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    『もっと、わたしを』平安寿子

    もっと、わたしを
    もっと、わたしを
    平 安寿子 2006年 幻冬舎 P.331
    ★★★★
    人を見るたび、野良猫みたいに身構えて、言葉の裏ばかり読もうとしてきた。読んだつもりになっていた。見た目通りの薄っぺらな女だと軽んじられないためには、最初から相手を見下すしかなかった。だけど、だから、なんにも見てなかったのかもしれない。 
       
    理佳も好き。広子も好き。
    人生で初めて二股を経験し、この幸せがずっと続けばいいのにと考える、28年間モテたことなどない口下手な営業マン、江口。
    ふとしたことから、二人ともにプロポーズしたことがばれ、トイレに監禁されてしまい、そこへもう一人の彼女がやって来て…。
    どちらも失うぐらいなら、最初からモテないほうが良かったと、便器の上で頭を悩ます江口…『いけないあなた』

    顔が良いのが売りの若き営業マン、有樹は「アリガトウ」と「スミマセン」を言わない男…社内では浮きまくる有樹のことを、見ればみるほど漫才師の宮川花子に似ている古株OL、富貴だけは応援してくれるというのだが…『ノー・プロブレム』

    これまで、どんな仕事も長続きしなかった、なりゆきまかせの正太は、今の就職先のカワサキ建装の社長の娘、しのぶのことが気になって仕方がない。
    たまに食事に誘われ、おやすみのキスはしてくれるのものの…。
    しのぶの気持ちが分からない正太は、ライバルの出現に悶々とし、虫歯もますます痛み出し…『なりゆきくん』

    歯科医の美人受付嬢、絵真。
    見た目が華やかで、男が放っておかないタイプであることを自覚している絵真は、昔投げつけられた「いやらしい顔」という言葉に、深く傷つき、未だにひきずっている。
    ある日呼ばれた合コンで、絵真を傷つけた張本人とばったり出会ってしまい、過去の怨みを晴らそうと…『愛はちょっとだけ』

    女手一つで健気に子供を育てるシングルマザー、を売りにしていた行田。
    「おじさん殺し」の得意技で世の中を渡ってきたものの、近頃体も大きくなって、手におえなくなってきた息子のために、父親をゲットしようと考え始めていた。
    父親候補として目をつけられたのは、行田が勤める会社の、6歳年下の御曹司。
    会社のソフトボール大会で、健気な母親をアピールしまくり、御曹司の心を掴もうと、意気揚々と出かけるのだが…『涙を飾って』

    それぞれの話にちょこっと出てくる人物が、次の話の主役となる、リレー形式(と、いうのかな)の連作短編集。

    「こんなわたしで、なぜ悪い
     不器用な五人五様の煩悩がすれ違ったとき、少しだけ人生が動いた。」
    だ、そうな。


    うっかり電車を乗り過ごしてしまいそうなくらい、夢中で読んでしまった。
    面白い…。

    特に、一見対照的な二人の女性が主人公の『愛はちょっとだけ』と『涙を飾って』は、女の嫌な部分も、可愛さも満載で、痛快と言うか何と言うか…。

    陰口叩かれるのを、「もっと、もっと言え」と心の中で思えるように、私もなりたい。
    平さんの描く女の持つ毒は、癖になりそうな…。

    「もっと、わたしを」…なかなか深いタイトルだなぁと感心した。

    解説が奥田英朗さんなんて、豪華だなぁと、これまた感心してしまったら、それがもう、毒吐きまくりで、面白すぎ。
    そこまで書いて…いいのかな、奥田さんだし。

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        コメント
        >うっかり電車を乗り過ごしてしまいそうなくらい、夢中で読んでしまった。

        危なかったですね(^^ゞ
        私もよくやります。驚くけれど、そんなにおもしろい本に出会えたことが嬉しいです。

        単行本を読んだので、文庫では奥田英朗が解説を書いているのを知りませんでした。読みたい!
        初めて平安寿子さんを読んだんですが、
        かなり面白かったです。
        一気読みでした。

        そして○○○○を敵に回すかのような奥田英朗の解説。
        これを読むだけでも面白いかも。
        かつきさん、
        是非、本屋さんで「解説」だけでも、ちらっと読んでみてください〜最高に面白いですよ(^^)。
        では、では。
        • uririn
        • 2006/09/12 11:25 PM
        す〜さん、
        私もこれで平さん、かなり好きになりました。
        他のも全部読みたくなってしまった。
        奥田さんの○○○○に対する思いは意外でした。
        確かに、そうかも(^^;…ですが。
        では、では。
        • uririn
        • 2006/09/12 11:28 PM
        文庫本、立ち読みしてきま〜す♪
        文庫版『もっと、わたしを』の解説を立ち読みしてきました。
        伏字の意味がわかった……。
        きっとあーんな女流作家さんや、こーんな恋愛小説作家さんは
        奥田英朗が嫌いになったでしょう (^^ゞ
        かつきさん、
        いやいや、奥田さんだから、きっと大丈夫(^^)
        と、思う。
        • uririn
        • 2006/09/16 12:03 AM
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        もっと、わたしを (幻冬舎文庫)(2006/08)平 安寿子商品詳細を見る イケてない五人五様の人生を、リレー形式で描いた作品集。 「いけないあなた...
        • しんちゃんの買い物帳
        • 2008/04/05 7:39 PM
        もっと、わたしを(2004/01)平 安寿子商品詳細を見る 優柔不断、プライド高過ぎ、なりゆき任せ、自意識過剰、自己中心。 不器用な五人五様の煩悩...
        • 読書日和
        • 2008/02/18 8:05 AM
        平 安寿子 / 『もっと、わたしを』 / 2006(2004) / 幻冬舎文庫
        • bookmarks=本の栞
        • 2006/09/18 11:02 PM
        優柔不断、プライド高過ぎ、なりゆき任せ、自意識過剰、自己中心。 不器用な五人五様の煩悩がすれ違ったとき、少しだけ人生が動きだす。「自分らしく」生きようとする人のダサさと切なさを描いていく。 5編からなる
        • My Favorite Books
        • 2006/09/12 9:29 PM
        地味な小説。でもダントツにおもしろい。すごく大笑いするわけでもなく、もらい泣きするわけでもない、ワクワクもあまりしないし、シミジミもしない。けれど共感できる。そうとしかいいようのない。このおもしろさが理解されるようになると、もっと平安寿子は売れるのに
        • 猛読醉書
        • 2006/09/12 9:24 AM

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