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    『Gボーイズ冬戦争−池袋ウエストゲートパーク7』石田衣良

    Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7
    Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7
    石田 衣良 2007/4/25 文藝春秋 P.245 ¥1,600
    ★★★★★
    忘れてしまった過去のある日、あんたが善人のつもりでしたちょっとしたおせっかいが、あんたの命を縮めることになるかもしれない。どこかで猛毒をもつ人間に出会ってしまったのだ。この世界にはふれてはならない人間がいて、そうしたやつらはなんの理由もなく、あんたを恨み、憎み、滅ぼそうとする。問題なのはいつだってそうしたやつが、その他大勢とまったく見分けがつかないってこと。〜『Gボーイズ冬戦争』より〜

    池袋西口公園にほど近い実家の果物屋で、お気に入りのクラシック音楽をかけながら、母親と交替で店番をする一方、東京の北側半分では一番のトラブルシューターと町で噂の真島誠、通称「マコト」。

    その年の異常だった冬の寒さがようやく和らいできた春先、いつものように店先に商品を並べ、開店準備をしていたマコトがふと、店の奥で付けっ放しになったままのテレビの画面を見て気に留めたのは、振り込め詐欺の被害に遭った隣町に住む一人暮らしの老人が自殺したというニュース。

    それから間もなく、「マコト」の優秀なトラブルシューターとしての噂を聞きつけ、携帯に依頼の電話をかけてきたのは、振り込め詐欺のグループの一人だという「ヨウジ」。
    生身の人間と話すのが苦手なため、振り込め詐欺を「天職」だと考えていた「ヨウジ」は、自殺した老人のニュースを知り、今の仕事を辞めたくなったのだというのだが…『要町テレフォンマン』

    夏の朝、店の前を掃除する「マコト」に声を掛けてきたのは、女には縁のなさそうな冴えない男。
    そんな男からの「彼女の本当の気持ちが知りたい」との意外な依頼に戸惑う、恋愛相談にはとんと自信のない「マコト」。
    街で声を掛けられ、およそ価値の低そうな絵をローンを組んで3枚も買わされた男は、それでもまだ彼女のために、新たな絵を購入しようと考えているらしいのだが…『詐欺師のヴィーナス』

    平日の昼間から池袋の街を所在なさげにふらつく一人の少年に声を掛けた「マコト」は、少年がひと月前に自宅に火をつけた放火犯であることを知り、両親からの頼みもあって店の手伝いをさせることに。
    一方、このところ池袋の街で起こっていた連続放火事件の犯人捜しの依頼を池袋のキング「タカシ」からも受け…『バーン・ダウン・ザ・ハウス』

    池袋の街で、Gボーイズたちが次々と襲撃されるという「幽霊騒動」が起きるなか、「マコト」のもう一つの仕事でもある雑誌の「コラム」に目をつけた男から、映画出演を依頼された「マコト」。
    「幽霊騒動」は、キング「タカシ」の率いるGボーイズたちの思わぬ内部抗争にまで発展し、窮地に陥った「タカシ」のために「マコト」は危険も顧みず「幽霊」の正体に近づくことに…『Gボーイズ冬戦争』

    「池袋、宣戦布告!
    今度はキングを、おれが守る。
    悪質な振り込め詐欺グループ、謎の連続放火事件、池袋の内部抗争……
    刻々と変化するストリートで、生き残りをかけた若者たちの「いま」を描く新世代青春ミステリー
    いつでもとんでもないトラブルが潜むI/W/G/Pシリーズ第七弾」だ、そうで。


    毎度のことながら、実際に起きた事件や犯罪をモチーフにしながら、あくまでも解決は丸く優しく…。

    「格差社会」や「愛国教育」といった、最近よく耳にする言葉が随所に散りばめられていて、それらに対する「マコト」(石田さん自身の?)の考え方にはすごく共感してしまう。
    「つかい捨てにされるフリーターや契約社員たち…」というのも、レッテルを貼られて分類されて…というのも、まさに現代社会が反映されていて、「マコト」の憂いも良く分かるし。

    そして「マコト」とGボーイズの王様「タカシ」との友情物語『Gボーイズ冬戦争』のなかでの、「タカシ」の台詞「おれにはいっしょに火のなかに飛びこんでくれるダチがいるが、あいつはいつもひとりぼっちだ。いいか、マコト、そいつはおまえが考えているより、ずっと大きなことだぞ」というのに、いつもクールな「タカシ」が、「マコト」をどれだけ大切に思っているのか(まあ、常に「マコト」を警護か何だかで見張らせている、というのもすごいけど…)、これまでになく良く分かったような気がして嬉しくなってしまった(これからも、「タカシ」の心からの笑顔は、是非見てみたいなと)。

    老若男女誰にでも優しい「マコト」の、友達のためなら先のことも考えずに突っ走る…という意外な一面も垣間見れたようで(年を追うごとにまるくなり過ぎてた気もしないでもなかったので)、これからもシリーズが続く限りあんまり分別臭くなりすぎずに、「マコト」らしくいてくれればいいなと。
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        コメント
        uririnさん、こんばんは。
        今回は久々にわくわくどきどきでした。
        マコトがいつも以上に熱くてタカシとの友情にもにんまり。
        まさしく解決は丸く優しく、ですね。
        ファンタジーとして納得してます(笑)。

        藍色さん、こんばんわ(^^)
        これ読む前に藍色さんのブログを見ていたので、読んでいて「ファンタジー」に納得してしまいました。
        でも、こういう結末でもなければやってられない世の中というか…小説より現実の方がよっぽど怖ろしくなったというか。こんなふうに納まってほしいという願望かな。
        ては、では〜。
        • uririn
        • 2007/05/30 12:48 AM
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        トラックバック
        いつも思うのだが、このシリーズは作者・石田さんのイメージが表にでてこないのがいい。あくまで「マコト」の言葉なのだ! 常にタイムリーな社会問題を「マコト」なりの分析で解決策を模索する。 やっぱり、楽しい本です。 振り込め詐欺グループVSマコト連合軍。絵
        • じゅずじの旦那
        • 2007/06/16 10:00 PM
        Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7 ■やぎっちょ書評 とぅるりら〜とぅるりら〜♪♪ きたぞーきたぞー♪IWGPの最新刊ん〜♪♪ (メロディーはご自由にどうぞ) まず表紙が好き。微妙に暗くてかといって暗すぎないところが、マコトやタカシの住むグレー
        • "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
        • 2007/05/30 12:26 PM
        カバー・目次写真は新津保建秀。装幀は関口聖司。 オール讀物2006年3月号〜2007年1月号に不定期掲載。IWGPシリーズ第7弾。 要町テレフォンマン:被害者の自殺で振込詐欺グループを抜けたい高槻陽児。 詐欺師のヴィー
        • 粋な提案
        • 2007/05/29 2:25 AM

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