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    『灰色の虹』貫井徳郎

    評価:
    貫井 徳郎
    新潮社
    ¥ 1,995
    (2010-10)
    Amazonランキング: 116665位

    やってもいない殺人の罪で6年間服役し出所した江木雅史は、家族も仕事も婚約者も、そして生きる希望をも失い復讐へと駆り立てられる。
    そうして江木のターゲットとなった当時の事件の担当刑事、検事、弁護士が次々と不審な死を遂げていくなか、自宅で殺害された検事と懇意にしていた一人の刑事、山名が、一連の事件の共通点に気づき、6年前の事件が冤罪ではなかったのかと疑問を抱くことに。
    山名自身、恋人を無惨に殺害され、「復讐」という行為に対して、ひとかたならぬ葛藤を抱いた過去を持つ。
    出所後行方をくらましたままの江木。
    あまりにも鮮やか過ぎる犯行の手口に、「天罰」という言葉さえ頭をよぎる中、またしても犠牲者が。
    しかし誰一人として江木を目撃した者はなく、捜査は難航し…。
    身に覚えのない殺人の罪。それが江木雅史から仕事も家族も日常も奪い去った。理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。彼は復讐を決意した。ほかに道はなかった。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。七年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。ひとりの刑事が被害者たちを繋ぐ、そのリンクを見出した。しかし江木の行方は杳として知れなかった…。彼が求めたものは何か。次に狙われるのは誰か。あまりに悲しく予想外の結末が待つ長編ミステリー。 「BOOK」データベースより

    どこにでもいそうな、真面目に地味に生きてきた青年が、やっと幸せを掴みかけたその途端、狡猾で獰猛な刑事に犯してもいない罪を自白させられ、一般市民を見下すエリート検事や、キャバクラの女に入れあげるやる気のない弁護士、狭い世界しか知らない世間知らずの判事、たちによって殺人犯として実刑を言い渡される過程は、気の毒としかいいようがないし、実際冤罪というものがなくならないのは、少なからずこういったことが起こりえているのかなとも思えるほど、そこまでの描写が分かりやすい。
    ことの発端となった殺人事件の被害者も、この人なら殺されても仕方ないかな、と思えてしまうほどきちんと嫌な人間に描かれているし、江木が殺意を抱く理由もその日に限ってあったりなんかして。
    きっと普通の人間でもこんな風に陥れられて、どれほど声をあげても誰にも(家族以外)信じてもらえなかったら、こうなってしまうだろうし、ましてや気の弱い内気な江木なら、それはもうどうしようもなかったのだと想像できる。
    唯一頼みの綱の弁護士もこんなだし。
    唯一の目撃者の男の馬鹿さ加減も、こんな人実際いそうだし。
    大人しくて寡黙だったどこにでもいる普通の青年が、犯してもいない罪を着せられたおかげで、出所後実際の犯行に至るというのはなんともやりきれないお話で。
    そんな人じゃないよ、というのを、読者は十分理解しているだけに、彼の絶望が、悲しいなぁと思う。
    最後の最後まで、希望のない、だけども何とも読み応えのあるお話でした。

    でも希望を言えば、最初の事件の犯人は教えてほしかった。

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