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    『イジ女』春口裕子

    イジ女
    イジ女
    春口 裕子 2008/1/25発行 二葉社 P.333 ¥1,680
    ★★★★
     だってしょうがないじゃない。それがあたしなんだもの。
     いつも同じパターンだとか懲りてないとか、誰に何と言われようと、どうしようもない。自分でもウンザリすることは時どきある。あるけどだからって自分を嫌いになったりはしない。自分を見放したりは、絶対にしない。       〜『レッツらゴー』より〜

    それまでの社宅住まいから、ドラマのロケにも使われるという憧れのハイソなマンション「グランドパルテノン」に住み始めた、実家はそのマンションの住人達が馬鹿にする「駅向こう」で100円ショップを営む、庶民派の専業主婦、加奈子。
    周囲のセレブな奥様達との付き合いもそつなくこなしていたものの、友人に頼まれて引き受けた雑誌の読者モデルの取材を機に、マンションで少数派の公立の小学校に通う娘の沙智が目に見えてふさぎこむようになり……『目立とう精神』

    同期入社であるがゆえに反目しあう、仕事のできるタイプの多賀子と、気配り上手で家庭的なタイプの真美。二人は派遣社員の百花の「ここだけの話…」に振り回され、一人の男を巡って、いっそういがみ合うことに…『オフレコ』

    クリエイティブなカタカナ職業の彼氏との大切なデート中、ハナが偶然出会ってしまった昔の同級生、デビュー以来の織田裕二ファンで、いまだに追っかけを続ける80年代ファッションそのままの、ハナから見ればイタイ女、美代子。その日以来、ハナは自分の幸せな姿を見せ付けるはずが、ついつい美代子のペースに巻き込まれ、彼氏と迎えるはずだった30歳の誕生日にも…『ミーちゃんハーちゃん』

    他、合コンで釣った男にさんざんおごらせた挙句にさっさと立ち去る、ちやほやされることだけが好きな、巨乳の女の話『ご機嫌なナンバー』

    社内での仲良しグループの、どろっどろの披露宴の話『あんぽんたん』

    急な呼び出しにも快く応じるアルバイト君よりも、責任感もやる気も全くないような、正社員のダメ男と付き合う女の話『やる気ナッシング』

    ランチタイムのいじめに耐え切れず、「恨む」という手紙をいじめ仲間の一人に遺して自殺してしまった派遣社員の話『イジ女』

    そして、それぞれの女の後日譚ともとれる『レッツらゴー』の8篇から成る短編集。

    『女の世界はこんなに大変。同僚、友だち、隣近所―こういう女、いるでしょう?女社会の「チクチク感」を描く達人・春口裕子presents。傑作短編集。』だ、そうで…。


    『目立とう精神』は、今やってるドラマ『斉藤さん』の、幼稚園のママさんたちをすぐに思い起こさせるようなお話で、こんな近所づきあいが実際にあったら、絶対嫌だなぁと。

    独身の私にはあまり縁がない話なのと、それぞれの短編のタイトルが何となく一昔前というか、軽いなぁと思いつつ、最初の方はさらっと読んでたら、後半の『あんぽんたん』から急にものすごく怖ろしい話になってしまった。

    会社内での一見仲良しグループの中で、二人だけ披露宴に呼ばれなかったことを気にして、なのに突然空きが出たからと、直前に呼ばれて…なんて、有り得ないというか、この新婦さんは、まさに「あんぽんたん」というか、こんなぐらいで済んで、ありがたいと思え…というか、本当にムカついてしまった。

    私なら空気も読まずにスピーチで思い切り、この人の性格を暴露してしまいそうな…(その前にまず、披露宴に呼ばれないタイプかな)。最後には、少し救われたけど。

    その二つ後の、表題作『イジ女』も、また後味の悪い話というか、てっきりイジっぱりな女の話の『イジおんな』と思ってたら、壮絶な女のいじめの話、『イジめ』と読むとは…。

    自殺した派遣の子の日記が痛々しすぎて、生々しくて、そして最後はホラーで、ちょっとびびってしまったけど、過去に「ホラーサスペンス大賞特別賞」とやらを受賞されている作者さんなんだと知って納得。

    まったくこんなことした覚えがないかと聞かれれば、そうとは言い切れないし、年下の子に対して、余計なお世話を随分してきたかなぁとちくちくと心痛むところもあって…。ここに出てくるのは本当にひどい話だけど、相手の取り方次第で、似たようなことならやってしまってるのかもしれないなぁと。

    にしても、あまりにも馬鹿馬鹿しすぎる「イジメ」かなとも(その数の数え方、気持ち悪くて、そこに真っ先に突っ込みたくなるし)。
    逆の立場なら…と考えてみたけど、私自身が一人が全く苦にならないタイプなので、そうまでして誰かとくっついていたい彼女の気持ちが良く分からないかも(女王様みたいな人も、周りにいなかったし、それも幸いだったかなと…)。

    社内でのランチタイムにそんなに怯えてる人がいるなんて…、今まで考えたこともなかったけど、人が多ければ多いほど、そういうことってあるのかもなぁと結構考えさせられる、女性ならでわの秀逸な短編集。

    この装丁、何かに似てると思ったら桐野さんの『リアル・ワールド』っぽいような。
    考えれば女って、高校生でもおばさんでも、人間関係の煩わしさには、あんまり年齢とか関係ないのかもなとも…。

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