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    『約束』石田衣良

    約束 (角川文庫 い 60-1)
    約束 (角川文庫 い 60-1)
    石田 衣良 2007/6/25文庫化 角川文庫 ¥500 P.240
    ★★★★
    自分の人生だってしっかり生きられないのに、遥かに豊かなはずのヨウジの分までどうやって生きていけばいいのだろう。人はみな平等だというけれど、ほんとうだろうか。それではあの通り魔とヨウジも平等だったのだろうか。カンタには自分とヨウジが同じとは、どうしても思えなかった。倒れていただけの自分が生き残り、自分を守ってヨウジは死んだ。その結果まで平等で、命に同じ価値があるといえるだろうか。それなら、なおさら自分が死んでヨウジが生きればよかった。……        〜『約束』より〜

    スポーツも勉強も何でも出来るクラスの人気者、幼馴染で親友の「ヨウジ」に憧れ、「ヨウジ」になりたいと本気で願っていた「カンタ」。
    ある日いつものように二人で下校する途中、ナイフを持った通り魔に刺されてしまった「ヨウジ」。
    「僕が変わりに死ねば良かった」と考え、自傷行為を繰り返す「カンタ」が、最後の場所に選んだのは、通り魔事件のあった場所。そこで「カンタ」が出会ったのは…『約束』

    事故で片足を失い、我が儘放題になった息子のために全財産を使い果たし、この先生きていても何も良いことがないと考えるサラリーマンの父親。
    今度は街で見かけたポスターに惹かれ、ダイビングを習いたいと言い出した息子の為に奔走し…『青いエグジット』

    不倫旅行先の事故で夫を失い、女手一つで幼い二人の子供たちを育てる母親。
    突然息子の耳が聞こえなくなり病院に連れて行くと、心療内科を紹介され「心の問題」と診断され…『天国のベル』

    小学生と勝負をしても負けてしまう、モトクロスを始めたばかりの高校生ライダー。
    いつものように河川敷で練習を続けていると、散歩途中の女性から「へたっぴ」と言われてしまい…『冬のライダー』。

    寒い冬の公園のベンチで日がな一日を過ごす、当たり前のように学校生活を送ることに疑問を感じ、不登校になってしまった少年。
    ひょんなことから、毎日側を通る廃品回収のおじさんの仕事を手伝うことになり…『夕日へ続く道』

    地元の人間以外は知られていないような人気のない岩場で、孤独な一本桜「ソメイヨシノ」を撮り続けるカメラマンに声を掛けたのは、夫を病で亡くしてから、前に進めずにいるという女…『ひとり桜』

    人並み以上の幸せな暮らしを実感していた主婦を襲った突然の悲劇。
    サッカーが大好きで、健康そのものだった小学四年生の一人息子が出かけ先で倒れてしまい、救急車で運ばれた病院での検査の結果、脳に腫瘍があると医師から告げられ…『ハートストーン』

    「かけがえのないものを失くしても、いつか人生に帰るときがくる。
    苦しみから立ちあがり、もういちど人生を歩きだす人々の姿を鮮やかに切り取った短編集。たくさん泣いたあとは、あなたの心にも、明日を生きるちいさな勇気が戻っているはず。」ということで。


    「I・W・G・P」シリーズ以外の石田さんのを久々に読んだけど(アンソロジー以外で)、しょっぱなの『約束』から、すっかりやられてしまった…。

    朝の通勤電車で読み始めて、小さな「カンタ」の苦悩ぶりに、涙が溢れて困ってしまったし。
    そしてラストの『ハートストーン』の祖父の「祈り」に、またしても帰りの車中で涙、涙…。

    あまりの人の優しさというのに、かなり弱い私には、この短編集はなかなかツボに嵌ってしまったかも。

    主人公と同い年の私には『ひとり桜』の、その歳まで一人で生きてきた男に訪れた運命というか、そういうのもすごく嬉しくなってしまったし、ラストがとても好き。

    この本を読んで流したのは多分温かい涙で、「あとがき」を読んで、石田さんがこの本を書かれた理由に、また心が温かくなったというか、「物語」に出来る仕事というのは偉大だなぁと改めて感心してしまった。

    人の心を自由自在に動かせることが出来るというか、何というか(ただ単に私が単純すぎるのかもしれないけど)…。

    まあ、だから本が好きで、こうして本ばっかり読んでるのかもしれないけど。
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