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    『ぶたぶた日記』矢崎存美

    ぶたぶた日記
    ぶたぶた日記
    矢崎 存美 2004年 光文社文庫 P.203
    ★★★★★
    ぶたぶたのことを友だちだと思っている人たち、あるいはそこまで関わりがなくても彼に魅入られた人たちは、そうやって彼を守り続ける。それは、彼を信じられる自分を失いたくないと思うからかも知れない。

    有名でもない売れない小説家、磯貝が講師を務めることになったカルチャーセンターの『日記エッセイ講座』。
    初回の日、提出されたエッセイのあまりの出来の良さに、誰の作品なのかと尋ねた磯貝が、声のする方を見てみると、そこには、桜色をした、バレーボールほどの大きさの、ビーズの点目に、おみくじ結びの尻尾…どう見ても「ぶたのぬいぐるみ」が、ちょこんと椅子に乗っかって…。

    信じられない気持ちで、中年の男の声で話す「ぶたのぬいぐるみ」の姿に釘付けになる講師の磯貝。
    「山崎ぶたぶた」と名乗る「ぶたのぬいぐるみ」を見る周りの反応を確かめたくて、まずはみんなで自己紹介をすることに…。

    これから全6回開かれる『日記エッセイ講座』を受講しているのは、プロのエッセイストになりたいOL、ひきこもりの元女子高生、妄想好きな更年期に悩む専業主婦、定年後にいろいろな文章教室を梯子していたお父さん、リストラされることを妻に隠し、時間つぶしのためにと講座に通うサラリーマン。

    見た目はかわいい「ぶたのぬいぐるみ」なのに、喋ると中年のおじさん「ぶたぶた」が『日記エッセイ講座』の課題として書き上げたエッセイ、
    第一回『突然の申し出』
    第二回『二番目にいやなこと』
    第三回『不器用なスパイ』
    第四回『もっと大きくなりたい』
    第五回『紅茶好きの苦悩』
    第六回『今までで一番怖かったこと』
    と、この講座で「ぶたぶた」に幸運にも出会ってしまった、それぞれに訳ありな、同じ講座に通う仲間たちが織り成す6つの物語。

    「くすっと笑えて、静かな感動が残る――ご存じ超人気シリーズ新作(2004年時点での)が、書下ろしで登場!」まさにその通りで。


    最初の方は、初めて「ぶたぶた」さんを目にした人たちの、あたふたした姿があまりにも可笑しくて、笑ってばかりいたけど、中盤の『もっと大きくなりたい』から、徐々に考えさせられて、最後の『今までで一番怖かったこと』の「ぶたぶた」さんのエッセイを読んで、いきなり現実(?)に引き戻されてしまった。

    「ぶたぶた」さんを、そういう目で見る人たちがいるのだなと思うと、現実には「ぶたぶた」さんはいないと分かっていても、ものすごく悲しくなってしまった。

    サンタクロースと同じくらい、本当にいてくれたら良いのになと思っているだけに、何だか殺伐とした現実を思うと、やりきれないと言うか…。

    なので、そんな「ぶたぶた」さんを守ろうとしているみんなの優しさに涙が出てしまう。
    これって、現実に置き換えてみて「ぶたぶた」さんでなくても、子どもや、動物にも通じるような…。

    なので、いつも癒されてばかりの「ぶたぶた」さんシリーズだけど、今回のは、これまでで一番面白かったのと同時に、一番切なかったかな。

    今の時期にぴったりな『クリスマスのぶたぶた』が文庫化されたのが、私にとっては何よりのクリスマス・プレゼントだなと(今年も、自分で自分にプレゼント買ってあげるしかないのが、少し侘しい気もするんだけど…)。
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        コメント
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        http://www.bidders.co.jp/pitem/59325947

        • みちくさ
        • 2006/12/17 12:06 PM
        この作品が初「ぶたぶた」でした。
        すごい衝撃でした。
        で、あっという間にすべて読破。
        『クリスマスのぶたぶた』は待機中ですが。
        本当にいいお話です。
        ファンタジーと分かっていても
        心癒されるものがありますね。
        す〜さん、こんばんわ(^^)
        どうしてこんなに有り得ないシチュエーションなのに、すんなり受け入れられてしまうのか…未だに謎です。
        でも、もし(有り得ないと分かっていても「もしも」と考えてしまう自分もどうかとは思うけど)本当に「ぶたぶた」さんがいたとしたら「ぶたぶた」さんを守ってあげられる人間でいたいと、心から思ってしまいました。
        では、では〜。

        • uririn
        • 2006/12/19 12:19 AM
        本と関係ありませんが、テンプレがずれてないですか?
        それとも、こういうテンプレなのか。
        このコメントは削除してもらって構いません。
        しんちゃん、こんばんわ(^^)
        もしかして右の空白のことかな?多分こういうテンプレなのかと…。パソコンの画面の大きさによってはぴったりだったりするので、私にも良く分かってないのだ。気にしないでね(^^;ありがとう!
        そして「ぶたぶたさん」は、私もたくさんの人に読んでもらいたいと思えるシリーズです。是非シリーズ全部復刻してもらえたらと、出版社さんにお願いしたいくらい。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/11/06 12:17 AM
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        JUGEMテーマ:読書感想文    ◆   ぶたぶたシリーズ   ぶたぶたがカルチャーセンターに通っています。    一見、幸せそうに見える人々も実は不幸なんですね。    しかし、ぶたぶ
        • こみち
        • 2014/10/13 10:09 AM
        ぶたぶた日記 (光文社文庫)矢崎 存美 (2004/08)光文社 この商品の詳細を見る 見た目は愛らしいピンクのぬいぐるみだが、中身は知恵も分別もある心優しき中年男・山崎ぶたぶた。義母の代理でエッセイ講座に通うことになったぶた
        • しんちゃんの買い物帳
        • 2007/11/05 5:08 PM
        読み出したときは・・・ 普通の小説かなぁ〜などと思いつつ読み出したけれど、 すぐに、 『え゛っ!?』 まさしく本書に登場する人々と同じオドロキ。 そう、この物語に登場するのは 見かけはまったくのぶたのぬいぐ
        • My Favorite Books
        • 2006/12/18 8:08 PM

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