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    『6時間後に君は死ぬ』高野和明

    6時間後に君は死ぬ
    6時間後に君は死ぬ
    高野 和明 2007/5/10発行 講談社 P.347 ¥1,680
    ★★★★★  
    何も起こらないのが最高の幸せ。
     眉を寄せた美帆に、館長は続けた。「普通の人として生きた実感でしょう。普通、というのは多くの人がいいと思って選んだからこそ、普通になったんじゃないでしょうか。斯く言う私も、普通の人間ですが」        〜『ドールハウスのダンサー』より〜

    その日、24歳最後の日を迎え、友人との待ち合わせ場所へと急ぐ美緒は、見知らぬ男から声をかけられ、こう告げられる。
    「6時間後に君は死ぬ」と。
    はじめは新手のナンパかと取り合わない美緒も、男の言葉を信じざるを得ない状況に陥り、取り敢えず、今夜自分を殺しかねない人間に心当たりをつけ、相手の様子を探ってみることに…『6時間後に君は死ぬ』

    思うように仕事がもらえず、生活に困窮するシナリオライター志望の未来は、自分が幸せだった頃の幼い日の記憶を頼りに、当時親子三人で暮らしていた町を訪れてみることに。そこで未来が出会ったのは、9歳だった子供の頃の未来…『時の魔法使い』

    これまで彼氏をきらしたことがなく、飽きればすぐに男をとっかえひっかえしていた大学生の未亜は、友達の知り合いの占い師のような男から「その日には恋をしてはいけない」と釘を刺された日に、これまでにない運命的な出会いをしてしまい…『恋をしてはいけない日』

    オーディションを受けた数だけ、不合格通知を受け取っていた、実力はあるのに本番に弱い、運のないダンサー志望の美帆。
    実は美帆の運命は、ある一人の、美帆の幸せだけを願う人間によって全て見通されており…『ドールハウスのダンサー』

    3時間後、自分が炎に包まれるという「ビジョン」が見えてしまった男は、同じくその場にいる全員がこれから遭うであろう災難から、人々を救うため、しいては自らを犠牲にしてでも守りたい未来を守ろうと…『3時間後に僕は死ぬ』

    そして『エピローグ 未来の日記帳』の、6編から成る「運命は人の手によって変えることができるのか、それとも…」てなことをテーマにした(たぶん)、連作短編集(ネタばれになると困るので、これ以上言えなかったりする…)。

    「未来は決まってなんかいない
    明日を信じて、進むだけ――
    稀代のストーリーテラーが放つ、緊迫のカウントダウン・ミステリー」だ、そうで。


    13階段』を書いた人だ〜と、なかなかショッキングなタイトルに惹かれて読んでみたけど、あれれ?という感じがしないでも…(『13階段』の死刑囚が死刑執行される日を待ち続ける描写があまりにも凄かったので、そういう重いのを書く人だとばかり…雫井さんの『クローズド・ノート』を読んだら、きっと同じように感じそうな)。

    なので、それは置いておいて読むと、ちょっぴり切ない系というか(ミステリーというより恋愛系?)。

    『時の魔法使い』の、もしかしたら今の自分の現状を変えられるかもしれないのに、「優しい人間」であろうとした「未来」の選択は好きだし、確かにそうやって生きてきたからこそ、今の自分があるわけで…。

    『恋をしてはいけない日』は、「傷つきたくない」主人公の未亜が、私も似たような、どうしようもない人間だし、その恋に嵌る気持ちは痛いほど良く分かったような…これは意外性もあって、結構好きなお話。でも、立ち直り早すぎ…かも。

    『ドールハウスのダンサー』のに出てくる台詞「世の中すべてを相手にするんじゃなく、たった一人でも幸せにできれば…」というのには、ホロリとさせられるし、こんな風に誰かの幸せを願える人でいたいしで、これも良いお話。

    『6時間後に君は死ぬ』と、『3時間後に僕は死ぬ』は、実際の執筆にも5年間の距離があって、どういう経緯で書かれたものなのか(はじめっから構想としてあったのか、書き加えられたものなのか…)が、よくわからないけど、前者ならすごいなと。

    実際、20歳ぐらいの頃に友達と河原町通り(地元京都の繁華街)を歩いていて、突然、変な占い師みたいなおじさんに「あんたは将来や○ざにシャブ漬けにされて、売り飛ばされる。」と予言され、友達に向っては「そやから、あんたは友達やめたほうがいい、今すぐあっち向いて帰りなさい」と忠告されたことがあるので、たぶん未来は変えられるんじゃないのかなと(売り飛ばされてないし)身をもって知るかも(あとから聞いたら、当時そのおじさんは、たくさんの人に同じこと言ってびびらせていたらしいけど…)。
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        コメント
        美帆を願うってなぁに?
        uririnさん、こんばんは。
        『13階段』以来だと、ギャップが大きいかもです。
        高野さん、最近はまさにミステリーというより恋愛系、そして
        ファンタジー系になってる気がします。
        「ドールハウスのダンサー」とっても感動しました。
        執筆の5年間の距離、空きすぎで、楽しんで書き継いでこられたような気もします。
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        なるほど、そうだったのですね。納得、納得。
        私も『ドールハウスのダンサー』のお話、とても好きです。ラストも良かったですね。
        高野さんの本、『13階段』以降のも読んでみようかな…。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/06/03 11:14 PM
        こんにちはー
        自分も「ドールハウス」の話がとても気に入りました。「カラスのジョンソン」を読んだ時と違った涙がこぼれてしまいました。
        そして高野さんの本を読むのが「13階段」以来ということも同じです。何冊か所有しているので、折りをみて読んでみようかと思います。
        • リベ
        • 2007/06/23 12:46 PM
        リベさん、こんばんわ(^^)
        今回の涙は、優しい涙でしたね(^^)
        高野さんの他の作品、私も読んでみようかなと思いました。リベさんが読まれて、オススメのがあれば、また教えてくださいね。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/06/24 11:22 PM
        こんにちは。
        「時の魔法使い」が一番好きでした。
        高野さんって毎回違う作風で、読むたびに戸惑う。
        でもやっぱり面白いんすよんねー。

        「グレイヴディッガー」も良かったですよ。
        uririnさんにお薦めしちゃおう。
        • しんちゃん
        • 2007/07/06 3:48 PM
        しんちゃん、こんばんわ(^^)
        「時の魔法使い」のラストの主人公の選択は、結構感動しました。「恋をしてはいけない日」の主人公、しんちゃんぼろくそね(^^;分かるけど、でもなかなか面白かった。
        ではお薦めの「グレイヴディッガー」近いうちに是非読んでみようと思います。
        ては、では〜。
        • uririn
        • 2007/07/07 12:48 AM
        これはすごくよかったですよね!
        私は「恋をしてはいけない日」が一番好きだったんです。未亜は鼻持ちならない子かもしれないけど、ああいう子が、本当の恋を知って、よかったなと。
        そして恋をした相手の素性、号泣もんでした。
        彼もいい恋が最後に出来てよかった。

        最初と最後に美緒が出てきて、読者としても知ってる人物が出てくると嬉しいですよね。
        「グレイヴディッガー」私も好きです。「夢のカルテ」もいいですよね。
        • じゃじゃまま
        • 2007/09/07 1:31 PM
        じゃじゃままさん、こんばんわ(^^)
        「恋をしてはいけない日」、良かったですよね。私も好きですこの話。そしてやっぱり泣けました〜。
        「グレイヴディッガー」、なかなか読む機会がないのですが、みなさんお薦めのようなので、そのうち読んでみますね。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/09/07 11:51 PM
         女性陣には「恋をしてはいけない日」が好評なようですね。私は…正直「6時間後に君は死ぬ」と「3時間後に僕は死ぬ」以外はちょっと…という感じでした。

         高野氏は「13階段」と本作と、どっちが得意なんでしょうか。これ以外には「幽霊人命救助隊」しか読んだことがないのですが。
        higeruさん、こんばんわ(^^)
        「恋をしてはいけない日」は、やっぱり女心にぐっとくるものがあるのでしょうね。「運命」という言葉に弱いのかも(^^;
        そして、高野さんの『幽霊人名救助隊』読もう読もうと思いつつ、すっかり忘れてしまってました!明日買いに行かなくては。正直私は『13階段』の方が好みなのですが、これはどっちなのかな?
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/09/25 11:44 PM
        同じくタイトルにひかれて、、、

        もっとハード系かなぁと勝手に想像していたんですが…(笑
        でも、面白かったです。
        がんばれば、人生変えられるんですね、きっと。
        • juzji
        • 2007/09/26 1:36 PM
        juzjiさん、こんばんわ(^^)
        確かに、タイトルから想像したのとは全然違ってましたよね(^^;短編で読みやすかったけど。
        「がんばれば、人生変えられる」というのは、ものすごく実感してます(^^)。
        そこには必ず、自分のためだけじゃなくて、誰かのために…というのが必要なのかもしれないなと。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/09/28 12:37 AM
        こんばんは。
        「時の魔法使い」に私もまったく同じ感想を持ちました。
        いままで生きてきて失ったものも多いけれど、代わりに得たものもたくさんあると思うからです。
        読後感も苦いけれどあたたかくて、私は好きな作品です。
        らぶほんさん、こんばんわ(^^)
        「時の魔法使い」本当にあたたかくて優しい作品でしたね。私も好きなお話でした。
        高野さんのイメージ(といっても「13階段」だけだけど)が、ガラリと変わった一冊で、他のも読んでみたくなりました(今日本屋さんで探したけど、お目当ての「幽霊人命救助隊」がなくて…残念です)。
        では、では。
        • uririn
        • 2007/10/03 11:31 PM
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        • 2007/09/22 11:05 PM
        久々の高野さんの本だ。 「6時間後に君は死ぬ」、なんてそそる題名だろう。 ミステリィ、そのままじゃないか [:!?:] でも、長編だと思ったら、短編集だった。ちょっとガッカリ [:ひやひや:] 回りつづける運命の時計未来を賭けた戦いが始まる! 稀代のストー
        • じゅずじの旦那
        • 2007/09/22 3:44 PM
        すっごい面白かった!!これもまたタイトルと中身のギャップがあるかもね。めちゃめちゃサスペンスかミステリかと思ってたら、軽くミステリで恋愛も絡んだちょい甘ミステリ。 高野氏は「13階段」(忘れちゃったけど)や「グレイヴディッガー」(これはわりと好き)の
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        • 読書・映画・ドラマetc覚書(アメブロ版)
        • 2007/09/06 3:22 PM
        著者:高野和明 6時間後に君は死ぬ価格:¥ 1,680(税込)発売日:2007-
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