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    『雨の恐竜』山田正紀

    雨の恐竜Amazonで購入livedoor BOOKS書評/児童
    ★★★★★
    「……結局、今回のことで大切なのは、いろんな人間の気持ちが動いた――そのことに尽きるんじゃないかって。だけど、誰もその気持ちの動きに忠実になれなかった。ほんとうの自分の気持ちを知るのはつらいことだから」
    「……」
    「それでみんなそのつらい気持ちを遠いどこかにいる恐竜に押しつけてしまったんじゃないか。そんなことを思うよ。かわいそうに。恐竜は無実なのに」

    遥か昔、中国大陸と陸続きであったことから、中生代の手長層群が眠るという福知県の、恐竜の発掘現場として有名な東谷渓谷の吊り橋の下で発見された、東谷中学校教諭、浅井の変死体。

    浅井が映画部の顧問であったことから、部長である斉藤ヒトミにもその訃報が入り、真っ先に東谷中学校に自転車を走らせたヒトミは、今は亡き浅井から、ある物を取り返すため、会議中で空っぽになった職員室に忍び込むことに。

    そして、その足ですぐに東谷渓谷に向かうものの、大嫌いだった顧問の浅井のために、何故自分が遺体発見現場へ向かうのか、わからぬままに自転車を走らせるヒトミ。

    そこでヒトミは、現場に居合わせた、叔父である警察官の田所から、吊り橋に残されていた足跡の、意外な犯人の名前を耳にする。

    幼い頃の記憶から、恐竜に対してなみなみならぬ思いを持ち続けるヒトミは、同じ記憶を共有するはずの、今は親交のない幼馴染たちとともに、浅井の死の真相に近づき、20年前の同様の事件にも巻き込まれることに…。

    「化石発掘現場で起きた残虐な殺人事件
    容疑者は……なんと恐竜!?
    少女と恐竜の不思議な交流 ファンタジック・ミステリー」だ、そうで。


    こどもの日にちなんで…(というわけでもないけど)講談社の「ミステリーランド」に対抗して?理論社から中高生向けに続々と刊行される「ミステリーYA!」の創刊第一弾のうちの一冊を(装丁の恐竜が可愛いから)読んでみた。

    大人向けではないのかもしれないし、大人が読むと、厳しい子供たちの視線にたじろいでしまうのかもだけど。

    ここに出てくる主要人物、幼馴染なのに、中学では適当な挨拶程度しか交わさないという三人の少女たち、遺産相続に絡む親族の争いを目の当たりにし、母親や姉を嫌い、自分の名前さえも受け入れられない、いつも不機嫌な「ヒトミ」も、恐竜の研究の為に将来はアメリカの大学に進みたい「サヤカ」も、母親と父親のためにオリンピックを目指し、がむしゃらに走り続ける影のある美少女「アユミ」も、それぞれに抱えているものが重くて、なのに大人がまるでダメで…、情けなくなってしまうというか。

    なので「ある種の子供にとって、生きのびるためには、サバイバルするためには、どうしても家を出る必要がある。そうしなければ――肉体が、ではなしに――精神が滅んでしまう。…」というのは、すごく良く分かるような。

    こんな大人たちばかりでは、子供に三行半つきつけられても仕方ないかなと思えてしまった。最後の方は、ちょっとぐっとくる本だったかも。

    でも、実際福井県が恐竜の発掘現場なのに、なんでわざわざ「福知県」になってるのかが、私にはとてもミステリなんだけど…(周囲の県名はそのままなのに)。

    このシリーズも、講談社のと同様に、これから刊行される作家さんのラインナップも超豪華で、来年の夏以降に刊行される坂木司さんの『山の学校』が、今から楽しみだったりする(随分と先の長い話のようだけど、大人にとってはあっという間かな…)。
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