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    『太陽と毒ぐも』角田光代

    太陽と毒ぐも
    太陽と毒ぐも
    角田 光代 2007/6/10文庫化 文春文庫 P.288 ¥550
    ★★★★
    私たち二人ともに欠如したたくさんのものごとのなかに、結婚観と人生観の欠如というのは歴然とあって、それはたとえば、大きな病のようなものだと私たちは思っている。ふだん、白血病のことなんか考えない。それはどこか遠いところにあって、運悪くかかってしまう人もいるが、自分の身には降りかかってこないと楽観的に信じている。結婚も人生もそれによく似た何かで、だからこそ、私たちはへらへらと日々を過ごし、この先、とか、二人の関係、とか、将来、とか、言い合わなかった。そういう気遣いを、相手と自分にしていた。                      〜『未来』より〜

    一週間に二度しか風呂に入らない女「キタハラスマコ」と付き合っている「おれ」。付き合い始めのころは物珍しさから、ワイルドでたのもしいと笑い話にできていたものの…『サバイバル』

    他、記念日フェチ、もしくは予約強迫観念症の彼女…『昨日、今日、明日』

    不用品ばかりを通販でばかばか買いまくる「購入癖」を持つ彼氏…『お買いもの』

    何事も秘密にしておけない、ずばぬけて開けっぴろげな性格の彼女…『57577』

    何かにつけ古めかしい迷信を持ち出しては、それを実行する彼女…『雨と爪』

    彼女の誕生日よりも、ジャイアンツの一勝に重きを置く野球バカの彼氏…『100%』

    三十歳になっても万引きをやめようとしない彼女…『共有過去』

    一日三食をジャンクフードで済ませる彼女…『糧』

    大酒のみで酒癖の悪い彼女…『二者択一』

    付き合って5年、同棲して4年になる上手くいっていたはずのカップルが、始めての海外旅行でお互いの嫌な面をまざまざと見せつけあう…『旅路』

    女癖が悪く、三十を過ぎても定職を持たず、嘘つきで、いつもへらへらしている彼氏。
    だからそんな男とは別れた方がいいと、友人たちからぼろくそに言われても、それでも一緒に暮らしているのは…『未来』

    の、付き合ったり、一緒に暮らしてはいるものの、どうしても許せない相手の性癖や習慣に苛立ちを覚え、別れを切り出そうとして、でもできなくて…といった「だらだら続くしあわせな恋人たち」の「ばっかみたいな日常」を描いた11編からなる短編集。

    「晴れときどき 毒の雨
    恋人たちの平凡な日常に起こる小さなすれちがいや諍いを描いた、キュートな11のラブ・ストーリー。」だ、そうで。


    ラブ・ストーリーとは言っても、なかなかダークなラブ・ストーリーばかりで…男と女の本音の部分がすごく分かる気がする。

    同棲しているカップルたちの「絶対にここだけは譲れない部分」のようなものが殆どの作品に描かれてて、今ちょっと一緒に暮らしたいかなと思う相手のいる私には、身につまされるようなお話が多くて…特にその一緒に暮らしたい理由が最後の短編、『未来』の主人公と似たような気持ちなので、こういうのも全然ありなんだなと安心してしまったというか(愛してるからとか、好きで好きでたまらないとか、そんなんでは全くなく…)。

    そういう経験がないので「同棲」と「結婚」の違いが私にはいまいち良く分からなかったけど、なるほど「同棲」とは、こういうことなのかと…。

    『糧』に描かれてる「食生活」の違いは、私にもきっと耐えられそうにないし、『旅路』の海外旅行先での、旅行に対する思い入れの「男と女の違い」みたいなものは、めちゃくちゃ良く描かれてるし、この二人は、日本に帰ってこの先どうなるのかな…と、とても気になる。

    結構漠然とした終わり方の話が多かった分、リアリティがあって面白かったかも(実際、こんなふうに、どこかで折り合いをつけていくしかないというか、それでも…というか)。

    そして『共有過去』に出てくる「蟹缶丼」がたまらなく食べたくなってしまったので、これはぜひやってみようかなと(もちろん、ちゃんとレジ通して、買った蟹缶で)。
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        コメント
        何で付き合ってんの?
        って思えてしまう二人の話が多かったです・・・。
        でも、実際にはこんな二人もあり、な感じがします。
        何かに妥協しながら
        付き合い続けるのが普通なのかな〜?なんて思いました。
        uririnさん、こんばんは。

        毎日暑いですね☆お久しぶりです♪
        uririnさんの恋がうまくいっているのを
        見逃さなかったこぱんです(嬉)
        この本、描写がリアルそうですねぇ〜
        読んだら同調するかな。
        それとも痛くなるかな(爆)
        確かに嫌いなところもいっぱいあるのに
        一緒にいるのは何故なんだろ?
        でも相手もきっと同じ思いであって。。
        うーん、永遠の謎ですねww
        理屈じゃないのは確かなんだけど…
        す〜さん、こんばんわ(^^)
        確かに、付き合うってきっとこういうのが殆どなんだろうなぁと、最近になってようやく分かってきた気がします(これまで我慢とか、妥協とかできなくて、上手くいかないことばかりだったなぁと、反省したというか…だから嫁に行きそびれたか)。
        この歳になってわかるとは、とほほです。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/07/07 12:55 AM
        こぱんさん、こんばんわ(^^)
        お久しぶりです〜。本当に寂しいのですよ。
        でもお元気そうで安心しました(^^)
        さらりと書いたつもりだったのですが、さすがこぱんさんですね気づかれましたか(^^;
        この半年の間でも、すごく嫌いになったり、でも一緒に居たかったり、紆余曲折があって、今までで一番楽だなぁと思えてます。あほな自分を曝け出せるというか、好きになってもらう努力しなくていいというか…自分でも驚くほど普通でいられるのです。なので、一緒に暮らすとしたらこの人がいいなと思っているのですが…なかなか。また、良いご報告出来ればよいのですが。こぱんさんも、暑さに負けぬよう、スタミナつけて頑張ってね。では、では〜。
        • uririn
        • 2007/07/07 1:14 AM
        uririnさん おひさしです♪
        おおっ。
        「今ちょっと一緒に暮らしたい」と「蟹缶丼」ってトコロに反応してコメントしました(笑)
        この作品描写が良かったですよね。恋愛物は苦手なのですが、これはOKでした。面白かったです。
        えーーっ。東野さんの新作、つまらないのですか。ちょっとガックリ。
        • naru
        • 2007/07/10 7:25 PM
        naruさん、こんばんわ(^^)
        「一緒に暮らしたい人」は、この人なら実家にいるよりお風呂とか食事とか、色んな意味で自由に出来て楽かもな〜(うち、大家族なもので)と思える人なのでそう考えているのですが…でも、相手の気持ちは分からない(^^;
        そして蟹缶丼!蟹缶の高さにちょっとびびってしまってまだできてないのです(今超貧乏なので)naruさんの感想を聞いてからやってみようかな(給料日後に)。
        東野さんの新作は、東野さんが大好きなだけにがっかりしてしまったです。是非読んでみて〜。そして感想をお聞かせくださいませ。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/07/10 11:40 PM
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        大好きなのに許せないことがある。太陽の光が雲にさえぎられて届かないように。 晴れときどき毒の雨。
        • 待ち合わせは本屋さんで
        • 2007/07/10 7:13 PM
        表紙は無茶かわいいんですけど・・・。 内容は・・・。 好きなのに、好きになれない。 好きなのに、嫌い。 そんな恋人たちの毎日を描く作品。 登場人物のほとんどが30代で、 付き合ってる人がいたり、 別れ
        • My Favorite Books
        • 2007/07/06 10:29 PM

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