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    『東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜』リリー・フランキー

    東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
    東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
    リリー・フランキー 2005年 扶桑社
    ★★★★★
    人間が生まれて、一番最初に知る親子という人間関係。それ以上のなにかを信じ、世に巣立ってゆくけれど、結局、生まれて初めて知ったもの、あらかじめ、そこに当たり前のようにあったものこそ、唯一、力強く、翻ることのない関係だったのだと、心に棘刺した後にようやくわかる。
    世の中に、様々な想いがあっても、親が子を想うこと以上の想いはない。

    「ボク」と「オカン」と「オトン」が三人で一緒に暮らしたのは、「ボク」が3つの歳までだった。

    4歳になる頃「オカン」が「ボク」を連れて小倉の家を出て、「オカン」の実家のある福岡の田舎、筑豊の炭鉱町に戻ってから、本格的に「オトン」との別居生活が始まる。

    母親離れが全くできない消極的な子供だった「ボク」は、この何もない炭鉱の町で少年時代までを過ごし、高校受験をきっかけに、15歳で母親の元を離れて行く…。

    それから15年近く離れて暮らした「ボク」と「オカン」が再び、一緒に暮らし始めたのは、東京にある雑居ビルの一室だった。

    家族でありながら、別々に暮らさなければならなかった「オカン」と「オトン」と「ボク」のこと、そして「オカン」を取り巻くたくさんの人びとと、「オカン」を連れて行った病との闘いの記録、そして「ボク」の「オカン」への素直な想いがあふれんばかりに綴られた、テレビでもお馴染みの作家(?)、リリー・フランキーさんの自伝的長編小説「2006年本屋大賞受賞作品」。


    素直に、感動した。
    前半は、笑った(病院坂首くくりは、爆笑)し、後半は号泣。
    そして読んだ後、母親にもう少し優しくしてあげなければ…と思った。

    「オカン」の生き方も、「オトン」の生き方も、「ボク」の生き方も、おばあちゃんの生き様も、そして「ボク」の母親への奇麗事だけでない、正直な想いも、周囲の人たちの思いやりや、「オカン」との繋がり方…全部が全部…。

    多くの人がそうしていたように、やっぱり自分の母親を重ねて読んでしまった。
    その年代の母親の多くは、こういう生き方だったと思う。
    自分のことより、まず子供のこと。
    常に周囲に気を遣い、人には迷惑をかけないように、自分の始末は自分でつける……かなわないと思う。

    「ボク」が喧嘩してやられてるのを、横目で見ながら「男は少々鍛えられた方がよかたい」と、そのまま去っていく「オカン」。

    隠れて煙草を吸う高校生の「ボク」に、「隠れて吸ったら火事を出すばい。火は絶対に出したらいけん。人に迷惑がかかる。男やったら堂々と吸いなさい」と、どーんと立派な灰皿を買い与える「オカン」。

    花札が好きで、お酒が好きで、一発芸があって…。
    料理が得意で、みんなにお腹いっぱい、ご飯を食べさせてあげて。
    本当に魅力的で可愛らしい、誰からも愛された「オカン」。

    タイトルを見たとき、「何で、オトンは、時々なんだろう?」と思ってたけど、読んで納得。
    なかなか愛すべきキャラクターだった。

    夫婦のことは、二人にしかわからないけど「オトン」は「オトン」なりに、ずーっと「オカン」を気にかけてて、「オカン」は、多分、ずーっと「オトン」のこと、大好きだったんだろうなぁと思うと、ちょっと堪らないけど、それでも最後は、大好きな二人に見守られて…幸せかもしれない。

    この本の扉の「オトン」の題字も、いいなぁと思う。
    「オカン」の店を二人で飾りつけたみたいに、ここでも親子で「オカン」を飾ってあげているのだと…。

    映画では、樹木希林さんが「オカン」役らしいけど、何となく樹木さんの私生活とも重なってそうな。
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