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    『階段途中のビッグ・ノイズ』越谷オサム

    階段途中のビッグ・ノイズ
    階段途中のビッグ・ノイズ
    越谷 オサム 2006年 幻冬舎 P.302
    ★★★★★
    「楽しいから」自分でも不思議なほど、自然にそのひと言が出てきた。「最近、四人で演るのがすっごく楽しくって。一人でギター弾いてたときには、こんな楽しさは一回も感じられなかった。……とにかく、どうしても今年の『田高マニア』には出たいんだ。四人であのステージに上がるんだ。四人でドカンとやるんだ。それが理由じゃ、変?」

    郊外の田園地帯の真ん中にポツンと位置する県立大宮本田高校。
    文化祭のイベントの目玉である「田高マニア」によって、一時はその名を県外にまで知らしめた大宮本田高軽音楽部は、ヒップホップをはじめとする、ダンス・ミュージックの台頭により、部員数も大幅に減り、荒廃しきっていた。

    練習場所兼楽器置き場が、旧校舎西端のA階段四回−屋上間という軽音楽部で、屋上で煙草をふかす先輩たちの見張り役をやらされながらも、ただ一人部に残り、地道に練習を重ねていた二年生の神山啓人は、新学期が始まったばかりのある日、校長室へ呼び出され、3年生二人の不祥事の後始末による突然の廃部を言い渡される。

    理不尽な廃部決定に、泣きながら、階段で楽器の後片付けをしていた啓人の前に現れたのは、軽音楽部に入部して二週間で、部活に顔を出さなくなった幽霊部員、九十九伸太郎。

    先輩からの言いつけ通りにボリュームを絞り、ギターを弾き続けていた啓人を陰ながら見守っていた伸太郎は、この処分に納得がいかないと、啓人を連れて息巻いて校長室へ乗り込み、校長に直談判し、とうとう条件付で、軽音楽部の存続を認めさせることに成功する。

    校長から提示された条件は三つ。
    予算においては、一切学校からの支援を受けないこと、部活中は常に顧問の監督をつけること、半年以内に何らかの成果を挙げなければ、予定通りに廃部すること。

    そして啓人と伸太郎の二人は、顧問を引き受けてくれそうな教師を片っ端から当たり、部員を募り、半年後に控える「田高マニア」で演奏し、部の存続を認めさせることを目標に奔走するのだが…。

    「ボーナス・トラック」で、第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した越谷オサムによる「青春、かもしれない」小説。ものすごく青春小説。


    爽やか、めちゃくちゃ爽やか。
    「ウォーター・ボーイズ」を彷彿させるような…笑いあり、恋あり(少々)、涙ありの、感動もの。

    後に部員なってくれる、実はギターもドラムも何でも人並み以上で、異常に髪の乱れを気にするワケありの美少年、嶋本勇作も、図体のデカい「長谷川さん命」の坊主頭の岡崎徹も、変な髪形の顧問の加藤先生も、理解ある校長先生も、カタブツ教師の森先生も、それぞれのキャラがすごく判りやすくて、何だかドラマを見ているみたいに、頭に浮かんできた(加藤先生は、どんな役でも嵌る竹中さんを思い浮かべてしまったけど)。

    真夏の地獄的な暑さの中、それまで閉まりきってた屋上の扉が開いた瞬間は、ものすごい開放感を感じて、読んでて気持ち良かった。

    まあ、部員が集まっても、演奏が上手くなっても、彼らを待ち受ける試練は多々あって、って、お決まりのパターンだけど、それでも面白い。

    彼らの演奏するロックは、多分どれも一度は耳にしたことあると思うけど、ちゃんと知ってるのはクィーンとKISSの曲しかなかった。
    これ全部知ってる人には、すごく受けそう。

    髪フワの、美少年、嶋田がまさか平井堅二のネタをやるとは…(本人は自覚してないとは思うけど)。
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        コメント
        こんにちは。
        uririnさん、☆5つ出ましたねー。
        わたしもこの本、大好きです。
        王道でも定番でも、面白いものは面白いですよね。
        画用紙の使い方には驚きました。
        嶋田のはともかく、越谷さんは、平井堅二のネタがきっとお好きなんでしょうねー(笑)。
        ゆうきさん、こんばんわ(^^)
        ウォーターボーイズ大好きなので、同じ路線のこれは、すごく良かったです。
        平井堅二さんも、結構好きなので…。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2006/11/24 2:01 AM
        uririnさん こんばんは。
        単純でベタですが、面白かった
        です。セイシュンっていいな。
        爽やかでした。校長をはじめ
        脇キャラも丁寧に描いていま
        したね。映画かドラマでやって
        欲しいです。勇作には小池徹平
        クンがいいと思うのですが..。
        • naru
        • 2006/11/24 7:18 PM
        naruさん、こんばんわ(^^)
        本当、羨ましくなるぐらい「セイシュン」してましたね。映像化、是非是非希望します(作りやすそうだし)。
        徹平ちゃん、イメージはぴったりなのですが、どんどん成長してしまっているので(年齢的に)、演るなら今しかなさそうですね(^^)
        どこかに、ウェンツ君も出してあげなければ(^^;
        では、では。
        • uririn
        • 2006/11/25 12:58 AM
        いやぁ〜青春してる物語でしたね。

        勇作・・・確かにヒライケンジでしたね。
        でもそこも面白かったですよ。
        す〜さん、こんばんわ(^^)
        これは、何というか…サイダーのような物語でした。
        みんながみんなこんな風に打ち込めるものがあれば、学校も楽しいのになと。
        す〜さんのTBが届いていないようなのですが(もしかしてこっちの設定の問題かな?)申し訳ありませんが、もう一度、お願いしたいと思います。ごめんなさい。
        • uririn
        • 2006/12/02 1:50 AM
        す〜さん、
        こちらからのTBは何度送っても失敗してしまいました…。明日、再度挑戦してみますね。では、では。
        • uririn
        • 2006/12/02 1:56 AM
        uririnさん、こんにちは。
        爽快な青春小説でしたね。
        目標に向かってがんばる四人に好感が持てました。
        打ち込めるものがあると、学校も楽しくなりますよね。
        放送部にいたので、充実してました。
        (詳細は「ブラバン」の記事のコメント欄をどうぞ、笑)
        “平井堅二のネタ”は、「ボーナストラック」の中のお話ですか?。
        気になるので教えてください。
        映像化、私も希望です!。
        こんばんは。
        時間を置いてトラバしてみましたが、反映されないみたいです。
        はじめに、ほかのサイトさん分もまとめてしちゃったので、
        スパム扱いになっちゃったのかも(涙)。
        お手数ですが、uririnさんの方からトラバしてくださるとうれしいです(白旗)。
        • 藍色
        • 2007/01/15 12:29 AM
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        本当に「爽快」という言葉がぴったりな物語でしたね。
        部活に打ち込む青春を送ってなかったので、こういうの羨ましいです。藍色さんは「青春」を満喫されたのですね(^^)いいな。
        平井堅二ネタは、勝手に思ってるだけで(嶋田君が画用紙をめくっている姿が、どうしてもかぶってしまって(^^;)。
        TBの件、OKです。私も最近送れないことが多くて困っているのですが…。
        では、では。
        • uririn
        • 2007/01/15 1:00 AM
        届けられましたぁ!
        送っていただいて、ありがとうございます。
        なんかすごく時間がかかって、
        504 Gateway Time-out
        って表示が出たので心配したのですが、良かった。

        「ブラバン」の記事のコメント欄、見ていただけたのですね。
        えへへ、そうなんです。部活に打ち込んで「青春」を満喫できました。
        普段プライバシーを記事に盛り込めないので、あそこで爆発しちゃいました(恥)。
        そして今はuririnさんと、ブログで「青春」です!なんて…(照れ)。
        • 藍色
        • 2007/01/15 2:27 AM
        藍色さん、こんばんわ(^^)
        まさに今「青春」してるのかもね(^^)
        そのお言葉とても嬉しいです。ありがとうです。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/01/16 12:28 AM
        こんばんわ〜^^
        素敵な青春小説でした。
        こういう作品、大好きです。
        4人皆個性的で、可愛かったなぁ。
        校長も生徒の事をちゃんと考えていて、こういう校長だったら良かったのになぁなんて、思いました^^
        • 苗坊
        • 2007/01/22 10:37 PM
        苗坊さん、こんばんわ(^^)
        越谷さん、良いですよね〜。私もこういうの大好きです。次回作早く出ないかなぁと心待ちしてしまう作家さんの一人となりました。
        本当にこんなに生徒に目を配れる校長先生ばかりなら、学校も少しは良くなりそうですね。
        では、では。
        • uririn
        • 2007/01/23 9:18 PM
        お久しぶりです。
        最近になってブログをはじめたのではじめてTBさせていただきました。

        今更この小説を読んだのですが、
        こういうベタな小説も好物なのでとても楽しめました。
        読んでいて映像が思い浮かべやすい小説ですが、
        どうも昨今の小説などの映像化に落胆することが多いので
        脳内で妄想するだけで止めておこうと思います(笑)。
        • リベ
        • 2008/03/06 2:51 PM
        リベさん、こんばんわ(^^)
        ほんとに「ベタ」ですよね〜。でも、こういうのみんな好きなんだなぁと、コメントや、みなさんのブログを見させていただいて改めて感心してしまいました。「王道」ですね(^^)。
        そして、確かに好きな小説ほど、映像化されると落胆してしまうことが多いので、これは大切にしまっておきたいかも。
        そして、越谷さんの新作出るのですね。めちゃくちゃ楽しみです!
        では、では〜。
        • uririn
        • 2008/03/10 11:48 PM
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        (本の内容) 暑い夏、無意味に熱かった僕たち、ビールなんて苦くて飲めなかったあの頃―。 だめな先輩のせいで、伝統ある軽音楽部が廃部になってしまう。 がけっぷちに立たされても、啓人は煮え切らなかった。 しかし、幽霊部員だった伸太郎に引きずられ…。
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