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    『オール』山田悠介

    オール
    オール
    山田 悠介 2007/5/31発行 角川書店 P.293 ¥1,155
    ★★★★★
    今はこの『何でも屋』で働くのが心の底から楽しい。時折ヤバイ仕事もあるが、それはそれで刺激があって、やり甲斐がある。だからいつか、母にも真実を告げようと思っているが、それはもう少し先になるだろう。今はまだ何もかもが中途半端だ。この仕事をずっとやり続けていくという決心がついた時に、全てを話そうと思う。もしかしたら、この仕事にも飽きて、もっと違う何かを見つけているかもしれないし……。

    高知の田舎から上京し、希望通りにアパレル関係の一流企業に就職したものの、思っていたより刺激がなく、こき使われるだけの日々に嫌気が差し、一年ももたずにさっさと辞めてしまい、それからはアルバイトを転々とし、少ない給料で東京での生活を何とか維持してきた「こんなはずじゃなかった」の荻原健太郎、25歳。

    新しいバイトもまた、飽きてしまったからという理由で昨日辞めてしまい、携帯代を支払うと、手元にはわずかな残金しかなく「田舎に帰ろうか…」と弱気になっていたところに偶然見つけた、道ばたの電柱に貼ってある「何でも屋・花田」のバイト募集の怪しいビラ。

    このまま田舎に帰ったのでは負け犬だ!と奮起して、指定された場所に面接に出向くと、そこにいたのは三人の訳ありげな男たち。

    中でも一番強面の男、社長の花田に気に入られ、即採用を言い渡された健太郎の最初の大仕事は、離れていても悪臭漂うゴミ屋敷の大掃除。

    可能な限り全ての注文を受け、給料は完全歩合制だという「何でも屋」に舞い込んだ、報酬5百万ものラッキーな「大掃除」のメールの依頼文のタイトルにある「私を見つけて」の文字と、四桁の数字の意味を深く考える間もなく、仕事に取り掛かった3人が、タイムリミットを過ぎた後、ゴミ屋敷で見つけたものは…『ゴミ屋敷』

    他、『運び屋』、『政略結婚』、『母』、『最期の仕事』の5編から成る、ノンストップ・ワーキング・ノヴェル。

    「変な奴らに、怪しい依頼、仕事はいつも危機一髪“何でも屋”には全部ある!!
    『リアル鬼ごっこ』『パズル』の山田悠介待望の最新刊!」だ、そうで…。


    うーーん…。
    読んでる途中で「今誰の本読んでるんだっけ?」と、混乱してしまうくらい、いつものこの人らしくないお話で…普通すぎるというか、奇抜さがないというか…。

    まあ、今どきの若者ならこんな感じで「やりがい」だの「大きな仕事」だの「刺激」だの、自分の器を知らずに聞こえの良いものばかりを求めて、簡単に仕事を辞めてしまうのかもな、とは思わされたけど…でも主人公の口癖のような「刺激のある仕事」って、いったいどんなんだろう?

    母親思いで、仕事を辞めたことをいつまでも言えずにいるという可愛い一面もあるし、母親との関係や、それぞれの依頼を通して、人間的にも成長していく姿を描きたいのは分かるけど、やっぱり「飽きたから」と、仕事を辞めてしまう主人公が、短期間で成長するのは、ちょっと無理があるような…(章のタイトルも、あまりにもそのまんまだし)。

    読者からの何でも屋への「仕事の依頼」を募集して、続編も書かれるみたいなので、若者に絶大な支持を受けてる山田さんなだけに、もっと、働くことの意義とか、大人としての責任とか、そういうのも書いてもらえたらいいなと思えてしまった(ついでに、いつものような奇想天外なアイデアなんかも、盛り込んでいただれば、読者としてはもっと嬉しいかなと)。

    ちなみに、何でも屋「指令」募集中!だそうで。詳細はこちら

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      『ドアD』山田悠介

      ドアD
      ドアD
      山田 悠介 2007/1/25発行 幻冬舎 P.205 ¥1,155
      ★★★★★
      こいつは、サークルの仲間でも、知り合いでも何でもない。
      私を殺そうとする、敵だ。
      殺らなければ、殺られる。

      クリスマスも近い12月のある日、大学のテニスサークルの2年生だけの飲み会で集まった8人の男女…

      サークルのリーダー的存在、責任感の強い翔太。
      将来は医者を目指し、容姿も端麗で誰にでも優しい友一。
      思いやりがあり、正義感も強い照之。
      サークルのムードメーカーでお調子者、でも実は一番苦労人の豊。
      有名アパレル企業の社長の御曹司であることを鼻にかける、短気で自己中心的なサークルの鼻つまみ者、竜彦。

      そして、サークルのマドンナ的存在、勉強にバイトにサークルにと、忙しい日々を送る優奈。
      見た目は派手でも中身は奥手…照之に密かに想いを寄せる千佳。
      運動神経が鈍くて大人しい、テニスは初心者のメガネ少女、美紀。

      すぐにキレる性格の竜彦のせいで、楽しかった飲み会に水を差され、その日は早々に解散し、駅へと向かった8人のメンバー達は、駅で別れたのを最後に、全員が記憶を失い目が覚めたときには、自分たちがコンクリートで作られた、正方形の部屋の中に閉じ込められていることを知ることに…。

      どういった理由から、このような状況に自分たちが置かれることになったのか、冷静な判断をする間もなく、部屋の隅にある穴から水が溢れ出し、パニックに陥る8人。

      窓もなく、携帯も通じず、助けを求められそうもないこの部屋で、水に溺れる恐怖の中、かろうじて生き残り、一つ目の部屋から脱出する際に学んだことは、ただ一つ。
      誰か一人が犠牲にならない限り、「D」の文字が刻まれた鉄の扉は、永遠に開くことはないということ。

      そして開けても開けても続くドアを開けるため、一人、また一人と仲間を犠牲にしながらも、生き残った最後の一人を待ち受けていたものは……。

      「脱出の条件はたった一つ――友人を殺すこと。
      人間の本性を剥き出しにした、壮絶な殺人ゲームが始まった。
      オリコンブログにて、アクセス数100万件突破!!
      話題騒然のサスペンス・ホラー」だ、そうで……。


      Amazonでのレビューのあまりにも低い評価に、ビビりながら読んだけど「あれ?意外と面白いかも…」という感じ(期待しなかったからそう思えたのかもだけど)。

      それぞれのドアの向こうの趣向は、どっかで見たなぁ(映画とか、ゲームとか)というのもあったけど、想像すると怖いものばかりで。

      まあ、相変わらず突っ込みどころは満載で(生きてる時と死んだ後で、こうまで人物の評価が変わるのか?とか、あれ、いつの間に恋人になったの????とか…)、そういう突っ込みも含めて、楽しめてしまいそうな。

      登場人物の命に重みを持たせようとしたのか、結構一人一人について細かく説明してあるのも、好感が持てるし、犠牲になる順番が解りやすくて(若干解り易すぎるというか、画一的な気もしないでもないけど)期待を裏切らないし(褒めてるんだか貶してるんだかだけど、多分褒めてると思う)。

      これは映像化されたものを是非見てみたいなと…(結局不明な点が多いので、そこを何とか映像で明らかにしてほしいと希望してしまうので)。

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        『特別法第001条DUST』山田悠介

        特別法第001条DUST
        特別法第001条DUST
        山田 悠介 2006/12/20発行 文芸社 P.436 ¥1,260
        ★★★★★
        そう、君たちは国に棄てられたのだよ。国の役に立たない用無しなんだ。いやそれだけじゃない。身内にも棄てられたんだ。免罪金を払ってもらえれば、流刑は免除されたのにな……可哀想な奴らだ

        2011年、未就労者、未納税者で溢れかえった日本では、財政難にあえぐ政府が打ち立てた棄民政策「特別法第001条」、通称爛瀬好繁´瓩可決され、第一号として強制的に無人島に送り込まれた、選ばれた「ニート」、18歳の広瀬章弘。

        つい最近まで人が住んでいたはずの『鬼哭島』に連行されて来たのは、章弘の他、5人の男女。
        自然と死ぬのを待つだけの猯刑畧験茲隆限は500日。

        自分達を「棄てた」国への復讐に燃え、6人は「生き延びる」ために協力し合うことにするのだが…。

        「2012年春、俺たちは、国から棄てられた――
        『リアル鬼ごっこ』から5年、ふたたび恐怖指令発動!!!!
        『流罪』の復活、刑期は500日。棄民の島で、生死を懸けたサバイバルが、今はじまる……!
        衝撃の大長編!!!!」!が多いし。


        この人は本当に次々と強引な新政策を打ち立ててくれるなぁと、感心はするんだけど…。

        無人島でのサバイバル生活と聞けば、「電波少年」を思い出してしまうので、強奪とか人殺しとかする前に、もう少し工夫すれば良いのでは…と思えてしまった(島の規模とか、全然わからんし、え?他にもこんなに人がいたの…と驚くことばかりで)。

        「生き残るためにはこうするしかない」というその考えが、ちょっと短絡的すぎて、そんなんだから棄てられたのに、反省もくそもないと言うか。

        しかも話が途中から何か別の方向へ向かってたような…。
        親子の「絆」を描きたかったのか、何だか良く分からんし。
        章弘の両親の気持ちも全く理解し難いし。

        発想は本当にすごく面白いと思うし、ついつい期待して読んでしまうけど、どうにも人間関係が簡単すぎて面白くないような。

        に、してもいつの間にやら章弘の「親友」になった本木君、何でそんなに良い人なのにこんな生活強いられてるんだろう?

        「流刑」にする前に、性格診断とかやってあげれば良いのに…と気の毒になってしまった。
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          『レンタル・チルドレン』山田悠介

          レンタル・チルドレン
          レンタル・チルドレン
          山田 悠介 2006年 幻冬舎 P.246
          ★★★★★
          目を閉じると、優との思い出が蘇ってくる。だが瞼を開けると、現実に引き戻される。その一瞬がいつも辛い。……
          いつかは時が解決してくれるのだろうか。もう少し辛抱すればいいのか。
          二年前に最愛の息子を失ってから、別人のようになってしまった妻と、よどんだ空気の流れる家庭で、火の消えたような生活を送っていた夫、泰史。

          三回忌を終えてもなお、息子の遺影を前に悲しみに暮れ、家に引きこもりがちな妻の姿を見かねた泰史は、妻を連れて、話に聞いた「P.I」という会社を訪れてみることに。

          そこでは、親に捨てられた子供たちを集め、一定期間、その子供たちをレンタルしているのだという。

          こんなことは許されることではない…と、頭では否定しつつも、少しでも以前のような明るい妻に戻ってくれれば、と切実なる思いで、子供たちのリストを次々と捲る泰史の目に飛び込んできたのは、亡くなった息子に瓜二つの男の子の写真…。

          我が子は生きていたのだと信じ込み、すっかり、以前のように明るさを取り戻した妻、そしてまた泰史自身も、もう二度と大切な我が子と離れ離れになりたくないと考え、レンタルした子供を本当の息子にする決心をし、再び「P.I」を訪れ、契約を交わす。

          そして一月が過ぎた頃、失った息子と同じ「優」と名付けた子供に突如、異変が現れ始め…。

          「子供の値段は1000万 淋しき人間がすがる戦慄の人身売買!
          『リアル鬼ごっこ』の著者が満を持して放つ、ファン待望の最新ホラー!(2006年1月の時点での)」だ、そうな。


          最後を読まなければ、これはこれで、なかなか良く出来た話なのでは…と思えた(説明不足に感じられる箇所は幾つかあったけど…)。

          息子(だと信じるレンタルした子供)がどんな姿になっても、変わらぬ態度で接する妻の姿は、ごく普通の母親の愛情と思えるし、逆にそれで二転、三転する夫の態度にひいてしまった(まあ、ホラーだから仕方ないのか…でも、その時点で人間扱いしてないのがひどすぎるというか)。

          最後を読んでしまうと、途端に頭がこんがらがってしまう。
          じゃあ、一体何の為にそれ集めてるの?と…。

          何はともあれ、主人公が30代の夫婦の話って、これまで読んだ山田さんの作品の中で初めてだったから(まだ5作目だから、他にもあるのかもしれないけど)すごく斬新な気はしたけど。

          タイトルに惹かれて、ついつい読んでしまうから、そのうち、ものすごい傑作を書いてくれるのではと、ついつい期待してしまうんだけど…。
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            『親指さがし』山田悠介

            親指さがし
            親指さがし
            山田 悠介 2005年 幻冬舎文庫 P.240
            ★★★★★
            忘れるべきものは由美ではなく、親指さがしだ。七年前の行為そのものだった。これでようやく、本当に七年前のことを封印できる。ついに終わらせることができると、ひと区切りついたような感じだった。
            だが……。
            終わりではなかった。
            始まりだったのだ。

            「親指さがしって知ってる?」
            電車の中での、たわいもない女子高生達の会話に敏感に反応する武。
            今から七年前の記憶…。

            当時、小学六年生だった武、由美、智彦、信久、知恵の五人が、遊び半分で始めた危険なゲーム。

            ある別荘で殺され、バラバラにされた女性の、未だに見つからない左手の親指を見つけることが出来ると、一つだけ幸運な出来事が起こるという「親指さがし」。

            親指を探している間に誰かに肩を叩かれ、振り向いてしまうと、二度と生きては帰れないという…。
            輪になって、互いの親指を握り合い、目を閉じた五人は、それぞれ屋敷の部屋に潜入することに成功し、夢中で「親指さがし」を始めた。

            そして次に武が目を開けたとき、そこに由美の姿だけが見えなくなっていた…。

            それから、七年の月日が経ち、残された四人は、それぞれの胸に罪悪感を抱きながら、二十歳を迎え、過去の事件に終止符を打つため、ふたたび「親指さがし」をすることに…。

            「女性のバラバラ事件に端を発した呪いと恐怖のノンストップ・ホラー」だ、そうな。


            あんまり怖くない、てか、全然怖くない。
            映画化されてるのの方が怖そうかも。

            山田さんの本は、映像化されると、より面白くなってる気がしてしまう。
            (この前DVDで見た『ベイビー@メール』は、いまいちな気がしたけど…。)

            この映画は、なかなか豪華なキャスティングで、ついついそそられてしまった。

            昔、「こっくりさん」をして呪われたら、稲荷神社に油揚げを供えると許してもらえる、とか、実際隣の中学に呪われた子がいる、とか、そんな噂が大流行してたのを思い出した。
            今は、どうなのかな?

            なので「こっくりさん」は、怖すぎてようやらんかったので、名前だけ変えたような「キューピットさん」とか、「守護霊さん」とかを、放課後の教室で夢中になってやってた記憶が…。

            仕舞いには学校を挙げての「禁止令」みたいなのが出たけど、それから先生の目を盗んでやるのが、余計にスリリングになって楽しかったような。

            最後にやって覚えてるのは、「今これをやってる全員33歳で死ぬ」という予言が出て、それってかの有名な「ノストラダムスの大予言」のあの年とかぶってたから、「ああ、やっぱり…」と思ってたのに。

            信じてたから貯金もしなかったし…(て、これは言い訳かな)。


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              『スイッチを押すとき』山田悠介

              スイッチを押すとき
              スイッチを押すとき
              山田 悠介 2005年 文芸社 P.362
              ★★★★
              七年間…。
              彼らは、ずっとここで。
              ただ、四人の目は決して死んでいなかった。死しか、残っていないのに。

              2007年、増加する若年齢層の自殺を食い止めるため、政府が立ち上げた、青少年自殺抑制プロジェクト、通称YSC。

              その内容は、全国から無作為に抽出された児童たちに、ある手術を施し、さらにその5年後、国の統括する施設に収容し、彼らを監視下に置き、高ストレスを与え、記録を取り、その精神構造を解明することによって、青少年の深層心理の解明に役立てるというもの。

              そして、2030年、YSC八王子センターでは、最後に一人残った児童が、両親の死を係員から告げられ、自ら命を絶った。

              八王子のセンター内に「サンプル」がいなくなってしまったことで、監視員の洋平は、横浜市の同センターへの異動を命じられ、辞令を言い渡されてから一週間後、初めてYSC横浜センターの建物内へと足を踏み入れた。

              自己紹介もそこそこに、同僚となる監視員から、「この施設は他とは違う」と、意味ありげな言葉を聞かされ不安になる洋平。

              センターでの洋平の最初の仕事は、子供たちへの朝食の配膳。
              センターの地下にある1つ目の部屋の扉をノックし、中から現われたのは17歳の少女。
              次の扉も、その次の扉も…残り3つの扉から現われたのは、同じく17歳の3人の少年たち。

              何故この歳まで、彼らが生き続けてきたのか、訝しがりながらも、死を待つだけの彼らに、何かをしてやりたいと、監視員としての立場を超えて、少年らと接しようとする洋平。

              そして、一人の少年の死をきっかけに、洋平は彼らをセンターから逃がしてやろうとするのだが…。

              「君たちはなぜ生きているんだ?
              増加する青少年の自殺に終止符を打つため、政府が立ち上げた恐るべきプロジェクトとは…。生きる意味を問う衝撃のストーリー!」だ、そうな。


              夜中に成宮君主演でやってるドラマを見てみたら、昔のNHK「少年ドラマシリーズ」みたいな感じで、とても面白そうだったので、先の展開が気になり、読んでみた(USENテレビのGyaoでも放映中)。

              ドラマを先に見ていたからかもしれないけど、今まで読んだ山田さんの本の中では、一番面白かった。
              (内容的に、面白いと言ってしまって良いのか、正直悩むけど)

              3人の少年たちがどうして、こんな過酷な状況下でも、死を選ぶことなく生きつづけていたのか、その理由は納得できるような気がする。

              大人にとっては「そんなこと…」と思うようなことが、子供にとっては、とても大切なことだったりすると思うので。

              唯一の女の子、真沙美の「死ななかった理由」も、それって、誰にとっても、一番大きな理由なんじゃないのかな、とも。

              最近の事件とか見てて、こんな時代だから、こういう発想もありなのかな、と思えてしまった。
              本来なら、母親は、身を呈してでも子供を護ろうとするもんなんじゃないのかなと…。
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                『スピン』山田悠介

                スピン
                スピン
                山田 悠介 角川書店 2006年 P.317 
                ★★★★★
                『前代未聞の大事件を起こした少年たち――』
                自分たちは歴史にその名を刻まれ、永遠に語り継がれていく。
                学校の奴らは僕の怖さを思い知るだろう。
                …父はこれまで積み重ねてきたもの全てを失う。母は世間の目を恐れ家から出られなくなるだろう。そして死ぬまで、犯罪者の親と言われ続けるのだ。

                1月1日、元日の朝、正月早々バイト先をクビになり、クサクサした気持ちでコンビニに入り、万引きしていたところを店員に見咎められ、走って逃げ出した修一は、目の前に停車していた、行く先の分からぬバスに飛び乗った。

                午前10時30分、修一と、他11人の乗客を乗せ、水戸から出発したバスは、突如座席から立ち上がり、刃物を手にした少年の一声によって、彼らの意思とは関係なく、東京へと向かうこととなる。

                そして同じ頃、群馬県、千葉県、栃木県、静岡県、長野県の、それぞれ選ばれた場所から発車した路線バスの車中、凶器を手にした少年たちによって、乗客と運転手を人質にとった、史上最悪の「同時多発バスジャック」が行われようとしていた。

                各々の武器を片手に、携帯やパソコンで仲間と連絡を取り合う少年たち。

                温泉へ向かうはずだった団体客、初詣帰りのカップルや家族連れ、それぞれの正月を過ごすため、バスに乗り込んでいた乗客たち。

                そして、コンビニで残されていた、ある印から、犯罪者として追われることになった修一。

                恐怖に駆られ、極限状態に追い込まれる大勢の乗客を乗せたまま、少年たちの指示によって、全てのバスは、一路「東京タワー」を目指し、走り続ける。

                少年たちは、何ゆえ「東京タワー」を目指し、バスを走らせるのか…。

                『パズル』の山田悠介 最強&最新作、だ、そうな。
                (それ、読んでないんだけど)


                うちの近所のTSUTAYAは、いつも乙一や、山田悠介やYoshiといった、若者向けの本が目立つところに「どーん」と置いてある。
                なので、嫌でも目につくけど『リアル鬼ごっこ』と『Aコース』を読んで、もういいかなと思って、しばらくスルーしてきた。

                なのに「何でバスジャックが東京タワーに集結するんだ?」と興味を惹かれてしまった…。
                何かこの人の本のタイトルと帯には、そそられるものがあるなぁと感心してしまう。
                でもって、中身はというと…。

                何でここで、愛情みたいなのが生まれちゃったりするかなぁ、とか、友情みたいなのが芽生えたりとか、信頼関係みたいなのが成立したりとか、あり得ない…と、つっこみたくなってしまうけど、今の時代は、それでいいのか?と思わされてしまった。

                少年たちは、それぞれ過去のいじめやら何やら、それぞれに、一応複雑な事情を抱えていて、警察に捕まることも、死ぬことすら恐れないと嘯くけど…。

                自らも決して偉そうなことの言える立場でないはずの、修一の台詞「それくらいで一々バスジャックしてたら、この世は滅びてるっつうの」というのはごもっともで。

                まあ、少年の中には、狂暴な子もいれば、心優しい子もいたり、間抜けな子や、壊れてる子もいたりと、それぞれの車内での行動は面白いといえば面白かったかな。

                そして、最後はまあ、そんなとこだろうと…。
                もう少し納得したかったかな。

                良い子は真似しないでほしいけど。

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                    苗坊

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