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    『カシオペアの丘で』重松清

    カシオペアの丘で(上)カシオペアの丘で(下)
    カシオペアの丘で(上)カシオペアの丘で(下)
    重松 清 2007/5/31発行 講談社(上)(下)各¥1,575
    ★★★★
     ひとを一度も傷つけることなく、誰かに一度も悲しい思いをさせることのない人生は、この世にあるのだろうか。わたしにはわからない。誰からも傷つけられたことがなく、悲しい思いを一度もしたことのない人生は――よかったね、とは思うけれど、幸せだったね、と言えるのかどうか、わからない。
     傷つけて、傷つけられて、悲しい思いをさせて、悲しい思いをさせられて、だからひとは遠い昔から星の物語を語ってきたのだと思う。太陽が沈んでから空に浮かび上がる星たちに、悲しい神話をあてはめてきたのだと思う。

    かつて炭鉱で栄えた町、北都。

    かつて炭鉱だった場所の、山を削り取った跡に出来た、名もなき丘。
    彼らが生まれた年にこの町で起こった悲しい出来事を、まだ何も知らなかった小学4年の頃、こっそり登ったこの丘の上で星空を見上げながら誓った4人の仲間「シュン」「トシ」「ユウちゃん」「ミッチョ」。

    おとなになったらここに絶対遊園地を作ろう――。

    そして30年の月日は流れ、その約束は図らずも守られたものの今ではすっかり寂れてしまった、見捨てられた町の人気のない小さな遊園地、「カシオペアの丘」。

    あの日の約束の後、炭鉱で起こった事故の全貌を知り、当時の炭鉱の責任者であり、この町の独裁者、そして人殺しと呼ばれた祖父を赦せず、北都の町を去り「倉田」の姓を捨て、東京で所帯を持ち、人並みの幸せな生活を送っていたはずの「シュン」が体調に異変を感じ、余命いくばくもないと告知を受けたことから、今はばらばらになってしまったかつての仲間4人の人生が再び重なり合うことに…。

    彼らを再び「カシオペアの丘」に呼び寄せたのは、北都から遠く離れた東京で起こった痛ましい少女の殺人事件。

    犠牲となった少女が、最後に親子三人で幸せな時間を過ごしたという「カシオペアの丘」を再び訪れた少女の父親は、たった一人の理解者だったはずの妻の裏切りをゆるすことができず「死に場所」を求め…。

    かつて北都の町を思うがままに支配し、町の人々から畏れられていた「シュン」の祖父もまた最期、何かに縋りつくように「カシオペアの丘」を見下ろす場所へ…。

    「ガン」を受け容れ、死を覚悟した「シュン」は、かつての仲間の「ゆるし」を得るために、「カシオペアの丘」へ、愛する家族とともに…。

    そして約束の地「カシオペアの丘」で、「シュン」は仲間たちとの再会を果たし…。

    「北海道の雄大な自然を舞台に描く、重松清の最高傑作!
    命と、愛と、町をテーマに生まれた感動の物語。
    肉親を、
    昔の恋人を、
    自分を苦しめた町を、
    裏切った妻を、
    そして自分自身を、
    人は心の底からゆるすことができるのか。
    圧倒的なスケールと迫力で読む者の魂をふるわせる、3年ぶりの長篇小説。」だ、そうで。


    読む前から、これはかなり「しんどい」本かなと恐る恐る読んでしまった(上、下巻という時間的なこともそうだけど、内容も重そうで…)。

    で、読み終わって、たまたま今朝の「京都新聞」に掲載されてた重松さんのインタビュー記事に、この本のことが書かれてて、改めてこの本に託された想いが良く分かったというか…。

    テーマは「ゆるし」ということで、その「ゆるし」が他人からのであったり、自分自身をであったり…。

    そして「生きることは、ゆるしたり、ゆるされたりの繰り返しではないか。…」と(その記事を読むまで、正直「ゆるし」の本当の意味が、私には分かってなかったのかもしれないなと…なんとなくもっと大げさなものかと思ってたから、この本に出てくる「ゆるし」という言葉を身近には感じられなかったというか)。

    なので記事に書いてあった「自分がここに居ることを肯定したい」がための「ゆるし」というのを読んで、初めて「ゆるし」の意味がすごく分かったような。

    「末期ガン」であることを告知されてから、死を受け容れるまでの「シュン」や家族の葛藤や、それからの描写があまりにもリアルで、苦しそうで見ていられないほどで、これを機に煙草をやめようかなと、これまで一度も考えたことないことを考えてしまうほど、本当に「ガン」の恐ろしさをまざまざと見せ付けられてしまったし。

    かつて町を栄えさせていた「炭鉱」の事故も、実際に夕張炭鉱であったことで、そのシーンもかなり心が痛くなるし、祖父の決断も、それから背負わなければならなかったものの大きさも、その孤独もいかばかりかと…、祖父だって「ただの人間」なのに、と思うとやりきれなくなるというか、どれほど苦しかったことだろうと。

    だけど「ゆるさない」ことを生きる支えとした「トシ」の母親の気持ちも、痛いほど解るし。

    「死」というものは、この世からいなくなる人間のことだけではなく、残された人間の感覚でもあるというか、上手く言えないけど、だから周囲の大切な人達を哀しませないように生きていられる間は、生きていかないとなと…(本当に上手く言えないのがもどかしいけど…)。

    ただ理解できなかったのは、娘を殺された母親のことと、「シュン」のかつての恋愛の顛末。

    多分私は重松さんの描く、大人の女性(特に既婚者)とは相性が悪いみたいなので、その二人の感情は解せない(「シュン」の妻に対しても、そんな過去のこと、もうどうでもいいんじゃないの?と、しつこさを感じてしまったし…それとも男の人って、そんなにひきずるものなのか?と)。

    そして、4人の仲間の中で一番共感できたのが、唯一独身の「ユウちゃん」というのは、やっぱりちょっと悲しいことなのかもしれないなと(まあ、いろんな意味で…)。

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      『ああ正妻』姫野カオルコ

      ああ正妻
      ああ正妻
      姫野 カオルコ 2007/3/30発行 集英社 P.280 ¥1,680
      ★★★★★
      「小早川くんの奥さんというのは、そんなにすごい方なのですか?」
      事実をそのまま語ったところでだれも信じまい。かくして雪穂は、いちどたりとも一瞬たりとも躓くことなく、ひかりかがやく日なかを歩いていくだろう。白い夜ではなく。これまでそうだったように、これからも。主観でのみ生きることの、その鋼鉄の強さ、ダイヤモンドの清澄。なんぴともかなうまい。
      「……大きな窓と小さなドアのある家で、レースを編むような方です」

      ごくごく普通の家庭に育ち、有名私大を卒業後、「ためしに受けた」競争率の高い大手出版社にめでたく入社を果たした、謙虚で自己顕示欲のないまじめな男、これまで複数の女性になどもてたこともない目立たない男、小早川正人。

      そんな小早川の経済力と人柄に「男」としてではなく「夫」としての素質をいちはやく見抜き、デートに誘い、少々こずるい手を使って結婚にまでこぎつけたのは、お嬢さま女子大出身で、同じ出版社でアルバイトをし、「自らの水着姿のテレホンカード」配りで一躍有名になった「噂のバイト嬢」雪穂。

      そして高給取りなうえに、何もかも自分の思うがままになる夫「魔法の杖」のような小早川を手に入れた雪穂が、二人の女の子をもうけ、夢に描く幸せな家庭を築き上げていくのと反比例するかのように、小早川はどんどん自分の居場所をなくしてしまい……。

      小説家、瓶野比織子(かめのひおるこ)が、10年来の知人である大手出版社の編集者、小早川正人から聞かされてきたという結婚生活の全てを、嘘いつわりなく書き上げた(という体裁の?)「いくらなんでもありえない」理不尽な(小早川にとっては)結婚生活を描いた長編小説。

      『ゴールインしてから始まる物語
      奥さんという問題、夫という病。
      妻はミッションスクール卒の「お嬢さま」、娘2人も妻の母校に通い、恵まれた結婚だと人は言う。しかし、その驚愕の実態とは…。』だ、そうで。


      ありえなくもない話だなと思えてしまうのは、友達の話を聞いてても、女の人の結婚観って結構みんなこんな感じかなと…(男の人が聞いたら憤慨しそうだけど)なるほど、こうやって女は自分の思い描く幸せを掴むのかと、それができない私には羨ましいお話で。

      まあ、雪穂も雪穂だけど、小早川も小早川で「妻を性欲の対象として見た事はあっても、愛情を感じたことが一度もない」ことに気付いて愕然としているぐらいだから、これはこれでバランスの取れた夫婦なのかもしれないなと。

      結婚って…したことない私には、こんなことが結婚なら、やっぱりちょっと考えられないなと、改めて考えさせられてしまったかも(まあ、どちらかというと小早川の立場で読んでしまったので、散歩に出かけるのにさえ理由が必要なんて、そんな不自由な生活は絶対耐えられそうにないなと)。

      ところどころ急に話が飛んで、誰の話かわからなくなったり、難しい話になったり、余計な話が多くてよみづらいところもあったけど、ぶさいくなのに、社内人気ナンバーワンの、吉見のもてる理由や、ベストセラー本『しこめのいいわけ』(『負け犬の遠吠え』のこと?)の分析のくだりはなかなか納得で、小早川の身の上を表す「ドナドナ」や、『白夜行』をもじった『白い夜を行く』(妻の雪穂の名前がここから来ていたとは…)にはかなりウケてしまったし。

      そして最後の、小早川の妻への反撃のあまりのしょぼさにも…。

      懐かしい小坂明子の『あなた』の歌詞もこの本の中に出てきたけど、あれって本当はとても悲しい歌だったのだなと、大人になってから気付いてショックを受けた私には、あの歌に出てくるような理想の結婚像(家庭像?)というものが全く浮かばなかったりする…(描くだけ虚しくなるような気がしてしまって)。

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        『夏の日のぶたぶた』矢崎存美


        夏の日のぶたぶた
        矢崎 存美 2006/8/31 徳間デュアル文庫 P.170 ¥620
        ★★★★
        夏休みに入ってからの数日間は、いったい何だったんだろう。あの古い家にいたぬいぐるみは、本当に存在していたのか。ふるまってもらった冷たいお茶やおやつも、たっぷりの昼食も、実際に食べていたんだろうか。ぬいぐるみがしゃべり、ものを食べ、ビールを飲んだり、本を読んだり、行水をしたり、料理をしたり、車を運転したり――そんなこと、起こるはずもないことじゃないか。

        母親が弟だけを連れて実家に帰ってしまい、父親の元に一人取り残された「菅野一郎」中学二年の夏休み。

        父親の営むコンビニを手伝い、配達に向かった先は、近所では「幽霊屋敷」と呼ばれる、用がなければあまり近づきたくない山の中の別荘地。

        恐る恐る、注文のビール一ケースを手にした一郎がドアをノックしてみると、中から出てきたのはピンクの小さなぶたのぬいぐるみ…!?

        その日から「ぶたぶた」のいる別荘に足繁く通うようになった一郎が、幼なじみの久美に誘われた小旅行に、「ぶたぶた」にも同行して欲しいと頼み込み、久美にはただのぬいぐるみだと言いくるめ、三人(?)で電車に乗り込み向かった先は……。

        「実家に帰ってしまった母親。どことなく元気のない幼なじみの少女。いつもとちょっと違う夏休み。子供以上大人未満な少年時代をやさしい筆致で描く書き下ろしハート・ウォーミング・ノベル。
        大人気シリーズ《ぶたぶた》書き下ろし最新作!!(2006年8月時点での)」です。


        今回は私にとっては初めて読む「ぶたぶたさんシリーズ」の長編で、しかもぶたぶたさんはあくまでも脇役なので、ちょっぴり淋しい思いをしてしまった。

        とはいえ、一郎君のひと夏の物語は、もちろん心温まるとても良い話で。

        ただ、一郎君が考えた「ぬいぐるみの仕事」は「窓際に置かれて、淋しい人の話を聞いてあげること。その淋しい人って、僕のことだ。」というのは、まさしく「ぶたぶた」さんの本来の仕事なのかなと思えたし、でもやっぱり「ぶたぶた」さんは、それだけであって欲しくない存在というか、もっと癒されたいというか…存在を信じたいから、動かなくなってちょっとショックだったかも。

        何はともあれ、やっぱり今回も面白くて、可愛くて、ほろりとさせられて癒されて、短いからすぐに読めてしまう分物足りないけど、しっかり「ぶたぶた」さん。

        そして今回も、「ぶたぶた」さんの作る、「マンゴープリン」やお昼ごはん、ぜひ食べてみたいなと…でも、そのお手でどうやっておにぎりを……。

        うーん、たらいで行水してる「ぶたぶた」さんも、こっそり覗き見してみたいし。

        に、しても、ぶたぶたさんシリーズを最初から全部読みたいのに、何で最初の頃のは絶版で手に入れにくいのか…こんなに人気あるのに、みんなに読んでもらいたいのに。
        なので、是非是非再出版(?)重版(?)してくれないかなとお願いしたくなったりする(誰に?出版社さんに…)。
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          『明日この手を放しても』桂望実


          明日この手を放しても
          桂 望実 2007/6/20発行 新潮社 P.253 ¥1,365
          ★★★★★
           大嫌いなんだ。同情してますって顔で近づいてくるヤツが。障害者の妹がいるってだけで顔を曇らせたり、親父やお袋の話を聞いた途端に優しい声を出すヤツら。
           俺の気持ちを想像してるのか? 想像なんかすんな。
           誰にもわからない。
           常に抱えている痛みをどうにもできなくて、困ってる。
           痛みだけじゃない。耐えられないほどの、強烈な虚しさをずっと抱えてる――それが、俺だ。凛子だ。

          大学二年生の夏、原因不明の病気から突然全盲となってしまった篠田凛子。

          それからは外部との接触を避け、引き篭もる生活を送っていたものの、半年前に篠田家の精神的支柱であり、収入源であった母親を事故で亡くし、父親と兄との暮らしのなかで、あまりの部屋の荒み具合に耐えられなくなった潔癖症の凛子は、掃除道具を揃えるために一人で外へ出る事を考え始めることに。

          凛子がようやく前向きに生きようと考え始めた矢先、今度は漫画家だった父親が突然謎の失踪をしてしまい、その日から、凛子が思うところの「だらしない兄」真司との二人きりの生活が始まった。

          自分にふりかかる何もかもを誰かのせいにして、不満ばかりを口にし、常に怒りをぶちまけてばかりいる兄、真司。

          世の中の全てのことを客観的に捉え、真司の激昂にも冷静に対処する妹、凛子。

          そんな全く対照的な性格の「仲の良くない兄と妹」が、父親の仕事を引き継ぐ形で始めた漫画の連載を共同作業でこなしていくことで、お互いの欠点や長所を認め合いながら、12年の歳月は流れ……。

          『恋人でも友達でも親でもないけど、でも、やっぱりすごく大事な人……。
          こんなのと血が繋がってるなんて、最悪!――十九歳で途中失明して夢を失った「可愛く」ない妹・凜子と、短気な上に自分勝手で「文句ばっかり」の兄・真司。漫画家の父親がいきなり失踪した日から、二人きりの生活が始まった。一番近くにいても誰より遠い二人の未来に待っているのは? 家族の愛がぎっしり詰まった感動の長編小説。』だ、そうで。


          兄、真司の分かりやすい性格がなかなか面白くて、最初のうちは冷静すぎる凛子の、兄に対する見方があまりにも冷たいような気がしたけど…(変に優しい人より、よっぽど好感が持てたし、いつの間にかちゃんと、時計に合わせて物のある場所を教えること学んでたりするし、兄なりに見えないところで努力してたんだなぁというか)。

          お互いに、自分にないものを持ってる相手のことを認め合って、自分の欠点を補っていくところは、何だか恋人同士のようでもあり、こんな風にならなければ、一生もしかしたら嫌いあってたのかなと思うと、二人きりの兄妹なんだから、こうなって良かったのかなとも。

          ただ、父親の失踪の件がどうにも不可解だし、中途半端な感じがしてしまった。
          編集者の西尾の変貌も(と、いうか最初からそんな人だったのか…)後味が悪くて。

          装丁の表が凛子だとすると、裏は真司なんだろうけど、あまりにかっこ良すぎるので、そのイメージで読んでしまったから、女に振られてばかりいるのが納得できなかったりもするし(振った女の方にかなり問題もありそうだったから、結局は真司に見る目がなかっただけなのか)。

          タイトルがなかなか好きな感じだったので、期待しすぎたのかもだけど、もう少し先を読んでみたかったような……ちょっと残念。

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            『シャトゥーン−ヒグマの森』増田俊成

            シャトゥーン―ヒグマの森
            シャトゥーン―ヒグマの森
            増田 俊成 2007/2/24発行 宝島社 P.342 ¥1,680
            ★★★★
            …ヒグマは、とくにシャトゥーンは、一度欲しいと思った物は必ず手に入れる。それを邪魔されれば今度はその邪魔した相手を執拗に追って、殺すまであきらめない。今こうして小屋に閉じ込められてギンコに繰り返し攻撃されているのは、決して偶然ではなく、シャトゥーンに遭遇してしまった自分たちの必然の運命であった。薫たちがこの小屋から生きたまま脱出するためには、ギンコを殺す以外に道はないのだ。だが、どうやって……。

            誕生祝いと婚約祝いを兼ねたパーティーを開くため、日本最北の大森林地帯、北海道大学の所有する天塩研究林の中に建てられた「猛禽類研究所・北ノ沢小屋」に集まった6人の男女。

            この研究所で働く鳥類学者の土佐昭、昭の双子の姉薫とその娘、美々。
            昭の研究に傾倒し、日本に留学してきたフィンランド人のバーヤネンとその妻、眞伊子。
            そして、薫の仕事仲間の瀬戸。

            ところが薫たちが小屋にたどり着くと、そこには「仲間がヒグマに襲われた」と、小屋に逃げ込んできた密猟者の西という招かれざる先客の姿が…。

            そして全員が揃ったのを見計らったかのように、厳寒仕様の簡易プレハブ小屋を激震が襲い、その正体に気付いた頃には、一人、また一人と、西の散弾銃によってより狂暴化したシャトゥーン(秋に食いだめに失敗し、冬眠できずに徘徊する「穴持たず」のヒグマのこと)の餌食となり、残された者もまた、完全に孤立した小屋の中で逃げ場を失い……。

            「5トンのマイクロバスを持ち上げる腕力
            100メートルを7秒で走る脚力
            ワンボックスカー並みの巨体
            ライオンやトラを凌ぐ破壊力
            ベテラン猟師を出し抜く知恵
            地上最大最強の肉食獣――誰も“シャトゥーン”から逃げられない!
            『このミステリーがすごい!』大賞 第5回優秀賞受賞作」だ、そうで。


            『ジョーズ』や『アナコンダ』みたく、面白いように人間が次々とぱくぱく(そんな可愛いもんじゃないけど)食べられていくけど、まあ、ここまでやられたら逆に気持ち良いというか…こんなもんに襲われたらどないもこないもないというか、強すぎて、賢すぎてお話にならない。

            一番怖かったのは、襲われた人達の心象風景というのか、どれだけ食べつくされようとも、死の直前まで意識があるというところ…(実際こんなんなら、本当に今すぐ殺してと神様に祈ると思うぐらいに痛々しいし、グロいし、こんな気持ち悪いの初めてかも…て、そこまでいったらもう気を失ってたいし…)。

            自然を守ろうとする昭たちのやろうとすることはなかなか説得力があって、また、その意見を無視してすぐに結果を出したがる人間の愚かさというか、その結果がもたらした自然破壊というのも、すごく分かりやすく書いてあるなぁと。

            ただ、犠牲者が出たところで、それほど悲しむこともなく、落ち着いてお茶を淹れたり、談笑(?)しているような、この人たちは全員頭おかしいのでは…と思える描写が気になったし(まず、散弾銃を向ける西を、全員で縛るなり何なりすれば良いのに…と思えてしまったし)、主人公の薫親子の贅沢さが鼻について、正直助かってほしいとは思えなかった。

            どちらかと言えば、子連れのヒグマ「ギンコ」を応援してしまいたくなるような(ここに出てくる人間は、誰が襲われてもあまり可哀相と思えなくて…)。

            なので、この終わり方には、ちょっとほっとしてしまったかも。

            そして、ギンコを倒せる人間がいるとすれば、きっと「はじめの一歩」の鷹村さん以外にいてないのではないのかなと思えてしまった。
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              『anego』林真理子

              anego
              anego
              林 真理子 2007/6/11文庫化 小学館文庫 P.499 ¥650
              ★★★★
               よせ、よせと誰かの声が遠くから聞こえる。そんなことを聞いてどうするんだ。いつもあんたって、そういうことをして幸せをつかめないんだ。世の中には目をつぶっていた方がいいことがいっぱいあるんだよ。ちょっとの間、目をつぶっていさえすれば、時間がきっといいところへ連れていってくれる。みんなそうして幸せをつかんでいるんだ。どうしてそれがあんたは出来ないんだ。

              丸の内の大手商社の一般職として入社し、同期や後輩たちが次々と商社マンの妻として華々しく海外に散らばっていくなか「結婚なんて、その気になればいつでもできる」と、高を括っていたものの、ちやほやされる時期はとっくに過ぎ去り、後から後から入ってくる派遣の若い女の子たちに社内の目ぼしい男は持って行かれ、気が付けばいつの間にか「アネゴ」と呼ばれ、後輩達の相談役という損な役回りを引き受けざるを得なくなってしまっていた32歳、独身の野田奈央子。

              男を諦め、身なりにも気を遣わなくなって気楽に自分たちの趣味に走る独身の先輩達の仲間にだけは入るまいと、人一倍努力し、身だしなみにも細心の注意を払っていたおかげで、奈央子に憧れ、慕ってくれる後輩は多く、持ちかけられる相談事は後を絶たず、その度に持ち前の正義感と手際の良さで解決してきた奈央子。

              他人の悩みは解決できても、奈央子自身のことはと言えば、身体だけの関係でだらだらと続けてきた男はいたものの……。

              そして、申し分のない条件のはずのお見合い相手や、はずみで寝てしまった社内の年下の男との関係もあやふやな奈央子は、あろうことか自分自身が最も嫌悪していたはずの「不倫」関係にすっかり嵌り込んでしまい……。

              「あの人気ドラマの原作本 痛快!アネゴ野田奈央子リターンズ!OLの性も、派遣の怒りも、みーんなリアルに描いた林真理子の代表作、ついに文庫化」だ、そうで。


              ドラマは見てなかったけど、確かこんな恐ろしげな展開ではなかったはずではと(かなりあっちはコメディータッチではなかったのかなと…)。

              なので、ちょっとびびってしまった(中盤辺りからは、ホラーかと思えたほどで)。

              林さんと言えば、まだ私自身が恋愛に色んな夢を持っていた20年以上前に何作か読んだきりで、当時はあんまりピンと来なかったし好きではなかったけど、この本に出てくるようなことを数々経験して、痛い目にもあったこの歳になって読んでみると、なかなか共感できるところがあって面白いなと…。

              それまで男に大事にされてこなかった自分自身の「諦め」を、今さらながら不思議に思うあたりなんて、本当に良く分かるし、奈央子の心の奥底にあるどろどろした部分は私も持ってるし、多分このぐらいの年齢の独身女性の多くは感じることなのではないかなと。

              ましてやこんな男に、こんな風に丁寧に扱われたら、誰だって深みに嵌ってしまいそうな…。

              なので、それまでクールだった奈央子が、ころりと無邪気な少女みたいになってしまうというのも仕方ないかなと(あまりの変わりようが、ちょっと気持ち悪かったりもしたし、「なんなのォ」みたいな、台詞の最後の「ォ」のねちっこさが、個人的にはとても嫌いだけど)。

              まあでもやっぱり奈央子さんは男を見る目がとことんないのかもしれないなとも(だから独身か?と。もちろん私も人のことは言えないんだけど…)。

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                『鹿男あをによし』万城目学

                鹿男あをによし
                鹿男あをによし
                万城目 学 2007/4/10発行 P.394 ¥1,575
                ★★★★
                 確かにおれはこの奈良という土地のことをほとんど知らない。知っていることといったら、せいぜい寺と大仏と鹿がいることぐらいだ。ひょっとしたら、おれが知らないだけで、堀田の言うように、本当に鹿に乗るなんていう習慣があるのかもしれない。何だか急に自信がなくなってきた。まるで異国に迷いこんだ旅人の気分だ。……

                助手との関係がぎくしゃくしていることを理由に「きみは神経衰弱だから」と、教授にうまく言いくるめられ、大学院の研究室から追いやられるかのように、二学期の間だけという期限付きで奈良県にある女子高に常勤講師として出向くことになった、研究員の「おれ」。

                女ばかりの女子高で、担任を受け持つことになった「おれ」は、赴任して早々クラスの女生徒「堀田イト」から嫌われてしまい、トイレに駆け込む日々を送ることに。

                けれども、与えられた講師の仕事をまっとうしようと心に決め、教頭から剣道部の顧問を任された「おれ」に、さらなる受難が。

                何の因果か「シカるべきときに、シカるべき相手から渡される」という「神宝」の運び番に選ばれたものの、重大な任務をしくじってしまい、印をつけられた「おれ」が、朝、鏡を見るとそこには鹿の耳が…。

                『「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」。二学期限定で奈良の女子高に赴任した「おれ」。ちょっぴり神経質な彼に下された空前絶後の救国指令!?「並みの天才じゃない」と金瑞人氏激賞!』だ、そうで。


                奈良が舞台なだけあって、何とも壮大なスケールのお話で、その発想も、歴史的背景も、全ての繋がり方が、流石としか言いようがないかな。

                しかも読んだこの日に、まさに大きな地震が起こったりしてるし、まんざらなさそうな話でもないように思えたし、そんなことが本当にあるのなら、あったらいいなと思えるお話で。

                大好きな干支のお話(なんで猫が十二支に含まれなかったかという…)も出てきたし、奈良が「寝倒れ」というのは初めて聞くお話で、何だかとても勉強にもなったし、何よりもおっさんの声で話す雌鹿に…もうやられまくりかも(登場人物には、あまり魅力を感じなかったけど、その分、神や動物たちの偉大さが活きていたような)。

                恋心一つで1800年もの間、約束を守り続けるというその想いに、最後は涙してしまったし。

                中学生の頃、遠足で行った奈良公園では、わらわらと近寄ってくる鹿さんたちにお弁当を横取りされて悔しい思いもしたし、二ヶ月ほど前に遊びに行ったときにも、鹿せんべい目当てに寄ってきた鹿さんたちに、背中から角でぐりぐりされたり、さんざん鼻水をなすりつけられたりもしたけど、鹿の純粋無垢(そうな)大きな黒目はものすごく可愛いし、人懐っこいし、こんなに鹿に触りたい放題できる奈良ってやっぱりいいなぁと、無性に奈良に住みたくなってしまった。

                ぽろぽろのふんさえも何故か可愛いし…。
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                  『華道界のプリンスが直伝する 美的生活のヒント』笹岡隆甫

                  華道界のプリンスが直伝する 美的生活のヒントAmazonで購入livedoor BOOKS書評/芸術・美術
                  ★★★★★
                  私たちは人生において、バラのように大きく美しい花を咲かせたいと考えがちです。
                  でも、自分だけが成功をおさめるというのは、きっと本当の幸せではありません。
                  私たちがめざすべき存在とは、カスミソウのような人ではないかと、私は思います。
                  だって、私たちはだれもが、他人を幸せにするためにこの世に生まれてきたのですから。
                  なぜかわからないけれど、その人と顔を合わせたら元気が出る。あなたの隣にもそんな人いませんか?
                  カスミソウのように他人を幸せにできる、そういう存在に私はなりたい。〜P.199(カスミソウ)より〜

                  知ってる人は知っている(たぶん)、テレビやラジオでもお馴染み(たぶん)の「華道界のプリンス」こと、未生流笹岡次期家元、笹岡隆甫さんが、2003年から2005年までの2年間、京都新聞の夕刊に寄せられていたコラム「秘すれば花」を大幅に加筆・訂正したものだそうで。

                  《人間、だれしも、ひと花咲かせたいと願います。でも、何の努力もせず、自分が認められないのは社会のせいだと、ふてくされていては、けっして花は咲きません。……
                  冬、まだ咲かぬ花が、私にそう語りかけてくれます。》P.033(まだ咲かぬ花に思いを)

                  《……甘やかされて育った若い世代は、「おれが」「私が」と自分のわがままを主張し過ぎる傾向があります。
                   全体の秩序を重んじ、それぞれが自分の役割を果たして助け合いなさいと、カキツバタの葉が教えてくれているようです。》P.055(カキツバタ)

                  《ユズリハという植物は、新しい葉が出てくると、古い葉が落ちてしまいます。新しい葉のために、自分の命をゆずる古い葉。
                   その姿は、人間の母子の姿に似ています。……》P.139(ユズリハ)

                  と、いうような、華道家の家に生まれ、幼い頃から花と親しみ、花とともに育ち、花を愛してきた笹岡先生ならではの、花に対する溢れんばかりの愛情とそして、生物としての植物から人間が教えられることの数々など、人としてこうありたいと思える言葉がふんだんに盛り込まれた、美的生活のヒント集。

                  『「たまには立ち止まって、一輪の花を愛でませんか」
                  なにげない一日の、なにげない一瞬が、花のように輝きだす102の美的ヒント集。』だ、そうで。


                  実は、笹岡先生は、私が以前勤めていた塾の生徒さんであり(なので一応笹岡君の小学生時代もちょこっと知ってたりする)、大学生になってからも講師のアルバイトとして来られていたときに一緒に働いていたので、「生」の笹岡先生を知る者として、知り合いだからという理由で読んだ以上に感動してしまった、というのが正直な感想。

                  この本に書いてある通り「人のために…」という笹岡先生のスタンスは、身に沁みて良く分かってるつもりだったけど(本当に誰にでも優しいし、いつも頼りになる)、それでも、これを読んでみて、本当に正しくて真っ直ぐな人だなぁと改めて感心してしまった。

                  花に例えての生き方のヒントみたいなもの、自然から学ぶべきことというのは、すごく分かりやすくて、すぐにでも実践したくなるようなことばかりで。

                  ご本人もかなり奥ゆかしい人物だけど、「未生流」の流派の冠名の由来からして何とも奥ゆかしいし、このご家族あっての笹岡先生なのだなぁと、彼の凛とした生き方の秘密も良く分かったかも(移動手段は常にチャリンコだったりするところが、とてもほっとするし)。

                  冬の厳しい季節を耐えてこそ、花を咲かせることができるという「我慢する」ということも。

                  カキツバタの花が教えてくれるという日本人ならでわの「和」の心も。

                  美しい花を見て感動して、大切な誰かにもその花を見せてあげたいと言う「思いやりの心?」もしくは「愛?」(これって瀬尾さんの本に出てきた、美味しいものを食べた時に、これを食べさせてあげたいと思える人が大切な誰か、というのと同じかな)も。

                  花を摘んでしまうことに痛みを感じながらも「生け花」としてより美しく生かしてあげるという、小さな「命」に対する優しさも…。

                  殺伐とした現代の日本人が、ともすれば忘れがちな、本来とても大切なはずのことが、この本に凝縮されてるかも。

                  「隣にいる人が幸せになれば、あなたはもっと笑顔になります。」というのは、まさにその通りだし、そういうように生きたいなと。

                  花を見るのは好きだけど、華道となるとちょっと敷居が高くて(着物も着れないし)…と、全く興味のなかった私でも、これを読んで習いに行きたくなってしまったし。
                  大学生の頃の笹岡先生に習っておけば良かったかなと、ちょっと後悔…いや、激しく後悔(スマスマとかのバックの花とか活けてるし、関ジャニとも共演してるし、もう雲の上の人という感じで…)。

                  ちなみに、写真より実物の方が数倍男前だったりもする。
                  ファンの方は、こちらもどうぞ↓(私はこれは本屋さんで立ち読みしてしまったけど)。

                  京のプリンス  王子様たちの京都案内
                  京のプリンス 王子様たちの京都案内
                  笹岡 隆甫,茂山 宗彦,chori
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                    『床下仙人』原宏一


                    床下仙人 (祥伝社文庫)
                    原 宏一2001/1/20文庫化 祥伝社文庫 P.274 ¥580
                    ★★★★
                    「…あたしたちを養うために、あたしたちといっしょにいられない。それって一見、理屈が通っているようにみえるけど、でも、それじゃ、なんのためにあたしたちは結婚したわけ? なんのために家族になったわけ? いっしょにいたいから家族になったのに、その家族を維持するためにいっしょにいられない。そんなのって、どこかおかしいと思わない? そんな矛盾した話が、どうして通用しちゃうわけ? だからあたし」
                    〜『床下仙人』より〜

                    子供ができたのを機に、通勤に片道1時間50分かかる郊外に家を購入した夫婦。
                    住み始めて二ヶ月がたった頃、「この家には何かがいる」と言い出した妻の言葉を、疲れのせいだと気にも留めなかった夫が、ある日の深夜、妻子が寝静まった家の中の洗面所で歯磨きをする「イエス・キリスト」のような髭を蓄えた見知らぬ男と遭遇することに。
                    そして何でもないようにぺこりと頭を下げ、男は床下へと消えていくのだが…『床下仙人』

                    他、『てんぷら社員』、『戦争管理組合』、『派遣社長』、『シューシャイン・ギャング』の、現代日本に生きる会社人間・サラリーマンの姿を鋭い風刺と諧謔で描く5編から成る短編集。

                    燹峅箸涼罎吠僂蔽砲棲んでいるのよ」 念願のマイホームに入居して二カ月して妻が言う。そんなバカな…。不況、リストラ、家庭不和…。現代ニッポン人が抱える悩みを、風刺とユーモアで鮮やかに捌いた新奇想小説集。瓩澄△修Δ如


                    ほぼ毎日のように通ってる大好きな「大垣書店」さんのフェアか何かで、「騙されたと思って読んでみて!」というようなキャッチコピーが添えられていたので、全然知らなかった作家さんのだけど、のせられて手にしてしまった(ものすごく素直な性格なもので…)。

                    表題作の『床下仙人』の、念願の一戸建てを手に入れたものの、その家の主が、その家に不在で…というのは、きっと殆どのサラリーマンのお父さんたちはそんな思いをしてるんだろうなぁと、「家族のために」と働きづめのお父さんが何とも気の毒で…最後の展開もなかなかブラックというか、きっとお父さんたちが読むと、有り得そうな話でぞっとするだろうなと。

                    一番気に入ったのは、社長さえも派遣で賄ってしまうという、結構前に書かれた話なのに、現代を見通していたかのようなリアリティがあって恐ろしい『派遣社長』の話。
                    元居酒屋チェーン店のオーナーが、社長として派遣された畑違いのデザイン会社で、社風を全く変えてしまい、やがてはそれが功を奏するものの…という、二転三転するストーリー展開も、派遣頼りの現代社会に対する危惧も、主人公のラストの力強さもなかなかで。

                    『シューシャイン・ギャング』は、家出中の少女と、会社からも家庭からもリストラされた中年男との交流が心温まるお話で、ちょっとホロリ。
                    強引に靴磨きをしてお金をせしめるという少女の発想も、その商売をパクる人たちのことも、なかなか良く出来たお話という感じ。

                    さすが「大垣書店」さん(の誰か)が一押し(?)してるだけのことはあって、これが結構面白くて、雰囲気的には、眉村卓さんのサラリーマンSF小説を彷彿させるようで、子供の頃から眉村さんが大好きな私には、ノスタルジックな気分に浸れて嬉しかったかも。

                    0

                      『建てて、いい?』中島たい子

                      建てて、いい?
                      建てて、いい?
                      中島 たい子 2007/4/9発行 講談社 P.177 ¥1,365
                      ★★★★★
                      この歳になってしまうと、相手を見るなり、綿だな、絹だな、レーヨンか、と種類分けして、それで終わってしまう。理想が高いのではなく、想像がつくから面倒くさいのだ。それで、他人の中に居場所が欲しいだなんて、えらく矛盾しているし、こういう身勝手なことを言っているから、いつまでも一人なのだ。

                      冬の朝、一人暮らしのアパートの階段から、ゴミを片手に転げ落ちたことがきっかけで、「40歳までには、結婚しよう」と心に誓った、独身、30半ばの長田真里。

                      世話好きで顔の広い従姉妹たちから次々と男を紹介してもらうものの、どれもこれもピンとこず、これはと思ったイケメン設計士は、どうやらあっちの趣味のようで…。

                      そしてある日はたと気付いた、通勤路にある一軒の「おばけハウス」。

                      そんなこんなで、両親が持つど田舎の土地に、自分だけの居場所、自分だけの住み心地の良い家を建ててしまうことを決心し、真里はお見合い相手だった設計士、福島が経営するイケメンばかりが働く設計事務所の扉を開くことに……。

                      「独身女、家を建てる
                       30代半ばの独身女性はある日、重大な決意をする。
                       それは、家を建てること――。
                       仕事よりも、恋よりも、結婚よりも、家……それは正しい女の生き方ですか?
                      今一番注目の女性作家・中島たい子最新小説。」だ、そうで。


                      今、私の周囲に独身女性の新築ブームがきている(同じ職場の二人だけだけど)ので、その人たちとこの主人公がものすごくダブってしまったし、これを読んでも、ただただ羨ましいばかりで(私にも勧められたけど、そんな甲斐性は私にはないので、というか、まだ結婚を諦めてないというか…)。

                      彼女たちの家の話を聞いてるだけでも、こっちまでわくわくしてしまってたし、この本にも書いてあるように、確かに家を建てるというのは、人の一番の希望であり、夢だなぁと思えるし、自分ならこんな家に住みたいと考えるだけでも楽しかったりするし(土曜日の新聞の大量の不動産のチラシを見ては、妄想を膨らませてたりするし)、それが叶えられたらどんだけ幸せなことだろうとは思うけど。

                      ただ、この主人公はあまりにも土地をたやすく手に入れたりしてしまっているので、あんまり現実味がないというか、具体的な家を建てるのにかかる費用とかも出てこないし、こんな豪華な家を建てたら、ローンは何年で、月々いくらぐらいになるんだろうとか、そういうのがとても気になってしまった。

                      まあ、気にしたところで、私には絶対に真似は出来ないんだけど…。

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