スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『不思議の国のペニス』羽田圭介

    不思議の国のペニス
    不思議の国のペニス
    羽田 圭介 2006年 河出書房新社 P.154
    ★★★★★
    こんなデートの王道みたいな行動、恥ずかしいじゃん。南達だけでなく、おれ達もこんなことしてていいのか? 映画見て、ハーゲンダッツでアイス食べて、歩きながら服でも物色して、プリクラ撮って、飲み屋にでも行って、その頃には暗くなっているから、その後は……。今日は道具を持ってきてはいないのだ、つまり……。

    放課後は部活にも行かずフラフラし、童貞のクラスメイトたちと、駅前のマクドナルドの一角を占領しては、周囲を憚ることなく下ネタで盛り上がる、附属の男子校に通う、高校一年生の「オレ」こと遠藤。

    そんな他愛もない学生生活を送る遠藤は、童貞の友人達を尻目に、月に数回、ホテルで行うナオミとの「SS」プレイのために、オタクでにぎわう「A」街において唯一風格の漂う、通称「エロタワー」にせっせと通い、アダルトグッズを買い漁る、自称「エロセレブ」。

    女子高の文化祭で逆ナンされ、成り行きでラブホテルに入ってしまい、偶然の思いつきから始まった、二つ年上のナオミとの「SM」ならぬ「SS」の関係を、何とか先に進めたい遠藤には、実は人には言えない、深刻な悩みがある。

    ある日、遠藤が「変態ロリコン男」と密かに蔑む幼馴染、南のデートを、ナオミと尾行することになり、その日からナオミとの関係に変化が訪れるのだが…。

    「“エロ”から始まり、“ラブ”に落ちた ぼくとナオミの恋の行方
    逆送する恋愛小説の傑作 共同通信、『群像』創作合評他、各紙誌絶賛!
    『黒冷水』の著者が贈る文藝賞受賞第一作」だ、そうで。


    まあ、おぼっちゃまな男子校に通う童貞君たちなら、こんな感じなのかな。

    「SS」の関係って…、もっとハードなのを期待していたのに(うそです)、「は?なんじゃこの生ぬるさは…」と、拍子抜けしてしまった。
    小学生のケンカみたいだし(ハードな兄弟喧嘩の前作、『黒冷水』も、そう言えば「SS」と言えなくもないか)。

    男子校に通う、妄想だらけの男の子たちの下ネタは、おやじギャグに匹敵するほどで(「性器大将軍」に「坂上田村摩羅」などなど、勉強してる子ならではなのか…)。

    「包茎」について、そんなに熱く語られても、女の私にはイマいちピンと来ないけど、同年代の男の子なら、激しく共感できるのかも(もしかして、同年代以上でもかもだけど)。

    馬鹿馬鹿しいところは、結構面白く読めたけど、女の子側の「ナオミ」の気持ちが、解らなさすぎたのが、どうも…(若い子なら、理解できるのかな?)。

    借りるときは躊躇するようなタイトルで…でも、読み終わってから、タイトルの意味を考えると、なかなか絶妙かもと思えてしまった。
    これって昔の映画『パンツの穴』みたいな感じかな。

    そう考えれば、男の子の「性」の悩みは、何十年経っても変わらないのねと、何だか哀れに思えてしまった。
    みんな頑張って大人になってね、と言うしかないかな。
    0

      『黒冷水』羽田圭介

      黒冷水
      黒冷水
      羽田 圭介 2005年 河出文庫
      ★★★★★
      あんたら兄弟はそっくりなんだよ、自分に対して盲目的過ぎるんだよ

      兄のいない時間、兄のいない部屋。
      弟は、はやる気持ちをおさえてドアを開ける。
      まず手はじめに、机の引き出し、そしてサイドラック。
      中から出てくるのは、古新聞の間に隠すようにはさまれた、今日の収穫。
      兄の秘密。
      そして部屋中の、あらゆる引き出しという引き出しを、あさる。
      あさりまくる。
      兄の帰る時間まであと少し…。
      慎重に全てのものを元通りに戻しておく。
      兄が気付くはずがない。
      完璧な証拠隠滅だ。ミスなどしない。

      兄は気付いていた。
      雑な仕事、そこかしこに残されている、あさりの痕跡。
      馬鹿な弟は、まさか、あさりがばれていないとでも、思っているのだろうか…全てお見通しなのに。
      陰気で幼稚な弟。
      弟のような「人間のごみ」にはなりたくない…。

      二人の確執は、今に始まったことではない。
      執拗に、兄の部屋をあさり、兄の秘密を覗き見ては、馬鹿にする中学生の弟。
      弟の程度の低さにあきれ、見下し、貶めようとする高校生の兄。

      そんな関係に終わりを告げようと、一度は弟を受け容れようとする兄。
      しかし、その感情は一時的なものでしかなかった。
      そして、ある日を境に、今度は兄の、弟の「あさり」に対する報復が始まる。
      罠を仕掛け、肉体的にも、精神的にも痛めつける。
      兄の報復は、どんどんエスカレートしていく。
      徹底的に、弟を、潰すまで…。


      本屋さんをぶらついていて、何となく手にしてみた。
      「恐るべき17歳による第40回文藝賞受賞作!」
      という帯に惹かれてしまった…。

      読み終わった感想は「何じゃ、こりゃ?」
      前半の軽めの展開に比べ、後半の凄まじいまでの、醜い争い…。
      ホラー、だったの…?
      痛い、汚い、暗い、怖い…。
      「そこまでやるの?実の弟に…」という感じ。
      そして、さらに先の読めないラスト。
      最後の兄の台詞に、「なるほどね」とは思うけど…。

      でも、作者の写真を見て、次回作を期待してしまう…。
      0

        1

        calendar

        S M T W T F S
              1
        2345678
        9101112131415
        16171819202122
        23242526272829
        3031     
        << July 2017 >>

        読書メーター

        uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

        新刊チェック

        selected entries

        categories

        archives

        recent comment

        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          uririn
        • 『痺れる』沼田まほかる
          uririn
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          uririn
        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          いちれん
        • 『痺れる』沼田まほかる
          くり
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          智広
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          uririn
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          苗坊
        • 『永遠の0』百田尚樹
          uririn
        • 『永遠の0』百田尚樹
          苗坊

        recent trackback

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        悪人
        悪人 (JUGEMレビュー »)
        吉田 修一
        読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

        recommend

        しずく
        しずく (JUGEMレビュー »)
        西 加奈子
        サイン本買っちゃった。

        recommend

        recommend

        たぶん最後の御挨拶
        たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
        東野 圭吾
        猫なんです…。

        recommend

        recommend

        recommend

        ねこの肉球 完全版
        ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
        荒川 千尋,板東 寛司
        たまらん。

        recommend

        ニャ夢ウェイ
        ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
        松尾 スズキ, 河井 克夫
        たまらん…

        recommend

        recommend

        僕たちの戦争
        僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
        荻原 浩
        とにかくお薦め。

        recommend

        出口のない海
        出口のない海 (JUGEMレビュー »)
        横山 秀夫
        たくさんの人に読んでほしい…

        links

        profile

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        みんなのブログポータル JUGEM

        使用素材のHP

        Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

        PR