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    『逃亡くそたわけ』絲山秋子

    逃亡くそたわけ
    逃亡くそたわけ
    絲山秋子 2005年 中央公論新社 P.168
    ★★★★★
    しゃがんで線香花火を見つめながら、明日はどうなるんだろう、と思った。
    わからん。
    これからどうなるんだろう。
    わからん。
    花火が全部終わると、紛れていたさびしさが一斉に襲いかかった。

    「亜麻布二十エレは上衣一着に値する。」
    頭の中で何度も何度も繰り返される、知らない誰かの低い声。
    その意味不明な言葉に導かれるように「そうだ死んでみよう。」と、軽い気持ちで、貯めておいた薬を一気に飲み下し、気がつけば、病院のベッドに両手両足を括りつけられていた、花ちゃん、21歳の夏。

    そして「このままでは廃人になってしまう」と、無理矢理入院させられたプリズンのような病院を抜け出すことを思いつき、たまたま中庭で猫をかまっていた「なごやん」に声をかけ、一緒に脱走することに。

    すぐに病院に戻りたがる、軽い鬱病の「なごやん」を宥めすかして、銀行で金を下ろさせ、「なごやん」の父親のお下がりだという、おんぼろ車に乗り込んで、二人はひたすら東へ、南へと走り続け、逃げ続け…。

    「――おんぼろ車で九州の田舎町を駆け抜けるふたりの前にひろがった暑い夏の物語。
    逃げるのに理由なんていらない。川端康成文学賞作家、絲山秋子初の書き下ろし長編小説」
    だ、そう。


    一体何から逃げてるんだか(追っ手とか来ないし)…。
    なので、緊迫感はあんまりないし、ただひたすら、冷房の効かなくなったムシムシした車で、悪路をドライブしている花ちゃんと「なごやん」の、博多弁と標準語での面白トークバトルが繰り広げられるというか、ぐるりグルメ旅というか…。

    躁鬱病のことは良くは知らなかったけど、私も「なごやん」と同じく、「躁の人は死なないでしょ」と、単純に思ってた。そうじゃないのね…(作者の経験に基づいてそうだから、かなり説得力が…)。

    結構辛そうな話なんだけど、博多弁と茶髪で気弱な「なごやん」のなごみキャラのせいで、花ちゃんが一人取り残された場面も、「なごやん」が川で洗濯していた場面も…面白くなりすぎ。
    男なのに「きゃあああ」って……、なんか可愛いし。

    この先二人がどうなるのか…最後の方の花ちゃんの台詞「ゆたー」の言葉に、安心したというか(こっちで言う「ほっこり」のようなもんなのかな…)そんな気持ちになれたのなら…それで、いいのかな。

    でも、花ちゃん、脱いだぱんつを、そこに捨てるなよ…とか、いくら何もない田圃の真ん中でも、それはしちゃいかんやろう…とか、あれやこれやの悪行の数々…。
    毅君とやらが去ったのは、その辺にも問題があったのでは…と思えてしまったんだけど。

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