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    『GO』金城一紀

    GO
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    金城 一紀 2003年 講談社文庫
    ★★★★★
    僕は、教室の隅のほうへと避難している宮本の背中から、僕に向かってきている挑戦者に視線を移した。そして、今日はどんな決め台詞を吐こうか考えていた。オヤジから教わった、あの言葉がいいかもしれない。
    「ノ・ソイ・コレアーノ、ニ・ソイ・ハポネス、ジョ・ソイ・デサライガード(俺は朝鮮人でも、日本人でもない、ただの根無し草だ)」
    それに、決めた。

    「僕」が14歳の時、正月の特番の旅番組を見ていた「オヤジ」が「ハワイ…」とつぶやいた。
    ハワイに行くために「僕」は、それまでの朝鮮籍から、韓国籍に変えられた。
    だけど「僕」自身は、何も変わらない…。
    「僕」は、日本で生まれ、日本で育った。

    そして「僕」は、ハワイ行きはお断りさせていただき、代わりにその旅費で、日本の高校を受験することにした。
    首尾よく入学した高校は偏差値が卵の白身部分のカロリー数ぐらいしかない私立の男子校。
    猛者たちの集まる中、「はく」を付けるため、最初に「僕」に挑んできたのは、暴力団幹部の父親をバックに持つ加藤。
    勝負は呆気なく決まり、それ以来、何故か加藤の父親に気に入られてしまう。
    そして、呼ばれた加藤の豪勢なバースディパーティーで「僕」は、めちゃくちゃ可愛い日本人の女の子と出会い、恋に落ちた…。


    「軽快なテンポとさわやかな筆致で差別や国境を一蹴する、感動の青春恋愛小説。」だ、そうです。
    ここに描かれているのは、まぎれもなく「青春」と「恋愛」の物語だと思った。
    そして、めちゃくちゃ面白い。

    まず、還暦間際なのに、高校生の息子に喧嘩で勝ってしまう、元ボクサーの「オヤジ」がすごくいい。
    たった独りで色んなことと闘う姿が、ものすごく恰好いい。
    「ハワイ」を口実に使うところも、独学で色んなことに精通しているのも、とにかく尊敬する。

    そして、「僕」の友達の話。
    民族系の学校から日本の高校を受験する際、いろいろないじめにあった「僕」を支えてくれた、小説を読むのが大好きな、勇敢な、友達。
    この悲劇は、本当に哀しくて、悔しい…。
    だけど、これが現実なのだと思う。

    彼の台詞「独りで黙々と小説を読んでる人間は、集会に集まっている百人の人間に匹敵する力を持ってる」「そういう人間が増えたら、世界はよくなる」というのが、すごく好きになった。本当にそうならいいなぁと思う。

    「僕」と彼女のデートは、何だか遥か遠い昔を思い出して、ちょっとわくわくした。
    こんなデート、したかったなぁとも思う。
    きっと大人にはできない。できるのかもしれないけど、多分もうできないだろうなぁと思う。

    彼女に「僕」が自分のことを打ち明ける場面は、少し緊張した。
    同じような告白、実際に私の過去にもあるから、重ねてしまった。
    普通に知り合って、普通に恋愛をして、そこにいつ「実は僕の国籍は…」という隙があるんだろう、と思ってしまう。
    僕が緑色の肌を持っていたら良かった…という「僕」の気持ちは良くわかるけど…。
    多分、それでも好きになる相手は、好きになるし、ずれが生じてくれば、普通に日本人同士と同じように、別れていくのだと、ただそれだけのことだと、思うんだけど。

    前に映画を見たけど、多分、結構そのまんまだった記憶がある。
    電車の前走ってたの、こういうことだったのか…と、いまさら分かった。
    読み終わった後、また映画の方も見てみたくなった。
    お父さん役、誰だっけかな?

    忘れてる自分が、ものすごく悔しい。
    公園みたいなとこで、二人で殴り合ってたシーンは記憶にあるんだけど…。
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        突然申し訳ありません。
        ブログサーチ&コミュニティ【ぶろぐひろば】です。
        http://bloghiroba.com/blog/
        貴サイト様を拝見し、是非当サイトにご参加いただきたいと思いコメントさせていただきました。
        できたばかりのサイトですが、皆様のアクセスアップの少しはお役に立てるよう努めてまいりますので、ご参加をご検討くださいませ
        この映画のお父さん役は緒方拳では?在日であり日本の高校に進み日本人とのケンカに明けくれる映画だったと思いました。私も忘れかけです。主演は窪塚洋介でしたねえ。
        「おれは何人だ」というセリフが好きです。
        そんな大物でしたか!何で覚えてないんだろ…歳かな。
        最近やたらと山崎務が目に付くので、てっきり山崎さんか、もしくは、たけしだったっけ?とか思ってました。大竹さんのお母さんは覚えてるのに…。
        また、借りてこなくては。
        • uririn
        • 2006/05/10 12:26 AM
        こんにちは。
        金城さんの作品は明るく楽しいけれど読んだあとにズンと来ますね。
        私は日本人として日本で生まれ日本で差別なんてものとは無縁に生きてきたけれど、
        「GO」を読んで、いまでもまだ「在日」というだけで窮屈な思いをしている人たちがどれだけいるのだろう?と思いました。
        私の同級生にも「在日」の韓国人がいて、その子のことを思い出してしまったり。。。
        ふぇるまーたさん、こんばんわ(^^)
        私の古くからの友達にも「在日」(この言葉もどうかと思うけど…)の人が結構います。その人達も、こういう思いをしてきたんだろうなぁと、読んでいて結構辛くなりました。人を好きになることに、国とか差別とか、そういうの関係ないと思いたいです…。
        • uririn
        • 2006/10/09 1:26 AM
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        金城一紀さんの「GO」を読んだ。この人の文体もけっこう好き。「レヴォリューショ
        • 徒然ノート
        • 2006/10/08 2:11 PM

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