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    『秋の牢獄』恒川光太郎

    秋の牢獄
    秋の牢獄
    恒川 光太郎 2007/10/31発行 角川書店 P.223 ¥1,470
    ★★★★

    私はもう充分に、楽しんだし、悲しんだし、苦しんだのだ。一人でいたかった。
                                 〜『秋の牢獄』より〜

    11月7日の水曜日。午前中の講義が終わった後、学食で友人と他愛もない話をし、アパートに戻り図書館で借りてきた本を読み、炬燵でテレビを見た後一人きりの食事をし、風呂に入り眠りに就いた、東京の大学に通う一人暮らしを始めて二年の「私」。

    そんな何の変哲もない一日を終えたはずの「私」が目覚めると、ふたたび11月7日の朝へと戻ってしまい、その日から自分の記憶以外、全く同じ一日が何度となく繰り返されることに。
    果たしてこれは何かの罰や呪いなのか…『秋の牢獄』

    そして…、酒を飲んだ帰り道、見知ったはずのいつもの場所で、見慣れない民家の敷地に足を踏み入れてしまったがために、その家から出られなくなってしまった男…『神家没落』

    「神」の力を授けられたがために、「普通の暮らし」を取り上げられてしまった少女…『幻は夜に成長する』の、それぞれ、時間や空間、人間の心といった、ある意味「牢獄」のようなものに囚われてしまった人たちのお話。

    「まるで童話のようなモチーフと、透明感あふれる文体。心地良さに導かれて読み進んでいくにつれて、思いもかけない物語の激流に巻き込まれる。
    数千ページを費やした書物にも引けを取らない、物語の凄まじさ。
    圧倒的な多幸感と究極の絶望とを同時に描き出す、新鋭・恒川光太郎の珠玉の作品集。
    小説の力を再認識させられる大傑作。
    話題作『夜市』を凌ぐ、現代の神話の誕生! 〜帯の惹句より〜」だ、そうで。


    恒川さん初読みなのに、何故か読んだことあるような感じがしたのは、どことなく「世にも奇妙な物語・秋の特別編」みたいな空気が漂ってるからかも(朱川さんの作品にも感じたけど。て、朱川さんのは実際ドラマ化もされてたけど…)。
    そしてこの感じは、たまらなく好きかも。

    特に好きな話で、羨ましかったのは『神家没落』の家に閉じ込められてしまうお話。
    固定した場所でなく、こんな風に全国各地を転々とできて、食べ物の心配もいらないのなら、私ならここから出たいとは思わないなと(猫さえ連れて行ければ)。

    なので、一度解放されたあとの主人公の気持ちは良くわかるし、手放してしまったものは二度とは戻らないというか…当然の結末というか。

    『秋の牢獄』のリプレイも、やっぱりちょっと羨ましいと思えるかも。同じ一日でも、そんなに色んなことが出来たりするのなら、永遠に繰り返しでも構わないかなと(何度も殺されたりすると嫌だけど)。
    そして、終わりの一行がすごく良いなと。
    何もないことが、本当は一番の「幸せ」なんじゃないのかなと、最近良く思うので。

    『幻は夜に成長する』は、何となく「人間くさい」話というか、「救い」なんて結局は「幻想」でしかなくて、所詮「地獄」も人の心の問題なのかなと。
    これは、ものすごく哀しい話なのかも。

    この本を読んでる間、束の間今とは違う所へ行けた気がして(自分なら…と、想像するの楽しいし)、これこそが読書の醍醐味かなと思えたような(一種の現実逃避かも知れないけど…)。

    遅ればせながら、ホラー小説大賞受賞作の『夜市』も読んでみようかなと思えるぐらい(読まなかったこと、後悔してしまったので)、ちょっとはまってしまいそうな作家さんの一人かなと(Web KADOKAWAの動画インタビューを見たら、ちょっと好きなタイプだったもので、余計にそう思えたのかもだけど)。

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