スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『ZOO 1』乙一

    ZOO〈1〉
    ZOO〈1〉
    乙一 2006年 集英社文庫 P.242
    ★★★★
    自分が死ぬときのことを考えた。それはただの停止ではなかった。この世界すべてとの別れであり私自身との別れでもあった。どんなに何かを好きになっても必ずそうなる。だから『死』は恐ろしくて悲しい。            〜『陽だまりの詩』より〜

    同じ顔を持つ一卵性双生児の姉妹。
    はつらつとして明るい性格の「カザリ」は、誰からも愛され、学校でも人気者。
    暗くてじめじめしている「ヨーコ」は、ママからも愛されず、虐げられていた。
    ある日、ママが「ヨーコ」よりも大切にしている「ノートパソコン」に、誤って花瓶の水をぶちまけた「カザリ」は、「ヨーコ」のせいにしようと企み…『カザリとヨーコ』

    何者かによって、拉致され、窓もない、コンクリートの小さな四角い部屋に監禁された「ぼく」と姉。
    体の小さな「ぼく」は、姉に促され、部屋の床を貫く、汚水の流れる溝を伝って部屋からの脱出を試みた。
    溝のトンネルを抜けると、そこにも「ぼく」たちの監禁されている部屋と同じつくりの部屋、そして一人の女性。
    そのまた隣にも、隣にも…部屋の数は全部で7つ。
    閉じ込められた女性全員と話したことから、姉と導き出した結論、どうやら監禁されて6日目に「ぼく」と姉は殺されてしまうらしい…『SEVEN ROOMS』

    幸せな三人家族、居間にあるソファーには、「ぼく」を真ん中にはさんで、左には母が、右には父が、いつも仲良く座っていた。
    なのにある日突然、母には父が、父には母が見えなくなってしまう。
    二人の話から、父と母のどちらかが死んだのだと理解した「ぼく」は、その日から母と「ぼく」、父と「ぼく」の、奇妙な、二人きりの生活を送ることに…『So-far そ・ふぁー』

    死に至る病原菌に感染した男の手によって作られた「私」。
    「私」の存在理由は、生きている間の男の世話をすることと、男の死後、その亡骸を埋葬すること。
    作られたばかりで、「死」というものがよく理解できない「私」に、男は、自分を正しく埋葬するために「死」を学ぶようにと言うのだが…『陽だまりの詩』

    ある男の元に、毎日毎日、送られてくるのは、ある一人の女性の変わり果てた姿を写した写真。
    行方不明になった男の恋人の、朽ち果てていく様子を撮り続け、送り続けているのは一体誰なのか…。
    その相手こそが、彼女を殺した犯人に違いないと、男は犯人を捜そうとするのだが…『ZOO』

    単行本版の『ZOO』に収められていた中で、オムニバス形式で映画化されたもの5編が、収められた短編集。

    「何なんだこれは。(単行本刊行時のオビ・「青春と読書」2003年7月号より)――北上次郎
    ジャンル分け不能。天才・乙一の傑作短編集その1
    文庫版特別付録・古屋兎丸氏との対談も収録。」だ、そうな。


    まさに、ジャンル分け不能…と、いうか、奇想天外というか、その多彩な才能ぶりに、つくづく感心してしまう。

    この中では『陽だまりの詩』が秀逸。
    男によって作られた「私」が、「死」を理解していく過程に心を打たれる。
    ラストも、素晴らしい。
    この作品の持つ独特な世界観は、ものすごく好き。

    『SEVEN ROOMS』は、本だから読めたけど、映像化されてるのは、ちょっと怖すぎて見れないかも…。
    ほぼ裸で、泥水を行き来するうちに、乾いてこぺこぺになってる小学生って、どうしても『呪怨』の、あの男の子を思い浮かべてしまうので、見てしまったら、電気消して寝れなくなってしまいそう。
    自分まで、この部屋に閉じ込められて、死を待っているような気がしてしまうほど、ぞっとした。

    『So-far そ・ふぁー』は、一瞬目が点になったというか…とても愚かで哀しい話だと思った。

    一見、あり得なさそうな話なのに、もしかして、あり得ると思わされるようなところが、乙一さんの作品の魅力のような気がする。

    どんなに、怖くて汚くて酷い話でも、出てくる登場人物が何か「かわいい」と思えてしまうのも、この人ならでわのような…。

    『カザリとヨーコ』の「ヨーコ」の性格が…そんな悲惨な目に遭っているのに、何と逞しい…て、いうか、面白すぎて、とても好きになってしまった。

    ハンバーグのためなら、腎臓一個売ってもいいとは…可哀想なんだけど、笑いのツボにはまってしまった。

    映画では、この話あんまり評判良くないみたいなんだけど…「おっしゃー!」って、何かいい。


    0

      スポンサーサイト

      0
        • -
        • 23:11
        • -
        • -
        • by スポンサードリンク

        コメント
        こんばんわ^^
        この作品は、衝撃でしたね〜・・・。
        うつ状態になっている人とかに決して読ませてはいけない作品ですよね。
        だけど、読むのは止まらないんです。さすが乙一さん。
        1番気になったのは「So-far そ・ふぁー」ですね。
        よく考え付くなぁとおもって。
        ラストも衝撃でした。
        苗坊さん(^^)
        「So-far そ・ふぁー」は、映画では、主人公の男の子を神木君が演じているというので、とても見たくなりました。ラストは本当に衝撃的でしたね。脱帽です。かなり参りました。乙一さんって、すごいね。
        では、では。
        • uririn
        • 2006/09/14 11:42 PM
        コメントする








           
        この記事のトラックバックURL
        トラックバック
        ZOO 「カザリとヨーコ」 カザリとヨーコは双子の姉妹で母と3人で暮らしてる。 カザリにはやさしいが、ヨーコには部屋も食事も与えず、虐待を繰り返す母親。 母の目を盗んで、カザリが分けてくれる食事を食べて生きている。 ヨーコにとって、カザリは天使だっ
        • 苗坊の読書日記
        • 2006/09/13 11:38 PM

        calendar

        S M T W T F S
            123
        45678910
        11121314151617
        18192021222324
        25262728293031
        << October 2020 >>

        読書メーター

        uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

        新刊チェック

        selected entries

        categories

        archives

        recent comment

        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          uririn
        • 『痺れる』沼田まほかる
          uririn
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          uririn
        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          いちれん
        • 『痺れる』沼田まほかる
          くり
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          智広
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          uririn
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          苗坊
        • 『永遠の0』百田尚樹
          uririn
        • 『永遠の0』百田尚樹
          苗坊

        recent trackback

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        悪人
        悪人 (JUGEMレビュー »)
        吉田 修一
        読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

        recommend

        しずく
        しずく (JUGEMレビュー »)
        西 加奈子
        サイン本買っちゃった。

        recommend

        recommend

        たぶん最後の御挨拶
        たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
        東野 圭吾
        猫なんです…。

        recommend

        recommend

        recommend

        ねこの肉球 完全版
        ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
        荒川 千尋,板東 寛司
        たまらん。

        recommend

        ニャ夢ウェイ
        ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
        松尾 スズキ, 河井 克夫
        たまらん…

        recommend

        recommend

        僕たちの戦争
        僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
        荻原 浩
        とにかくお薦め。

        recommend

        出口のない海
        出口のない海 (JUGEMレビュー »)
        横山 秀夫
        たくさんの人に読んでほしい…

        links

        profile

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        みんなのブログポータル JUGEM

        使用素材のHP

        Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

        PR