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    『クジラの彼』有川浩

    クジラの彼
    クジラの彼
    有川 浩 2007/1/25発行 角川書店 P.241 ¥1,470
    ★★★★
     一度連絡が取れなくなったが最後、次に会えるのはいつなのか分からないのがデフォルトだ。しかも最短一ヶ月から。二ヶ月、三ヶ月が当たり前の世界である。……
     ここで更に過酷ポイントが加算、冬原のメールに恋人らしい甘ったるさは一片たりともない。「元気ですか。こっちは元気です」月単位で待ちわびたメールの内容がこれである。フラストは溜まる一方だ。聡子からのメールは毎回数十行にもなんなんとするというのに、この淡白っぷりは一体何だ。キモチの差か。キモチの量が違うのか。〜『クジラの彼』より〜

    頭数合わせに、急遽呼ばれたやる気のない合コンで、「好みの顔」の男、冬原に持ち帰られることになった、平均的小市民で地味なOL、聡子。
    海上自衛隊という冬原の職業柄、デートもままならず、電話やメールさえもやり取り出来ない状況の、究極の遠距離恋愛に不安になった聡子は、久しぶりに会った冬原に、言ってはいけない一言を口にしてしまい…『クジラの彼』

    航空自衛隊の次世代輸送機についての要望をヒアリングするため、小牧基地を訪れた新米航空設計士の宮田絵里。
    そこで彼女に寄せられた自衛官からの要望の第一声は、現行機のような簡易トイレをカーテンで仕切ったものではなく、コンパートメント式にしてほしいという、一見意表をついた意見のようで、絵里は一応その場では「検討します」と答えたものの、実際にトイレに雪隠詰めにされてしまい…『ロールアウト』

    女でありさえすれば、誰でもがもてるというWAC(女性陸上自衛官)の中でも、見た目だけなら上位に位置づけされる鬼軍曹三池に、パシリとしていいようにこき使われながらも、呼び出されると断ることが出来ない、同期の伸下。
    密かに8年間も三池に想いを寄せている伸下は、呼び出されるたびに、三池の失恋話とヤケ酒に付き合い、体よく足に使われる羽目に陥るのだが…『国防レンアイ』

    5歳年下の、美人で将来も有望な押しの強い彼女と、陸に上るたびにウィークリーマンションでの同棲生活を送る海上自衛隊の問題児、潜水艦乗りの夏木。
    「三十過ぎたらプロポーズするの気遅れるよ…」という、友人の言葉通り、あれやこれやと考えすぎる夏木は、ついつい彼女を疑うようなことばかり口にしてしまい…『有能な彼女』

    他『脱柵エレジー』、『ファイターパイロットの君』の6編から成る、自衛官たちの純愛を描いた「ベタ甘なラブロマ」短編集。

    「恋するふたりの間には、七つの海が横たわる。
    がんばれ女子、
    負けるな男子。
    07年、最新にして最強の恋愛小説上陸!!」だ、そうで。


    アンソロジー「Sweet Blue Age」に収められてた有川さんの『クジラの彼』がとても面白くて、「自衛官」の生活にちょっと興味をそそられてしまった。
    中身はごくごく普通の男女なんだけど(当たり前だけど)、こういうシュチュエーションは、恋愛するにはなかなか辛いものがあるんだなぁと。

    職業柄、電話もメールも、連絡が一切取れない期間が長くて…よっぽどの強い気持ちがないと無理そうで、待っている身が不安になるのも、待たす側が申し訳なく思う気持ちも、どちらの気持も良く分かるし、だからこそ、普通の人たちの恋愛よりも、この「ベタ甘なラブロマ」が許せてしまうのかもしれないなと。

    『ロールアウト』での、通路がトイレという状況で一人取り残された彼女が取った行動が、手に取るように分かるというか、「手洗わないんですか」と言われたら私も逃げ出したくなってしまうかも(ただ年齢的にここまで恥ずかしくはないけど)。

    「トイレ」って、生きていく上で、実はものすごく重大ポイントだと思うので(昔の「ぼっとんトイレ」は本当に嫌で良く我慢してしまってたし、今思い出しても怖いし)、この物語の目の付け所はすごく良いなぁと、感心してしまった。

    『有能な彼女』の、「やっぱお前、俺じゃないと無理だわ。」の台詞は、他のどんな言葉より、ものすごく言われたい一言だったりする。

    『脱柵エレジー』の、「離れて会えない状況を楽しむ」悲劇のヒロイン気取りの人たちの気持も、何だか良く分かるし、ラストも良いし。

    ここに出てくる恋愛には正直ものすごく憧れるけど、その昔、海上自衛隊の人とデートしたとき、帰り際に握手を求められて、ちょっとひいてしまった私には、こういうシチュエーションでの「ベタ甘なラブロマ」には、残念ながら縁がなかったんだなと、しみじみ…。
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        コメント
        uririnさん、こんばんは。
        国防という仕事に誇りを持っている登場人物たちが、
        一途に恋愛している様子が、微笑ましかったです。
        実際に自衛隊の人とのデートで、帰り際に握手はびっくり。
        その方、ストレートすぎたかも、ですね。
        活字のベタ甘ラブロマでしたけど、ちょっとホロにがだったでしょうか?。
        uririnさん こんばんは〜♪
        関西で言うと、御座候の回転焼きを3つ一気に食べたくらい甘かったで〜す(笑)
        な…なるほど。自衛官だからこそ「ベタ甘ラブロマ」が許せるわけですな。
        海上自衛隊の人とデートされた方、初めて知りました。意外とまわりにはいないもんですから。ふふっ。
        • naru
        • 2007/03/16 7:40 PM
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        「一途に恋愛」良いですね。本当に羨ましい(^^;
        なんだか昔懐かしい「りぼん」や「なかよし」の漫画に出てきそうな展開でしたが、主人公たちの実直さや不器用さが本当に微笑ましくて、懐かしくも斬新な感じがしました。たまにはこういうのも良いかなと(でもあんまり続くとぶつぶつが出そうな…)では、では。
        • uririn
        • 2007/03/17 1:33 AM
        naruさん、こんばんわ(^^)
        御座候の回転焼き、久々に食べたくなってしまいました〜。
        一時真剣に「結婚するなら自衛官」と思い込んでた時期があって…(^^;でも、不純な動機だったから、その人の生真面目さに後ろめたさを感じてしまいました。
        今でも自衛官とか警察官とか…男らしくて、そそられてしまいます。では、では〜。
        • uririn
        • 2007/03/17 1:45 AM
        私もトイレ、そんなに恥ずかしくないんですけど。っていうか女子トイレに男性が通路として入ってくるのは嫌だけど、別に自分が後ろ通るくらいなら平気。それよりも男性の前で「○○ッコ」って言う方が恥ずかしいですけど。(笑)

        あ〜、私も握手引きますね。昔、自衛官じゃないですけど、別れ際に握手求められて即冷めました。(爆)
        • じゃじゃまま
        • 2008/02/08 5:02 PM
        じゃじゃままさん、こんばんわ(^^)
        わたしも男性の前で「○○ッコ」は、恥ずかしくて言えません(^^;「ちょっとかわやへ…」ぐらいなら言えるのかもだけど。
        そして、おお〜握手、やっぱりひいてしまいますよね〜。先日男の人にこの話をしたら、「何が悪いの?」と言われて説明できなかったんだけど…うーん、なんでかな。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2008/02/09 1:10 AM
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        • 2012/09/19 9:33 AM
        「クジラの彼」、「ロールアウト」、「国防レンアイ」、「有能な彼女」、「脱柵エレジー」、「ファイターパイロットの君」、6編の恋愛小説を集めた短編集。 表題作「クジラの彼」は、潜水艦乗りを彼氏に持ったOLの奮闘記(?)。 彼氏とはなかなか連絡付かないわ
        • 【徒然なるままに・・・】
        • 2010/07/26 10:39 PM
        いい年した大人が活字でベタ甘ラブロマ好きで何が悪い! って、有川さんがおっしゃってるけど… それを好きで読んでる、50過ぎのオレはいったいどうすりゃいいんだい [:ムニョムニョ:]   まずは来訪記念のポチッ[:ひらめき:] [:next:] ブログランキング
        • じゅずじの旦那
        • 2008/07/13 1:15 PM
        もうデレッデレ。こんな男性いますかね~~~~~??どうでしょう、男性陣? こんなクッサイセリフ、言ってる人いるかな~?? ま、ハッピーエンドは嫌いじゃないから、これでいいんだけどね。 そっかそっか、「クジラの彼」は冬原ね。そんなことはとっくにいろんなブログで
        • じゃじゃままブックレビュー
        • 2008/02/08 4:57 PM
        クジラの彼 出版社: 角川書店 (2007/02) ISBN-10: 4048737430 評価:82点 自衛官の恋愛小説なんて初めて読んだ。 しかも甘甘のベタベタ。著者もあとがきでそれを認めているが、相当に甘い。 読みながら、少女マンガを思い出した。 現代のようにヤオイに向っ
        • デコ親父はいつも減量中
        • 2007/11/20 12:19 AM
        クジラの彼有川 浩 (2007/02)角川書店 この商品の詳細を見る 「クジラの彼」 人数合わせで顔を出した合コンで、聡子は冬原と出会い付き合うことになる。 だが潜水艦乗りの冬原とは、まともな連絡が取れない遠距離恋愛だった。
        • しんちゃんの買い物帳
        • 2007/05/04 5:47 PM
        クジラの彼 有川 浩 「恋人に素直に甘える」ことが不得意な私が素直になるためのちょっとしたスパイス それがベタ甘なラブロマ本 「クジラの彼」はその筆頭をいきそうです 話は全部で6つ 共通点はどちらか、もしくはどっちもが自衛隊のラブロマンス。しか
        • 柚子すき毎日
        • 2007/04/04 11:16 AM
        クジラの彼 ■やぎっちょ書評 とうとう読みました!本ブロガーさんが次々と読んでいく中、「この本を読む前に『海の底』と『空の中』を読まねばならぬ」と一気奮発。ガマンにガマンを重ねて順番に読んでよかったです。 短編ベタ恋愛集ですが、とくに「海の底」の夏木
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        • 2007/03/27 5:06 PM
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        • 粋な提案
        • 2007/03/16 4:48 AM

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