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    『そして俺は途方に暮れる』渡辺やよい

    そして俺は途方に暮れる
    そして俺は途方に暮れる
    渡辺 やよい 2004/2/25発行 双葉社 P.205 ¥1,260
    ★★★★
    でも飽きてくるんだよ。女たちは、身体だけの関係と割り切りましょう、なんて言ってても、結局、愛してくれだの、心がこもってないだのと、俺を責めるようになる。なぜだろう……うんざりする。だから、女を渡り歩くしかない。どういう女でも最後のせりふは同じだ。
    「こんなにあなたが好きなのに」
    〜『そして俺は途方に暮れる 靖之の場合』より〜

    16歳の頃から、女を食い物にして生きてきた俺、「年上大好きジャニ系21歳」の靖之。
    前の女にあっさりと捨てられ、路頭に迷いそうになった「俺」は切羽詰まったあまり、信じられないくらいデブの中年女、絵里子を引っかけ、そのまま部屋に転がり込むことにした…『そして俺は途方に暮れる 靖之の場合』

    靖之に必要なものは、「わたしの差し出す貢物と暖かい部屋と暖かい食べ物と、いたぶるためだけのわたしのぶよぶよの肉体」、最悪な性格、と分かっていても、自分がみじめでぽろぽろと泣けてしまっても、靖之の「それ」が絵里子には何より必要で…『そして俺は途方に暮れる 絵里子の場合』

    コンビニでバイトする20歳の大学生の僕、大樹。
    酔っ払って店にやってきた、アマゾンの臭いをふりまく年増のピンサロ嬢、シズエを介抱することになった僕は、シズエからの余計な「お礼」に本能が目覚め、可愛い彼女さえもどうでもよくなってしまい…『どうなっちゃってんだろう』

    かけ出しの漫画家と、そのアシスタントであり、恋人でもある同棲中の「まーくん」と久美子。
    漫画家になる夢を抱いて上京した久美子の漫画は、一度だけ掲載されたものの…。
    その後仕事も無く、アシスタントを転々としていた久美子を救ってくれたのは、同じアシスタントとして働いていた「まーくん」。
    大好きな「まーくん」の出世のために久美子は、以前関係のあった編集者のいる出版社へ乗り込んで行くのだが…『じゅげむじゅげむ』

    出会い系で会った男から思わぬ屈辱を受けてしまった「人妻、28歳、夫が単身赴任中で寂しい毎日です。メル友募集中マリ」の子持ちの人妻、実は32歳の宣子。
    子供の幼稚園への送り帰りの道で、宣子の目に飛び込んできたのは、自立した身障者のためのボランティアを募る張り紙。
    その日から毎日、車椅子の青年の世話をしに、マンションにに通う宣子のもとに、無言電話がかかってくるようになり…『指でもいいから』
    の、すごくHで、ちょっと切ない5編のラブストーリー。

    『絵里子、37歳、独身  21歳の俺にとって、最愛の人?
    過激な性描写を通して描く、心と肉体の不均衡
    「レディコミの女王」による“官能&倒錯”の新境地
    第2回 女による女のためのR−18文学賞 読者賞受賞』だ、そうで。


    奥田英朗さんの『ララピポ』の、女性作家版のような痛快さ。
    レディコミを読んだことないから分からないけど、多分レディコミよりはえっちくないような…。

    官能的というよりも、えっちの場面の描写が、あまりにもそのままで、あっけらかんとしてて、ただただ面白く読んでしまった(もしかして、純愛?)。

    えっちの描写もさることながら、物語全体に、すごく男女関係の正直な本音の部分が描かれていて(少なくとも私にとっては、そうだなと)、共感できてしまったし、主人公たちの抱える心の傷がかなり痛くて、現実にこんな話は、きっとどこにでも転がってるんだろうなぁと思うと哀しくなる。

    なので、自分を解放できる場所があるって、例えそれがどんな形であったとしても、それは幸せなことだなと思えるし、羨ましくもある(まあ、ただ単に私がすけべなだけかもしれないけど…)。

    一番好きな話、『どうなっちゃってんだろう』の、たとえどんなに可愛くても、焼肉食べに行こうと誘って、ブランド物の服につく匂いを気にするような子との「前提」のような付き合いはつまんないし、それよりも豪快に肉を貪る人と一緒にいたいなと…それでいいのだと(バカボンのパパなりに思ってしまう)。

    「僕の人生めちゃくちゃですよ」とぶつぶつ言いながらも、「いいのか、僕。これで、いいのか?」「いいんです。」と答えを出した「僕」の身体の正直さに拍手喝采というか、まあ、こんなことがあってもいいんじゃないと。

    ここに出てくるシズエさんの生き方はとても好きだし、同世代の私に、束の間の夢と希望を与えてくれたけど、ここまで年下の美青年にチャレンジする無謀さは、今の私にはもうないかなと。
    これは大人の女性のための夢のようなお話かな。


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      『優しい音楽』瀬尾まいこ

      優しい音楽
      優しい音楽
      瀬尾 まいこ 2005/4/30 発行 双葉社 P.194 ¥1,260
      ★★★★★
      当然のように手を繋いで、人目さえなければ、タケル君のどこにでも自由にキスができる。そういうことがこんなにも気持ちよいことだとは思いもしなかった。
      「こうしているときが一番幸せ」
      タケル君と手を繋いでいるとそう思う。……
      〜『優しい音楽』より〜

      ある朝突然、見知らぬかわいい女の子からキラキラとした瞳でじっと見つめられ、思わず声をかけてしまった僕。
      最初はキャッチセールスか、はたまた宗教の勧誘かと訝しがる僕と、しぶしぶながらも、恋人として付き合うようになった女子大生の千波。
      ようやく招かれた彼女の家で、彼女が僕に近づいた理由が分かってしまった僕は…『優しい音楽』

      不倫相手の平太が妻と旅行をしている間、一人娘の佐菜を押し付けられてしまった深雪。
      思いの外躾の行き届いた妻似の佐菜の、子供らしくない態度に感心し、置いてけぼりにされた憂さ晴らしに「豪遊しよう」と誘う深雪に、佐菜がどうしても行きたい場所があると言い出し、二人が向かったのは、佐菜のおじいちゃんの家、つまりそこは不倫相手の平太の実家で…『タイムラグ』

      マンネリ化した同棲生活を送っていた章太郎とはな子。
      好奇心旺盛で、ガラクタを集めてきては部屋を無秩序に飾り立ててしまうはな子が、今回、特別おかしなものを拾ってきた…『がらくた効果』

      「受けとめきれない現実。止まってしまった時間――。だけど少しだけ、がんばればいい。きっとまた、スタートできる。家族、恋人たちの温かなつながりが心にまっすぐ届いてしみわたる。希望に満ちた3編を収録。『小説推理』掲載。」だ、そうで。


      優しい…みんな何て良い人たちばっかりなんだ…。
      そして正直だし。

      『優しい音楽』の千波の、出会った頃のタケル君に対する複雑な気持ちと、付き合いだしてからの本当に幸せな気持ちが、すごく面白いなぁと。

      恋人って、本当に何て特別な存在なんだろうと改めて感じさせられてしまった(そこに薬塗るって…確かにそれって親や兄弟には出来なくても、彼氏ならできることなのも…)。

      痴漢に触られたら「殺してやる〜」と思うのに、彼氏になら同じことされてもいいという当たり前のようなことが、前から不思議で仕方なかったけど、そういうの良く描かれていて、なんだかこそばゆくなるというか。

      そして千波の家族と、自分自身のために、一生懸命にがんばれる、タケル君みたいな人と結婚できたら、きっと幸せがずーっと続くんだろうなと。

      『タイムラグ』も素敵な話だけど、これから深雪さんは、平太とこれまで通り付き合っていけるのかどうか…、気持ち的にどうなんだろう…と。

      『がらくた効果』は、拾ってきたもののインパクトの強さに思わず吹き出してしまったし、はな子のおおらかさと、章太郎のオトボケぶりが良くて、これもまたお似合いの二人だなと。

      何かそんな風に安心しきって全てを任せられる相手がいるって、本当に幸せなことなんだなと、つくづく考えさせられてしまうというか、羨ましいというか。
      恋の力の偉大さを思い知らされてしまった…。
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        『失われた町』三崎亜記

        失われた町
        失われた町
        三崎 亜記 2006/11/30発行 集英社 P.428 ¥1,680
        ★★★★★
        僕は失われる そして町の人々も だけど人々の想いまでが失われるわけではない 明日へと望みを繋げていくために 残りの日々を僕たちは精一杯生き続ける
        〜『エピソード6 隔絶の光跡』より〜

        およそ30年に一度、何の前触れも因果関係もなく、この国のどこかにある一つの町の住民が忽然と姿を消す。

        それは100年以上も前から続く、誰にも止められない現象。

        まるで何かの代償であるかのように失われてしまった町に対して、人々が出来ることは、消滅した町の痕跡を消し去ることだけ。

        「失われた町」に関わることが、一種の「穢れ」として国民の意識に浸透し、町の消滅に関することや話題にすることすら忌み嫌われ、町の消滅後、管理局の手による汚染対象物の供出と回収が済めば、最初から「無かった町」として認定され、名前すら失われ、地図からも姿を消す、確かに存在していたはずの「町」。

        けれど、その町に人々が住んでいたという事実は、消滅した町に暮らしていた人々と密接な関係にあった人間の心からは決して消し去られることはなく、そのために取り残された者たちは、深い喪失感だけを抱えたまま生きることに…。

        プロローグ、そしてエピローグ
        エピソード1 風待ちの丘
        エピソード2 澪引きの海
        エピソード3 鈍の月映え
        エピソード4 終の響い
        エピソード5 艫取りの呼び音
        エピソード6 隔絶の光跡
        エピソード7 壷中の希望
        エピローグ、そしてプロローグ

        から成る、前回の町の消滅を心に刻んだ人々、町から取り残された人々が、次の町の消滅で起こる哀しみを最小限に食い止めるために、それぞれの立場で闘った、30年にも及ぶ長きに渡る物語。

        『この思いを伝えたい。たとえ明日すべてが失われても。
        30年に一度起こる町の「消滅」。
        忽然と「失われる」住民たち。
        喪失を抱えて「日常」を生きる残された人々の悲しみ、そして願いとは。
        「となり町戦争」の三崎亜記がついに本領発揮!!デビュー後初の長編』だ、そうで。


        正直『となり町戦争』がイマイチだったので、あまり期待せずに読んだら、これが凄かった…参りました…という感じ。

        最初に『プロローグ、そしてエピローグ』を読んでるときにはちんぷんかんぷんで、何じゃこりゃ?と全く頭に入ってこなかった言葉の羅列が、読み終わった後にもう一度読み返すと、ああこういうことだったのか…と超感動ものの、意味のある言葉に変化しているのが素晴らしいなぁと。

        「知ってる人」と、「知らない人」の間には、こういう差があるのかと、感心させられてしまった。

        それぞれのエピソードが終わるごとに号泣し、最後に『プロローグ、そしてエピローグ』を読み返して、また号泣し…、一体どのくらい涙を流したのか(塩分出しすぎたかも)。

        登場人物が誰一人として置き去りにされてないことが、ものすごく良かったし、それぞれのエピソードの主人公たちが、こう繋がり、大きな存在になっていくのか…と驚かされた。

        『となり町戦争』では、人々が生きている感じが伝わってこなかったけど、今作では、命の温かみを感じ、人間の体温を感じることができたような。

        聞きなれない日本語や、「分離者」とか、通常の概念にない言葉がたくさん出てくるけど、それらもすんなりと受け容れることができてしまう、不思議な力を持っている物語。

        「…いちいち何のためにとか思いながら自分のやることを決めるの?自分がそれをやりたいかどうかが大事なんじゃないの?」という「ひびき」の台詞が心につきささるし、ああ、あの時の家族の絵の意味はこういうことだったのか…と、ディテールの細かさに、また感動。

        「死」ではなく、「失われる」というこの不思議な感覚と、突然にそれがやってきたときの「失った」側のやりきれなさ、そして人を信じる心の強さと、そのためにできること、そして強く願うことで、何かが変えられること、そういったものが良く描かれていて、歌の歌詞じゃないけど、私の心の「柔らかい場所」を締め付けられてしまった。

        「のぞみ」を次の世代へと繋げることの大切さも…。

        小学生の頃に眉村卓さんのSF小説にさんざんはまっていたから、このシチュエーションもすんなり受け容れられたのかもしれないけど…。
        そういえばNHK少年ドラマシリーズに眉村卓原作の「その町を消せ」というのがあったなぁと、しみじみ(あれもかれこれ、30年ほど前なのかも…歳取ったもんだ)。

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          『レインレイン・ボウ』加納朋子

          レインレイン・ボウ
          レインレイン・ボウ
          加納 朋子 2006/10/25〈文庫化〉 集英社文庫 P.304 ¥560
          ★★★★
          「もう七年って言うべきか、まだ七年って言うべきか……私って薄情なのかなって気がするくらい、遠いわよね」
           過去の人間関係を切り捨てて進んでいるようで、後ろめたさがないと言えば嘘になる。
          「きっとまだ、昔を懐かしむような歳じゃないからですよ。誰だって、今が大事だし、今が大変なんだもん」                       〜『青い空と小鳥』より〜

          初恋を実らせ、人生の三大イベント、結婚、出産、住宅の取得、を二年のうちにばたばたと済ませてしまった、渡辺美久、25歳。
          子育てに追われる美久の元に、高校時代に在籍していたソフトボール部のキャプテン、片桐筒陶子から、チームメイトだった「チーズ」こと、牧知寿子の訃報を知らせる電話が入ったことから物語が始まり…。

          7年振りに昔の仲間に会った美久は、その通夜の席で真っ先に泣き出し、涙はみんなに伝染していくのだが、実はその涙の理由はチームメイトの死を悼むものではなく…『サマー・オレンジ・ピール』

          チーム・メイトの中で、卒業してから一番の豹変を遂げた小原陽子。
          ずけずけした物言いと「キツい」性格から、友達を何人も失いながらも、その性格を変えようともせず、今は出版社でバリバリと働く強気な陽子の物語…『スカーレット・ルージュ』

          名は体を表すの如く、ふくよかで、チーム内の誰からも好かれ、可愛がられていた、今は保育園で働く、善福佳寿美の物語…『ひよこ色の天使』

          看護士として働き、患者の死に幾度も立会い屋上で一人涙するも、人前では決して涙を見せない、男勝りで勝気な、井上緑の物語…『緑の森の夜鳴き鳥』

          大学を卒業したものの、就職もせずプー太郎生活を送り、姉の結婚式でも親戚から嫌味を言われてしまう、坂田ゆりの物語…『紫の雲路』

          新米の管理栄養士として、これまで誰も長続きしなかった会社の社員食堂に派遣されることになった、高校生の頃から「宇宙人」とあだ名される三好由美子の物語…『雨上がりの藍の色』

          そして最後に、チームメイトの誰からも尊敬され、人望の厚かったソフトボール部のキャプテン、丸の内の「鳴海物産」で働くOL、片桐陶子の物語…『青い空と小鳥』

          25歳という若さで、急死した「知寿子」と、通夜にも葬儀にも姿を見せなかった、「知寿子」の一番身近にいたはずの「理穂」の不在を軸に、かつてのチームメイト達が、自分のあるべき姿を求め、今を懸命に生きる姿を描く、7編から成る連作短篇集のような長編小説。

          「昔のチームメイトの通夜で久しぶりに集まった陶子たち7人。来なかったのは一人だけ…。7人の視点を通して語られる、それぞれの人生。女たちの友情と成長を描き爽やかな読後感を残す青春ストーリー。」だ、そうで。


          ここに出てくる人たちの相関図を描いてみたくなるような、何だか複雑な女同士の微妙な人間模様…。

          誰と誰が仲良くて、誰が誰を苦手としてて…とか、そうなる背景とか、それぞれの性格が良く描かれていて、ものすごく納得してしまった(この中で、誰の性格が一番自分と近いかな…と考えて読むとなお面白い。ちなみに私は「陽子」さんかな…キツいし、男にはすぐ逃げられるし…)。

          チームメイトそれぞれの視点から語られる「知寿子」さんや「陶子」さんの話が絶妙で、一編ずつの「日常の小さな謎」を解くことも楽しめて、核となる謎の部分も意外性があって…。

          一番好きなのは、意地悪な〈サンババ〉の出てくる『雨上がりの藍の色』。
          ここで管理栄養士として派遣された由美子さんの苦肉の策の社員食堂のメニューは、ちょっと見習いたいかも…男の胃袋を掴むという細木さんの教えにも通ずるし。

          でも何より、私の尊敬する陶子さんの祖母や、頑なな陶子さんと荻との恋の行方(本人は全く意に介してないのかもしれないけど)が、ちょこっと見れただけで、ものすごく満足(ここまで気配りの行き届いた彼氏が欲しいなと、陶子さんが心底羨ましくなったりして)。

          普段「人の不幸は密の味」としか考えてないような悪魔的な私でも、この二人には上手くいってほしいなぁと思えてしまう(二人とも不幸な過去を背負っているので…『月曜日の水玉模様』参照)。

          最後の『青い空と小鳥』のタイトルは、縮めると『青い鳥』になるんだなぁと…それ、陶子さんが探してるのかな?たぶん近くにあるのに…。
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            『灰色のピーターパン−池袋ウエストゲートパーク〈6〉』石田衣良

            灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉
            灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉
            石田 衣良 2006/6/30 文藝春秋 P.255 ¥1,600
            ★★★★★
            春がめぐってくるように、おれたちの心には自分自身の傷を修復しようという自然の治癒力があるはずなのだ。そうでなければ、心なんて不便なものを、誰が一生もって歩くというのだろうか。                〜『野獣とリユニオン』より〜

            池袋の西一番街の小さな果物屋で、クラシック音楽を聴きながら店番をする傍ら、池袋の街で起こる、警察や探偵には頼めない類のトラブルを次々と解決し一躍有名人となったマコト。

            その結果、母親と交替でマコトが店番をする果物屋の店先には、「ギャングにもつてがあって、悪いやつをこらしめてくれる。すごく強くて、頭が切れ、おまけに低料金の(もしくはタダ?)池袋一のトラブルシューター」というマコトの噂を聞きつけ、困り事を抱えた依頼主が後を絶たず…。

            池袋の情報屋「ゼロワン」に呼び出されたマコトの依頼主は、私立の進学校に通う小学生。
            小学生にして、盗撮ビデオで荒稼ぎする小学生、ミノルからの頼みは、彼のビジネスの上前を撥ねようと企む高校生三人組との交渉。
            ミノルは口止め料として、一度だけなら一人につき15万払ってもいいと言うのだが…『灰色のピーターパン』

            たった三千円のために、兄から夢を奪った未成年の少年への復讐を頼みに来た妹。
            取り敢えず、少年の見張りをすることになったマコトは、たった数ヶ月で少年院から出てきた、いじめられっ子の少年に、ある審判を持ちかけることに…『野獣とリユニオン』

            池袋の王様「タカシ」をも使ってしまえる、今は無認可の保育所を営む先代キングからの依頼は、その保育所で働く見習い保育士の「幼児性愛者」疑惑を晴らして欲しいというもの…『駅前無認可ガーデン』

            池袋の街の浄化政策として東京都の副知事によって決行された「池袋フェニックス計画」により、徹底した外国人の取り締まりや風俗店の摘発が行われ、結果としてマコトの店の客足も途絶えてしまった、その年の夏。

            今回依頼のためにマコトの前に現れたのは、音大に通う清純派の女子大生。
            ホストに入れあげた挙げ句、家を出たまま風俗で働き出した姉を案ずる彼女のために、マコトはあらゆる「後ろ盾」を駆使することに…『池袋フェニックス計画』

            「灰色くらいが、ちょうどいい…
            ちょっとは汚れて生きてみよう!
            トラブル続きの“ネバーランド”を描く機W/G/Pシリーズ第六弾」です。


            マンネリ化してるのは仕方ないのかな。
            登場人物も代わり映えしないし…でも「水戸黄門」もそうだし、これはこれで良しとして。
            今回は、これまでの事件よりちょっと大人しめ?(著しく怖いのがなかったというか、慣れてしまったのかもしれないけど)

            二つ目の『野獣とリユニオン』は、マコトの言うように「甘い」話だし、現実はこう上手くはいかないだろうけど、最後は涙がぽろぽろと溢れてしまうような優しい話。

            「憎しみの場所にいつまでも立っていたくない」と言う、被害者である兄の心の広さにただ、ただ敬服(有り得ないとは思うけど、あったらいいなと思ってしまう)。

            最後の『池袋フェニックス計画』は、まあマコトの人脈がものを言うというか…、でもやっぱり電話一本で…という気がしないでもなくて、所詮お話の中だけでこんなに上手くいって、でも現実には、こんなスーパーヒーローはいないんだろうなぁと…。

            これで女にもてないわけないんだけど、何で「タカシ」ばっかモテモテなのかな?

            「マコト」がもてないことが、このシリーズが続く秘訣なのかな(だとしたら、まるで寅さんのようだなと…)。
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              『ゆくとし くるとし』大沼紀子

              ゆくとし くるとし
              ゆくとし くるとし
              大沼 紀子 2006/11/22 マガジンハウス P.204 ¥1,200
              ★★★★★
              「言葉はこうあるべきとか、親はこういうものとか、家族はこうでなきゃとか、人に優しくとか、夢は叶うとか、明けない夜はないさとか、愛は地球を救っちゃうんじゃないのとか。そんなコトを思うから心が呼吸困難になる。過呼吸みたいなもんだ。諦めれば、心はまともに息をする」      〜『僕らのパレード』より〜

              一年ぶりに実家に帰ったトリコを迎えてくれたのは、心霊現象のテレビに見入る母親と、見たことのない「オカマ」だった…。

              東京の大学で、平穏無事でない日々を送り、就職活動どころか、進級さえ危ういということを母には言えずに悩むトリコが、父親と離婚した後、自宅を改築し助産所を営む逞しい母親と、ミカと名乗る「オカマ」と三人で迎える年末年始の物語…『ゆくとしくるとし』

              二人の子供に「ミーナ」と呼ばせ、父親を何度もとっかえひっかえする母親と、小学生の「僕」と、中学校の入学式の日から、言葉を話さなくなった「僕」の大好きな「姉ちゃん」と、四番目の父親だった「よんちゃん」と、「僕」の師匠のパン屋の「アヤエ」と、友達やおっかない先生との5年間にわたる物語…『僕らのパレード』

              「年末、久しぶりに帰省すると、そこには母と、明るくたくましいオカマのお姉さんがいた。第9回坊ちゃん文学賞大賞受賞作。」だ、そうで。


              表紙の可愛らしいイラストに反して、なかなか心にずしりとくるお話で。

              表題作の『ゆくとし くるとし』の、トリコの「自分は必要な人間だったのか?」という悩みも深刻で、重くて…、でも、オカマの「ミカ姉」さんの繊細で豪快なキャラに救われるし、何より、母親の当たり前のように言う台詞や、ぬはは、な笑顔は、人間として見習いたいなぁと(家の中の不要なゴミと同じように、父親さえも、ポイっと捨てられる、その潔さも)。

              これはこれで、予想外になかなか素敵な話だったけど…、同時収録の『僕らのパレード』が、もう、めちゃくちゃ良すぎて、ちょっと印象が薄くなってしまったのが残念かも。

              それぐらい『僕らのパレード』には感動してしまったし、心を鷲掴みにされてしまった。

              突然言葉を話さなくなってしまった「姉ちゃん」のことも、いつもイラついて「僕」に八つ当たりするクラスメイトの紺野君の心にちゃんとあった優しさも、犬のサンちゃんに眉毛を描いた、吉川君のサンちゃんを大切に思う気持ちも、生徒からの年賀状が一枚も来ないという、嫌われ者の観音崎先生の寂しさも、糸で繋いでなければ迷子になってしまう「アヤエ」の心の痛みも、無邪気に全てを受け止めてしまう「僕」の何と偉大なことか…(まるで天使みたい)。

              そして、僕が大好きだった四番目の父親、母親と別れた後も仲良くしてくれていた「よんちゃん」の存在の大きさと、重すぎる真実…。

              よんちゃんの言う「どうか、愛されることに慣れて欲しい」という言葉は、金八先生のお言葉のように、心につきささるし、「僕」の選択は、決して間違ってなかったと思うし…(「姉さん」の選択にも、尊敬してしまうけど)。

              そして生まれてきた「僕」たちの弟の名前。
              『ぺ』になってたら、きっと一生カトちゃんのネタで笑い者になれてそうな…それは、それで案外幸せ者なのかも、と思えてしまった。

              「笑われるのはステキなことだよ」という、よんちゃんの言葉が甦ってきて…。

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                『最愛』真保裕一

                最愛
                最愛
                真保 裕一 2007/1/20発行 新潮社 P307 ¥1,500
                ★★★★★
                姉さん――。
                今もベッドで横たわる姉に向かって呼びかけたかった。どうしてあなたは、そう自らを追い込むような、人の愛し方しかできないのですか。

                幼い頃、事故で両親を一度に亡くし、別々の親戚の元へ引きとられ、離れ離れになり、運命を分かつこととなる姉と弟。

                思いやりのある義父母や兄たちに囲まれて、優秀な末っ子でいられた弟の悟郎とは反対に、新しい兄姉達から妬まれ、いつしか出来の悪い妹を演じるようになり、伯母の家を出たまま、居場所も分からず音信不通となってしまった姉、千賀子。

                そして親戚中から「厄介者」扱いされる姉を遠ざけたまま、小児科医として病院に勤務している悟郎の元に、ある日警視庁の刑事から、千賀子が意識不明で救急病院に搬送されたという電話が入り、病院に駆けつけた悟郎が18年ぶりの再会を果たすも、意識は戻らず、昏々と眠り続ける、大好きだった姉。

                姉が婚姻届を提出した翌日に、事件に巻き込まれ、病院に運ばれたという事実を知らされ、未だ病院にも姿を現さない、前科のある夫の存在に不信感を抱き、姉の住んでいたアパートへと出向き、部屋を調べることにした悟郎が見つけたのは、ボロボロのアパートには不釣合いな金額が刻まれた預金通帳と、たった8通しか届かなかった年賀状…。

                年賀状の差出人を頼りに、離れ離れに暮らしていた18年間の姉の軌跡を辿るうち、悟郎に見えてきた、姉の真実の愛とは――。

                「愛の内側。
                 愛の外側。
                 18年ぶりに再会した姉が選んだ夫は、かつて人を殺めた男だった――
                 慟哭の長編小説。」だ、そうな。


                何か微妙…。
                久しぶりの真保さんだー!と期待し過ぎてしまったからなのか…ちょっと違和感を感じてしまうというか。

                姉と関わりのあった人達に話を聞くうちに、「姉」という人物像が浮かび上がってくるけど、「いつも力なき者の側に立ち、誰に頼ることもなく、一人で生きてきた人」は、まあ分かるにしても、「姉の愛し方には、一本の太く逞しい信念が貫かれている。」と、弟がそこまで絶賛するような、これが「愛」なのかなと、正直疑問に思ってしまった。

                人通りのある路上で男と殴り合いのケンカをしてたり、何の関係もない店のもめごとに立ち入ったり…そういうのを「強さ」と言うのかな(力は強いのかもしれないけど)?

                なので、「姉」という人にも全く共感できなかったし、ましてや如何なる理由があろうとも、こんな時に姉の側にいてくれない前科のある夫にも、恋人を作っておきながら、無責任な態度の主人公の「弟」にも、誰一人として共感できなかった。

                「姉」が引き取られた伯母の家の兄と姉は、「キャンディ・キャンディ」に出てくるイライザとニールみたいだし。

                終始一貫して何度も出てくる「警察は事が起こらなければ動いてはくれない」というのは分かるけど、だからって…。

                おまけにこの終盤20ページぐらいの、こ、これは…。

                「愛」かなぁ?こういうのが「愛」なら、「愛」っていったい何なんだろう…と、色んな箇所で考えさせられた(誰の「愛」も、残念ながら私には理解できないものばかりで)。

                引用部分の「どうしてあなたは、そう自らを追い込むような、人の愛し方しかできないのですか。」には、自分のこと言われているようで、ぐさっときてしまったけど…。


                0

                  『幻をなぐる』瀬戸良枝

                  幻をなぐる
                  幻をなぐる
                  瀬戸 良枝 2007/1/10発行 集英社 P.145 ¥1,300
                  ★★★★★
                  何という滑稽か。何という様か。無数にあるそれら喜劇的経験をいくつも遠巻きに眺めておきながら、同じ轍を踏んでしまうとは。それのみならず、こうして「あれは愛ではなかった」と気づいてしまった今でさえ、あの日の記憶に惑わされているのだから堪らない。

                  子供の頃から不器用で、心とは反対の行動に出てしまっては後悔を繰り返してきた、中川。

                  学生の頃も、中川の個性は周りから浮きまくり、何者かになるであろうと皆から思われながらも、何者にもなれずに生まれ育った田舎町の、兄が跡を継いだ薬局のある実家へ戻り、働くでもなく煩悶する日々。

                  美大を目指していた頃に通った画塾で、ただ一人中川と普通に接してくれていた美しい「奴」との4年ぶりの偶然の再会を果たし、中川は「奴」に甘く囁かれ、誘われるままに…。

                  最高に幸せな気分に満ち足りていた中川が「これが愛に違いない」と確信したところに、「奴」がとんでもないことを言い出し、この「愛」が勘違いだと知ってしまった中川は、ひたすら「奴」を記憶から消し去るために、己の肉体を鍛えることに励み、自分を慰める日々を送るのだが…『幻をなぐる』

                  他、高校生の頃に自殺した姉と、その現場に居合わせた姉の友人だった女性と妹との不思議な関係を描く『鸚鵡』を含む、2編から成る中編小説。

                  「理想の男との“奇跡のセックス”の後、
                  待っていたものは……。
                  奴を忘れるために、中川は肉体を鍛えはじめた。
                  きれいごとばかりの恋愛小説に飽きた人へおくる妄執まみれの失恋克服記
                  第30回 すばる文学賞受賞作」


                  「無邪気で能天気で軽薄で豪快で磊落で軽率で色情狂で嘘つき」な「奴」と分かっていても、嵌ってしまったという主人公の気持ちはわからいでもないけど…例えどんなに「美しい男」でも、電話で話してるだけで一気に冷めてしまいそうな「馬鹿」っぷりがどうも…。

                  昔のクラスメイトだかなんだかの女から、中川にかかってきた電話の話し方もかなり「むかつく」けど、相手の話なんか聞かないで、こんなに自分の話したいことだけべらべら喋る人たち、実際いるのかなぁと…かなり理解し難い(会話の内容もだけど)…。

                  中川が「奴」の寝顔を見ながら「この男のためならば…何もかも捨てられる、捧げられる…」というのは、確かに若い頃にはそんな風に思えたこともあったかなと、忘れていた感情が蘇ってきたけど、複雑すぎる心理描写というか、いまいちイメージできない表現法が多くて(独特な感性には、なかなか惹き付けられるものがあるけど)、頭に入ってきにくかったかも。

                  そこまで好きなら、ふられた訳じゃなし(はっきりふられたなら、そうやって忘れようとするのも分かるんだけど)そんな関係でも続けてればいいじゃん、と思わなくもないし。

                  肉体鍛えて、自慰に励むのもいいけど、もっと綺麗になる努力して、良い男捕まえて、いつか「奴」を足蹴にすれば〜?と、別れた男は皆「死んだ」ことにしてしまう私には思えてしまった(坂本冬美の「夜桜お七」を聴いてから、そうやって幾つもの失恋を克服してきたんだけど…)。

                  0

                    『エスケイプ/アブセント』絲山秋子

                    エスケイプ/アブセント
                    エスケイプ/アブセント
                    絲山 秋子 2006/12/20発行 新潮社 P.140
                    ★★★★
                    若いころのおれは、三十五か六で死ぬと思ってたな。四十まで生きるなんて想像できなかった。その前に、でかいことがなんかあると信じてたんだ、いや、一昨年くらいまで思ってたさ。そうじゃなきゃセクトなんてやってられるか。
                     ところがどっこい、何も起こらなかったね、起こせなかったんだね。生きてたね。おめでたいね。いやんなっちゃうね。さて、おれの余生は。     〜『エスケイプ』より〜

                    生まれる時代が少々遅すぎた1966年生まれの40歳、職業革命家として、堕落した20年間を無駄に過ごした「おれ」こと、江崎正臣。

                    三菱重工爆破事件で革命に目覚め、9・11で自分がラディカルでもなんでもないことに気づいてしまった「おれ」は、なんちゃっての過激派から抜け出すことを決意した。

                    そして、新しい仕事を始めるまでの一週間の猶予中、ふらりと旅に出ることにした「おれ」は、取りあえず東京から大阪までの切符を買い、寝台急行に乗り込み、はたと気付いて京都で降り、何気に入ったレコード屋で、胡散臭い西洋坊主と出会い、教会で寝泊りすることに…。

                    「悪いな、おれは必死だよ。
                    でも必死って祈ることに少しは似てないか。
                    闘争と潜伏の20年から目覚めた「おれ」。
                    人生は、まだたっぷりと残っている――。
                    気鋭の見事な到達点、響きあう二篇の傑作小説。」だ、そう。


                    「おれ」が京都で途中下車することに決めたときから、わくわくしてしまった(地元贔屓かな…?最近やたらと京都が舞台の本ばかり、読んでる気がしないでもないけど)。

                    京都駅のこと、黒とグレーのでかい石造りの墓みたい…は、まさにそう見えるかも。
                    バスの色が宇治茶というのも(どこのバスもこの色かと思ってたし…)なるほどなぁと。

                    ゲイにはゲイを見抜くことができるものかと感心し、ゲイ同士なら、そう簡単にことが運ぶことを羨ましく思い、ところで「ハッテン」って何?と疑問を抱き、愛の足りない神父の過去に納得し、歌子ばあさんとの別れに涙し、『エスケイプ』と対になってる『アブセント』を読んで、ラストに「良くできた話だなぁ」と、またもや感心する、というような物語。

                    「離れ離れになった相手のことを神様は同時に考えて下さっていると信じるしかないのではないでしょうか。」という神父のお言葉には、何やらありがたいものを感じたけど。

                    大好物の「天一」も出てきたことだし、とりあえず満腹…かな。
                    0

                      『通天閣』西加奈子

                      通天閣
                      通天閣
                      西 加奈子 2006年 筑摩書房 P.203
                      ★★★★★
                      「生きている」というのは、もっと、血の通ったことだと、俺は思う。こんな風に日々、早く時が過ぎればいい、今日が早く終わればいいと思いながら過ごし、そのくせ明日を心待ちにすることもない。こうやって明日も早く終わり、その次の日も早く終わり、その次の次の日も早く終わればいい、そう思いながら生きるのは、生きているのではなく、こなしているのだ。連綿と続く、死ぬまでの時間を、飲み下すようにやり過ごしているだけだ。

                      家庭を持つことをあきらめた中年男は、時計の電池を抜き去り、時間を止めたまま、一日一日をただやり過ごし、他人との接触を極力避け、工場での単調な仕事をひたすらこなす毎日。

                      生活の中心であり、全てであった同棲相手が、夢を追いかけ一人アメリカに旅立った後、取り残された若い女は、ひとりぼっちの孤独を持て余し、海を渡った男の興味を惹きつけておくために夜の世界に足を踏み入れ、辛い仕事をこなす毎日。

                      別々の場所で、同じように、凍えそうなほど冷たい部屋で目覚め、一日が始まり、終わることをただ繰り返す二人。

                      そして、かつて一人の人を愛せなかったことを悔いる男が、自分の人生を嘆き「死にたい」と思ったとき、
                      父親の顔さえ知らずに育った女が、一つの愛を失い、生きる力を失くし、自棄になりかけたとき、

                      二人は同時に「俺以外につまらない人生」、「私とどっちが不幸か」という思いから、今まさに死のうとしている奴の顔を拝みに行こうと「通天閣」の足元へと駆けつけ…。

                      「えらいこっちゃ!
                      このしょーもない世の中に、
                      救いようのない人生に。
                      ちょっぴり暖かい灯をともす、
                      驚きと感動の物語。」だ、そうで。


                      これはほんまに「ええ話」。
                      「魂の再生」のきっかけとなる場面がおもろすぎる(舞台が大阪だから、余計に…)。

                      中年男の、人を寄せ付けまいとする生き方の奥底にあるものが、切ないというか、胸が苦しくなるほど締め付けられるというか…(しかも、そんなこと言ってる割には、自ら歩み寄ってるのがまた切ない)。

                      同棲相手の「マメ」が出て行って、それでも毎日鏡に向かって「別れたわけやない」と一人つぶやく女の姿も痛々しい。

                      最初の方は「なんだ、この暗いムードは…」と、読んでいて絶望したくなるほど寂しい話なのかと思ったけど、背景にある大阪の新世界の猥雑さが、落ち込むことを赦さないというか、人情味あふれる大阪弁が悲壮感を和らげているというか、絶妙なおもしろさを醸し出すというか。

                      最後に男が叫んだ一言は…あ、憐れすぎて、くくくっ。

                      各章の冒頭の「夢」の話もすごく好きだし(見たらうなされそうな夢ばかりだけど)、心に響く台詞が本当にたくさんありすぎて…(私も「死ぬことを待つだけ」の日々をやり過ごしてるなぁと…これではいけないと、つくづく考えさせられた)。

                      女の働く「サーディン」の店の名前の由来も「こてこて」で良いけど、店の「ママ」さんのキャラがまた良くて(一緒にいたらイライラしそうだけど)…結構ツボだらけだったかも。

                      私も長い(あまりにも長すぎる)充電期間を終えて、そろそろ、「阿呆」のように人を愛そうと、腹の底から力が湧いてきた、ような。
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