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    『絶望ノート』歌野晶午

    評価:
    歌野 晶午
    幻冬舎
    ¥ 880
    (2012-08-02)
    Amazonランキング: 4920位

    中学2年の照音は、いじめられる苦しみを「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねた。彼はある日、頭部大の石を見つけ、それを「神」とし、自らの血を捧げ、いじめグループの中心人物・是永の死を祈る。結果、是永は死んだ。しかし、収まらないいじめに対し、次々と神に級友の殺人を依頼する。生徒の死について、警察は取り調べを始めるが……。
    神様、今度はあいつを殺してください。
    いじめられる中2男子が「神」の力で次々に怨みを晴らす――。衝撃の結末が襲う長編ミステリ。
    各章のタイトルにも曲名がつけてあるそうで、ビートルズとどう絡んでくるのか、ビートルズにあんまり詳しくないので、その辺はファンならもっと楽しめたのかも。

    実際にそういう現場を目撃されても、先生からは仲間内でふざけあっているようにしか見てもらえず、照音自身も先生にもうちあけられず…と、何ともいまどきのタイムリーな本だなぁと思って読んでいたら…。

    いったいいつ動きがあるのかと思うほど、照音に対する「いじめ」のやり口のシーンばかりで、最初はただただ気の毒に思うけど、照音自身にもいらっとさせられるし、母親が探偵事務所に駆け込んだときには「そういう手もありかも…」と、感心してしまった。

    そして事件が起こってからは怒涛の展開にページをめくる手も止まらず。

    何度「えーっ?そうなの?」と思わされたことか…。

    そしてこの結末…。さすが歌野さん。

    そりゃまさしく読んでる私が絶望、そして脱力。
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      『ハッピーエンドにさよならを』歌野晶午

      ハッピーエンドにさよならを
      ハッピーエンドにさよならを
      歌野 晶午 2007/8/31 角川書店 P.319 ¥1,575
      ★★★★
      ところで、事故死を願う気持ちと、殺意を抱くこと、この二つに違いはあるのだろうか。あるとしたら、自分の手を汚すか汚さないかだけではないのか。
      〜『殺人休暇』より〜

      白血病の姉のドナーとなるためだけに生まれ、両親から愛されず、虐げられて育てられたと嘆く高校生の姪から、改まって相談を持ちかけられた叔母の苦悩…『おねえちゃん』

      パートをいくつも掛け持ちし、家計を支える「妻」。働きもせず、昼間から酒を飲み、妻に暴力を振るう「夫」。東大受験を目指す「息子」。取り壊し寸前のあばら屋で暮らす三人家族に起こった悲劇…『サクラチル』

      時効が成立した殺人事件の被害者である兄へ宛てた、弟からの手紙…『天国の兄に一筆啓上』

      貧しい暮らしの中、女手一つで大切に育てた一人息子の晴れ舞台「夏の甲子園大会」のテレビ中継を中断させた、世間を震撼させる猟奇的殺人事件の犯人に憤りを感じた母親は、犯人への復讐を考え…『消された15番』

      地主である母親の実家の、入ってはいけないといいつけられていた「開かずの間」に無断で侵入し、見つけてしまったのは苦悶に歪む、若い女性の「顔」そのものの「デスマスク」。その面を使って、従姉妹達を驚かすことを考えた「私」の身に起こったのは…『死面』

      他、一人娘のお受験のために、滑稽なほど躍起になる母親に起こる悲劇…『防疫』。

      警察をも巻き込む「イタズラ」を仕掛ける三人の高校生に起こった悲劇…『玉川上死』

      半年付き合って別れたあと、ストーカーのようにつきまとう元彼の異常さに悩むOLに起こった悲劇…『殺人休暇』

      密かに思い続けていた同級生がアパートにやって来た日、大学生の「ミツル」に起こった悲劇…『永遠の契り』

      パチンコに熱中するあまり、子供を死なせてしまうというニュースに憤りを感じる主婦に起こった悲劇…『In the lap of the mother』

      仲間と離れ、一人ひっそりと公園に居を構える孤独なホームレスに起こった悲劇…『尊厳、死』の、アンチ・ハッピーエンドばかりを集めた短編集。

      「望みどおりの結末になることなんて、現実ではめったにないと思いませんか?
      小説の企みに満ちた、アンチ・ハッピーエンド・ストーリー
      前人未到のミステリ四冠を達成した偉才が仕掛ける未曾有の殺意
      事件の裏には多種多様な殺意が存在する――。
      一風変わった殺人の動機に焦点を当てる著者初の短編作品集。」だ、そうで。


      結構どれもこれも、結末に「あっ」と驚かされてしまったところは、さすが歌野さん。

      好きなのは『サクラチル』の異様さと、『消された15番』の母親の怒りの矛先と、『永遠の契り』のタイトルの付け方。

      『玉川上死』と『In the lap of the mother』は、「いじめ」や「児童虐待」といった、タイムリーな問題で…。

      そして『尊厳、死』のラストが一番驚いたかな。

      こういうひねくれた物語、結末……結構好きかも。

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        『世界の終わり、あるいは始まり』歌野晶午

        世界の終わり、あるいは始まり
        世界の終わり、あるいは始まり
        歌野 晶午 2006/10/25文庫化 角川文庫 P.515 ¥780
        ★★★★
        私は何を望んでいるのだろう。自分が苦しい思いをしたくないだけなのか、家族に傷を負わせたくないのか、世間体を守りたいのか、美しい思い出を壊したくないのか、雄介が更生してほしいのか彼はもういらないのか。その答を考えれば進むべき道は自ずと決まってくると思うのだが、自分の望みさえよくわからない。
         いや、望みは決まっているではないか。
         雄介が潔白であることだ。

        事件と言えば、せいぜい火事と痴漢騒動くらいしか思い浮かばない、平和で巨大な新興住宅街、埼玉県入間市にある「ひいらぎ台」で起こった、小学校低学年の男子児童ばかりを狙う、残忍な手口の連続誘拐殺人事件。

        同じ町内で、息子が親しくしていた児童が殺害された時点でもまだ「誘拐事件は、ごく近所で発生したとはいえ、しょせん他人の不幸でしかない」と自分の息子が被害者でなくて良かったと胸をなでおろし、自分達家族はいつまでも平和に暮らし続けるのだと信じて疑わない、妻と、小学6年生の息子、そして1年生の娘を持つ、食品会社の係長である父親、富樫修。

        ところが、事件には無関係な場所に自分を置いていたはずの父親は、息子の部屋で発見したある物から、自分の息子が何らかの形で、事件に関わりを持っているのではないかと疑い始めることに。

        そして、警察の手が伸びる前に息子の身の潔白を証明しようと、事件当日の息子のアリバイを確認するために訪れた進学塾で、親には内緒でとうに退塾していたという事実を知らされ、ますます息子の事件への関与を疑わざるを得なくなった父親は、警察から、マスコミから、世間から、家族をそして何より自分を守ることを考え始め……。

        「私の子供が誘拐犯なのか?
        既存のミステリを超越した、崩壊と再生を描く衝撃の問題作!」だ、そうで。


        「被害者の父親」になることすら考えもしなかった、ある意味脳天気な父親が、いきなり、「加害者の父親」になってしまった…と、これから先自分達に襲い掛かるであろう数々の苦難に苦悶する様は、何だかリアルだし、「こんな息子を育ててしまった自分たちの責任」に煩悶するところは、普通の人間ならきっとそう考えるだろうなと。

        たぶん実際に事件を起こしてしまった少年達の家族には、こういうことがあったんだろうなと容易に想像できるし。

        息子の言うことが、全部が全部、今どきの子供らしすぎて怖すぎるし(2002年に最初に出版された本なのに、ものすごく現在っぽいというか、その当時よりもたぶんさらに…)、こういう話が全然有り得なくないところが、また怖い。

        そして、家族のことより、何より自分が一番大事だと考えてしまう父親の気持ちも、息子を信じきってあげないところも、今の父親像っぽいと思えてしまった。

        ページ数多くて、時間かかりそうと思って放置していたけど、読み始めたらあまりにも面白くて、中断することなく、あっという間に読めてしまったという感じ(久しぶりに時間を忘れて、読むことに没頭してしまったミステリかも)。

        「パンドラのカメ」は、やっぱりちょっと間抜けな感じがしてしまうので、「パンドラの箱」の方が良いなと…そして「パンドラの箱」に最後に残されたもの、お父さん、それを持ち続けて家族の幸せの為にいつまでも頑張って働いてねと…いう感じかな。

        これは、年頃の反抗期の息子にちょっぴりひびっているというお父さんに、是非お薦めしたい本かも。
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          『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午

          葉桜の季節に君を想うということ
          葉桜の季節に君を想うということ
          歌野 晶午 2003年 文藝春秋 P.411
          ★★★★
          どうして俺が特別であってはいけないんだ。誰が決めた。特別か特別でないかは生きてみないとわからないじゃないか。優秀な人間を見て、自分は敵わないと思ったら、その時点でもう負けだ。自分の可能性を信じる人間だけが、その可能性を現実化できる資格を持つ。

          いつか魂の震えるような女と巡り会い、プラトニックな関係の、本物の恋愛を望む一方で、テレクラや出会い系や合コンで知り合った女との肉欲に溺れる成瀬。
          その肉体を保持するためには、忙しい仕事の合間を縫ってのジム通いで、身体を鍛えることも怠らない。

          ある日のジムの帰り道、たまたま電車を使うことになった成瀬は、ホームで一人の女性を助けたことがきっかけで、彼女と再び会う約束をすることに…。

          そして彼女とのデートの約束の日、ジムで知り合った、高校生のキヨシに呼び出され、キヨシの片思いの相手、久高愛子から「おじいさんの轢き逃げ事件」の真相を調べて欲しいと頼まれる。

          第三者によって多額の保険金をかけられていた資産家であった久高隆一郎は、生前「蓬莱倶楽部」という会社の悪徳商法にひっかかり、一組100万円もする布団や、磁気ネックレスや薬や水などを買わされていたのだという。

          過去に探偵事務所で働いたこともあり「何でもやってやろう屋」を自称していた成瀬は、「よそでは頼めない」という、愛子の頼みを引き受け「蓬莱倶楽部」と轢き逃げ事件との関連を調べることに…。

          「蓬莱倶楽部」へ潜入し、捜索する一方、どんどん惹かれていく彼女との関係に苦悩する成瀬。

          そして「轢き逃げ事件」の真相に迫る時、成瀬自身にも危機が訪れる…。

          2004年
          「このミステリーがすごい!」第1位
          「本格ミステリ・ベスト10」第1位
          「週間文春ミステリーベスト10」第2位

          と、何だか某通販化粧品のCMのような錚々たる帯の謳い文句…。


          「面白い」とは聞いていたけど、予想以上に面白かった。
          読み始めは、何だかナルシストっぽい男が主人公の、ただのハードボイルドなのかと思ってしまったけど。

          何から何まで良く出来ていて、ミステリーとしても、すごいんだろうけど、何だか元気が出る本だと思った。
          読み終わった後に、もう一度ところどころ読み返すと、何だか余計に。
          成瀬と彼女の会話も、すごく面白いなぁと…。

          読み終わってから、巻末の「補遺」をじっくり読むと、それぞれの意味がすごく良く出来ていて、感心してしまった。

          に、してもここに出てくる事件は生々しくて、本当に怖くなってしまう。
          こういうの、発覚しないだけで、実際にあちこちでありそうだし…。

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            『女王様と私』歌野晶午

            女王様と私
            女王様と私
            歌野 晶午 2005年 角川書店
            ★★★★★
            外に出て感じたことがある。
            なんか楽しい。
            「なんか」が何かはわからない。実利があるのかもわからない。
            けれど、なんか楽しい。自分が今ここに存在していると、確かに感じる。
            ……もしそれが現実のものとなったら、きっかけを与えてくれた彼女は、真の意味でぼくの女王様である。

            無職でオタクでひきこもりの真藤数馬の目の前には、その夜、贅沢なご馳走が並んでいた。
            口うるさく話しかける母親の言葉は耳に入れず、ただ食物を口に入れるだけの夕食を終え、さっさと自室へと戻って、大好きなおやつを食べることだけを考えているような数馬。
            母親は彼に少しは働くよう促すのだが…。

            そして次の日も、彼はいつものように、小さな可愛い「妹」を連れて車に乗り込んだ。

            女の子の喜びそうな店へ足を運び、「妹」と会話しながら、ウインドウショッピングを楽しんでいると、一人の少女から声をかけられ、誘われるままについて行くことに…。
            彼女は、とても数馬の好きなタイプの女の子だったのだ。

            意外なことに彼女は、冴えない数馬をデートらしきものに誘い、高級料理店へ連れまわす。
            払いはもちろん、数馬の父親払いのカードだが…。

            数馬に罵声をあびせ、乱暴な言葉を話し、まるで「女王様」のように振る舞いながら、いろんな要求をする彼女の真意を測りかねる数馬。
            彼女のいいなりになる数馬に腹を立てる「妹」。

            そして、突然しおらしくなった、いつもと様子の違う彼女は、友達が殺されたことを数馬に告げ、その死が自分のせいかもしれないと言う。

            彼女に笑顔が戻るなら…と、数馬は、「妹」のアドバイスを受け、インターネットを駆使し、事件の解明に乗り出すのだが…。


            何とも書き難い…。
            帯には「戦慄的リーダビリティが脳を刺激する超絶エンタテイメント!」と書いてある。
            なるほど…なんだけど。

            典型的なオタクの数馬が、好きになった女の子のために、犯人探しに奔走し、自分も事件に巻き込まれ…って、これだけ読めば普通の話で…。

            自分の勝手な思い込みというか、イメージをことごとく覆されてしまったことに、ただただ呆然。

            あれ、まだ続くの?という感じで次から次、真実が明かされて、最後には…。
            ああ、そう言えば…という感じ。

            本の作りもなかなか凝ってあって、「ここ、何が書いてあるんだろう?」と、本文を読んだ後に、そこを読んで納得。芸が細かいというか、何というか。

            ただ、私には探偵さんの出てきた意味が最後まで、あんまり良く分からなかったんだけど…。
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