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    『家日和』奥田英朗


    奥田英朗 2007/4/10発行 集英社 P.235 ¥1,470
    ★★★★
    この子たちを産んでよかった。考えてみれば、ずっと家族からしあわせをもらっていた。……
    紀子は何度も花に目をやり、その都度「ありがとうね」と言った。
    このしあわせな気持ちで、あと十年は平気だと思った。
    自分には家族がついている――。         〜『サニーデイ』より〜

    妹から勧められて始めたネットオークションにはまる主婦。
    落札者から良い評価をもらう度に心に張りが出て、肌まで若返っていくことに気付き、とうとう物置に眠っていた夫の大切にしていたギターにまで手を伸ばし…『サニーデイ』

    会社が倒産してしまい、突然無職になってしまった一家の主。
    そして段取り良く妻が昔の職場に復帰し、当然のように家事を受け持つことにした夫は、自分の意外な才能に目覚め…『ここが青山』

    冷却期間を置くために妻と別居することになり、家具のなくなったマンションに一人取り残された夫。
    とりあえず、カーテンとソファーだけでも…と、店を巡るうち、これまでの妻好みのインテリアで飾られた部屋の居心地の悪さに気付き…『家においでよ』

    他、『グレープフルーツ・モンスター』、『夫とカーテン』、『妻と玄米御飯』の6編から成る「家庭」がテーマの短編集。

    「いい人は家にいる。
    ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。
    ビター&スウィートな〈在宅〉小説。
    2007年 奥田英朗のオンリー・ワン!」だ、そう。


    前作の『町長選挙』から約一年ぶり?の奥田さんの待望の新作(たぶん)。
    『マドンナ』や『ガール』の路線かな。
    やっぱり奥田さんの本は、安心して楽しめるというか…。

    ネットオークションに嵌って、開き直る主婦の「ばれたらそのときだ。喧嘩になったら泣いてやる。」の台詞がやけに可愛くて、この手は使えるなと。

    『ここが青山』の「人間到る処青山在り」という諺は全く知らなかった(無知?)ので、またひとつ賢くなってしまったなと。
    そして、ここに出てくる夫が息子に何とかブロッコリーを食べさせようと、あれこれ工夫する姿が涙ぐましくて…でも、なんでそこまで拘る???と思わなくもない。
    この妻の逞しさは絶対見習いたいし。

    『家においでよ』の、部屋を次々と自分好みにしていく夫の気持ちはすごく良く分かるし、家に帰りたくない夫たちの気持ちも…男の人って家に居場所がなくて大変だなと。
    ここに出てくる部屋は夫たちの理想なんだろうだけど、女の私にとってもかなり理想的(雑誌に出てくるような部屋はお洒落だけど、実際は居心地悪そうで、そんなとこに住みたいとは思わない)。

    『グレープフルーツ・モンスター』の在宅の主婦の、たまの訪問者への期待感も、『夫とカーテン』の妻がどんどん夫を見直していくのも、『妻と玄米御飯』での、結局は妻に頭のあがらない夫の姿も、奥田さんが書くから、こんなに面白くなるんだろうなと。

    殆ど家の中での話なので、家の中大好きの私には結構たまらんし、これ読んで「家庭を持ちたい!」と、今さらながら結婚願望がむくむくと…、遅すぎたかもだけど。
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        コメント
        はじめまして。トラバさせていただきました。たくさんの本を読んでいるのですね。

        私も奥田英朗ファンです。奥田さんの作品って、読み終えたあとの爽快感や温かい気持ちになれるのがいいですよね。早くも次回作が楽しみでしかたないです。
        marikoさん、はじめまして(^^)
        TBありがとうございます。
        奥田さんの本、確かに読み終えた後、爽快な気分になれますね。「家日和」の最後の話は、奥田さんご自身のことなのかな?と思いながら読むと、いっそう面白くて、痛快でした。
        私も次回作(これ、読んだばかりだけど)、心待ちにしております。
        では、では。
        • uririn
        • 2007/04/07 6:48 PM
        良かったですよ、これ。
        特に「サニー・デイ」には共感しまくりです。
        ネットオークションよくやるんで。
        微妙な心理のあやを書かせたらやっぱり奥田さんは
        すごい!の一言ですね。
        どの話も身につまされる、すごく親近感の沸く
        話ばかりでした。

        家、欲しい・・・。
        す〜さん、こんばんわ(^^)
        主人公たちの年齢が近いせいか、すごく身近に感じられて、私も共感しまくりでした。
        ネットオークション、出品するのも落札するのも良くやっているので、この主婦の気持ち、めちゃくちゃわかります(^^)
        そして「家においでよ」の、あんな居心地の良さそうな部屋に住みたいし。
        す〜さんの最後のつぶやき…是非、夢を叶えて下さいね。
        では、では。

        • uririn
        • 2007/04/09 9:45 PM
        uririnさん、こんばんは。
        「ここが青山」の「人間到る処青山在り」という諺、
        “せいざん”という呼び方は知ってましたが、“じんかん”は知らなくて、
        ひとつ賢くなれました(笑)。
        「家においでよ」は、居心地良さそうでしたね。
        映画好きなので、ホームシアター、憧れです。
        先立つものがないので、改造しようがなくて(涙)。
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        本を読んでると、かなり勉強になりますね(^^)
        (最近は、覚えてもすぐ忘れちゃうけど)。
        本当にあんな居心地のいい部屋なら、ずーっと家に居たくなってしまうかもです。
        私もホームシアター、憧れです(でも、部屋が狭すぎて無理…ううっ)。
        でも、いつかは…と、頑張りましょう(^^)
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/04/24 11:24 PM
        こんにちは☆
        私も「家においでよ」の部屋理想的だなぁと思いました!女なのにおかしいのかな・・・と思ってたところにuririnさんの感想!嬉しかった♪
        musagoroさん、こんばんわ(^^)
        今頃は、キャンプに出かけてるかな?て、一つ驚いたことが…、毎日読んでたつもりなのに…なんで知らなかったんだろう???そうなのですね(^^)嬉しい!
        と、そしてこんな部屋が理想なのって、男の人だけじゃないですよね(でも理想の部屋のその前に、私の場合は今の自分の部屋の大掃除をGW中にしなければ…えらいことになってます)。
        では、では。
        • uririn
        • 2007/04/30 1:38 AM
        ほのぼのとしてて、読んでてうれしくなってしまうような本でした。
        家庭内の問題って、ちょっとしたことなんでしょうけどね。
        奥田さん、あらためてうまいなぁ!
        • juzji
        • 2007/05/24 12:57 PM
        juzjiさん、こんばんわ(^^)
        奥田さんの作品は、本当に安心して読めますね。
        どこにでもいそうな夫婦が出てくるのが、ほのぼのしていて、共感できてしまって(て、独身だけど)面白く読めてしまいました。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/05/25 12:48 AM
        どの話も共感できたり、一言言いたくなったり、面白かったですね。部屋もそりゃ、憧れはゆったりしたソファにホームシアター、片手に本、の空間ですが、無理だし。オークションの評価に気を良くしちゃう主婦なんかは、でもその褒められたい願望分かるな〜と。(笑)
        こういうコミカルな話、好きです。
        • じゃじゃまま
        • 2007/08/28 5:33 PM
        じゃじゃままさん、こんばんわ(^^)
        私はオークションに良く出品するので、めちゃくちゃ共感してしまいました(^^)でも、若返ったりはしないんだけど(^^;そしてこんな部屋は、やっぱり誰にとっても理想ですよね。いつかは…。
        奥田さんならでわの笑わせ方、私もとても好きです。次回作も期待大ですね。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/08/28 11:45 PM
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        第20回柴田錬三郎賞は、 奥田英朗さんの「家日和」に決まりました。   「家日和」は夫婦の機微を軽妙に描いた短編集。 奥田英朗さんは「邪魔(上)(下)」で第4回大藪春彦賞、 「空中ブランコ」で第131回直木賞などを受賞しています。
        • 及川的大人のブログ
        • 2007/10/05 6:33 PM
        おお~~。さくさく読めて、なんてリラックスできたのでしょう。 奥田氏ってミステリからいつの間にやらコメディというかユーモア小説が多くなってきて、好きだな~。いちいち、その一言が面白いんだよ、とプッと吹き出してしまう。よく人間観察してるよね。 「サニーデイ
        • じゃじゃままブックレビュー
        • 2007/08/28 5:27 PM
        奥田 英朗 家日和 ちょっと前まで、小説と言えば推理小説オンリー。 読みやすく、ドキドキとハラハラが味わえるもの。 シリーズ物では、事件解決後は必ず、 定番のほんわか癒し部分が施されていて、 それでほんのり和みタイムを味わったものだ。 小説
        • 酔芙蓉に恋をして
        • 2007/07/16 12:39 AM
        読んでて、「フフフッ」と微笑んでしまいました [:ラッキー:] ネットオークションにはまる専業主婦。会社が倒産し、主夫となる営業マン。夫と妻。ちょっとずれていて、でも愛情がないわけでなく…。ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。ビター&
        • じゅずじの旦那
        • 2007/05/22 6:19 PM
        家日和 奥田 英朗 主に家で生活する人たちを描いた6つのドラマ 途中で本を閉じたくなった「サニーデイ」はネットオークションに味を占め夫が大切にしていたであろう年代物のギターを売ってしまい更には夫が老後の楽しみにしているレコード・プレーヤーまでオー
        • 柚子すき毎日
        • 2007/04/28 12:39 AM
        装丁は大久保伸子。写真は本城直季。 「小説すばる」2004年9月号から2006年12月号までの不定期掲載に加筆修正した短編集。 1997年「ウランバーナの森」で作家デビュー。02年「邪魔」で大薮春彦賞、04年「空中
        • 粋な提案
        • 2007/04/23 12:22 AM
        この短編集は、6つの短編で出来上がっています。 それぞれ、いかにも今風で、いかにもありそうな家族風景です。 でありながら、凡百の人々でもないのです。 倒産で失職したからすぐに職を求める訳でもなく。 妻との別居も愉しみに変えてしまう。 平凡そうに
        • 本を読もう
        • 2007/04/22 7:48 AM
        ネットオークションにはまる専業主婦。 会社が倒産し、主夫となる営業マン。 妻が家を出て自分の趣味をいかした部屋つくりをする夫。 在宅でDMの宛名打ちの内職をし、家にやってきた若い営業マンとの 淫らな夢におぼれ
        • My Favorite Books
        • 2007/04/09 8:23 PM
        待ちに待った奥田英朗さんの最新作『家日和』(集英社)が発売されました!! 好きな作家はたくさんいるけれど、新作の発売日まで調べて、その日に本屋さんに買いに行くのはいまは奥田英朗さんくらいかな。 家庭とその空間の家がテーマの6つの短編集。インターネット・
        • Vive la vie!
        • 2007/04/06 10:55 PM

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