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    『弥勒の掌』我孫子武丸

    弥勒の掌
    弥勒の掌
    我孫子 武丸 2005/4/25発行 文藝春秋 P.265 ¥1,850
    ★★★★★
    妻の家出。これがこの三年、待ち続けていたカタストロフィなのだろうか。こんなあっけない幕切れが。
     もちろんそうではなかった。これは幕切れではなく始まりに過ぎなかったのだ。

    三年間の冷え切った夫婦生活の末に、突然マンションから姿を消してしまった妻。
    身に覚えがあるが故に、妻の行方を捜そうともしない夫、高校の数学教師、辻。

    第三者の通報によって、妻の不在を警察に知られることとなり、ようやく妻の捜索願を出し、自身の疑いを晴らすため、妻の行方を捜すことにした辻は、妻がある新興宗教団体に関与していた事実をつきとめ、《救いの御手》の門を叩く。

    一方、大切に可愛がっていた妻を、ラブホテルの一室で何者かに殺害されてしまったベテラン刑事、蛯原もまた、妻の隠し持っていた弥勒像から《救いの御手》に疑いを持ち、復讐心を抑えきれずに単独乗り込むことに…。

    《救いの御手》に潜入し、妻の居場所を探ろうとする辻、組織を使って《救いの御手》の過去を暴き、妻を殺害した犯人を探し出そうとする蛯原。

    そうして《救いの御手》を介して、偶然にも出遭ってしまった二人の男達は、お互いの境遇を知り、ともに手を組み、妻達が消えてしまった真実を知ろうとするのだが…。

    「新本格の雄が実に13年ぶり(!)に書き下ろしたミステリ長篇は、綿密な警察取材を踏まえた本格捜査小説です。待ち受けるのは唖然呆然、驚天動地の大破局!」だ、そうで。


    ずいぶん前に、新聞に掲載されていた我孫子さんのインタビュー記事で、この本のことを知ってから、結構読むの楽しみにしてたんだけど…。

    なんだかこの最後の「めでたし、めでたし」みたいな締めくくりが、ものすごく後味が悪い。

    高校教師の辻の、妻に対して、自分のしたことを棚に上げて「愛しているならそれくらいのこと…」というのも腹が立ったけど、刑事の蛯原の妻に対する愛情の勘違いさにも、結構腹が立ってしまったかも。

    何かこの二人は、風体は異なるものの、根っこは一緒だな…と。

    なので、読んでる間中、むかむかしっ放しで、どうでもいいような話だったけど、『殺戮にいたる病』のような最後を期待して、どうにか我慢して最後まで読んで、最後に「…。」という感じ(まあ、唖然呆然には違いないかもだけど)。

    妻たちは、このあほな男たちを一体どう思っていたの????という疑問だけが残ってしまった。

    まあ『弥勒の掌』のタイトルには、なんとなく納得させられたんだけど。
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        我孫子武丸我孫子武丸(あびこたけまる、1962年10月7日 - )は日本の推理作家である。本名は佐藤 哲(さとうあきら)。兵庫県西宮市生まれ。京都大学文学部哲学科中退。大学在学中は京都大学推理小説研究会に所属。綾辻行人の後輩に当たる。.wikilis{font-size:10px;col
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