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    『死にぞこないの青』乙一


    死にぞこないの青
    死にぞこないの青
    乙一 2001年 幻冬舎文庫
    ★★★★
    どうして世界はこうなっているのだろう。生きていく上でいろいろなことに恐怖し、不安を抱いて、自分を守ろうとする。がたがた震える感情を安心させるために、だれかを笑い者にするんだ。

    新学期が始まり、新しい担任をわくわくした気持ちで迎える小学5年生になったマサオ。
    ちょっぴり太り気味のマサオは、運動は苦手だけど、友達とゲームや漫画の話をしたり、品薄のビックリマンチョコを手に入れるため、みんなで自転車でスーパーまで出かけるごくごく普通の、でも、みんなよりはとても内気な少年だった。

    新しい担任の羽田先生は、若くてかっこ良くて、そしてサッカーが得意なのだと自己紹介した。
    先生と仲良くなれればいいなと思っていたマサオ。

    学級のそれぞれの役割を決める日、恥ずかしがり屋のマサオは、人前に立たなくて良い「飼育係」に手を挙げた。
    そしてその係り決めが、先生の誤解を招き、マサオには先生によってあるレッテルが貼られるようになる。

    その日から先生は、マサオを例に挙げてはクラスの笑い者にし、理不尽な理由をつけては叱り飛ばし、罵るようになる。
    次第にマサオには先生の言葉が刷り込まれていく。
    「本当に僕はだめな奴なんじゃないだろうか」…と。

    そんなマサオの前にたびたび姿を現すようになったのは、他のみんなには決して見えない、真っ青な皮膚を持ち、不気味な顔をした小さな男の子。
    休み時間、教室で一人ぽっちでいるマサオを悲しそうにじっと見つめる「アオ」…。

    クラス全員から相手にされない日々を送っていたマサオが、ある日校舎の裏に呼び出され、クラスメイトから殴られそうになったとき、姿を現した「アオ」が初めて言葉を発した…。


    乙一さんのは、数年前にデビュー作の「夏と花火と私の死体」を読んだきりだったので、こういう動きのある展開になるとは思わなかったから、ちょっとびっくりした。

    小学生のマサオにとって「先生は絶対に正しいことを言う人」だったのに…。
    マサオは、何も悪いことしてないのに、自分の保身のためにそんなことするなんて、あんまりだ。
    でも、こういう先生はざらにいそう。

    家族に心配をかけたくなくて、家で必死に学校の楽しい嘘の出来事を話すマサオがとても健気で、痛々しかった。

    「みんな、本当は嫌なやつじゃないのだということを僕は知っている。だから、みんなが僕を嫌っても、僕はみんなのことを心の底から憎むことができない。」という台詞は胸にぐっときた。

    閉鎖されていて、外からは見えない学級内って怖いな…。
    後半の展開はすごくスリリングで、「どうなるんだろう」と、ドキドキしてしまった。

    そして、ラストの先生の台詞は…、みんながみんなそんな風に言える先生ばかりならいいんだけどな。


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        死にぞこないの青 ■やぎっちょ書評 うわーアマゾンに画像がない!! 久々にこういうことになったのでうろたえてみる。 にしても乙一さんで画像なしとは・・・。 本屋さんで未読を見つけたのでゲットしてみました。 久々の長編。というか、長編ってGOTH以外にあ
        • "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
        • 2007/07/12 2:24 PM
        死にぞこないの青 著者:乙一販売元:幻冬舎コミックス 書き下ろしの乙一さん。「
        • 31ct.読書部屋
        • 2006/07/26 2:41 AM
        著者:乙一 小学校5年のマサオは、係決めの際の些細なことから担任であり、新任教師
        • たこの感想文
        • 2006/06/20 9:29 AM

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