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    『七回死んだ男』西澤保彦

    七回死んだ男
    七回死んだ男
    西澤 保彦 1998年 講談社文庫
    ★★★★★
    殺人事件――そのひと言はしかし他の者たちとは全然違った意味と衝撃を僕にもたらしていた。そんなことが起こる筈がない。あってはならないことだと。何だ。それでは他の者たちの言い種とまったく同じではないか、とは言わないで欲しい。僕が言う、そんなことが起こる筈がない、とは単なるレトリックではなく文字通りの意味なのだ。
    主人公、大場久太郎は有名進学校に通う、16歳の高校一年生。
    本当は「ひさたろう」なのに、みんなは彼を「キュータロー」「オバキュー」と呼ぶ。

    決して頭が良いわけではないのに、有名進学校に合格できたのは、ひとえに彼の「反復落とし穴」に落っこちるという不思議な体質のおかげである。
    久太郎は、どういうわけか、同じ日を9回まで繰り返すことができる。
    月に何度か、そういう日が訪れてしまう。

    たまたま入試の日が「反復落とし穴」の日に当たったために、同じ試験を9回も受けることができ、結果、全教科満点で合格という、創立以来の快挙を成し遂げてしまった。

    そんな特異体質の久太郎の祖父は、貧乏のどん底から、ギャンブルによって、財を成した「エッジアップ・レストラン・チェーングループ」の会長である。
    毎年恒例の祖父宅で行われる親族一同が会する新年会の後、祖父は、遺産相続人となる跡継ぎを遺言状に新たに書き記すことになっている。

    後継者候補は、ある方法で決められ、毎年異なる人物が選ばれていた。
    しかし、それも今年が最後。
    祖父が、今年決定された後継者が、最終決定なのだと高らかに宣言してしまったのだ。

    その翌日、久太郎はいつもの「反復落とし穴」に落っこちるのだが、一日目の祖父との酒盛りの後の、あまりにひどい二日酔いに嫌気が差し「反復落とし穴」の二日目に、一日目とは違う行動を取ってしまった。
    その結果、一日目には生きていたはずの祖父が「反復落とし穴」の二日目には殺されるという、とんでもない事件が起きてしまう。

    久太郎は何とか、二日酔いにならずに済むように、犯人と疑わしき人物を、祖父から遠ざけるよう画策するのだが、何回修正を繰り返しても、やはり祖父は殺されてしまう。
    しかも犯人は、その都度違う人物。

    いったい誰をどうすれば祖父が生きたまま、無事に新しい翌日を迎えることができるのか……。


    無茶苦茶な設定だけど、その無茶苦茶さが面白かった。
    会話も面白くて、テンポが良くて、さくさく読めてしまう。

    みんなが、祖父宅に足を踏み入れる前に、着用を義務付けられているへんてこな格好も、久太郎の母親と叔母の人物設定も、すごくユニークで…。
    久太郎の二人の性格の異なる兄の性格も、従姉妹たちの性格も、意外や意外…。

    そして、最後の最後に、明かされる真相も。
    「なるほど」と唸らされてしまった。(て、言うか私が、全く何も考えずに読んでただけなのかもしれないけど…)

    に、しても、例えリセットされるとは言え、七回も別の人物に殺されてしまうおじいちゃんが気の毒で、気の毒で…。
    二日酔いぐらい我慢してあげてよ、と途中で思ってしまった。

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        コメント
        くま社長です。ブログ村からきました。
        この本、エントリーを拝見しましたがとても面白そうですね!

        同じ日を何回もやり直せるなんていいなあぁ!
        なんて思ったりもしますが、どうやっても身近な人に
        不幸が訪れるなんて。。。
        ちょっとイヤですね(^^;

        色々な本を楽しく紹介されていて、
        ついつい読みたくなりました。

        くま社長も本を紹介する時の参考になりました。
        また読ませてもらいますね。
        よろしくお願いします!
        応援ポチッ☆
        くま社長さん、はじめまして(^^)
        コメントありがとうございます。
        とても励みになります。
        私も、くま社長のこと応援させていただきますね。
        • uririn
        • 2006/06/01 12:28 AM
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