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    『彼岸の奴隷』小川勝己

    彼岸の奴隷
    彼岸の奴隷
    小川 勝己 2005/10/15文庫化 角川文庫 P.486 ¥820
    ★★★★★
    どんなに大切な人も、みんないつかはいなくなっちゃうんですよ。会えなくなっちゃうんですよ。どんなに楽しい思い出があったって、全部ぜーんぶ過去のことになって、忘れられちゃうんですよ。だったら、ずっとそばにいてくれるようにすればいい。ずーっと一緒にいられるように、ね。だから、その人と自分が一緒になっちゃえばいいんです。行き違いなんてものが生まれたり、いつか自分を拒絶するかもしれない相手の感情ってものをなくしてしまって……

    両手首と頭部を切断された、50代から60代と見られる女性の死体が発見された。
    ほどなく頭部だけは別の場所で発見され、捜索願が出ていたため、被害者は保護司をしていたという大河内聰子、60歳と判明する。

    本庁と所轄との合同捜査本部が設置され、被害者の一人娘、涼に聞き込みに当たることになったのは、老人を死に至らしめた小学生達を病院送りにしたことで、本庁の四課から所轄にまわされたベテラン刑事、和泉と、キャリアだった父親を目の前で射殺されるという経験を持つ、捜査一課の蒲生のコンビ。

    四課にいたことから、裏で暴力団幹部と密接な関係を持つ和泉と、妻に「変態」呼ばわりされ娘を連れて逃げられ、現在は日に一度、留守番電話に吹き込まれる一人娘の声を聞くことだけが唯一の生きがいとなっている蒲生。

    蒲生は、警察署内で被害者の娘とすれ違った和泉の反応から、和泉が被害者と過去に何か関わりを持っているのでは、と疑い、独自に和泉の過去を調べることに。

    殺害された女性は、一度は和泉の義理の母親として、そして和泉が生涯ただ一人愛した女性として、和泉の記憶に刻まれていた女…。

    そして生前の被害者の目撃証言から「しらいし」という名を耳にした和泉は、懇意にしている暴力団の若頭、矢木澤に、自分自身の手でぶっ殺したい相手「白石」の捜索を依頼することに……。

    「血と暴力に彩られたあらゆる罪悪が襲いかかる狂気のクライム・ノベル。鬼才・小川勝己が描く、救いのない、背徳的な快楽に満ちた世界から、あなたは抜け出せるか――。」だ、そうで。


    何となく気分が落ち込んでいたので、ぶっ壊れた人達の話が読みたくなってしまって…これは確かに「クライム・ノベルの最終兵器」と称される小川さんの名前に違いのない「鬼畜系ノワール」。
    特に前半は、世のお母様方が読んだら失神してしまいそうなほど、目を覆いたくなるような酷い話ばかりで(よくこんな非人間的な、残酷なこと思いつけるなぁというか)。

    「まともな人間が一人も出てこない」というのも納得(自分の思い通りに男をオモチャにしようとする「脳天パー」が口癖の、自分が脳天パーな女や、自分を拒絶する女にしか興味を示さない変態サディストのちびっこ暴力団幹部や…)だけど、予想していたよりも案外まともだったような。

    感情をなくした人間のような蒲生のことも、少し理解できるかも(過去に感情が壊れすぎてしまったというか…少しだけ同情したくなる)。

    いつかは離れていってしまう相手と、ずーっと一緒にいるためには…という気持ちも分からなくはないような(ただ、そこまでの「愛」を私は知らないので、絶対そんなことしないと思うけど)。

    こういうの嫌いじゃないし、たまに無性に読みたくなってしまうのは何でだろうと思ったら、解説で、小川さんのことを「1970年代角川文庫の申し子。昭和四十年代以降の生まれのための、まさにあなたのための犯罪小説家」と紹介されていたので、妙に納得。

    確かに私の青春時代は黄金期の角川映画とともに、だったなぁと、しみじみ……。

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        コメント
        時の経つ早さを感じます。
        つらいことですが、大切な人も順にお別れが
        きます。
        昭和の角川のイメージは
        「時をかける少女」、、ひさびさに見たら
        面白いかなと思ってます。
        タジイさん、こんばんわ(^^)
        「時をかける少女」ではじめて「ラベンダー」というものを知りました。それ以来「ラベンダー」と聞くと、これを思い出すほど、記憶に残ってます(^^;
        当時の角川映画のCMは、インパクトありましたね〜。友達とかもみんな記憶を共有してるって、それって、ある意味凄いかも。
        • uririn
        • 2007/05/08 1:33 AM
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