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    『フィッシュストーリー』伊坂幸太郎


    フィッシュストーリー
    • 著:伊坂幸太郎
    • 出版社:新潮社
    • 定価:1470円
    livedoor BOOKS書誌データ / 書評を書く
    ★★★★
    「これ、いい曲なのに、誰にも届かないのかよ、嘘だろ。岡崎さん、誰に届くんだよ。俺たち全部やったよ。やりたいことやって、楽しかったけど、ここまでだった。届けよ、誰かに」五郎は言って、そして清々しい笑い声を上げた。「頼むから」
    〜『フィッシュストーリー』より〜

    隠れファンはいたものの、表立っては売れることがなかったロックバンドの、最後のレコーディング曲に込められた願い…。

    それはやがて、この曲を聴く一人の男の正義感を揺り起こすこととなり、めぐり巡って…『フィッシュストーリー』他、
    『動物園のエンジン』、『サクリファイス』、書き下ろし『ポテチ』の4編から成る短編集。

    「売れないロックバンドが最後のレコーディングで叫んだ声が、時空を越えて奇蹟を起こす。
    デビュー第一短篇から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。」だ、そうで。


    いつもながらの会話の洒脱さと、よく出来た話感は健在だけど、何となく物足りないような…と思っていたら、これが、ボディブローのように、後からじわじわと効いてきてしまった。

    これまでの作品で出てきた誰がどこで、というのは、これから読まれる伊坂さんファンのお楽しみのためにとっておくとして…今回もたくさん登場するこの人は、私も大好きなお方で(これが伊坂さんの読むのが初めて、という方でも、このお方のことを記憶のどこかにとどめておいていただいて、伊坂さんにどんどん嵌ってもらえたらと)。

    『動物園のエンジン』の夜の動物園で、オオカミの檻の前に横たわる男、についての推理合戦はなかなか楽しめたし、『サクリファイスト』の、村に昔から伝わる風習で…というのも感心してしまう(九十過ぎてもなお若々しい唄子さんが可愛らしくて)。

    『フィッシュストーリー』は、最初読んだ時は、どう繋がっているのか理解できなくて(ぼーっと読んでたので…)、あとで前のページに戻って、感動してしまった(反応鈍すぎかもだけど)。

    こんな風に、誰かの思いが誰かに届いて、というお話は「本当にそんなことになったらいいのにな…」と、ある意味「夢」のようだったりするので、このスケールの壮大さ(?)がとても良いなと。

    たった一人で何が出来る…と、諦めるよりも、何かが出来ると思って生きたいなと(職業より何より「準備」が大切という父親の教えは、人生の全てにおいて通ずることだなと思えたし)。

    そして最後の書き下ろし作品の『ポテチ』は、会話が絶妙でめちゃくちゃ可笑しいのに泣かせる、ちょっといい話。
    でも、こんな豪快な母親なら、きっと今のままの息子で十分良かったと笑い飛ばしてもらえそうな…。

    コンソメ味も塩味も、私はどっちも甲乙つけがたく好きだし。
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        コメント
        『ポテチ』の母親が良かったですね。
        事実を知っているのか知らないのか、
        でも、知っていてもこの母親の息子に対する
        想いは変わらないんだろうな、と思いました。

        いろんなところにいろんな人が、
        それを探すのも楽しかったですね。
        こんにちは。
        「フィッシュストーリー」の繋がっていく感じが良かったですね。
        そして作品同士の繋がりもほの見えて、世界がどんどん広がっていく感じでした。
        こんばんは!
        ボディブローのようにじわじわ効いてくるって、ホントにそうですね!
        読んでいるときにはそうでもなかったけれど、読み終えてから思いがつながってゆくことや人と人との繋がりなど、なんだかそんなことを考えてしまいました。
        じんわりとした味わいがあって、どの短編も良かったです。
        TBさせていただきました(届いていると良いんですが)
        す〜さん、こんばんわ(^^)
        『ポテチ』の母親は本当に良かったです。人に何かを与えることを喜びに感じる人に、私もなりたいと思うので…。この母親に育てられれば、こんなに優しい息子になれるのですね。とても良いお話でした。では、では。
        • uririn
        • 2007/02/12 11:51 PM
        小葉さん、こんばんわ(^^)
        伊坂さんの作品には、人と人との繋がりの妙みたいなのをものすごく感じます。
        そして、こうして伊坂さんを通じて、私自身の世界も広がっていきそうな、それって素晴らしいことですね。こういう機会を与えてくれる伊坂さんは貴重な作家さんだと思えてしまいます。では、では。
        • uririn
        • 2007/02/12 11:56 PM
        エビノートさん、こんばんわ(^^)
        「じんわりとした味わい」まさにそんな短編集でしたね。人間の心の深いところにつきささるような。
        意外なところで、意外な人とすれ違ったり繋がったり、人との「縁」というか、そういうのすごく面白くて良いですね。TBちゃんと届いてました。有難うございます(^^)
        • uririn
        • 2007/02/13 12:03 AM
        uririnさん、こんにちは。
        伊坂さんらしい軽妙な小気味よい会話、
        そして伏線が今回も絶妙でしたね。
        「フィッシュストーリー」の
        どこかで繋がっているスケールの大きさ、すごく気に入ってます。
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        伊坂さんの作品は、何だかメッセージがすごく重いけど、おっしゃるような「軽妙な小気味よい会話」で、かなり軽減されているというか、読みやすいのに心にずっしりくるというか…。
        ほんとスケール大きいですね。いつか絶対直木賞とってもらいたいものです(スケール大きいし、十分ファンいるから、ご本人はそんなものにはこだわらないかもだけど、でもやっぱりと思ってしまいます)。では、では。
        • uririn
        • 2007/02/16 12:12 AM
        こんにちは^^TBさせていただきました。
        本当に良かったです。
        いろんな作品とリンクしていて、これが伊坂さんの醍醐味ですよね!
        久しぶりに伊坂さん作品を読みましたが、大満足でした^^
        • 苗坊
        • 2007/03/21 2:07 PM
        苗坊さん、こんばんわ(^^)
        伊坂さんの本は、未読のがまだ3、4冊あるので、リンクしてるの、全部は解らなかったのが残念です。まさに伊坂さんの醍醐味はそこですね。解ると一人でムフフとなってしまいます。
        では、では。
        • uririn
        • 2007/03/22 12:36 AM
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        フィッシュストーリークチコミを見る # 出版社: 新潮社 (2007/1/30) # ISBN-10: 4104596027 評価:89点 短編を4作品収録している。 最後の「ポテチ」は熱い話で胸に響くが、やはりできすぎ。 まあ、そこでホームラン打たなきゃどうにもなりませんがね。 最初の「動物
        • デコ親父はいつも減量中
        • 2010/10/02 12:41 AM
        フィッシュストーリー伊坂 幸太郎 (2007/01/30)新潮社 この商品の詳細を見る 「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」...
        • しんちゃんの買い物帳
        • 2008/01/15 8:09 PM
        フィッシュストーリー オススメ! 「動物のエンジン」 10年前、僕と河原崎さんと、動物園職員の恩田は深夜の動物園にいた。 そこには、狼の檻の前で横たわって眠っている元動物職員の姿があった。 「サクリファイス」 山田という男を捜すため、黒澤は小暮村にや
        • 苗坊の読書日記
        • 2007/03/21 2:03 PM
        フィッシュストーリー ■やぎっちょ書評 うーーん。キレとコクがいまひとつだった気がしますね〜。 伊坂さんの場合最初の期待値が高いからしょうがないのかもしれないけど。 たまねぎさんは「これ一冊で判断してはいけない」みたいなことを書かれていて、確かにそう
        • "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
        • 2007/03/14 11:50 PM
        フィッシュストーリー 伊坂 幸太郎 軽くてサクサクした感じの短編4つ。 伊坂サンが書く、アタシ好みの男。 っていうか、アタシが好きな黒澤サンまで出てるし。 動物園のエンジン サクリファイス フィッシュストーリー ポテチ この中ではやっぱりフィ
        • 読書三昧
        • 2007/03/14 9:17 PM
        装画は三谷龍二。装幀は新潮社装幀室。 過去の伊坂作品に登場した脇役たちが主人公に。デビュー第1短編から最新書き下ろし(150枚!)まで加筆修正の中短編集。表紙を開くと、作品タイトルについて「陽気なギャング」でおなじみの“
        • 粋な提案
        • 2007/02/15 11:37 AM
        告白します。一読しただけじゃ、誰が誰やらろくに分かりませんでした。←記憶力がものすごい勢いで減退中。登場人物の他作品とのリンクについて、私の分かる範囲で書いてますので、ご注意ください。「なあ、この曲はちゃんと誰かに届いてるのかよ?」売れないロックバン
        • 読書とジャンプ
        • 2007/02/14 6:14 AM
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        • まったり読書日記
        • 2007/02/11 10:15 PM
        『動物園のエンジン』『サクリファイス』『フィッシュストーリー』『ポテチ』の4編。 帯に「伊坂作品を彩る名脇役たちが巻き込まれる、新たな事件の数々」とあるように、他の作品で登場した人物がいろいろ出てきます。それはそれで嬉しいのですが、読んだそばから忘れ
        • 宙の本棚
        • 2007/02/11 5:28 PM
        待望の新刊。 「動物園のエンジン」 「サクリファイス」 「フィッシュストーリー」 「ポテチ」                  の4本。 決して派手さはないけれど、 じわじわと面白さがこみ上げてくる
        • My Favorite Books
        • 2007/02/11 1:35 PM

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