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    『砦なき者』野沢尚

    砦なき者
    砦なき者
    野沢 尚 2004年 講談社文庫
    ★★★★★
    テレビは定期的に大衆の中から犠牲者を選ぶ。それを糾弾された時だけ、テレビは襟を正す。ところが喉元過ぎれば熱さを忘れて、またぞろ被害者を生みだす。僕は気付いたんですよ。大衆は被害者だけではなく、加害者にもなれることを

    1997年、首都テレビの水曜九時から放送の報道番組『ナイン・トゥ・テン』のディレクターの元にかかってきた、一人の女性からの電話。
    電話の向こうで、女は今日、これから自分が殺された後の犯人の告発を、彼らの番組に託すと言う。
    為すすべもなく、その時は来て、予告どおり女は殺害され、番組では彼女との電話のやりとりが流され、犯人をおびき寄せることに成功する。

    また次の年、幼女の失踪事件のときには『ナイン・トゥ・テン』のスタッフたちが、番組内で、重要参考人の単独インタビューに成功し、事件は意外な形で終息を迎えた。

    それらの報道を、食い入るように見ていたのは一人の青年、大学生だった八尋樹一郎。

    そして1999年、ビジネス・ホテルの一室で、少女の首吊り死体が発見された。
    少女は、かつて『ナイン・トゥ・テン』の番組内で、女子高生が束ねる売春組織の元締めとして、キャスターの長坂によって糾弾された女子高生だった。
    少女の死後、他局のテレビ番組では、彼女の恋人だったという一人の青年が、彼女はテレビに晒されたことを苦にして自殺を図ったのだと、涙ながらに訴えていた。

    青年は、誰からも愛される容姿を武器に、とつとつと静かに、彼女の死を悼み、その責任の所在について訴え、彼の言葉のひとつひとつは、視聴者の憐れみと、涙を誘った。
    全国の視聴者から、青年への慰めの言葉と、『ナイン・トゥ・テン』への非難の声が寄せられ、長年この番組の看板キャスターを務めていた長坂は、番組降板を余儀なくされる。

    狡猾さと暗くおぞましい過去を、その仮面の下に上手に隠し、あらゆる討論番組に出演し、若者の代弁者、「癒し」を求める時代の救世主として、いつしか若者達のカリスマ的存在とまで呼ばれるようになった青年は、昔『ナイン・トゥ・テン』を食い入るように見つめていた、八尋その人だった。

    誰もが八尋をマスメディアの寵児としてもてはやす中、ただ二人の男たちだけは、彼の正体に薄々気づき始めていた。
    そして、八尋の正体を暴こうとしていた、長坂たちは、いつの間にか集まった、八尋に傾倒し、心酔しきっている若者達に取り囲まれる。

    今や、八尋の携帯からの指令一つで、何千人もの若者を動かすことができるということを思い知らされた二人は、テレビ番組内での八尋との対決に挑もうとするが…。


    二年ほど前にやってたドラマで見たときは、あまりに救いようのない、暗いラストシーンがとても印象的だったけど、実際のラストはあそこではなかったのだと、少し安心した。
    本の終わり方の方が、断然良いなと思った。
    まあ、2時間ドラマでは、仕方ないのかな。

    若い兄ちゃんたちが、わらわらと一つ所に集まってくる様子は、想像するだけでもぞっとする。
    「ゾンビ」のような…、ヒッチコックの「鳥」のような薄気味悪さ…。

    しかも全員が携帯いじってるのも、怖すぎる…。
    でも電車とか乗ったら、結構こういう光景見てるかも。

    野沢さんの本は、ラストがあんまり好きでないのが多かったけど、これは結構好き。
    「TVのちから」とか見てて、テレビ番組ってここまで出来るのか、とたまに感心してるけど、真実は…どうなんだろうと考えさせられる。

    若者の「カリスマ」と言えば、私は真っ先に尾崎豊を思い浮かべてしまう。
    死んでしまったから、なおさらかな。
    野沢さんの本も、もっと読みたかったのになぁと残念に思う。
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      魔笛

      魔笛
      魔笛
      野沢 尚 2004年 講談社文庫
      ★★★★★

      ある新興宗教の教祖に死刑判決が下された日、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロが起きた。
      多くの罪のない人達が、一瞬でその命を絶たれた…。
      爆弾を仕掛けたのは、かつて公安が教団に送り込んだスパイの女…。
      現場に残された小さな「ビーズ」を手掛かりに、女を追い詰める役目を与えられるのは、獄中に妻を持つ刑事。
      女はあるキーワードによって、教祖の呪縛を受けていた…。

      すごく重くて、きっと扱いにくいテーマなのに、犯人を追い詰める刑事の設定が、何だかなぁ…。
      ラストの一行は心に残るけど…。







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        『深紅』野沢尚

        深紅
        深紅
        野沢 尚 2003年 講談社文庫
        ★★★★★

        楽しいはずの修学旅行の夜。
        父と母、そして幼い二人の弟が惨殺された。
        ただひとり残された少女の身には、旅行先から遺体が安置されている病院へ向かう間の「4時間」の記憶が何度も何度も繰り返される。
        全く同じ場所、同じ人物、同じ会話…。
        過去を繰り返す「4時間」の間彼女は眠り続けている。

        家族を殺した犯人にも少女と同じ歳の娘がいた。
        大学生になった彼女は、正体を隠して、犯人の娘に近づいていく…。

        冒頭のシーンがかなり衝撃的…。
        読み進んでいくうち、犯人の気持ちもわからなくもない。

        ただ、結末がなぁ…。

        最近映画化されてたけど、配役が逆でも結構面白かったんじゃないかなと、勝手に思う。
        そのまんますぎるから。


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