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    『新釈 走れメロス 他四篇』森見登美彦

    新釈 走れメロス 他四篇
    新釈 走れメロス 他四篇
    森見 登美彦 2007/3/20発行 祥伝社 P.216 ¥1,470
    ★★★★
    「約束を守るも守らないも問題ではないのだ、信頼するもしないも問題ではないのだ。迷惑をかけてもいいだろう。裏切ってもかまわん。助け合いたければそれもいい。何であってもいいのだ。そんなことはどうでもいいのだ。ただ同じものを目指していればそれでいい。なぜならば、だからこそ、我々は唯一無二の友なのだ!」 〜『走れメロス』より〜

    「世間から忌み嫌われることを意に介せずのらりくらりと詭弁を弄し続ける」という茨の道をなぜか選び取った物好きたちの流刑地である「詭弁論部」に籍を置く、大学生の芽野史郎。

    汚い下宿で惰眠を貪り、落第を重ねて暮らしてきただけの阿呆学生である芽野ではあるが、厄介なことに人一倍邪悪に対して敏感なため、学園祭中に起きた「詭弁論部」の危機を知り、全学生の個人情報を一手に握る陰の最高権力者である図書館警察長官に、ひとり立ち向かうことに…。

    そして…芽野は走った…「詭弁論部」を廃部の危機から救うため、しいては芽野の身代わりに、人質として捕われの身となった無二の親友、芹名との「真の友情」を示すために(そして何より、桃色ブリーフの辱めから逃れるために)…表題作『走れメロス』

    他、大文字山の山中で人々を次から次へと襲うけだものに姿を変えてしまった男の話…『山月記』

    昔の彼氏と今の彼氏、二人の男と一人の女が置かれたそれぞれの立場で、それぞれの心中を吐露するものの、真相は誰にも分からない…『藪の中』

    作家志望の大学生の男は、桜の下で出会った女に魅入られ、女の言うがままに東京へ出て成功を収めるものの…『桜の森の満開の下』

    イギリス留学帰りの男が、知り合いから誘われて出向いた主催者不在の「百物語」のイベントで、最後に出会ったのは…『百物語』

    「あの名作が、京の都に甦る!?
    暴走する恋と友情――
    若き文士・森見登美彦の近代文学リミックス集!」だ、そうで。


    そういえば、森見さんの『夜は短し歩けよ乙女』が第二十回の山本周五郎賞を受賞されたそうで、「おめでとうございます」、ですね(「本屋大賞」もかと密かに期待していたのですが…)。

    で、かの有名な近代文学を、森見さん風に、現代風にアレンジされたこちらの作品も、やっぱり『夜は短し歩けよ乙女』を読んでからの方が、より一層楽しめるのではないかなと(登場人物然り、「パンツ番長戦」然り…個人的に好きな「象の尻」然り)。

    ここに出てくる5作品中、3作品は(坂口安吾の『桜の森の満開の下』と、森鴎外の『百物語』は全く知らない…)中学、高校の頃に一度は読んだ作品なので、大まかな筋は大体掴んでいたつもりでいたけど、ここに出てくる、全く原典とは異なるシチュエーションのはずの登場人物たちが、意外にもその枠に嵌りすぎてて驚いてしまった(て、いうかそれだけ森見さんの持って行き方がお上手ということなのか)。

    これは是非国語の時間に使ってもらいたくなるような…。

    中でも『藪の中』(これは元の芥川龍之介のお話もとても好きなので、ほんとに良く出来てる)と、抱腹絶倒の『走れメロス』は、秀逸。

    京都の街を走り回る芽野の行く先々の情景がすぐに浮かんでくれるので、京都に住んでて本当に良かったなぁと、しみじみ(河原町から烏丸までの地下道や、烏丸今出川から鴨川デルタや、その他もろもろ)。

    に、しても万城目さんの『鴨川ホルモー』もだけど、京大にはパンツ一丁で踊る伝統が本当にあるのか?と、なんだかそんなイメージが定着してしまいそうな(まあ、あるならあるで、是非見てみたいもんだと…)。

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        コメント
        森見ワールド炸裂な5編でした。
        色んな表情のある物語で
        原典を知らなくても十分楽しめました。
        京大ってこんな学校だったのね・・・
        って誤解してしまいそうです。
        す〜さん、こんばんわ(^^)
        ほんと特に「桜の森の〜」は、しっとりとしていて、いつもと違った森見さんの一面を見たようで、なかなか堪能できました。坂口安吾の原典の方を後から読んだのですが、なかなか怖ろしいお話なのですね。これをこうするか、と改めて感心させられてしまいました。他の近代文学(泉鏡花のとかやってほしい)も、是非是非森見さん風にアレンジしてもう一度、世に出していただきたいものです。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/05/19 12:41 AM
        uririnさん、こんばんは。
        私も始めの3作品は読んでました。
        なので、森見さんのアレンジの腕前を楽しめました。
        持って行き方、お上手でしたね〜。
        他の近代文学にも、またチャレンジしてほしいです。
        江戸川乱歩や坂口安吾はいかがでしょう?
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        まさかあの話がこんなに「森見風」になるとは…、本当に感心してしまいました。流石に京大出身というか。
        次回作は京都が舞台ではないとか…新境地にも期待ですね。では、では〜。
        • uririn
        • 2007/05/21 1:04 AM
        こんにちは。
        森見作品は初めてでした。
        面白かったですね〜
        「走れメロス」のぶっ飛んだ内容には驚きました。
        太宰先生はどう思うのでしょうか^^;
        原作でも読んだことのない作品があったので、機会があれば読んでみたいですね。
        • 苗坊
        • 2007/08/05 4:24 PM
        苗坊さん、こんばんわ(^^)
        苗坊さんが森見さん初読みとは意外な感じ。『夜は短し歩けよ乙女』なんて、絶対苗坊さん好みだと思うので、ぜひぜひ。ものすごく可愛いお話よ。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/08/06 12:37 AM
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        あの名作が、京の都に甦る!?暴走する恋と友情――若き文士・森見登美彦の近代文学リミックス集! その時、彼の腕を通りすがりの女性が必死で掴み、「ちょっとすいません!」と叫んだ。 思わず見返した相手は驚くほどに可憐な乙女であり、目に涙を溜めて
        • 苗坊の読書日記
        • 2007/08/05 4:20 PM
        有名な『夜は短し歩けよ乙女』を読む前に、なぜか先に読んでしまいました。 堅い本、過去の名作、洋書にひたすら疎いわたしが元ネタを全て知ってるのは、明らかに近代文学が好きすぎた高校の国語教育の賜物です。 授業受けとくもんですね[:本:][:ぴかぴか:] 京
        • LILYROSE Cafe
        • 2007/05/22 9:37 AM
        装幀はchutte。装画は山本祐布子。「小説NON」2005年10月号から2007年3月号まで不定期掲載をまとめた短編集。 ・山月記・原作中島敦(既読) 孤高の大学生、斎藤秀太郎が大文字山で変化(へんげ)したのは…。抑えた
        • 粋な提案
        • 2007/05/19 3:04 AM
        古典の名作を森見流に解釈したらこうなった! キターーーーって感じです。 前5篇からなる短編集。 もちろん原作は誰でも知っている作品ばかり・・・・だと思う。 自分は『山月記』と『走れメロス』しか読んだことはあ
        • My Favorite Books
        • 2007/05/18 10:23 PM
        新釈 走れメロス 他四篇森見 登美彦 (2007/03/13)祥伝社 この商品の詳細を見る 近代文学を森見風に独特の文体でアレンジ。 そして場所は京都の街。 時代も現代で、出てくる人物はやっぱりあの大学の学生たち。 それに一編ごと
        • しんちゃんの買い物帳
        • 2007/05/18 5:26 PM

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