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    『天窓のある家』篠田節子

    天窓のある家
    天窓のある家
    篠田 節子 2006年 新潮文庫 P.392
    ★★★★
    この先自分が二度と幸せになれないとしても、それはあきらめがつく。しかし元の夫が幸せになることなどあってはならなかった。彼さえ、幸せにならなければ、自分の未来などいらない。                〜『天窓のある家』より〜

    妻が家計をきりつめ、必死でやりくりをして貯めた100万円を、夫は、不幸な自分の友達のために都合してほしいと言い出した。
    夫に説得され、自分たちの楽しみをあきらめてまで、なけなしの貯金を他人にくれてやるつもりになっていた妻が、ある日、偶然立ち寄ったスーパーで、夫の友人の妻の買い物籠の中を見て愕然とする…『友と豆腐とベーゼンドルファー』

    同い年で、自分と同じように独身の友人の、あまりに優雅で自由奔放な暮らしぶりを苦々しく思い、「寄生虫」と非難する、生活のためだけに、意に沿わない仕事も引き受ける女流作家…『パラサイト』

    手帳に書かれたスケジュール通りに動くビジネスウーマンは、手帳を閉じる音を合図に、妻として、母として、うまく気持ちを切り替えていたつもりだったのに…『手帳』

    職場では「おばさん」と呼ばれ、夫から嫌われ、暴力を振るわれ、逃げ出すように離婚に応じた女は、大学時代の友人であり、今は一人で暮らすアパートの家主でもある、華やかで若々しい隣人の、夫の浮気話に親身になって耳を傾け…『天窓のある家』

    20代後半の女性の突然死が頻発していると世間で騒がれている頃、若作りに精を出していた29歳の主婦は、自分の身体に訪れた異変に驚き、その場に倒れこんでしまう。
    病院に運ばれた主婦の「老化」はみるみる進行し、原因は若い頃の奔放な性生活のツケからきた新種の「性病」であることを知らされ…『世紀末の病』

    他、水子の霊に脅かされる、仕事が生き甲斐の女の『誕生』、思いやりのない夫に熟年離婚を言い渡す妻の『果実』、早々と女を捨てた女と、いつまでも女でい続けようとする女の『野犬狩り』、妻に内緒で実家の母の元に毎週通い続ける夫の『密会』の、9編から成る短編集。

    「こんなはずではなかった。なぜ、こんなふうになってしまったのか。気づかぬうちに日常に巣食う焦燥。人生に疲れた女の心をかき乱す隣人。幸せを願いながら、いつのまにか何を求めていたのかよく分からなくなってしまった――。なぜ、あの人はしあわせそうにしているの?ちいさな衝動がおさえられなくなる……心もからだも不安定な中年世代の欲望と葛藤をあぶりだす、リアルに怖い9編。」だ、そう。


    自分の心の中のどろどろした部分が、ここに露呈されているような(ここに出てくる人たちほどではないにしろ、嫉妬や焦りや、意地悪な気持ちは少なからずある、と思うので)。
    やっぱり、人間の心の中ほど恐ろしいものはないな(表面的に親切な人間ほど…)。

    ここに出てくる夫達を見ていると、つくづく結婚なんてしたくないと思わされてしまう。
    まあ、世の中のご亭主みんながみんな若い女に走るとは、流石に思ってないけど。

    『パラサイト』は、優雅ではないけど「寄生虫」側の人間なので、主人公が最後にそこに気付いてくれて、本当に嬉しかった。ある意味理想的だし。

    ホラー以上に怖い話が多い中、少々趣向の異なる『世紀末の病』は、めちゃくちゃ面白い。
    本当にこんな病気があればいいのに、と意地悪く思ってしまう。

    女だけが、遊びまくっていたツケを払わされてなるものか、という思いの後に表れる男の方の病も、最後のオチも…。
    女からすれば、ハッピーエンドと言えなくもないけど、男からすれば…。

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        コメント
        きょうは生活された。
        しかしパはここに気持ちが仕事しなかった?
        しかしきょうuririnは、パと頻発するはずだったみたい。
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