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    『空飛ぶタイヤ』池井戸 潤

    空飛ぶタイヤ
    空飛ぶタイヤ
    池井戸 潤 2006/9/25発行 P.489 実業之日本社 ¥1,995
    ★★★★★
    「生きるために、社会正義を曲げるべきか。たとえ死するとしても社会正義を貫くべきか。
    経済的な問題に転じてしまえば、生き方の問題が残る。だが、生きるためには金がいる」

    トレーラーから外れたタイヤが歩道を歩いていた親子連れを直撃し、33歳のまだ若き主婦は即死、側に居た幼い男の子も軽症を負うという痛ましい事故が起きた。

    事故を起こしたのは、トラック八十台、年商七億、従業員90名を有する世田谷区等々力にある中小運送会社「赤松運送」。

    事故を起こした運転手には過失はなく、警察からは整備不良を疑われる二代目社長の「赤松」。

    社員の仕事を信じ、自社の整備に絶対的信頼を置き、非を認めようとしない「赤松」は、被害者の遺族、そしてマスコミや世間からも「人殺し」扱いされ、大手の取引先からの仕事も失い、銀行からの融資も打ち切られることに。

    ところが、同様の事故が以前から「ホープ自動車」の同型車種で頻発していたことを知り、「ホープ自動車」のタイヤの部品「ハブ」そのものに欠陥があったのではないかと疑いの目を向けた「赤松」は、「整備不良」として片付けられてしまったトレーラーの部品を回収すべく「ホープ自動車」の担当者にその旨を伝えるも、相手にもされず…。

    もはや風前の灯となった「赤松運送」が生き残る道はただ一つ、事故の真相を自らの手で暴くこと。

    そして、自分を信じてついてきてくれる社員たちのために、理不尽ないじめに遭っても暖かく迎えてくれる家族のために、そして何より、事故によって突然幸せな生活を奪われてしまった被害者と遺族のために、二度とこんな事故を起こさせないために、巨大グループ企業を相手に、「町の社長」はたった一人で立ち向かうことを決意し……。

    『タイヤが外れた瞬間、巨大自動車会社の暴走が始まる。
    小説好き諸君!
    たまには直球の企業小説、読んでみてくれ。
    欠陥隠し(リコール)が君を殺した――。
    「命」と「カネ」の人間群像。そして、巨大企業が犯した「罪」と「罰」を描く傑作企業小説。』だ、そうで。


    第136回直木賞の候補作に選ばれていたそうだけど、これ受賞してても誰も文句ないのではと思えるほどの力作というか、魂入ってるなぁというか(その分読むのにもものすごく時間がかかってしまった…)。

    実際にあった事故をモチーフに書かれているみたいだけど、こんなに書いてしまって大丈夫なの?と心配してしまうぐらい、ドキュメンタリータッチで。

    「親方日の丸」の財閥系グループ関連会社、「ホープ自動車」のエリート社員たちの鼻持ちならない態度も、一般消費者を莫迦にしきった考え方も、これがそういう企業の実態なんだろうなと思えるし、「財閥の常識、世間の非常識。財閥の理論、世間のわがまま。」という「究極のすれ違い」の穴埋めなんて、きっとできないんだろうなとも。

    こんなくだらない人間たちのせいで、「走る凶器」と化した欠陥車に命を奪われなければならなかった被害者の無念さもいかばかりかと、本当に途中までは読んでいて怒りに震えるぐらいに腹が立ってしまった。

    なのでその怒りの大きさの分、最後にこんなに痛快な気分になれるんだろうなと。
    これはものすごい爽快感を味わえる、読み応えのある本かも。

    どん底に追い込まれた「赤松」に差し伸べられる神様みたいな銀行の課長の手や、周囲の人間の支えに、何度も涙してしまったし、そんな企業の中にも、まともな人間は当然のごとくいるわけで、世の中本当にこんな風にまだまだ捨てたもんじゃないと(理想論かもしれないけど)思っていたいし。

    久々に本格的な大人の本を読んだなぁと、しみじみ。
    でも、ちょっと疲れた…(内容も、本も、重すぎて)。
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