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    『東京・地震・たんぽぽ』豊島ミホ


    東京・地震・たんぽぽ
    豊島 ミホ 2007/8/30発行  集英社 P.203 ¥1.365
    ★★★★
    僕はマシなほうの選択をしたはずだ。それなのに、よかった、とは思えない。もしかしたら、ずいぶん長いこと後悔することになるのかもしれないとさえ思う。身体に傷ひとつなく、揺れを感じることもなく、逃げ切ることができてしまった。もしかすると今この瞬間にも、生死の境目でもがいている人間が山といるかもしれないのに……
    〜『僕が選ばなかった心中、の話』より〜

    東京都内を中心に発生した、最大震度6強の大地震。
    その少し前――
    「○月○日、東京で大地震が起こる」という友人の話を鵜呑みにしたわけではないけれど、その日に「僕」がいた場所は…『僕が選ばなかった心中、の話』

    そしてその日――
    付き合って一年になる彼に、妊娠したことを告げるために公園にやって来た若いカップルは、のどかな朝の公園で激しい揺れを感じ…『空と地面のサンドイッチ』

    体育の授業中に地震に遭い、大切な宝物を守るため急いで家に戻った小学生の男の子は、母親の助けを呼ぶ声を聞き…『ぼくのすきなもの』

    幼い娘を連れた公園での散歩の途中で地震に遭い、一休みしていた東屋に生き埋めになった主婦は生きることを諦めたと、携帯からブログに送信し続け…『くらやみ』

    そして、地震の後――
    火災が発生し、死者の数が増え続ける東京の街の片隅で、生き延びたものの地震によって大切な家族を亡くした者、瀕死の重症を負った者、安全な場所から下界を見下ろす者、地震につけこもうとする者、遠く離れた街からボランティアで被災地に向かう者、の、それぞれの思い…『ぼくらの遊び場』、『ついのすみか』、『宙に逃げる』、『だっこ』、『どうでもいい子』、『夢を見ていた』、『出口なし』、『復讐の時間』、『パーティにしようぜ』、『いのりのはじまり』の、14編から成る短編集。

    『ぐらぐらと揺れるいのち。
    「その時」にわかる本当の気持ち。
    瓦礫の街で芽生えるのは、悲しい孤独?それとも明日を生きるための勇気と希望?
    25歳の作家が恐れと祈りを込めて描いた、書き下ろし短編集。』だ、そうで。


    これはかなり心して読んだ方がいいかも…。
    決して他人事ではないし、いつどこでこういうことが起きてもおかしくないし、今もきっと苦しんでる人がたくさんいて…分かってはいても、ついつい日頃は忘れてしまって生きてるなと、ちょっと反省してしまった。

    『パーティにしようぜ』での、神戸の震災で父親を亡くした、自称フリーター兼DJの気持ち、「ここで震災から立ち直ったことがあるのは、俺しかいないかもしれないから。人がまたちゃんと元気になるんだぞってことを示すには、俺が動くしかないかもしれないから。」というのは、かなり心に響いたし。

    結構人間の心の中の暗い部分にスポットが当たってて、落ち込みそうな話が多かったし、その後、の不明な話もあったけど、ニュースでは伝わらないような一人一人の被災者の「その時」の気持ち、きっとこんなこともあったんだろうなぁというようなことが描かれていて、色んなこと忘れないためにも、今読むべき価値のある物語なのかも。
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      『日傘のお兄さん』豊島ミホ

      日傘のお兄さん
      日傘のお兄さん
      豊島 ミホ 2004年 新潮社
      ★★★★★
      お兄さんと過ごした時間は、もう戻らない、儚く消えてゆく幻だ。やがて薄れて、思い出そうともしなくなる、幼い日の幻で…。
      よみがえったり、新しく書き足されたりなどしないものだと思っていたのに。

      幼稚園の時、淋しかった「私」といつも遊んでくれた優しいお兄さん。
      陽の光りの届かない竹薮の、小さな小屋の縁側で。
      透き通るほど白い肌、思い出の中のその人は、いつも日傘をさしていた。
      そしてある日、突然姿を消してしまったお兄さん。

      中学生になった私の前に、お兄さんは再び現れた。
      ネットで話題の、ある犯罪者として…『日傘のお兄さん』

      ある日突然、ラジオから聞こえてきた懐かしい人の声。
      別れて二年、「しばらく放っておいて…」と言われたあのときのこと、今ならわかるのに…。
      そして「私」は、今の気持ちをどうにか伝えたくて、リクエスト葉書を出してみようとするけれど…『バイバイラジオスター』

      今までずっと、幸運な女の子だと信じてきた「私」は、彼の二十歳の誕生日に、突然別れを突きつけられた。
      この日を「初めての日」にしようと、わくわくしていた「私」に、彼は自分自身の「ダメな身体」を告白する…『すこやかなのぞみ』

      「私」のお葬式が執り行われた日、結婚式を挙げたのは、中学生のとき、好きで好きでしょうがなかった男の子。
      その日から彼の側にいる「私」。
      見えないはずの「私」の存在にただ一人気づいた女は、「私」にある意外な提案をする…『あわになる』

      父親の残した手紙から、自分のこれまでの生き方に不安を抱いてしまった四十歳の独身男。
      自由でいたいから、一人でいることを選んだはずの男は、ある一大決心をして女のもとを訪れる…『猫のように』
      の5編から成る中短編集。


      よく参考にさせていただいてるゆうきさんの「本を読んだら…byゆうき」のブログで紹介されていて、「お兄さん」にものすごく心惹かれたので、読んでみた。

      『日傘のお兄さん』は、なかなか意外な展開に、ちょっぴり切ないラスト…。
      「お兄さん」の発言や行動には、ドキッとしたけど。
      身長180センチ、色白で…華奢なイメージ。
      すごい男前を想像しながら読んでしまった…。

      全編通して、何となくほろ苦くて、しょっぱいというか、甘くないというか、とても切ない。

      『バイバイラジオスター』は、昔々の恋を思い出して、心がちくちくと痛んだ。

      『すこやかなのぞみ』は、結構シリアスな話なんだけど、一箇所ものすごくウケてしまった。

      『あわになる』は、女性の太っ腹さというか、心意気というか…に感動してしまう。

      一番好きなのは『猫のように』
      主人公の独身男の、この気持ちすごくよく分かる。
      このまま一人で…と考えるとやっぱり時々は淋しくなるし、怖くなる。

      父親の話は、ちょっと泣けてしまった。
      最期、こんなことされたら、堪らんだろうなぁと…女として。
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