スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『整形美女』姫野カオルコ

    整形美女
    整形美女
    姫野 カオルコ 2002年 新潮文庫 P.313
    ★★★★
    なぜ甲斐子は愛されなかったのか。愛されているという実感を彼女は持たなかったのか。過去を分析することはさして意味を持たない。分析してもひとつの原因を探り当てることなどできないと大曾根は思う。過去より現在を人は生きているのである。

    それぞれの理由から、同じ病院で美容整形手術を受けた二人の女性。
    一方は、医師の目から見ても、息をのむほど美しく、完璧な容姿を持つ、絶世の美女、繭村甲斐子。
    かたや「これはブスだ…どうしたらいいのだ」と、医師の心の中でつぶやかれてしまう、望月阿部子。

    同じ村の出身で顔見知りの二人は、術後、街で偶然出会い、甲斐子のあまりの変化に愕然とする阿部子。

    大きくて二重だった目を、豆つぶのような目に、鼻は低く、わずかに上向きぎみに、そして透明感のない厚ぼったい肌に、変貌を遂げた甲斐子を見て、阿部子は「医師の失敗としか思えない」と言う。

    甲斐子は、高校の卒業アルバムの甲斐子の写真を参考に、手術を施したという阿部子を見て、「阿部子さんのような美人がわざわざブスに整形するなんて、私には理解できないわ」と言う。

    ほんのちょっと、のつもりが、美容整形の罠にずるずると嵌ってしまった阿部子。
    一方、甲斐子の美容整形は、高校時代から練り上げたという、ある『計画』に基づくものであった…。

    「幸せを夢見て、新しい容姿を選んだ二人。手術後に辿るそれぞれの意外な生き方を軸に、変身願望の虚構を描く。独特の哲学を、ユーモアと格調をもって提示した衝撃の問題作。」だ、そうな。


    甲斐子が考える「美人」の定義は、本当にそうなのかもしれないと思えてしまう。

    かつての自分のような華やかな顔に整形した阿部子を見て、「なんであんなブスに整形したのかしら。美人というのはライトのことではなくて、ライトに照らしてもらう人なのに」と、憐れむ甲斐子の台詞は、かつての甲斐子がそうであっただけに説得力があって…。

    パーティーで誰にも手をつけてもらえない豪華なロブスターの例えも、すごく解りやすい。

    確かに、男にもてもてなのは、近寄り難い美女なんかじゃなくて、昔の大場久美子のキャッチフレーズみたいな女の子の方だと思う(でも、なれるもんなら、やっぱり絶世の美女になってみたい気もするけど)。

    「ビュティーコロシアム」なんかで、本当にすごく綺麗になって、明るくなった(と、思える)彼女達を見てると、美容整形も悪くないのかも…と思ってたけど、やっぱり色々な弊害もあるんだなぁと、つくづく考えさせられて、「整形はよそう」と思った(そんなお金もないけど)。

    同じ頃、美容整形によって顔を入れ替えたかのような二人の、どちらが幸せに選ばれるのか…結局は、外見をいじっても、そこは変わらないのかな。

    「あなたがまちがえて整形したまちがった外面を、あなたの内面が追いかける」という台詞がとても印象的だった。

    に、しても、鼻からシリコンが出てるかもしれない…と、びくびくして、「これが鼻くそでありますように…」と切願するなんて…本人は深刻だから、笑ってはいけないんだろうけど、面白すぎる…。
    0

      スポンサーサイト

      0
        • -
        • 23:41
        • -
        • -
        • by スポンサードリンク

        関連する記事
        コメント
        コメントする








           
        この記事のトラックバックURL
        トラックバック

        calendar

        S M T W T F S
            123
        45678910
        11121314151617
        18192021222324
        25262728293031
        << October 2020 >>

        読書メーター

        uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

        新刊チェック

        selected entries

        categories

        archives

        recent comment

        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          uririn
        • 『痺れる』沼田まほかる
          uririn
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          uririn
        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          いちれん
        • 『痺れる』沼田まほかる
          くり
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          智広
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          uririn
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          苗坊
        • 『永遠の0』百田尚樹
          uririn
        • 『永遠の0』百田尚樹
          苗坊

        recent trackback

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        悪人
        悪人 (JUGEMレビュー »)
        吉田 修一
        読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

        recommend

        しずく
        しずく (JUGEMレビュー »)
        西 加奈子
        サイン本買っちゃった。

        recommend

        recommend

        たぶん最後の御挨拶
        たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
        東野 圭吾
        猫なんです…。

        recommend

        recommend

        recommend

        ねこの肉球 完全版
        ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
        荒川 千尋,板東 寛司
        たまらん。

        recommend

        ニャ夢ウェイ
        ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
        松尾 スズキ, 河井 克夫
        たまらん…

        recommend

        recommend

        僕たちの戦争
        僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
        荻原 浩
        とにかくお薦め。

        recommend

        出口のない海
        出口のない海 (JUGEMレビュー »)
        横山 秀夫
        たくさんの人に読んでほしい…

        links

        profile

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        みんなのブログポータル JUGEM

        使用素材のHP

        Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

        PR