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    『るんびにの子供』宇佐美まこと

    るんびにの子供
    るんびにの子供
    宇佐美 まこと 2007/6/4発行 メディアファクトリー P.207 ¥1,260
    ★★★★★
    ひとつだけわかったことは、人は大人になるにつれ、そういう存在(こうと定義することはできないが、何かしら不思議な存在)を感じとる能力が衰えていくということだった。私の場合は特異なケースで、なぜかその能力をなくさないでいるらしい。けれども、久美ちゃんの存在は、あまりにも私の日常に溶け込みすぎてしまって、ことさらその能力のことを意識することもなかった。なにしろ、久美ちゃんは何ひとつ私を悩ますことなどなかったのだから。ただその子はそこに「いる」だけなのだ。〜『るんびにの子供』より〜

    幼稚園の頃の遠足で出会って以来、みんなに混ざって「るんびに幼稚園」に時々姿を見せるようになった「久美ちゃん」。
    「私」が大人になり、結婚してからも、久美ちゃんはつかず離れずの距離を保ちながら、時々姿を現しては消えるだけで…。
    そして、跡取りのできないことを理由に、「私」をマンションから追い出そうとする姑の身にある日異変が起き、その視線の先には…『るんびにの子供』

    強盗犯として警察に追われる身となった男は、身を隠すために覗き込んだ老夫婦だけの暮らす家で、数年前に姿を消した孫と勘違いされ、温かく迎え入れられることに。
    寝る場所さえままならなかった男は、そのまま居座ることに決め、寝たきりとなっている老女の夫の介護にもかいがいしく手を貸すのだが…『石榴の家』

    子供の頃から、姉である「史子」のものを何でも欲しがり、ライバル心をむき出しにする強欲な妹のせいで、何かと我慢を強いられてきた「史子」。
    だらしない妹の代わりに世話をすることになった愛犬の散歩の途中で、片方だけの手袋を拾った「史子」が、落とし主の元に戻るようにと、目につくところに置いておいたはずの手袋の場所は見るたびに移動して、それはだんだんと「史子」の家に近づいているようで…『手袋』

    他、平日の昼間、客の少ないハンバーガーショップで大声で交わされる、主婦二人のおぞましい会話…『キリコ』
    子供の頃に一時期棲んでいた家に戻ることになった男は、過去に封印したはずの本を再び開いてしまい…『とびだす絵本』の5つの「怖〜い話」から成る短編集。

    「平凡な主婦の当たり前な毎日。スカートをはいた、久美ちゃんが見えること以外は…。嫁と姑の重苦しい日常にちらつく、少女の影は何をもたらすのか。何気ない暮らしにひたひたと入りまじる怪異を描く、怪談文学の真髄5編。
    『ダ・ヴィンチ』『幽』主催第一回『幽』怪談文学賞 短編部門大賞受賞作」だ、そうで。


    「るんびに」とは何ぞや?と興味をそそられて読んでみたけど…。
    うーん、これはなかなか身の毛のよだつようなお話ばかりで、霊的なものの怖さもそうだけど、それよりも、普通の生活を営む「人間」の恐ろしさがひしひしと伝わってきて、地味〜にぞわぞわっときたかも。

    なかでも一番ぞぞぞっとなったのは『石榴の家』の老女。

    『手袋』の、主人公「史子」の妹への嫌悪感も、妹のだらしなさ、汚さの描写もなかなかで…、そして『キリコ』の話には唖然とさせられて、最初から読み返して「なるほど」と、納得させられたような。

    長編部門の大賞受賞作『夜は一緒に散歩しよ』同様、これからの季節にはちょうど良い本かも(この季節によくみかける稲川さんが話してくれたら、怖さ倍増かな…)。

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