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    『メイン・ディッシュ』北森鴻


    メイン・ディッシュ
    北森 鴻 2002年 集英社文庫 P.335
    ★★★★
    「あと、何年こうした暮らしがつづくのだろう」
     応えるものがいるはずもなかった。
    自分で望んだ日々とはいえ、時に流転の生活を不意に投げ出したくなることがある。それが許されないと知れば知るほど、安住は永遠に満たされない渇きとして、精神と肉体を苛み続ける。
     さらに、雪、雪、雪。

    数少ない黒字劇団「紅神楽」の主催者であり、人気舞台女優でもある紅林ユリエ、劇団員からは親しみを込めて「ネコさん」の愛称で呼ばれる彼女の家には、ある雪の降り積もる夜、拾われてきた、捨て猫のような「ミケさん」と呼ばれる男が住み着いている。

    こと料理の腕に関しては超一流の「ミケさん」の振舞う手料理は、ミーティングと称したホーム・パーティーで、事あるごとに「ネコさん」の家に集まる劇団員たちの楽しみでもあり、「ネコさん」にとっては、彼の作る料理が自慢のタネでもあった。

    そして「ミケさん」の人を食ったような、食べ物を絡めた鮮やかな謎解きによって、劇団の座付き作家、絶えず何かに取り憑かれているような妄想大王、小杉の筆はどんどん進み、シナリオが出来上がっていく。

    そんな皆から愛されていた「ミケさん」が、ある日を境に、姿を消してしまった。
    「ミケさん」を探す唯一の手がかりは、「ネコさん」の過去の男…。

    『アペリティフ』に始まって、
    『ストレンジテイスト』『アリバイ レシピ』『キッチン マジック』『バッドテイスト トレイン』『マイオールド ビターズ』『バレンタイン チャーハン』『ボトル“ダミー”』『サプライジング エッグ』『メイン・ディッシュ』と進み、
    『特別料理』で締め括る、連作短編集のようでいて、長編でもある、味わい深い物語。

    「ユーモラスで、ちょっとビターなミステリ連作集。文庫化に際して、新たに特別短編を加筆。さらに美味しくなった、スペシャル・メニューを召し上がれ」だ、そうな。


    ここに出てくる「ミケさん」の作る料理、どれも全部、本当に美味しそう。
    お腹がすいてる時に読むと、結構辛いかも。

    最初は全く別々に思えた話が、交錯して、一つに繋がっていく様は、趣向が凝らしてあって、意外性があって、すごく面白かった。
    ちょっぴり切なくて、泣けたりもして…。

    年齢も、生まれも、過去も、謎のヴェールに包まれた「ミケさん」がすごく魅力的で、こんな人が実際にいたら、私も一緒に住んでほしい…そして毎朝このオムレツ作ってもらえたら、ものすごく幸せだと思う。太りそうだけど。

    妄想大王で覆面作家の小杉と、「ネコさん」の掛け合いもめちゃくちゃ面白くて…あんまりにも、どつかれすぎる小杉が気の毒だったけど。
    覆面作家の作家名には、最後「にんまり」してしまった。そうきたか…。

    「客室が十しかない宿屋に、十一人の旅人を宿泊させるには、どうすれば良いでしょう。どの旅人も、相部屋はいやだといっています」
    というなぞなぞの、謎は、説明されても私には理解できなかった…。うう。

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      『支那そば館の謎』北森鴻

      支那そば館の謎 裏京都ミステリー
      支那そば館の謎 裏京都ミステリー
      北森 鴻 2006年 光文社文庫 P.294
      ★★★★★
      京都の観光名所でありながら、京都市民が滅多に足を向けないポイントは、いくつか、ある。たとえば嵐山など典型的な一例だ。名所旧跡の密集地帯であるにもかかわらず、市内在住の一般ピープルが、この地を訪れることは、よほどのことがない限りない。ま、他府県からやってきては大切なおぜぜをばらまいてくれる観光客にさえ、ほとんど知られることのない我が大悲閣にとっては、どうでもよいことではあるが。

      かつて広域窃盗犯として裏稼業を邁進していた「僕」有馬次郎は、ひょんなことから、京都でも屈指の貧乏寺のご住職に助けられ、以来この寺で「寺男」として働くこととなり、めでたく表社会への復帰を果たすこととなる。

      知る人ぞ知る、ここ大悲閣千光寺には、ご住職の人柄ゆえか、日頃からいろいろな厄介ごとを持ち込まれ、裏稼業に精通している「僕」は、その人脈を駆使し、さまざまな難問を解決していくことに…。

      表題作『支那そば館の謎』他、『不動明王の憂鬱』『異教徒の晩餐』『鮎躍る夜に』『不如意の人』『居酒屋 十兵衛』の6編から成る連作短編集。

      裏(マイナー)京都ミステリー「京の風情と垂涎の料理の数々も楽しい、本格推理の傑作登場!」だ、そうな。


      後半、大日本バカミス作家協会賞受賞者、超マイナー作家の「ムンちゃん」が登場してからが、俄然面白くなってきた。

      最後の『居酒屋 十兵衛』の話には、ほろりとさせられて、なかなか良い話だなぁと…。

      京都に住んでるから、大概のことは知ってるんじゃないかなと思って読んでみたけど、甘かった。
      鯖寿司に、そんな種類があったのも知らんかったし…。

      そういえば、金閣寺にも行ったことないし、京都タワーの展望台にも上ったことがない。

      ちょうど昨日の京都新聞の夕刊のテレビ欄の下半分に「大悲閣千光寺」の広告が、でかでかと載っていたので驚いた(本当に、本当は有名なお寺だったのか…)。

      いつか行ってみなければ。
      嵐山にはジャニーズショップもあることだし。
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