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    『刑事のまなざし』薬丸岳

    評価:
    薬丸 岳
    講談社
    ¥ 680
    (2012-06-15)
    Amazonランキング: 22641位

    幼い頃に両親を事故で亡くし、ひきとられた先で虐待にあっていた姉と弟。少年犯罪で鑑別所に入れられていた過去を持つ弟は、自宅近くで起きた事件を捜査中の刑事に見覚えがあり、真っ先に疑われているのだと思い込むのだが…『黒い履歴』
    ホームレスの仲間内でボスのように振舞う粗野な男が何者かに殺害され、過去に男が起こしていた事件の被害者の身内が容疑者として浮上する…『ハートレス』
    過去の男にストーカーのように付きまとわれ、男運がないと嘆いていた女は、今度こそ「男らしい彼氏」ができたと友人に洩らしていた矢先に何者かに殺害されてしまい、交際相手が容疑者として浮かぶのだが…『プライド』
    仕事が忙しく二人暮らしの息子の話をろくに聞く時間も持たない父親は、ある夜の息子の行動から犯罪の関与を疑い、多忙な仕事を休んで後をつけることに…『休日』
    看護士と患者として出会い、最初は一人息子にも気遣いを見せる優しい男だったはずが、一緒に暮らし始めた途端に豹変し、仕事も辞めて自分や息子に暴力をふるうようになった内縁の夫。ろくでなしの夫が放火による火災で亡くなり…『オムライス』
    父親が逮捕されてしまってから学校に行けなくなってしまった女子高生。自傷行為を繰り返す少女は、殺人事件の現場近くで目撃された後、自分を責める言葉を残して手首を切り…『傷痕』
    不幸な家庭で育ち、少年の頃はろくでもない生活を送っていたものの、妻子のおかげで現在は幸せな家庭を築いていた男。荒れていた過去に起こしてしまった事件を目撃していたという、昔いじめていた同級生から脅されるようになり…『刑事のまなざし』
    ぼくにとっては捜査はいつも苦しいものです――通り魔によって幼い娘を植物状態にされた夏目が選んだのは刑事の道だった。虐待された子、ホームレス殺人、非行犯罪。社会の歪で苦しむ人間たちを温かく、時に厳しく見つめながら真実を探り出す夏目。何度読んでも涙がこぼれる著者真骨頂の連作ミステリ。
    罪を犯した少年と向き合う法務技官の職から、10年前の娘の事件をきっかけに刑事に転身した夏目。人を疑う刑事という職が似つかわしくないと、夏目の過去を知る人物たちは口々に語るけれど、夏目にはどうしても解決しなければならない事件があって…。

    次々と事件の真相を暴き出す夏目の着眼点の素晴らしさと言うか…夏目刑事は何でもお見通しなのですね、たぶん。
    なので、最初の『黒い履歴』からもう夏目刑事の語る真実に「あっ」と驚かされてしまいました(私はね)。
    『オムライス』では、そこまでやるのか…と、「これでもかこれでもか」的に真相が暴かれ、ある人を思って、あまりの切なさに心が折れそうになりました。
    どろどろさと容赦なさが薬丸さんらしい。
    そして全てが解き明かされる『刑事のまなざし』は…うーん、話としては良くまとまっているけど、感情的についていけなかったです(色んなことが気持ち悪すぎて理解の範疇を超えてしまったというか)。

    それぞれの短編の断片から、夏目の人となりや過去が少しずつ紐解かれていくのもなかなか興味深くて、夏目刑事のこれからにも期待したいです。
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      『虚夢』薬丸岳

      虚夢
      虚夢
      薬丸 岳 2008/5/22発行 講談社 ¥1,575 P.320
      ★★★★★
      この世の中には、人を殺しても、残虐な罪を犯しても、罰せられない者たちがいるのだ。
      『刑法三十九条』という法律によって。
       心神喪失者の行為は、これを罰しない。
       心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

      ごく普通のおだやかな公園内での日常が、一人の男の登場で地獄絵図へと一変する。

      自身も傷を負わされ、成すすべもなく目の前で幼い我が子の命を奪われてしまった母親、佐和子。

      すぐ近くに居ながら、億劫がって妻子と行動を共にしなかったがために、公園での惨事に気付くことが出来なかった、父親、三上。

      9名もの人間を傷つけ、3名もの死者を出しながら、法に守られ、逮捕後は実名報道もされなかった犯人は、佐和子も顔見知りだったという、コンビニでバイトをしていた当時21歳の専門学校生、藤崎。

      事件から4年後、藤崎の姿を街中で偶然に発見してしまったという佐和子に呼び出され、妻子を守ってやれなかったことを悔い、自堕落な生活を送る三上は、事件後離婚し、今は他の男の妻となっている佐和子のために、藤崎の姿を追い求めて奔走することに。

      そして事件後、たった4年で、この街に舞い戻っていた藤崎の居場所をつきとめたものの――。

      猝爾鮖Δ靴身反佑目の前を歩いている!
      愛娘を奪い去った通り魔事件の犯人は「心神喪失」で罪に問われなかった。
      運命を大きく狂わされた夫婦はついに離婚するが、事件から4年後、元妻が街で偶然すれ違ったのは、忘れもしない「あの男」だった。
      『天使のナイフ』の江戸川乱歩賞作家が衝撃の展開で描く感動作!瓩澄△修Δ如


      相変わらず、重いテーマ路線で読むのを楽しみにしていたけど…。
      冒頭の無差別殺人のシーンは、何だか生々しすぎて、まるで秋葉原の事件みたいで(この本の方が先なのが驚きなくらい)とても嫌な気持ちにさせられてしまった。

      でも、そのシーンが、犯人の残虐さを際立たせてて、何でこんなことをした犯人がたった4年で…と、ものすごい理不尽さを感じざるを得なくなるから、仕方ないのかな。

      そして、愛娘を失った後の母親と父親の子供に対する思いの重さの違いというか、司法に絶望し、闘うことを諦めた父親と、諦めなかった母親との対比(かな?)が、なかなか興味深かったかも。

      何で、こんなつまらんおっさんと再婚したのかとか、途中で感じた様々な疑問も最後には解消されたし(多分途中で、分かる人には分かるんだろうけど、私は真実を知って、「ほーーーーっ」と、ものすごく感心してしまった…)。

      次回作のテーマはいったい…と、とても気になる作家さんだなと思うのと同時に、テーマになるような事件がなくなってほしいと願わざるを得ないかも。

      JUGEMテーマ:読書
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        『闇の底』薬丸岳

        闇の底
        闇の底
        薬丸 岳 2006/9/8発行 講談社 P.287 ¥1,575
        ★★★★
         毎日のように起こる陰惨な事件。苦しみ悶える被害者や遺族の姿。とうてい理解できない犯罪者の思考。それらのものと対峙しているうちに、心がどうしようもない絶望という澱で淀んでいくのだ。
         自分がいるこの世界は自分が守るべき価値のあるものなのだろうか。

        粉雪の舞う中、埼玉県日高市の山道脇の草むらで発見された、痛ましい幼女の全裸死体…。

        その数日後、ご丁寧にも被害者の身分証明書とともに発見される、過去に幼女殺害の罪で服役し、出所後社会復帰していた重度のペドフィリア(幼児性愛者)の男のバラバラ死体。

        そして、どちらの事件も、解決の糸口を見つけられずに奔走する警察を嘲笑うかのように警察やマスコミに送りつけられた、バラバラ殺人の犯行の一部始終を録画したDVDと、自らを「サンソン(死刑執行人の代名詞)」と名乗る男からの犯行声明。

        「サンソン」の名を語る男は、子供が犠牲になる事件を抑止するため、司法に成り代わり、罪を犯した者たちを見せしめに殺していくと予告し、事実その通りに次々と犯罪者達は殺されていくのだが……。

        “絶対に捕まらない――。
        運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。
        『天使のナイフ』の薬丸岳が描く、欲望の闇の果て。
        待望の衝撃作 江戸川乱歩賞受賞第一作”だ、そうで。


        個人的な好みかもしれないけど、『天使のナイフ』よりも、断然良かった(どろどろしてたからかな)。

        変態男の身勝手な欲望のみで、幼い妹を奪われた過去を持つ刑事、長瀬の心の葛藤というのがすごく良く描かれてて、泣くような場面でもないのに、何故か何度も涙してしまったし、ラストも良いし。

        「サンソン」と名乗る男が望むような世界、世の中で最も理不尽な幼児が犠牲になるような犯罪がなくなる社会は、私も心の底から願うけど…そういう性嗜好の人は一生直らないというのなら、幼児相手にその欲望が満たされるわけがないのだし、本人が気付いた時点で、催眠術とか、薬とかで抑制してもらうとか、そういうこと出来ないのかなとか、本気で考えてしまった(男の人の性衝動とやらは、全く理解できないけど、何か可哀想というか…)。

        犯罪を抑止できない警察への苛立ちと、「サンソン」支持に傾く世論…。
        現実にはきっと「サンソン」みたいな人は出てこないと思うからこそ、この小説が面白く思えたのかも。

        前作の少年犯罪にしても、これにしても、本当に嫌な世の中になってしまったなぁとつくづく思うようなことばかりで…次回作はいったいどんな重い犯罪をテーマに書かれるのか、と楽しみな反面、そういう嫌な事件が、もう起こらなければいいのになと…。

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          『天使のナイフ』薬丸岳

          天使のナイフ
          天使のナイフ
          薬丸 岳 2005年 講談社
          ★★★★★
          更生とは何だろうか。桧山はずっと考えていた。
          罪を犯した者が勉学に励み、真っ当な仕事に就くことが更生なのだろうか。二度と刑罰法令に触れる行為を行わないということを更生というのだろうか。確かに社会にとってはそれも重要なことだろう。しかし、桧山は違うと思った。これから自分がどう生きていくかという前に、自分が犯してしまった過ちに、真正面から向き合うということが、真の更生なのではないだろうか。

          四年前、赤ん坊だった娘の目の前で妻を殺された男。
          犯人は三人の13歳の中学生たち…。
          男はテレビカメラに向かって言った「国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」と。
          それから4年、施設から出てきた少年Bが何者かに殺された。
          警察が来て、初めて犯人が社会復帰していたことを知った男。
          少年法に守られた彼らは本当に更生などしたのだろうか?
          誰ひとりとして、謝罪の言葉も聞かれない…。
          まだぬぐえない胸の疼きを癒すため、男は残された少年達の現在を調べ始める。
          そして次に命を狙われたのは…。

          いろんな方のブログを見ていて、なかなかの高評価だったので、アマゾンのユーズドで購入。
          約半額なのに、本当に新品同様でお買い得だった。

          で、さすが第51回江戸川乱歩賞受賞作だけあって、とても惹きつけられたし、一気に読めた。

          ただ私はもっと、もっと人間心理の奥底のドロドロした話が好きなので★は三つ。
          何となくそれぞれのキャラクターが表面的すぎる気がして…。
          でも、アルバイトの福井君には、とても好印象。そこのとこで泣いてしまった…。
          次回作も読んでみたいかな。
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