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    『ブランケット・キャッツ』重松清

    ブランケット・キャッツ
    ブランケット・キャッツ
    重松 清 2008/2/28発行 朝日新聞社 P.329 ¥1,575
    ★★★★★
     ひとり――。
     タビーはずっと一人で生きてきた。
     ニンゲンだって、猫だって、この世に生きとし生けるものはすべて、結局はひとりきりなんだ、と思っていた。
     いま気づいた。
     ひとりきりと、ひとりぼっちは、似ているようで違う。
     誰かと一緒にいたいのに一人になってしまうのが、ひとりぼっち――。
     エミちゃんだって、ひとりきりの人生を歩んでいく。
     だが、それは、ひとりぼっちの人生であってはいけない。
                      〜『旅に出たブランケット・キャット』より〜

    買い取り不可で期間は二泊三日の三日日間のみ。
    ペットショップから渡されたえさ以外は、食べさせないこと。
    眠る時には、猫たちが仔猫の頃から慣れ親しんだ毛布を入れたバスケットの中で。
    決して安くはない料金の、7匹のとびきり優秀な「レンタル猫」たちが、それぞれレンタルされていった先は…。

    これまで動物を飼ったことのないという、四十代にさしかかった夫婦が二人だけで暮らす静かすぎるマンション…『花粉症のブランケット・キャット』

    家族的な小さな会社でこれまで真面目にこつこつ働いてきた中年を過ぎた独身女性は、温泉旅行のおともに、レンタカーの助手席に「クロ」を乗せ…『助手席に座るブランケット・キャット』

    「いじめ」に悩む中学生の少年は、父親にせがんでレンタルしてもらった猫に自分と同じ「コウジ」と名付け…『尻尾のないブランケット・キャット』

    施設に入居する前の数日間、認知症が進む祖母と過ごす四人家族は、祖母が可愛がっていた猫によく似た猫をレンタルし…『身代わりのブランケット・キャット』

    レンタル猫を使って、動物の有無を確認して回る厳しい大家さんが同居する動物禁止の格安マンションで、彼女が拾ってきた仔猫と一緒に暮らすことになったフリーターは秘策を思いつき…『嫌われ者のブランケット・キャット』

    レンタル主の車から逃げ出したレンタル猫「タビー」が飛び乗ったトラックには幼い兄妹の先客が。果たしてタビーは兄妹と行動を共にすることに…『旅に出たブランケット・キャット』

    リストラされ、マイホームを手放すことになった父親は、せめてこの家での最後の思い出に、子どもたちのささやかな夢を叶えようと、猫をレンタルすることに…『我が家の夢のブランケット・キャット』

    「2泊3日、毛布付き
    我が家にレンタル猫がやってきた。
    いまを生きる孤独と救済を描いた、猫とひとの物語・全7編。」だ、そうで。


    3日以上だと情が移ってしまうから…という理由での、三日間の期限付きだけど、1日でも、1時間でも、一緒にいてしまったら、私は手放したくなくなってしまうだろうなぁと。

    でも、飼いたくてもどうしても飼えない事情があるとすれば、こういうのもありなのかなと。

    ここに出てくる猫たちは、本当に賢くて、優しくて、読む前には、もしもこのうちの一作でも、猫に何か不幸なことが起こったら…と心配したけど、そういうことは全くなくて、なのにここまで号泣させられるとは、何で重松さんはこんなに泣かせるのが上手いのかと。

    どの猫も、本当にそのまま猫なんだけど、『身代わりのブランケット・キャット』の猫の優しさと、『旅に出たブランケット・キャット』の猫の賢さ、そして関わった人たちの優しさにも、涙、涙で。

    『嫌われ者のブランケット・キャット』もすごく良いお話で、大家さんの過去と、二匹の猫の交流と、ラストにまた、涙、涙。

    私もこれまでたくさんの猫を飼ってきたけど、オス猫さんが、良く赤の他人の(たぶん)野良の仔猫を家に連れてくることがあって、その面倒見の良さというか、仔猫に、じゃれつかれても何をされても怒らずにじっと耐えてる姿がすごく面白くて、可愛かったなぁと。

    寂しいときに、本当にそっと寄り添っていてくれるのも、慰めてくれるのも、いつも猫だったなぁと…しみじみ。

    猫好きには、本当にたまらん本だけど、そうでなくても、猫好きにさせてくれるかもと思えるような、本当にとびっきり優秀な猫さんたちの話ばかりで、これは是非、一家に一冊と薦めたくなる一冊だなと。

    JUGEMテーマ:読書
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        コメント
        uririnさん、こんばんは
        これ読んでみたいですね〜
        重松さんはなんでこうホロとさせるの上手ですよね。
        uririnさんの記事を読んで借りた『ロストオデッセイ』もなんともいえずよかったです。私は特に寿命の短い村の話と復興記念日の話が好きでしたよ〜。
        • musagoro
        • 2008/02/15 7:21 PM
        猫好きではないんですけど、
        こういうのもいいな〜、と思いながら読みました。
        動物に癒されますからね〜。
        『身代わりのブランケット・キャット』の父親の
        哀しさ、やるせなさが非常に痛かったです。
        ただどの話も明るい兆しで終わっていたので
        そこも良かったですね。
        musagoroさん、こんばんわ(^^)
        『ロストオデッセイ』もこちらも、どっちも本当に心のツボをつかれてしまいました。
        読んだ後、すごく優しい気持ちになれるというか。
        これは是非、是非おすすめいたします。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2008/02/18 11:15 PM
        す〜さん、こんばんわ(^^)
        猫って本当にいいですよ〜。最近文鳥にもはまってるのですが、やっぱり動物って何でも、側にいるだけですごく癒されてしまいますね。
        『身代わりのブランケット・キャット』のお父さんの気持ち、息子にとっての母親って、こんなんだろうなぁと、やっぱりうまいなぁと思いました。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2008/02/18 11:20 PM
        uririnさん こんばんは。
        おお!!赤の★5つ!!
        ええ作品でしたよね。
        『嫌われ者』を読んでたら、漫画の
        『チーズスィートホーム』を思い出しました。
        それに出てくる、子猫の「ちー」が可愛いの!!
        uririnさんは読んだことあります?!

        この作品は、さすが「泣かせの重松」で
        涙腺がボロボロになった私です(笑)

        • naru
        • 2008/02/22 6:39 PM
        naruさん、こんばんわ(^^)
        これはもう「猫」さんたちの賢さにやられっぱなしで…、猫バカだから赤★です(^^;
        『チーズスィートホーム』、読んだことないです。でも『嫌われ者』のような温かい話なら、是非読んでみたいです。でも、泣いちゃうのかな?
        ううっ、思い出しても泣けてきてしまった(^^;
        本当に「泣かせの重松」さん流石ですね。て、執筆早すぎて過去の作品がなかなか読めない。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2008/02/23 12:49 AM
        こんばんは。
        重いお話が多かったですけど、
        明日への希望を感じることができました。
        猫との優しい思い出、いっぱいあるみたいで、
        いいですね。癒されたんですね。
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        そうなんです。いまはいなくなってしまった色んな猫さんたちのこと、たくさん思い出してしみじみしてしまいました。
        そして、『一瞬の風になれ』私も見てます(本は読んでないけど)。先生役、ウッチャンはまり役なのですね(^^)
        では、では〜。
        • uririn
        • 2008/02/27 11:43 PM
        はじめまして、通りすがりの者です。
        このブログで、自分が読んだ何冊かの本のレビューを拝見していると、「そうそう私もそう思いました」というものがたくさんあり、感激しています。
        (自分ではうまく言語化できなかったものがきれいに文章にまとめられているので)

        前々から興味がありつつ、いまだ購入していなかった『ブランケット・キャット』ですが、凄く読んでみたくなったので、帰り道に買って帰ります。
        • 猫子
        • 2008/03/09 5:27 PM
        猫子さん、初めまして(^^)
        めちゃくちゃ嬉しいコメントをありがとうございます(^^)
        ブログ書いてて良かったなぁと、こちらこそ感激してしまいました(文章力のなさに、自分では落ち込んだりもします)。でも、気持ちが共感できるって本当に嬉しいのです。
        お名前から察するに、猫子さんも、猫さん好きなのでしょうか?ならばこの本は本当に本当にオススメの一冊でした。是非、感想をお聞かせ下さい。
        これからもよろしくお願いいたしますm(__)m
        では、では。

        • uririn
        • 2008/03/11 12:03 AM
        こんばんは。
        おお。大絶賛。
        にゃんこたち、賢かったですね。そして健気。
        「身代わり〜」は泣けました。
        私のお気に入りはタビー。もっと彼の旅のお話が読みたかったです。
        ちきちきさん、こんばんわ(^^)
        これはもう、お宝ものです。
        ちきちきさんお気に入りの「タビー」、つい最近ニュースで「タビー」みたいなトラックだか何だかで旅(?)をした猫の話を見て驚きました。猫って本当に不思議な生き物だなぁと。神様の使いなんじゃないかとさえ思える今日この頃。
        では、では。
        • uririn
        • 2008/04/08 8:05 PM
        こんばんわ。TBさせていただきました。
        私は遠い昔にうちで猫を飼っていたことがありましたが、全然記憶に無いんですよね。
        17年位前です。
        タビーのような考えを猫が持っていたらと考えたら、面白いですよね^^
        • 苗坊
        • 2008/07/07 11:29 PM
        苗坊さん、こんばんわ(^^)
        猫って不思議な生き物なので、こんなこと本当に考えてそう。人間より賢かったりしそうだし。そうならいいなぁと思わせてくれる一冊でした。
        暑い日が続くので、夏バテせぬよう、お仕事頑張ってね。では、では。
        • uririn
        • 2008/07/18 8:13 PM
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