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    『エスケイプ/アブセント』絲山秋子

    エスケイプ/アブセント
    エスケイプ/アブセント
    絲山 秋子 2006/12/20発行 新潮社 P.140
    ★★★★
    若いころのおれは、三十五か六で死ぬと思ってたな。四十まで生きるなんて想像できなかった。その前に、でかいことがなんかあると信じてたんだ、いや、一昨年くらいまで思ってたさ。そうじゃなきゃセクトなんてやってられるか。
     ところがどっこい、何も起こらなかったね、起こせなかったんだね。生きてたね。おめでたいね。いやんなっちゃうね。さて、おれの余生は。     〜『エスケイプ』より〜

    生まれる時代が少々遅すぎた1966年生まれの40歳、職業革命家として、堕落した20年間を無駄に過ごした「おれ」こと、江崎正臣。

    三菱重工爆破事件で革命に目覚め、9・11で自分がラディカルでもなんでもないことに気づいてしまった「おれ」は、なんちゃっての過激派から抜け出すことを決意した。

    そして、新しい仕事を始めるまでの一週間の猶予中、ふらりと旅に出ることにした「おれ」は、取りあえず東京から大阪までの切符を買い、寝台急行に乗り込み、はたと気付いて京都で降り、何気に入ったレコード屋で、胡散臭い西洋坊主と出会い、教会で寝泊りすることに…。

    「悪いな、おれは必死だよ。
    でも必死って祈ることに少しは似てないか。
    闘争と潜伏の20年から目覚めた「おれ」。
    人生は、まだたっぷりと残っている――。
    気鋭の見事な到達点、響きあう二篇の傑作小説。」だ、そう。


    「おれ」が京都で途中下車することに決めたときから、わくわくしてしまった(地元贔屓かな…?最近やたらと京都が舞台の本ばかり、読んでる気がしないでもないけど)。

    京都駅のこと、黒とグレーのでかい石造りの墓みたい…は、まさにそう見えるかも。
    バスの色が宇治茶というのも(どこのバスもこの色かと思ってたし…)なるほどなぁと。

    ゲイにはゲイを見抜くことができるものかと感心し、ゲイ同士なら、そう簡単にことが運ぶことを羨ましく思い、ところで「ハッテン」って何?と疑問を抱き、愛の足りない神父の過去に納得し、歌子ばあさんとの別れに涙し、『エスケイプ』と対になってる『アブセント』を読んで、ラストに「良くできた話だなぁ」と、またもや感心する、というような物語。

    「離れ離れになった相手のことを神様は同時に考えて下さっていると信じるしかないのではないでしょうか。」という神父のお言葉には、何やらありがたいものを感じたけど。

    大好物の「天一」も出てきたことだし、とりあえず満腹…かな。
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        コメント
        uririnさん、こんばんは。
        えーっ!びっくり!
        「春季限定」にTB、コメントしてましたけど、
        昨日アップしたばかりの記事だったので、
        あわてて、こちらにもTB、コメントです。
        この記事も「通天閣」同様、
        実際の場所や雰囲気をご存知の京阪神の方が読まれた時の、
        感じを知りたかったんです。
        まさに、日常という雰囲気でしょうか?。
        「ハッテン」は、たぶんそのまま“関係の発展”→深い関係では?。
        対になってる『アブセント』で、きっちり。良くできてましたね。
        藍色さん、またまたこんばんわ(^^)
        私も先にアップされているを見て、驚いていたのです。同じ頃に同じ本を読んでいたのかなぁと、運命を感じてしまいました(^^)(ちなみに私は日曜日にこれを読んみました)。
        これは本当に京都の薄暗い裏通りなんかが良く書かれてて、「あ、あそこら辺か」と、浮かんできて楽しかったです。最後の比叡山からの景色も子供の頃から馴染みの景色なので、ラストが爽快なものになりました。久しぶりに行ってみたくなりました。
        では、では。
        • uririn
        • 2007/01/23 9:25 PM
        こんばんわ。
        主人公と私の年代はほぼ同じです。
        70年代の学園闘争の世代に乗り遅れた年代ですね。
        子供の頃、ヘルメットかぶって闘争をした
        上の年代の人って卒業したら普通に就職していたケースが多いみたいですね。北野武が言ってました。
        自分がハタチの頃の京都は同志社も京大も
        まだ少し学生運動してる若者がいてました。
        タジイさん、こんばんわ(^^)
        私も主人公と同年代なので、なかなか興味深かったのですが、学生運動はピンと来ません。
        まったくそういうの無縁で生きてきたので…革命と言えば、渡辺美里の「マイ・レボリューション」ぐらいしか頭に浮かばない(^^;
        では、では。
        • uririn
        • 2007/01/24 12:24 AM
        こんばんは。
        uririnさんも京都の人なのですね
        私も京都の人なので、主人公が大阪でなく京都で降りると決めたときは嬉しくなってしまいました。
        後ろから乗る市バスも、天一も、はいはいと思いながら読んでました。

        ふたつの対になる作品のラストは思い浮かべると美しいシーンですよね。本当、良くできた作品でした。
        ちきちきさん、こんばんわ(^^)
        ちきちきさんも京都人だったのですね。お仲間、お仲間(^^)どこかですれ違ってるかもですね(京都って狭いし)。
        絲山さんって本当に変わってて面白いですね。好きです、こういう変わった人。
        そして、私は大垣書店が大好きです(^^)
        では、では。
        • uririn
        • 2007/01/28 11:29 PM
        こんばんは。
        大垣書店は烏丸三条のですか?
        大きさとかちょうど良い感じかもです。
        近くにああいう本屋さんがあったらすごい嬉しい。

        >どこかですれ違ってるかもですね
        やっぱり本屋遭遇率が高いかもしれませんね。
        ちきちきさん、こんばんわ(^^)
        三条の大垣書店は、通勤路にあるので、ほぼ毎日足を運んでは新刊のチェックだけして、読みたい本を図書館に予約するという迷惑な客です(^^;
        あそこのお薦め本コーナーは結構そそられる本が置いてあるので、ちきちきさんの「新刊メモ」と同じくらい頼りにしてます(^^)。


        • uririn
        • 2007/01/29 11:52 PM
        TBさせていただきました。

        全体的なこのゆるい感じ。
        世間からずれた男に不思議と魅力を感じました。
        タウムさん、こんばんわ(^^)
        TBありがとうございます。

        そう言えば私、絲山さんの小説に出てくる女性よりも、男性に魅力を感じてることに、今気がつきました(^^;
        こういうタイプに女性はものすごく弱いのかも(あ、でもこのお話では、どっちにもかな)。
        では、では。

        • uririn
        • 2007/05/31 1:17 AM
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        エスケイプ/アブセント ■やぎっちょ書評 絲山さん久々です。 いきなりクライマックスからですが、本当なら和臣の物語をもっとぐーっと書いて、第3部で2人が会うかどうかすれ違うのかっ!という展開が正しい小説のあり方?だと思うんだけど、ここで終わる絲山さんが
        • "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
        • 2008/01/14 10:39 PM
        著者の本は、確か二冊目。 何を読んだかあまり覚えていないんですが、確か「袋小路の男」だっとと思います。 次々と文学賞を受賞していて、通にはかなり受けがいい作家です。 ちょっと曲者で、簡単には入り込めな
        • 本読め 東雲(しののめ) 読書の日々
        • 2007/05/30 7:43 PM
        『エスケイプ/アブセント 』絲山秋子(新潮社) 闘争と潜伏にあけくれ、20年を棒に振った「おれ」。だが人生は、まだたっぷりと残っている。旅先の京都で始まった、長屋の教会での居候暮らし。あやしげな西洋坊主バンジャマンと、遅れすぎた活動家だった「おれ」。
        • ぼちぼち。
        • 2007/01/28 9:22 PM
        vivi二条とは、京都市内にできた二つ目のシネコン二条駅に隣接した複合ビルでvivi二条内にあるTOHOシネマズ二条の事ですかね。
        • 物知りになるサイト
        • 2007/01/23 12:06 PM
        装幀は池田進吾(67)。初出「新潮」2006年11月号。 エスケイプ・・・闘争と潜伏にあけくれ、20年を棒に振った「おれ」。主人公で語り手の江崎正臣四十歳の、二00六年夏。故郷、仙台にいる妹のやよいが念願の託児所を
        • 粋な提案
        • 2007/01/23 2:28 AM

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