スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『幸福な食卓』瀬尾まいこ

    幸福な食卓
    幸福な食卓
    瀬尾 まいこ 2006年 講談社 P.231
    ★★★★
    翌日もまた朝がやってきた。本当に不思議だ。どんなにショッキングなことがあっても、日常はきちんと進んでいく。父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。

    どんな朝でも、必ず家族全員が顔を揃える中原家の朝の食卓。
    母さんの横には父さん、そしてその向かいには兄の「直ちゃん」と「私」佐和子。

    一年前、母さんが家を出ると宣言し、居なくなった今も、その習慣は変わらず続けられ、佐和子の春休み最後の日、3人が揃った中原家の朝の食卓で、今度は父さんが、父さんを辞めると言い出した…。
    教師の仕事を辞め、大学を受けなおすと言う父さんの発言に、直ちゃんが「何とかなる」と言うので、「だったら…」と、すんなり受け入れることにした佐和子。
    佐和子、中学二年の新学期から、辛い過去が蘇り体調に異変をきたす梅雨の頃…『幸福な食卓』

    佐和子が敬愛する、兄の「直ちゃん」。
    顔も性格も、運動神経も良く、何より秀才だった直ちゃんの欠点は、音感が全くないこと、そして恋人が出来ても三ヶ月と続かずに失恋ばかり繰り返すこと。
    何度失恋しても、三日もすればけろりと忘れてしまう直ちゃんが、今回家に連れて来たのは、外見からして、今までで最悪の第一印象の「小林ヨシコ」。
    そして佐和子自身にも「大浦君」との運命の出会いが訪れる、塾に通い始めた、中学三年の春…『バイブル』

    朝からステーキを佐和子に勧める直ちゃんが言い出したのは、今さらながら…家族の役割を放棄してしまった中原家をどうするか、ということ。
    高校生になった佐和子は、クジで学級委員に選ばれてしまい、クラスを上手くまとめられず、頑張ろうとすればする程クラスから浮き始め…佐和子、高校一年の春から梅雨までの悩める日々…『救世主』

    クリスマスが近づいた11月の終わり、彼氏の大浦君が「アルバイトをして、すごいプレゼントをする」と宣言し、その翌日から早速、佐和子の家の近所で新聞配達を始めた。
    直ちゃんは、可愛がっているニワトリの中から一羽を選び、ヨシコにプレゼントするらしく、ヨシコは、直ちゃんの留守に部屋を物色し、ここにないものをプレゼントすると言い、佐和子は、プレゼント用の毛糸を母さんと一緒に選び、みんながクリスマスを楽しみにしていた、その日の朝…『プレゼントの効用』

    「第26回吉川英治文学新人賞受賞作 珠玉の才能が生んだありえない感動!」だ、そう。
    ありえなくはないと思うけど…。


    「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」
    のっけから、父さんの爆弾発言で始まる中原家の朝の食卓の風景は、朝からそんな…だけど、まあ朝しか全員が揃わないというので、それも仕方ないのか…。

    一緒に住んでいて「父さん」を辞めるのはかなり難しそうだけど、そもそも「父さん」の役割って、何だろう?はたと考えてしまった。
    父さんの遺書に書いてあった、長生きの秘訣(?)「真剣ささえ捨てることができたら、困難は軽減できたのに…」は、全くもってその通りだと(伝説の(?)ロックバンド、アナーキーの『3・3・3』の歌詞「そんなに真面目に生きてもしょうがない」を座右の銘にして生きてきた私には、ものすごく納得できてしまうお言葉のような…)。

    母さんが居なくなった理由は…、母さんは本当に父さんを愛しているんだと思えるし、(好きすぎて…かな)だからこその、この選択は、とても正しいことのように思うし、世間一般の家族の形態からすれば、少しずれてるのかもしれないけど、こういうのも全然ありだと思う(昔から、結婚するなら、別居結婚がしたいと思っていたのでなおさら、そう思うのかもしれないけど…)。

    母さんが家を出て、父さんは父さんを辞め、兄は兄で、大学に進むことを辞め、農業という道を選択し、みんながみんな、自分勝手なことをしているようでいても「家族」であることには変わりなくて…。

    ヨシコさんの最後の励ましの言葉は、当たり前のことだけど、何だかとても良くわかるし、「直ちゃん」にはこの人しかいないと思えた(たとえ使いまわしの油セットでも、手ぶらで行けないヨシコさんは、とても常識のある人のように思えるんだけど…)。

    佐和子がみんなを突き放しても、みんなは決して佐和子を見捨てたりしないし、佐和子が気付いてないだけで、みんなからすごく愛されていて…それは佐和子自身が愛されるべき人間だからで…。

    この物語に出てくる人は、みんなすごく良い人だけど、なかでも、大浦君が本当にもう、めちゃくちゃ素晴らしい。
    単純明快な性格も、少々ずれてそうなとこも…、この子は佐和子の神様なんじゃないのか?と、途中で思ってしまうほど、大きな愛で包んでくれるというか…。

    そんな年頃なら普通「照れ」とかありそうなのに、ストレートですごく気持ちが良い。
    こんな人が現実にいたら、絶対掴んで離さない、と思う。
    最初にこんな子と付き合ってしまったら、もう二度と他の人好きになれないのでは?と、私なんかは思えてしまったけど。

    なので…少し瀬尾さんを恨んでしまいそう。

    しかも、その役、映画では勝地君が演じるというので、それだけで映画も観に行きたくなってしまった。
    折しも今日、勝地君の話題が職場で出て「勝地君て、松村雄基の若いころに似てへん?」と聞いたら「それ誰ですか」と、若い子に言われてしまったところで…。
    0

      スポンサーサイト

      0
        • -
        • 01:06
        • -
        • -
        • by スポンサードリンク

        コメント
        こんにちは^^
        とても好きな作品です。
        この作品が、瀬尾さんの作品の中で最後に読んだものだったんです。
        みなさんが「幸福な食卓」を1番に挙げられていて、納得しました。
        家族の描き方が素晴らしいし、出てくる人みんな良いですよね。
        私も特に大浦くんが好きです。
        私も、瀬尾さんを恨みそうになりました^^;
        映画かもされますよね。
        わたし、勝地君好きなんです〜^^
        最後は泣くかも・・・。
        勉学君 素敵でした。ホントに瀬尾さんを恨んでしまいそうです。勝地涼君 イイですよね!!『風が強く吹いている』の走役でもOK。前にも言いましたが、『階段途中のビック・ノイズ』の伸太郎もOKです。
        おぉー!!『スクール・ウォーズ』の松村君ですね。似てるかも(ニヤリ)若者とのギャップには驚かされる今日今頃です(笑)uririnさんオススメの『キャット・シッターの君に』がようやく図書館よりまわってきました。じっくり読みますね♪楽しみ!!
        • naru
        • 2006/11/29 8:21 PM
        苗坊さん、こんばんわ(^^)
        勝地君、良いですよね〜。
        インターネットのHPで、予告編の中の、新聞配達の途中に佐和子に手を振る大浦君を見ただけでも「うるうる」してしまいました。
        この様子では、映画館ではとても見れないなと(^^;ビデオになってから、家で一人号泣かな。
        では、では。
        • uririn
        • 2006/11/30 3:01 AM
        naruさん、こんばんわ(^^)
        『スクール・ウォーズ』懐かしいーーー!
        あの頃は松村雄基の全盛期でしたね。
        「何に出てた人ですか?」と聞かれて、最近のでは、2時間ドラマか、昼の連ドラか、ちょっと古いけど「暴れん坊将軍」しか思い浮かばなくて…男前過ぎるのかな。
        目力のあるところが、勝地君と似てるかなーと。
        『キャット・シッターの君に』は、動物好きには堪らんと思います(^^)
        是非是非ご感想をお聞かせ願いたいです。
        では、では。
        • uririn
        • 2006/11/30 3:10 AM
        コメントする








           
        この記事のトラックバックURL
        トラックバック
        JUGEMテーマ:読書 2007/11/15〜2007/9/16 佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めることを宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて・・・・・・。それぞれ切
        • hibidoku〜日々、読書〜
        • 2007/11/21 1:18 AM

        calendar

        S M T W T F S
          12345
        6789101112
        13141516171819
        20212223242526
        27282930   
        << September 2020 >>

        読書メーター

        uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

        新刊チェック

        selected entries

        categories

        archives

        recent comment

        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          uririn
        • 『痺れる』沼田まほかる
          uririn
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          uririn
        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          いちれん
        • 『痺れる』沼田まほかる
          くり
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          智広
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          uririn
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          苗坊
        • 『永遠の0』百田尚樹
          uririn
        • 『永遠の0』百田尚樹
          苗坊

        recent trackback

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        悪人
        悪人 (JUGEMレビュー »)
        吉田 修一
        読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

        recommend

        しずく
        しずく (JUGEMレビュー »)
        西 加奈子
        サイン本買っちゃった。

        recommend

        recommend

        たぶん最後の御挨拶
        たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
        東野 圭吾
        猫なんです…。

        recommend

        recommend

        recommend

        ねこの肉球 完全版
        ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
        荒川 千尋,板東 寛司
        たまらん。

        recommend

        ニャ夢ウェイ
        ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
        松尾 スズキ, 河井 克夫
        たまらん…

        recommend

        recommend

        僕たちの戦争
        僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
        荻原 浩
        とにかくお薦め。

        recommend

        出口のない海
        出口のない海 (JUGEMレビュー »)
        横山 秀夫
        たくさんの人に読んでほしい…

        links

        profile

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        みんなのブログポータル JUGEM

        使用素材のHP

        Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

        PR