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    『影踏み』横山秀夫

    影踏み
    影踏み
    横山 秀夫 2003年 祥伝社 P.328
    ★★★★★
    十五年前のあの日、真壁は法を捨てた。
    焼き殺され、黒焦げになった啓二を、焼き場の釜で焼く。炎に包まれ、もがき苦しみながら死んでいったであろう弟を、もう一度、炎の中に送り込む。規則だと言われた。それが法律なのだと親戚と役人は口を揃えた。我を失った。拳を握り締めて走った。啓二の柩を焼き釜に送り込もうとする男たちをなぎ倒した――。

    15年前、家族三人を一度に失った真壁は、「ノビ」(深夜、寝静まった民家を狙い現金を盗み出す忍び込みのプロ)として、警察からは常にマークされる存在となっていた。

    2年前の事件で懲役を食らい、出所したばかりの真壁が真っ先に向かった先は、県立図書館。
    真壁が調べたかったのは、2年前に侵入した民家の主の生死。
    深夜に忍び込んだ真壁が、その家で目にしたのは、鼾をかいて寝入っている夫を見つめていたであろう、女の白いうなじ。
    その家にあるべきものが、ないことに気づき、女は、その時、夫を殺そうとしていたと考える真壁は、事件後離婚して行方のわからなくなっていた女の消息を追う…『消息』

    真壁とは馴染みの深い、雁谷署刑事一課の盗犯係長が溺死した。
    容疑者の一人として、任意の取調べを受けた真壁には、「仕事」をしていたその時間のアリバイがない。
    自分の無実を証明するため、刑事が入れ込んでいた女の元を訪れた真壁の目に留まったのは、女の肌に刻まれた赤い傷跡…『刻印』

    探偵を雇い、真壁の居場所を突き止めたのは真壁の幼馴染でもあり、しばらく連絡を断っている真壁の恋人、久子の友達でもあった。
    「久子を手離してはいけない」という女の真意は…『抱擁』

    真壁が「仕事」をしている界隈で、近頃発生していた「盗人狩り」に遭い、病院に運び込まれた真壁。
    「盗んではいけないものを盗んだ泥棒」の、とばっちりを受けた真壁は、自分をこんな目に遭わせた犯人を探し出し…『業火』

    クリスマスの夜、服役中に、刑務所内である男に頼まれた代理のサンタクロースになるため、プレゼントを探すことになった真壁。
    昔住んでいた家の荷物を預かってくれている屋敷を訪ね、たった一つ残った父親の遺品を受け取り…『使徒』

    顔見知り程度の中だった、泥棒仲間の死に立ち会うことになった真壁。
    意識があった頃、真壁の名を呼び、何かを託そうとしていたという男の、暗号のようなメモを頼りに、男の父親を探すことに…『遺言』

    疎遠になっていた恋人、久子が真壁を訪ねて、真壁の常宿「旅館いたみ」にやって来た。
    そしてその夜、旅館は炎に包まれ、真壁達は命からがら逃げ出した。
    久子をストーカーしていたという、見合い相手の男を疑う真壁は、男に会いに行くのだが…『行方』
    の7編から成る、連作短編集のような長編作?

    「横山秀夫が描く静かな感動。
    一人の女性をめぐり業火に消えた双子の弟。残された兄。三つの魂が炎のように絡み合うハードサスペンス。」です。


    行き場のない魂となった真壁の弟、啓二との会話に、最初は不思議な感じがしたけど、途中から、たまに啓二が答えてくれないと、淋しくなってしまった。
    19歳のまんまの啓二は、それよりも幼い感じで、すごく可愛い。

    横山さんにしては珍しく、警察ものではなくて、警察に追われる立場の泥棒という設定も、なかなか面白くて。
    一口に泥棒と言っても、その手口によって色々種類があるものだと、感心してしまった。
    隠語にも。

    読み始めは、地味な印象があったけど、だんだん面白くなって、心温まる話『使徒』には、ほろりとさせられ、最期は切なくなってしまう。

    ただ、弟の啓二がなんで泥棒になったのか、その選択がイマイチ良くわからなかった気がするんだけど…。
     
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        コメント
         第一話を読み終えた時にはハズレか?と思ったのですが、一話完結の連続ドラマのような構成で、面白く読めました。いろんな意味で横山作品としては異色でしょうか。
        higeruさん、こんばんわ(^^)
        じわじわと心に染み渡るお話でした。大人のファンタジーというか…。
        確かに横山さんにしては、かなり異色で、これまでのにも増して地味でしたね。そこが魅力かな。
        では、では〜。
        • uririn
        • 2007/02/14 12:31 AM
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        こんにちは。ほんだらけ 、 を楽しく読ませていただきました。また読ませていただきたいと思います。横山秀夫さんの本、初めて読んでみました。いいですよね。
        • 行間の宇宙
        • 2007/12/16 2:34 PM
        お薦め度:☆☆☆ / 2007年3月6日讀了
        • 仙丈亭日乘
        • 2007/03/30 7:42 AM
        横山秀夫『影踏み』(祥伝社 2007) 評価:★★★★★ 過大評価かもしれませんが、僕はこの作品好きでした。 何が好きって、主人公がカッコ良いところ! 泥棒のくせして情が厚い、口調が悪いけど信念を感じるカッコ良さがある、そんな主人公が好きです。 僕
        • のほほんの本
        • 2007/03/06 2:43 PM
         横山秀夫といえば以前は「警察小説」というイメージがあったが、本作は警察とは正反対にある犯罪者が主人公の連作短編集。  《ノビ師》(深夜、寝静まった民家を狙い現金を盗み出す忍び込みのプロ)を生業とする真壁修一には、15年前に焼死した双子の弟がいる。「
        • higeruの大活字読書録
        • 2007/02/13 10:07 PM

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