった。

                    東野さんの『白夜行』や、重松さんの『疾走』や、宮部さんの『模倣犯』や、吉田さんの『悪人』ような、理不尽に対するどうしようもないやり切れなさというか、怒りというか、苦しみというか、そういうのがあまり伝わってこなかったような…(汚いものが、汚く見えないような感じがするのは、文章が綺麗すぎるのかも)。

                    とは言え、求めたものには求められず、求めてもいないものに求められるという不幸、という一節は、かなり心につきささってしまったし(前者の立場でかな)、刑罰が人を救わない、という一文も、かなり強く心に響くものがあったかなと。

                    JUGEMテーマ:読書


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