スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『ミハスの落日』貫井徳郎

    ミハスの落日
    • 著:貫井徳郎
    • 出版社:新潮社
    • 定価:1470円
    livedoor BOOKS書誌データ / 書評を書く

    ★★★★★
    「神はひとりであって、その他に神はない。私が聖書のその言葉を思い出したのは、密室の真相に気づいたときのことだ。私は自分が神ではなく、ただの人間であったことを改めて認識した。そして神ならぬ身に、人を裁く権利などないことも自覚した。……それなのに私は神が許したアリーザの行為を神に代わって糾弾した。己を神と勘違いしたとき、私もまた取り返しのつかない罪を犯したのだ。……」〜『ミハスの落日』より〜

    バルセロナでの一人の女性との邂逅から、孤独な人生を歩むことになった大富豪の男は、命の際におかれ、一人の青年を呼び出し、30年前に犯した自身の罪について語り始める…『ミハスの落日』

    女に好意を持たれたことのない、コンプレックスの塊のようなビデオ屋の店員は、客として男に声を掛けてきた美しい女性の微笑を「好意」だと勘違いし、ストーカー行為を繰り返した挙げ句、彼女に殺意を抱くようになり…『ストックホルムの埋み火』

    保険会社の調査員の男は、サンフランシスコ警察の極悪刑事に頼まれて、二人の夫を事故で亡くした過去を持つ女性の、三人目の夫の事故死の調査をすることに。
    ツバメの巣を取ろうとして、アパートから墜落死した三人目の夫には、多額の保険金が掛けられていたというのだが…『サンフランシスコの深い闇』

    夫が残した借金の返済の為に、仕方なく娼婦に身を落としたと、最近客として頻繁に指名してくれるようになった日本人の男に語る女。
    女の近辺で、近ごろ頻出する「切り裂きジャック」のような、娼婦だけを狙う殺人鬼の正体は…『ジャカルタの黎明』

    アメリカ人の観光客女性から、失踪した夫の捜索を手伝って欲しいと頼まれた現地ガイドの男は、その報酬と彼女の美しさに惹かれ、妻には内緒で彼女の依頼を引き受けることにしたことから…『カイロの残照』の、世界各国の5つの都市を舞台に繰り広げられるミステリ短編集。

    「今も胸に残る、強い想い 心の底に潜む、深い闇
    そして待ち受ける、驚愕のどんでん返し 世界を舞台に描く、最新作品集」だ、そうで。


    最初の『ミハスの落日』から、最後の『カイロの残照』まで、実に8年間に渡って書き溜められた作品集だそうで、実際に貫井さんが訪れた土地ばかりが舞台ということで、「あとがき」の各地の感想みたいなのも、なかなか面白かったりする。

    海外が舞台で、主人公達もみんな現地の人だしカタカナの名前だし、微妙に違和感を感じなくもないけど、中身はやっぱり貫井さん、という感じ。

    『ミハスの落日』の大富豪の男の振り返った過去の話が、なんとなく『白夜行』っぽいなと。神によって作られた密室…は、まあそういう話だから、これでいいのかなと納得。
    ラストの真実は、少し涙を誘うような。

    『ストックホルムの埋み火』を読んで、レンタルビデオ屋さんって、どこの国にもあるのか…と妙なところに感心し、これ日本が舞台でも全然構わないと思ったけど、何かの作品へのオマージュだと知って最後の主人公の台詞から、ネットで調べてああなるほどなと。

    もてないストーカー男の心の叫び(身勝手な)と、自分とを重ねる刑事の鬱屈した心が面白くて、この作品はすごく好きかも。

    『サンフランシスコの暗い闇』は、『光と影の誘惑』の中に収められてる「二十四羽の目撃者」の続編ということで、ちょっと軽妙な感じのお話、なのに、真実はダークかな。

    『ジャカルタの黎明』の犯人の動機を聞いて、やっぱりこれも、その国でなければならなかったんだなと、舞台の国に感心されられてしまった(ジャカルタってどこにあるのか知らないんだけど…)。

    エジプトにはものすごくそそられるので、最後の『カイロの残照』を読んで、ちょっと行きたくなってしまった(背景が鮮やかに描かれていて、イメージしやすかったからかな)。これもやっぱり海外ならでわの犯罪、ぽい。

    でも、この作品集読んでて、なぜか友近と彼氏がやってる「ビバリーヒルズ」ネタ(ディランが大好きなので、結構ツボに嵌ってる)を思い浮かべてしまったのは何でだろう…。

    0

      スポンサーサイト

      0
        • -
        • 00:04
        • -
        • -
        • by スポンサードリンク

        コメント
        uririnさん、こんばんは。
        さまざまなスタイルで書かれていて、バラエティ豊かな短編集でしたね。
        “中身はやっぱり貫井さん”、にうなずきました。
        エジプト、ものすごくそそられるのですか?。
        でしたら、たぶん映画なら「インディ・ジョーンズ」や「ハムナプトラ」が
        お好きですね?(映画研究会だったので、それらを連想しました、笑)。
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        外国の人の名前、覚えられないから海外ものは苦手なのですが、これはなかなか楽しめました。
        そして、まさにおっしゃる通り「インディ・ジョーンズ」も「ハムナプトラ」も大好きな映画です(^^)vあと、「クール・ランニング」がめちゃくちゃ好きなので、ジャマイカにもそそられてます(^^;
        昔ケニアに旅行した時、ケニア人から「お前はジャマイカ人だな!」と何故か決め付けられてしまったので(その頃のソバージュヘアがレゲエ頭に見えたのか…)。

        • uririn
        • 2007/03/26 10:50 PM
        uririnさん、こんばんは。
        「クール・ランニング」!私も見ましたよ〜!。
        ジャマイカからボブスレーでオリンピックに挑戦。
        笑えて泣けていい映画でしたよね!。
        映画まで傾向が同じの私たちって…運命の人!?(笑)。
        そしてそして、uririnさんがたぶんこれから確実に読むと思われる、
        ある本に、「クール・ランニング」のことが書かれています。
        (私は記事に書いています)。
        何の本かは、サプライズのお楽しみで伏せておきますね
        (知りたくなったら、ご一報ください、笑)。
        それから…失礼なケニア人!。
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        即レスです。本当に運命の人かもですね〜。
        そして、ふっふっふ。藍色さんのブログでチェック済みですよ〜。好きな作家さんは、好きな映画も同じなんだなぁと…それを読んだ時も一人にんまりしてました。
        早く読まなくては。
        では、では〜。

        • uririn
        • 2007/03/28 12:38 AM
        友近のネタを思い出してしまうのは、やはり日本人が書いてる外国人の小説って思ってるからでしょうかね。私はまさにそんな感じなんです。日本人が外国人を書く無理を感じてしまって。
        でもみなさん概ね好評なので、どうやら私だけが人間が小さいようです。(爆)
        「サンフランシスコの深い闇」は続編なんですね!それ聞いて興味が湧きました。
        個人的には「カイロの残照」が好きです。
        • じゃじゃまま
        • 2007/07/13 5:32 PM
        じゃじゃままさん、こんばんわ(^^)
        確かに多少の違和感、感じてしまいますよね。無理があるというか、外国映画に出てくる日本人の逆バージョン、みたいな。まあでも、大好きな貫井さんなので、これはこれでという感じかな(でも、もう内容すっかり忘れちゃいました(^^;)。
        では、では。
        • uririn
        • 2007/07/14 12:35 AM
        TBさせていただきました。
        外国が舞台だからこそ、生まれたお話で、おもしろく読むことができました。
        あとがき読むのも楽しめました。

        • 2007/07/17 11:31 PM
        花さん、こんばんわ(^^)
        TBありがとうございます。
        あとがき、確かになかなか面白かったのを思い出しました(でも、ただ単に取材と称して旅行に行きたかっただけなのでは…などと感じていたような)。でも確かにその国でなければ、というお話ばかりなのは流石だなぁと感心してしまいました。
        では、では。
        • uririn
        • 2007/07/18 12:47 AM
        コメントする








           
        この記事のトラックバックURL
        トラックバック
        ミハスの落日 貫井徳郎  新潮社 2,007年2月  「ミハスの落日」 ジュリアンは、製薬会社創業者のオルガスから、ミハスまで、来てほしいという電話を受け会いに行き、昔のジュリアンの母の話を聞く・・・・ これも密室殺人になるの
        • <花>の本と映画の感想
        • 2007/07/17 11:24 PM
        なんだか時間がかかりました。これはすべて海外を舞台にした短編小説を書くという趣旨で書かれてるので、私の感想なんぞは戯言と思ってください。 やはり、ほとんどの人物が外国人ってのは違和感ありました。だってこれ日本人作家だよね~、ジュアンだのオルガスだの、マ
        • じゃじゃままブックレビュー
        • 2007/07/13 5:26 PM
        装幀は新潮社装幀室。章扉写真は貫井徳郎。カバー写真はJTBフォト。主に「小説新潮」1998年10月号から2006年10月号まで不定期掲載。世界各国五つの都市が舞台のミステリー短編集。 ・ミハスの落日 面識もない財
        • 粋な提案
        • 2007/03/26 1:46 AM

        calendar

        S M T W T F S
          12345
        6789101112
        13141516171819
        20212223242526
        27282930   
        << September 2020 >>

        読書メーター

        uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

        新刊チェック

        selected entries

        categories

        archives

        recent comment

        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          uririn
        • 『痺れる』沼田まほかる
          uririn
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          uririn
        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          いちれん
        • 『痺れる』沼田まほかる
          くり
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          智広
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          uririn
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          苗坊
        • 『永遠の0』百田尚樹
          uririn
        • 『永遠の0』百田尚樹
          苗坊

        recent trackback

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        悪人
        悪人 (JUGEMレビュー »)
        吉田 修一
        読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

        recommend

        しずく
        しずく (JUGEMレビュー »)
        西 加奈子
        サイン本買っちゃった。

        recommend

        recommend

        たぶん最後の御挨拶
        たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
        東野 圭吾
        猫なんです…。

        recommend

        recommend

        recommend

        ねこの肉球 完全版
        ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
        荒川 千尋,板東 寛司
        たまらん。

        recommend

        ニャ夢ウェイ
        ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
        松尾 スズキ, 河井 克夫
        たまらん…

        recommend

        recommend

        僕たちの戦争
        僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
        荻原 浩
        とにかくお薦め。

        recommend

        出口のない海
        出口のない海 (JUGEMレビュー »)
        横山 秀夫
        たくさんの人に読んでほしい…

        links

        profile

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        みんなのブログポータル JUGEM

        使用素材のHP

        Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

        PR