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    『イッツ・オンリー・トーク』絲山秋子

    イッツ・オンリー・トーク
    イッツ・オンリー・トーク
    絲山 秋子 2006年 文春文庫 P.180
    ★★★★★
    眠れるスペースとしての男が欲しいだけだった。私自身も居心地のよい寝床になれればよかった……だからといって彼の歴史や世間体や精神を引き受けるつもりは毛頭なかった、そんなことを伝える言葉があっただろうか。世の中に愛のことばはいくらでも存在するのに、言いたいことがシンプルになるほど何も言えなくなってしまう。

    仕事を辞め、絵を描くことに専念するために、なけなしの貯金を切り崩し、直感で決めた「蒲田」の古びたアパートに引っ越してきた「誰とでもしてしまう」30代後半、独身の橘優子。

    引越しの朝、それまで付き合っていた「なんのとりえもない、だめ男」に電話で振られ、引越しを済ませると、男のことなどけろりと忘れ、蒲田の街をうろつく優子に拡声器で呼びかけてきたのは、選挙演説中の大学時代の友人、本間。

    未だに独身だと言う本間を飲みに誘い、アパートに連れて帰ったものの、長い沈黙の後、ことの途中に本間は「帰る」と言い出して…。

    議員の本間、出会い系のバイトで手に入れた痴漢のk、ネットで知り合った鬱病のヤクザの安田、まともに働いたことのないいとこの居候、祥一、大学時代に告白してきて、今も優子に気のあるバッハ…一風変わった癖のある男達と、優子の「鬱」が過ぎ去るまでのひと夏の物語…『イッツ・オンリー・トーク』

    自分のせいで愛馬を死なせてしまったことに、いつまでも罪悪感をひきずる早坂順子。
    付き合っていた男とも別れ、群馬から東京へ引越し、元彼の妹との奇妙な共同生活を始めた順子の前に現れたのは、乗馬クラブでのかつてのライバル、四つ年下の洋菓子職人、篤。
    一度部屋に遊びに来てからは、毎週のようにやって来る、篤の気持ちには気付いていたものの…『第七障害』

    『ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作。高崎での乗馬仲間との再会を描く「第七障害」併録。』これが、デビュー作なのか…とは思えないほど、堂々たると言うか…。


    「だめ男ばかり好きになる自分が嫌だ」と言う、優子さんの気持ちは良く分かるけど(私もそうなので)、結局「だめ男」を好きになるのは、自分自身が「だめ女」だからなんだなと今は、痛感…。

    ここに出てくる男の人は、皆癖はあるけど、結構常識があると言うか、変わっていそうで、案外普通に優しい人たち。

    「痴漢」のkとの関係(まあ、彼女との合意のもとなので…そうでなければ、痴漢そのものは殺意を覚える行為だけど)に癒されてしまうと言うのも、理解できてしまうかも。
    その程度の距離感が、本当は一番安心できるのかな、とも(ここは、人によって全然違うと思うけど)。

    こういう、どこか歪んだ男女の話ばかり書く人だと思っていたので、併録されてる『第七障害』の、あまりの普通さに逆に驚いてしまった。

    ルームシェアしている美緒の、何でも歌にしてしまうところは、私も酔っ払うとそうなんだけど…。

    『イッツ・オンリー・トーク』は、映画にもなってたみたいで、そちらもなかなかの豪華キャストなので観てみたいかなと…(私が思ってたのとは、多少イメージは違うけど…)。
    本当に寺島さん、体当たりで…。
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        イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)絲山 秋子 内容紹介(文藝春秋) うつ病のヤクザに痴漢の友だち、シンドい事情を抱えた奇妙な人々のメゲない、挫けない、すねない生き様を描いた鮮烈なデビュー作 居候は自殺未遂のいとこ、友だちはうつ病のヤクザに、ネットで知り
        • そういうのがいいな、わたしは。(読書日記)
        • 2008/01/10 12:35 PM

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