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    『月曜日の水玉模様』加納朋子

    月曜日の水玉模様
    月曜日の水玉模様
    加納 朋子 2001年 集英社文庫 P.259
    ★★★★
    つくづく、人との出会いとは不思議だ。朝、満員電車で隣り合った人に、夕方別なところで再会したところで、誰もそんなことには気づきもしないだろう――なにか〈事件〉でもない限り。些細でもいい、つまらなくてもいい、けれど特別な出来事が。

    毎日のラッシュアワーにうんざりしながら、丸の内にある会社へと向かう、何の特技も資格も持たないただの平凡なOL、片桐陶子。

    一にも二にも、「若さ」だけが必要とされる職場において、一生この仕事を続けるかと聞かれれば、躊躇わざるを得ないものの、高校卒業後に入社して数年が経ち、社長からの信頼も厚く、後輩からも頼りにされる存在の陶子。

    そんな中堅どころのOL陶子が、つい最近まで心の中で「愛しの君」と密かに呼んでいたのは、朝の通勤電車で毎日一緒になる男。

    ところがある日を境に、「愛しの君」から「卑劣な裏切り者」へと転落してしまった、陶子の目の前でいつまでもすやすやと幸せそうに眠りこける男と、意外な場所で出会うことに…『月曜日の水玉模様』から始まり、

    風邪をひいてしまった陶子が、診察を受けたオフィス街にある病院で、薬を取り違えたことからある事件が発覚する…『火曜日の頭痛発熱』

    ひょんなことから陶子と知り合った、リサーチ会社に勤める荻が、電車の中で聞き覚えのある声を聞きつけ、思わず後をつけたことから過去の事件が明かされる…『水曜日の探偵志願』

    陶子と入れ違いに会社を辞めていった、尊敬する先輩の和歌子から呼び出され、久しぶりに二人でランチをすることに。陶子が今も胸に引っかかっているのは、社内のみんなの和歌子への意外にも冷たい態度…『木曜日の迷子案内』

    陶子が苦手とする、取引先の女性社員にどうやら窃盗疑惑がかけられているという。そんな彼女のデート現場に遭遇したことから、意外な真実が解き明かされる…『金曜日の目撃証人』

    社長から直々に、休日を返上しての大阪への日帰り出張を言い渡された陶子のために、朝から豪勢なちらし寿司を作り始める、祖母の志乃。名古屋行きの姦しい三人娘と相席になり、仲間に加えられた陶子は、ある視線に気付いてしまう…『土曜日の嫁菜寿司』

    取引先との商談を成立させるため、「接待ゴルフ」ならぬ「接待ソフトボール」を提案する狸社長、五十嵐。履歴書に過去の経歴を正直に書いてしまっていた陶子も、もちろんメンバーの一人に強制的に加えられ…そして、これからの二人の恋の行方がとても気になる…『日曜日の雨天決行』でラストを迎える、7編から成る連作短編集。

    「一般職OL兼名探偵・陶子さんの周りで起こる、不思議な“事件”の数々。月曜から日曜まで、丸の内の一週間は謎だらけ。爽やかでちょっとほろにがい、お仕事ミステリの傑作。」だ、そう。


    一冊まるまるを通勤電車で読みきってしまったのは、これが初めてかも(わずか5分の乗車時間なので、なかなか読みきれなかった)。
    しかも通勤電車に相応しい内容で…。

    ものすごく正直で気持ちの良い、平凡な(?)OL、主人公の陶子さんに、感情移入しすぎて、「わかる、わかる」とうなづいたり、にやにやしたり、突然、目に涙を浮かべたり、これを一心不乱に読んでいる私を、もしもちらっとでも見ていた人がいたら、さぞかし気持ち悪かっただろうと…(みんな朝っぱらから他人のことなんか、さほど気にしてないか)。

    どのお話も、加納さんのお得意らしい、本当に些細な日常のこと(いや、普通になかなか本格的なミステリと言えなくもない話もあった)と言えば、そうなんだけど、まあこんな事件があれば、刺激的な毎日で楽しかろうと…本当に何もなさ過ぎて、出会いもへったくれもない私の日常と比べると、羨ましい限りで。

    通勤電車で「裏切り者」呼ばわりされる荻君は気の毒だけど、その気持ちすごく良くわかる。
    その後も、まるで相手にされなくても、めげない荻君が可愛くて、その荻君のことがちょこっと分かる『水曜日の探偵志願』と、陶子さんの心にさす「魔」に共感してしまう『木曜日の迷子案内』と、最後に涙してしまった、すごく良い話の『金曜日の目撃証人』が、特に印象深かった。

    あと『土曜日の嫁菜寿司』の、タイトルの「嫁菜」の由来となった「賢い母親」の話にも、ほろりとさせられてしまった。

    最後の『日曜日の雨天決行』では、懐かしい人たちに出会ったようで、何か嬉しくなってしまう。

    全体的には地味なのかもしれないけど、こんな風に歪んで考えてるの私だけじゃないんだと安心できる、確かにほろ苦い一冊かな。

    後輩の真理ちゃんのロッカーの中身は、まるきり私のと一緒で、そこも安心してしまった(皆で通販で頼んで買っても、なかなか家に持って帰るの面倒臭くて…ロッカーに驚くようなものが入ってたりする…)。
     
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        コメント
        こんにちは^^
        いつもTBしてくださってるのに、すみません。
        ライブドア、反映されない事たまにあるんですよね^^;

        この作品好きです。
        陶子が周りにいそうな感じなのがまた溶け込みやすいのかなぁとも思います。
        萩くんもかわいいですよね^^
        こんにちは。「やぎっちょのベストブック」のやぎっちょです。この度、Ciel Bleuの四季さんと一緒に本ブログのリンク集「ほんぶろ」を作りました。http://blog.livedoor.jp/honblo/
        現在「やぎっちょブログ」の方のリンクをそのまま貼り付けていますが、より正確なブログの説明文などを登録フォームからお送りいただくよう皆様にお願いしています。http://form1.fc2.com/form/?id=152350
        運良くライブドアの「本が好き!」企画にリンクを貼っていただき、既に読者が流れてきています。皆様のブログも見てもらえるようお手伝いできれば幸いです。
        私の名前のリンクにメールアドレスを記入していますので、わからないことなどあれば遠慮なくお尋ねください。
        ご協力いただけると私も四季さんもとてもうれしいです。よろしくお願い致します。本文に直接は関係のないコメント失礼致しました。
        • やぎっちょ
        • 2006/12/06 2:08 PM
        毎朝、いつも同じ車両に座ってしまいます。
        同じ顔ぶれを見かけますね。
        習慣とは怖ろしい。。
        いつも大きなサイズのヘッドホンで音楽を聴いてますので
        見知らぬ方に、顔など憶えられていそうです。
        やたら騒がしくてかわいい女子高生4人組、50歳前くらいの上品な奥さんなど見ながら、時とともに
        人間は入れ替わるんやなあと切ない気分にもなります。
        ↓以前の「こいわらい」記事コメントの「坊さんバトン」、、面白かったです☆
        苗坊さん、こんばんわ(^^)
        今日は一発でTBが届いた(たぶん)みたいで気持ち良かったです。
        陶子さんが出てくるという『レイン・レインボウ』(だったかな)も、すごく面白そうなので、読んだらTBさせていただきますね。
        では、では。
        • uririn
        • 2006/12/07 2:04 AM
        やぎっちょさん、こんばんわ(^^)
        お世話になります。
        早速登録させていただきますので、宜しくお願いいたします。では、では。

        • uririn
        • 2006/12/07 2:07 AM
        タジイさん、こんばんわ(^^)
        バトン、一度やってみたかったのです(^^;
        今なら回せそうなのですが、何か恥ずかしいから、きっとタジイさんしか読まないだろうコメントのとこでやらせていただきました。へへへ。

        • uririn
        • 2006/12/07 2:10 AM
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        月曜日の水玉模様 片桐陶子は一般事務職のOLである。 どこにでもいるような女性だが、ただ違うのは、父も母もおらず、祖母に育てられたと言う事。 陶子は、企業の信用限度調査を取り扱っている仕事をしている萩広海と共に、様々な事件や問題を解決していく。 連
        • 苗坊の読書日記
        • 2006/12/06 9:26 AM

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