スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『重力ピエロ』伊坂幸太郎

    重力ピエロ
    重力ピエロ
    伊坂 幸太郎 2003年 新潮社
    ★★★★★
    「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」
    まさに今がそうだった。ピエロは重力を忘れさせるために、メイクをし、玉に乗り、空中ブランコで優雅に空を飛び、時には不恰好に転ぶ。何かを忘れさせるためにだ。

    二つ違いの兄と弟、泉と春。
    複雑な事情によって生まれてきた弟。
    ストーカーまで出現するほど、女性から好意を持たれることの多い春は、自分の出生の事情から邪悪な「性的なるもの」から頑なに距離を保とうとしていた。
    子供の頃から、兄が側にいれば、何でも上手くいくというジンクスを信じていた春。

    ある日春は「兄貴の会社が放火に遭うかもしれない。気をつけたほうがいい」と留守電のメッセージを残す。
    訝しがる兄に春は、近頃頻繁に起こっていた、連続放火事件の関連性を解き明かす。
    犯行予告のように放火現場近くに描かれるスプレーの落書き、グラフィティアートを消すことが、春の仕事だった。

    子供のころから「謎解き好き」な兄の性格を良く知る春は、放火事件とグラフィティアートに描かれた文字の謎解きを兄に持ちかける。
    キーワードは、放火と落書きと遺伝子のルール。

    入院中の父親も、二人の会話に加わり、それぞれがそれぞれのやり方で「犯人」に近づいてく…。


    この二人のお父さんは偉大だ。
    このお父さんみたいな考え方は、なかなかできないだろうけど…。
    カッコウと、鶯の話は、良かったな…。

    一度は筆を折った春がまた絵を描きはじめた理由も素晴らしい。
    泉が父に「自分は誰の生まれ変わりなのか」をたずねた時の父親の返答は面白すぎる。

    探偵の最後の台詞も最高に良かった。

    ガンジーの話も、遺伝子の話も、日本神話も…。
    また、感心ばかりしてしまった。

    春の苦悩は計り知れないし、もし自分なら自分を呪うかもしれないけど、でも、この偉大な父親と、弟思いの兄によって、十分救われていると思いたい。
    いい家族だな…。

    それに私も徳川綱吉が好きだし。
    0

      スポンサーサイト

      0
        • -
        • 23:27
        • -
        • -
        • by スポンサードリンク

        コメント
        こんにちは。トラックバックさせていただきました。
        文庫化に当たり改稿されたというので、文庫版も買ってしまいました。感想を載せたので、ぜひ遊びに来てください。
        ふぇるまーたさん、こんばんわ(^^)
        お邪魔させていただきました。
        文庫版は、加筆されているのかな?
        私もまた買ってしまいそうです。
        TBもさせていただきました。
        では、また。

        • uririn
        • 2006/06/28 11:12 PM
        お久しぶりです。
        「重力ピエロ」というタイトル名がイイ感じがしました。
        出版する際は、タイトル名ってかなり重要らしいですね。
        放火の留守録ですか。。
        現代小説はナイフに放火にリスカ、殺人という言葉が当たり前になりましたね。
        でも現実は小説より奇なりというくらい怖い事件が増えてぞっとします。
        大阪の大学生の生き埋め事件は、もう時代も終焉に向かっているような類い希な怖い事件だと鳥肌がたちます。
        タジイさん、お元気そうで何よりです。
        伊坂さんの作品のタイトルは、なかなか素敵なのが多いと思います。
        確かに、最近の事件の残虐性は人間の想像を超越してしまってる気がします。
        ホラー小説の何倍も恐ろしいですね。
        • uririn
        • 2006/07/01 1:22 AM
        こんにちは〜^^
        TBさせていただきました。
        直木賞と芥川賞候補作が発表されたみたいですね。
        今度こそ、伊坂さんには受賞してほしいです。
        この本もとても好きですね。
        父親は偉大ですね。
        最後に父親が春に向けた言葉がうるうるきました。
        黒澤もカッコいいですよね〜
        泥棒じゃもったいないです。
        苗坊さん、こんばんわ(^^)
        本当に、こんな父親みたいな考え方のできる男の人が実際にいればいいなと思いました。素晴らしい人ですね。
        直木賞は、私的には貫井さんと、伊坂さんと、半々ぐらいで応援してます(^^;
        できれば両方もらってほしい…。
        • uririn
        • 2006/07/04 2:44 AM
         はじめまして、こんばんは♪
         TBどうもありがとうございました◎

        >一度は筆を折った春がまた絵を描きはじめた理由

         あのエピソード、すごくよかったですよね。

         お父さん、泉水、春の相互の愛情が
         とても素敵に描かれていたのが
         とてもよかったです。
        コメントする








           
        この記事のトラックバックURL
        トラックバック
        重力ピエロ伊坂幸太郎さんの作品 第129回直木賞候補作品第57回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補作品第1回本屋大賞ノミネート作品2004年版このミステリーがすごい!第3位。 兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出
        • やっほっほ〜
        • 2009/06/07 9:21 PM
        とにかくよかった! 他の方も書いているように、突然の不幸に見舞われながらもたくましく自分たちの人生を生きていくという、ごく普通のありふれた人々に対する賛歌。 人物描写も丁寧で細かく、あっという間に読みました。 ひとつの家族の物語だけどスケールが大
        • 本を読もう
        • 2007/03/28 7:30 PM
        半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、ス
        • ミステリー倶楽部
        • 2007/02/24 8:38 AM
         伊坂幸太郎:著 『重力ピエロ』    この人の小説を読むのは初めてだったんですが、  いやー、すごいよかったです{/ee_3/}{/kirakira/}  文章にリズムがあって、会話もテンポよく軽妙。  それでいて、深く考えさせられるテーマが、  実は背景に潜んでいる。
        • miyukichin' mu*me*mo*
        • 2006/09/23 1:25 AM
        重力ピエロ ■やぎっちょ評価コメント 伊坂さんの本はこれで3冊目。好んで星を下げたくなかったのですが、死神の精度、チルドレンに比べてズーンと来ませんでした。キャラは立っていていい感じです。主人公も弟も、というか特に弟がいいですね。 けれどもDNAの
        • "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
        • 2006/07/29 2:24 PM
        著者:伊坂幸太郎 兄・和泉。弟・春。春は、性に対して強い抵抗感を持っていた。春は
        • たこの感想文
        • 2006/07/13 12:56 AM
        重力ピエロ伊坂 幸太郎 新潮社 2003-04by G-Tools 半分しか血のつながっていない泉水と、弟の春。春は、母親が連続強姦犯にレイプされてできた子供だった。その後母親は死に、父親は現在ガンで入院中。泉水は遺伝子研究を仕事にし、春は性的欲望に異常な嫌悪感を持つ
        • 本を読んだら・・・by ゆうき
        • 2006/07/04 2:07 PM
        重力ピエロ オススメ! 春が二階から落ちてきた。 泉水と春は兄弟だ。でも、半分しか血は繋がっていない。 でも、2人が一緒だと最強だった。 今は、泉水は遺伝子関係の会社の社員。 春は、橋の下に描かれた落書きを消す仕事をしていた。 最近、放火事件が相次
        • 苗坊の読書日記
        • 2006/07/03 2:12 PM
        重力ピエロ 新潮文庫 (い-69-3)伊坂 幸太郎 (著) 文庫化された伊坂幸
        • 徒然ノート
        • 2006/06/28 6:12 PM
        仙台の某書店で伊坂幸太郎氏を見かけたことがある。 私は文庫本を物色しながら、ちらりと隣の客を見て、「どこかで見たような顔」と思ったけど、そのときは思い出せなくて。 あとから思い出した。 あの人、伊坂幸太
        • ぱんどら日記
        • 2006/06/27 3:26 PM

        calendar

        S M T W T F S
          12345
        6789101112
        13141516171819
        20212223242526
        27282930   
        << September 2020 >>

        読書メーター

        uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

        新刊チェック

        selected entries

        categories

        archives

        recent comment

        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          uririn
        • 『痺れる』沼田まほかる
          uririn
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          uririn
        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          いちれん
        • 『痺れる』沼田まほかる
          くり
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          智広
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          uririn
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          苗坊
        • 『永遠の0』百田尚樹
          uririn
        • 『永遠の0』百田尚樹
          苗坊

        recent trackback

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        悪人
        悪人 (JUGEMレビュー »)
        吉田 修一
        読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

        recommend

        しずく
        しずく (JUGEMレビュー »)
        西 加奈子
        サイン本買っちゃった。

        recommend

        recommend

        たぶん最後の御挨拶
        たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
        東野 圭吾
        猫なんです…。

        recommend

        recommend

        recommend

        ねこの肉球 完全版
        ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
        荒川 千尋,板東 寛司
        たまらん。

        recommend

        ニャ夢ウェイ
        ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
        松尾 スズキ, 河井 克夫
        たまらん…

        recommend

        recommend

        僕たちの戦争
        僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
        荻原 浩
        とにかくお薦め。

        recommend

        出口のない海
        出口のない海 (JUGEMレビュー »)
        横山 秀夫
        たくさんの人に読んでほしい…

        links

        profile

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        みんなのブログポータル JUGEM

        使用素材のHP

        Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

        PR