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    『砂漠』伊坂幸太郎

    砂漠
    砂漠
    伊坂 幸太郎 2005年 実業之日本社 P.410
    ★★★★★
    「あのですね、人が死んで、仕方がないなんてね、軽々しく言える状況が俺には信じられないですよ」とはじめ、「こんな離れた国の、こんな居酒屋で、学生がビールを飲みながらね、どこかで死んでる誰かのことをね、しょうがねえよなあ、とか言ってること自体が最悪ですよ。俺たちはね、何もできないにしても心を痛めて、戦争が一日でも早く終わるよう願うことすらしてないじゃないですか。せいぜい恥ずかしげに言うべきじゃないですか」と喚いた。「戦争を語る時は、もっと苦しそうな、悶えながらじゃないと駄目なんですよ」

    仙台の街に、通り魔「プレジデントマン」が頻出するようになった頃、大学のクラスメイトととして知り合い、ひょんなことから雀卓を囲むことになった五人の男女。

    モデルや女優並みの風貌で人目をひくものの、言い寄る男子には見向きもしない、東堂。

    いつもにこにこと微笑み、陽だまりを連想させる女の子、誰よりも特殊な能力を持つ南。

    飲み会でいきなり長々とした演説を始め、周囲から顰蹙をかう、見た目も可愛くない西嶋。

    鳥瞰型の学生、どこかさめた目で、クラスメイトたちを眺める主人公の「僕」、北村。

    そして麻雀のメンバーには誘われなかったものの、北村の唯一の友人として、みんなの麻雀用に、豪奢なマンションの一室を提供する、鳥井。

    西嶋によって集められた五人は、この日の麻雀を境に親しくなり、東堂から、意外な相手への恋心を打ち明けられる「僕」。

    スーパーサラリーマンになるのが夢で、学生時代は今しかできないことをやると言い切る鳥井は、その言葉通りにあちこちで女の子達に声を掛けまくり、遊んでいる様子で、周囲からの良くない噂まで聞こえてきて…。

    そんな鳥井に誘われて、「僕」と西嶋が参加した合コンで、見知らぬ二人連れの男から因縁をつけられたことが発端となり、「僕」たちは次々と事件に巻き込まれることに…。

    『「大学の一年間なんてあっという間だ」
    入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン……。
    学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく。
    パワーみなぎる、誰も知らない青春小説!』だ、そうで。


    なかなかに過酷なお話で…ただの甘っちょろい大学生たちの物語かと思って読んでいたので、この展開にはちょっとびびってしまった。

    なるほど彼らの春から春というのは、そういうことなのかと…やっぱり構成が上手いなぁと感服してしまう(最後の方まで全く気付かなかった…)。

    伊坂さんの作品に出てくる女の人は、どんなに美人でも、可愛くても、女から反感買わないタイプだなぁと、こちらもつくづく感心してしまう(レベルが超越してるからかな)。

    もちろん登場人物誰もがみんな重要人物だし、魅力的なキャラだけど、なかでも西嶋のキャラは群を抜いているというか…。

    最初はださくて、近くにいたら「何この人、うざい」と声に出して言ってしまいそうと思っていたけど、最後には超男前に見えてくるのがすごいかも(やっぱり男は中身が重要だなと思い知らされたかな)。

    やることなすこと、まっとうで、真っ直ぐで、一生懸命で、ときには暑苦しいというか…でも、こういう人が実際にいてくれたら、本当に砂漠に雪を降らせることも、できるんじゃないかなと思えてしまう。

    「砂漠」と聞けば、前川清の『東京砂漠』を歌いたくなるけど…。
    舞台はやっぱり仙台なのね。
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        コメント
        uririnさん、こんばんは。
        ドラマチックな青春群像劇でしたね。
        春から春…は、私も最後の方まで全く気づきませんでした。
        5人のキャラクターが魅力的でしたね。
        特に西嶋の個性、強烈でした〜。

        前川清の『東京砂漠』…。
        読んでるとき、頭の片隅で聞こえてました(笑)。
        こんにちは^^
        この作品、好きですね〜
        私も最後までちょっとしたカラクリに気付きませんでした。
        それぞれキャラクターも魅力的でしたし^^
        鳥井が好きかなぁ・・・。
        最後の校長の言葉、好きです^^
        • 苗坊
        • 2007/01/10 1:08 PM
        実業之日本社で、発端っぽい超越したいです。
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        これで直木賞…取ってもらいたかったかも(^^;
        今月末に出る伊坂さんの新刊にも期待ですね(^^)
        • uririn
        • 2007/01/11 12:51 AM
        苗坊さん、こんばんわ(^^)
        鳥井君は努力の人ですね。あまりの出来事に絶句してしまいましたが、彼の強さに敬服いたしました。
        陽だまりの中にずっといてほしいですね(^^)。
        • uririn
        • 2007/01/11 12:56 AM
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        「陽気なギャング〜」が好きな人は、受け入れられるかもという作品です。キャラクターが相変わらず魅力的で、ユーモアが聞いてます。 伊坂さんのふんだんに使用する伏線や、ここでも、能力をもつ人物がでてきたり、 今までを総合したエンターテイメントだったと思
        • ミステリー倶楽部
        • 2007/02/21 2:48 PM
        装幀・写真は大塚充朗。装画は清伊吹。岩手・盛岡に住んでいた僕、北村(語り手)は仙台の国立大学に入学し、新入生歓迎コンパに参加します。そこで描かれる何人かの個性的な若者たち。隣にいて自分のことを鳥瞰型と指摘し
        • 粋な提案
        • 2007/01/10 2:52 AM

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