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    『静かな爆弾』吉田修一

    静かな爆弾
    静かな爆弾
    吉田 修一 2008/2/25発行 中央公論新社 P.199 ¥1,365
    ★★★★★
     何がどうなろうとしているのか分かっていたのに、楽観的な気持ちのほうを信じて、声を上げなかったのは誰か。
     大丈夫だと思う気持ちはどこからくるのか。
     大丈夫だと思いたい気持ちはどこからくるのか。
     大丈夫だと思えない気持ちは、いったいどこへ行ってしまったのか。

    公園での偶然の二度の出会いから、思い切って彼女をファーストフードの店に誘い、いつしか週末を一緒に過ごすようになった、テレビ局に勤める俊平と、耳の不自由な響子。

    響子と一緒に暮らしたいと考え、実家の両親にも響子を紹介し、響子の気持ちをよそに、両親に温かく迎え入れられたことに安堵する俊平。

    そして希望の部署から異動を命じられ、腐っていた俊平の身に、突然歴史的な事件を追うという仕事上でのチャンスが訪れ、多忙になったことから、二人の気持ちはすれ違ってしまうように…。

    「出会いは突然で、言葉にならない緊張のなか、出会った彼女は彼の心へしっかりと刻まれた。過ぎ行く日々に翻弄されながら保たれる絆。恋愛小説の新境地を切り開く意欲作。」だ、そうで。


    とにかく『悪人』に惚れこんでしまったもので、あの興奮をもう一度…と思ったら、ちょっと肩透かしをくってしまった感じ(決して悪くはないけど、期待しすぎてしまった分、ページ数の少なさに、がっかりしてしまったと言うか、そう言えば、もともとはこういうイメージだったなと)。

    俊平の気持ちは『君の手がささやいている』の旦那さんも、そんなことしょっちゅう感じてたなぁと、あのドラマがとても好きだったので、懐かしくてしみじみしてしまった(『星の金貨』も好きだったし)。

    「それまで知っていた世界では、交わす言葉がないということは、用がないということを意味していたし、用がないのに一緒にいるのは不自然だった。…」という俊平の言葉は、以前の私もそう思っていたし、まさに私も最近感じていたことで(私の場合は、以前の教訓を胸に余計なことをしゃべらんようにと自分を戒めて、敢えて話さないようにしてる部分もあるけど)。

    なので、会話なんてなくても、用なんてなくても、側にいたいと思う気持ちは、今ならとても良くわかる(そもそも男の人と、話したい内容なんて、そうそう私にはなくて、無理に会話をしようと思うとしんどくなるので、話さなくていいなら、その方が楽チンだし…普通のカップルって、みんな何話してるんだろうとかえって不思議かも…)。

    付き合って半年が過ぎて、彼女の何を知っているのか…と考える俊平の気持ちは良く分かるけど、すれ違い方が普通すぎるというか、この設定でなくても、そうなってしまうような。

    駅での見送りのシーンは、痛いほどよく分かるし…。

    途中、これが妻であれば仕事を休んでも探すのか、彼女だからこうして普通に出勤しているのか…みたいな文章があったけど、その違いって何だろう?とふと疑問に思えてしまったような(妻なら…というのは、体裁が大事ということなのかな?そこら辺はリアルというか、何というか)。

    ラストはちょっと「あれれ?」という感じ(彼女の気持ちがわからなすぎて…)。

    そして、俊平の追っかける歴史的事件の方の緊迫感が、私が無知すぎるせいで、あまりピンとこなかったのが若干読んでいて、なんだか申し訳ないなと思わされてしまった。

    ただ、そんな私でも、冒頭の引用部分の言葉は、結構考えさせられてしまったかな。
    「根拠なしポジティブ」というか…。

    JUGEMテーマ:読書
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        コメント
        『悪人』の印象が強かったので期待しすぎないようにしました。
        元に戻った感じでしたね。
        駅での見送りのシーン、読んでて痛かったです。
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        私は『悪人』の鳥肌をもう一度〜と、期待しすぎてしまいました(^^;なので藍色さんほどには、この作品が楽しめなかった…。
        駅のシーンは二人の気持ちが分かりすぎて、本当に痛かったですね。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2008/03/17 10:21 PM
        こんばんは。
        『悪人』のインパクトにはやっぱり負けますかね〜。
        逆に対照的な感じがして私は結構好感触でした。
        響子との時間の静寂と、仕事の時間の喧騒の差が鮮やかで印象的でした。
        ちきちきさん、こんばんわ(^^)
        『悪人』にははまりまくってしまったので、これはこれで充分なんだけど、どうしてもあの感動をもう一度と求めてしまって…(^^;
        確かに恋愛よりも、むしろ伝えたかったのは俊平の追っていた歴史的事件の方かなと、ちきちきさんのブログを読んでそう思えました。吉田さん、これからも期待です。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2008/04/08 8:01 PM
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        • デコ親父はいつも減量中
        • 2009/02/05 10:40 PM
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