スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet』桜庭一樹

    砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
    砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
    桜庭 一樹 2007/3/10発行 富士見書房 P.205 ¥1,470
    ★★★★
    ……あたしたちは十三歳で、あたしたちは未成年で、あたしたちは義務教育を受けてる中学生。あたしたちにはまだ、自分で運命を切り開く力はなかった。親の庇護の元で育たなければならないし、子供は親を選べないのだ。……藻屑も行けるものならばどこかに行くのかもしれない。大人になって自由になったら。だけど十三歳ではどこにもいけない。

    海と山に囲まれた小さな田舎町の中学校に、都会から転校してきた海野藻屑。

    この町出身の有名人の娘らしいと、クラスメイトたちは噂し、転校生に興味津々に近づくものの、「藻屑」の態度は他人を寄せ付けようとはせず、意地悪なクラスメイトからの洗礼を受けることに…。

    そんな藻屑が、「友達になりたい」と自分から近付いたのは、適当にクラスメイトの話に相槌は打つものの、一風変わった転校生には全く興味を示さず、黙々とうさぎの世話をする、「生きることに関係なさそうな些末なことについては悩まない、関わらない」という取り決めを魂と結んだ、醒めた十三歳、の山田なぎさ。

    「関わらない」と決めたものの、愛情表現と憎しみとの区別がつかず、歪な形で自分に好意を示す「藻屑」のペースにいつの間にかひきずられるように、深く関わっていく「なぎさ」は、「藻屑」の父親の異常性と、「藻屑」への虐待の事実を知ってしまい……。

    〈きっと僕も、一生忘れない。嘘つきで泣き虫で悲しいほど優しい『汚染された人魚』こと海野藻屑― 彼女が必死に撃ち続けた「弾丸」の数々を。起きてしまった事件のことを。
    桜庭一樹の原点、青春暗黒ミステリーが単行本化!〉だ、そうで。


    先に文庫で発売されていたものが単行本化されるという、普通とは反対のパターンに何となく納得できるような…(装丁からして、こっちの方が手に取りやすいし)。

    物語の悲惨な結末は、冒頭の新聞記事によって明らかにされているんだけど、それでも、読んでる途中は、「あれ」が、なかったことにならないかなぁと思わずにいられないというか、「何で?」としか言いようがないかも(こういう事件が毎日のように現実に起こっているだけに、何とも言い難い…親が子を、も、子が親をも…)。

    大人の私には、「なぎさ」の中学校の担任の言ってること(ひきこもりの「なぎさ」の兄に対する厳しい言葉や、虐待する親への、「現代の病魔や歪みなんて関係ない……頭がおかしいんだよ」という台詞)が、ものすごく真っ当なことだと思えてしまう。

    ただ、無力な十三歳の「藻屑」が父親を庇う気持ちも、「なぎさ」が兄を慕う気持ちも、そうしなければ生きられないという本能というか、またそこが痛いけど、本当にそうする以外に何が出来るのかと…思わされてしまったかな。

    学校という場所が「大人の知らない暗黒の社交界」という「なぎさ」の心中も分かるけど…でも、今の大人も、みんなそこを通ってきたのではないのかなと。

    なので担任が最後、心から絞り出すようにつぶやいた「…生き抜けば大人になれたのに……生き抜く気あったのかよ」のひと言が、重く心にのしかかる。

    「子供に必要なのは安心だ」というのも…。
    これって、大人側にものすごく問題を突きつけられているような…と、考えさせられる本かもしれないなと。

    0

      『少女には向かない職業』桜庭一樹

      少女には向かない職業
      少女には向かない職業
      桜庭 一樹 2005年 東京創元社
      ★★★★★
      いい頃もあった。
      怪物になったのは、いつなんだろう?
      あたしたちは幸せをいつ失ったんだっけ?

      山口県下関市の沖合いにある人口二万人、年寄り率高し、の、さびれた島で暮らす、中学2年生、13歳の大西葵。

      クラスでは明るく、お調子者で、先生からも適当にいじられ、学校帰りには最近島にできたばかりのマック(山口県でも「マック」なのか。京都では「マクド」だけど…)で時間を忘れて、友達とのおゃべりに花を咲かせ、いちゃつくカップルがいれば、皆でからかって笑い合う、いまどきのごくごく普通の、ゲーム好きな女の子。

      けれど、家に帰れば、アルコールの匂いをぷんぷんさせ、ごぉごぉといびきをかいて眠る怪物がいる…。

      漁港で働き、家計を支える若くて美しい母親は、仕事から帰っても、文句を言うばかりで「あたし」の話には耳を傾けようともしてくれない。
      学校とは違って、母親の前では、とたんに黙り込む「あたし」。

      夏休みに入ると、午前中は漁港のおばちゃんたちに紛れて、海老の殻取りのバイトをし、仕事が終われば、「あたし」だけの秘密の場所で、暗くなるまで、一人ゲームをして過ごしていた。

      そして、一人ぼっちでゲーマー生活を謳歌し、夏休みも後半になった頃、この秘密の場所で、クラスでは目立たない、図書委員で本の虫の、宮乃下静香と、ばったり出会い、「あたし」は「むかつく親父を殺しちゃう本」を貸してほしいと、つい口走る。    

      家に帰ると、早速静香は数冊の本を携えて「あたし」の家を訪れ、殺すのに必要なものを教えてくれる。
      教えられた通りに、どこの家庭にでもある(ここいらでは)それらを用意をし、心臓をどきどきさせながらその時を待つ…。

      「あたし、大西葵13歳は、中学2年生の1年間で、人をふたり殺した。」という衝撃的な告白から始まる、二人の少女が、夏休みから冬休みの間に起こしてしまった、ある犯罪の物語。


      女の子を描くのが上手い作家さんだと聞いていたけど、確かに、この年頃の女の子たちの微妙な友人関係とか、男の子との距離感とかが、なかなかよく書けてるなぁと感心した。
      確かに、こういう場合はこうなるよな…という場面が多々あった。

      「友達が自分のことを本当はどう思ってるかなんて、こわくって、考えたくない。」というのも、この年頃にはそう思ってたなぁと。

      でも、宮乃下静香の、ゴスロリファッションの意味は…?
      まあ、その格好はなんとなく怖いイメージがあるけど。

      数人の女の子にトイレに閉じ込められて、先生に「いじめ?」と聞かれて「闘いです」と答えた後の行動は、かっこ良かったし、みんながこんな風にできればいいのになと、ちょっと思った。

      「あたし」が置かれてる立場的には「青の炎」の女の子版という感じ。
      殺人計画は、あそこまで緻密でもなく、追い詰められてもなかったみたいだけど。

      に、しても修学旅行のみやげ物屋に、そんな物騒な物が置いてあるのかいな…昔は木刀とかあったけど。

      そして、無料動画配信のGyaOで、このドラマが放映されてて、びっくりしてしまった。
      大好きな要潤様が、従兄弟の役で出ていたもんで…。

      0

        1

        calendar

        S M T W T F S
             12
        3456789
        10111213141516
        17181920212223
        24252627282930
        << September 2017 >>

        読書メーター

        uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

        新刊チェック

        selected entries

        categories

        archives

        recent comment

        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          uririn
        • 『痺れる』沼田まほかる
          uririn
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          uririn
        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          いちれん
        • 『痺れる』沼田まほかる
          くり
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          智広
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          uririn
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          苗坊
        • 『永遠の0』百田尚樹
          uririn
        • 『永遠の0』百田尚樹
          苗坊

        recent trackback

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        悪人
        悪人 (JUGEMレビュー »)
        吉田 修一
        読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

        recommend

        しずく
        しずく (JUGEMレビュー »)
        西 加奈子
        サイン本買っちゃった。

        recommend

        recommend

        たぶん最後の御挨拶
        たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
        東野 圭吾
        猫なんです…。

        recommend

        recommend

        recommend

        ねこの肉球 完全版
        ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
        荒川 千尋,板東 寛司
        たまらん。

        recommend

        ニャ夢ウェイ
        ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
        松尾 スズキ, 河井 克夫
        たまらん…

        recommend

        recommend

        僕たちの戦争
        僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
        荻原 浩
        とにかくお薦め。

        recommend

        出口のない海
        出口のない海 (JUGEMレビュー »)
        横山 秀夫
        たくさんの人に読んでほしい…

        links

        profile

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        みんなのブログポータル JUGEM

        使用素材のHP

        Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

        PR