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    『愛でもない青春でもない旅立たない』前田司郎

    愛でもない青春でもない旅立たない
    愛でもない青春でもない旅立たない
    前田 司郎 2005年 講談社 P.131
    ★★★★★
    僕はどこから来てどこへ行くのか。などと考え始める。多分どこへも行かないし、どこかから来たわけでもない。人の一生をベクトルのように、一本道にイメージするのは違うように思う。人の一生は瞬きのような。ポッと瞬いて消える。それが六十億もあるのだからなんとなく生きているように見えるのではないだろうか。本当は一瞬、ポッと光って消える。どこに行くのでもなく、どこから来るわけでもない。

    それなりに幸福で、それなりに不幸な、主人公、「僕」の日常。

    大学に行っても、友達とつるんでキャンパスを徘徊し、何をするでもなく、だらだらと中身の無い会話をして過ごし、「工事現場みたいな」バイトも近頃はサボりがちで、もう辞めたいなーとか、考えてる、何もかもが面倒くさい「僕」。

    彼女はいるけど、会っても何をするわけでもなく、ただセックスして、キスをして、それも何だかただ義務感だけで、そうしてるみたいで…特に会いたいとは思わないけど、嫌になったわけでもない。

    最近は、彼女といる時間より、大学の友人、山本と、山本が密かに気に入っているそぶりを見せる、元宮ユキと三人でいることの方が多くなった…。

    そして「僕」と元宮ユキは、山本と三人で飲んだ帰りに、二人だけになって、なんとなくそうなって…。

    「この小説は、恋愛小説かもしれないし、純文学かもしれない。そうでないかもしれない。ここにあるのはいわゆる青春ではない、しかし、まぎれもなく青春小説だ。」ふーん、、、。


    中身があるんだか、ないんだか良く分からないお話。
    どこまでが「夢」で、現実がどれなのか、最後まで理解できなかった。
    主人公の考えてることは、結構深かったけど…。

    主人公の行動自体は、本当にごくごく普通。
    浅草に出かけて、鳩に襲われてる修学旅行生を見て、お腹が痛くなるくらいに笑ったり(このシーンはすごく好きなとこ)、デートして彼女の部屋に泊まって(その時のアーティスト系の彼女のやってることが、不思議な感じだけど…それが、アートなのか)…。

    久しぶりのバイトの前日は、ちょっと緊張して夜中に無意味にテレビ見たり、何か食べたり…行けば行ったで、下っ端らしくへこへことしながら、言われるがままに石を運んで…。

    本当に、特に何にものめりこまないというか(バイトで考え出したことは、一応熱くなってたといえるのかな)、元宮ユキのことにしても、特に変わったことでもなくて、本当にタイトルのまんまなんだと思った。

    最後の方は、眠くて意識が朦朧としてきたので、ああ、これは「夢」なのか…と薄れていく意識の中で読み終わったので、本当に不思議な終わり方をしたような…それが却って良かったかも。

    このタイトルから、高校生の頃大好きだった映画「愛と青春の旅立ち」を思い出して、思い出すと、あの主題歌が頭の中をぐるぐると回って、一日中、離れなくなってしまった。
    若かったなぁ、リチャード・ギアも、私も。
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        コメント
        uririnが、
        浅草で近頃と、キャンパスと面倒くさい普通とかを緊張しなかった?
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