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    『床下仙人』原宏一


    床下仙人 (祥伝社文庫)
    原 宏一2001/1/20文庫化 祥伝社文庫 P.274 ¥580
    ★★★★
    「…あたしたちを養うために、あたしたちといっしょにいられない。それって一見、理屈が通っているようにみえるけど、でも、それじゃ、なんのためにあたしたちは結婚したわけ? なんのために家族になったわけ? いっしょにいたいから家族になったのに、その家族を維持するためにいっしょにいられない。そんなのって、どこかおかしいと思わない? そんな矛盾した話が、どうして通用しちゃうわけ? だからあたし」
    〜『床下仙人』より〜

    子供ができたのを機に、通勤に片道1時間50分かかる郊外に家を購入した夫婦。
    住み始めて二ヶ月がたった頃、「この家には何かがいる」と言い出した妻の言葉を、疲れのせいだと気にも留めなかった夫が、ある日の深夜、妻子が寝静まった家の中の洗面所で歯磨きをする「イエス・キリスト」のような髭を蓄えた見知らぬ男と遭遇することに。
    そして何でもないようにぺこりと頭を下げ、男は床下へと消えていくのだが…『床下仙人』

    他、『てんぷら社員』、『戦争管理組合』、『派遣社長』、『シューシャイン・ギャング』の、現代日本に生きる会社人間・サラリーマンの姿を鋭い風刺と諧謔で描く5編から成る短編集。

    燹峅箸涼罎吠僂蔽砲棲んでいるのよ」 念願のマイホームに入居して二カ月して妻が言う。そんなバカな…。不況、リストラ、家庭不和…。現代ニッポン人が抱える悩みを、風刺とユーモアで鮮やかに捌いた新奇想小説集。瓩澄△修Δ如


    ほぼ毎日のように通ってる大好きな「大垣書店」さんのフェアか何かで、「騙されたと思って読んでみて!」というようなキャッチコピーが添えられていたので、全然知らなかった作家さんのだけど、のせられて手にしてしまった(ものすごく素直な性格なもので…)。

    表題作の『床下仙人』の、念願の一戸建てを手に入れたものの、その家の主が、その家に不在で…というのは、きっと殆どのサラリーマンのお父さんたちはそんな思いをしてるんだろうなぁと、「家族のために」と働きづめのお父さんが何とも気の毒で…最後の展開もなかなかブラックというか、きっとお父さんたちが読むと、有り得そうな話でぞっとするだろうなと。

    一番気に入ったのは、社長さえも派遣で賄ってしまうという、結構前に書かれた話なのに、現代を見通していたかのようなリアリティがあって恐ろしい『派遣社長』の話。
    元居酒屋チェーン店のオーナーが、社長として派遣された畑違いのデザイン会社で、社風を全く変えてしまい、やがてはそれが功を奏するものの…という、二転三転するストーリー展開も、派遣頼りの現代社会に対する危惧も、主人公のラストの力強さもなかなかで。

    『シューシャイン・ギャング』は、家出中の少女と、会社からも家庭からもリストラされた中年男との交流が心温まるお話で、ちょっとホロリ。
    強引に靴磨きをしてお金をせしめるという少女の発想も、その商売をパクる人たちのことも、なかなか良く出来たお話という感じ。

    さすが「大垣書店」さん(の誰か)が一押し(?)してるだけのことはあって、これが結構面白くて、雰囲気的には、眉村卓さんのサラリーマンSF小説を彷彿させるようで、子供の頃から眉村さんが大好きな私には、ノスタルジックな気分に浸れて嬉しかったかも。

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